Apple Cut Pro HDおよび放送形式について User Manual 6 HD および放送形式について FCP6 And Broadcast Formats J
User Manual: Apple Cut Pro Cut Pro 6 - HD および放送形式について
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- Final Cut Pro HD および放送形式について
- 目次
- HDおよび放送形式について
- HDV形式で作業する
- DVCPRO HD形式で作業する
- IMX形式で作業する
- 切り出しと転送ウインドウを使う
- Panasonic P2カードを使って作業する
- AVCHDを使って作業する
- AVC-Intraを使って作業する
- Sony XDCAM形式を使って作業する
- XDCAM、XDCAM HD、およびXDCAM EXについて
- 「Final Cut Pro」のXDCAM、XCAM HD、DCAM EXを使って作業する
- XDCAM、XDCAM HD、およびXDCAM EX形式の仕様
- REDCODE RAWを操作する
- Sonyビデオディスクユニットを使って作業する
![](asset-1.png)
Final Cut Pro 6
HD および
放送形式について
K
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「
Final
Cut
Studio」ソフト
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“
ASus
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![](asset-3.png)
3
1
目次
序章
9HD
および放送形式について
9
高精細度(
HD
)ビデオ形式の概要
11
AppleProRes422
コーデックについて
12
AppleIntermediateCodec
について
第
1
章
13 HDV
形式で作業する
13 HDV
について
14
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
HDV
形式
15
MPEG
圧縮について
17
「
Final
Cut
Pro
」で
HDV
を操作する
17
ネイティブ
HDV
編集のワークフロー
18
ネイティブ
HDV
編集の手順
19
HDV
デバイスをコンピュータに接続する
19
簡易セットアップを選択する
20
ネイティブ
HDV
ビデオを切り出す/取り込む
28
HDV
ビデオ素材を編集する
29
Long-GOPMPEG-2
メディアをレンダリングする/適合させる
30
「ビデオにプリント」コマンドを使って
HDV
を出力する
32
トランスコードした
HDV
編集のワークフロー
32
トランスコードした
HDV
編集の手順
32
HDV
デバイスをコンピュータに接続する
33
簡易セットアップを選択する
33
HDV
ビデオを取り込む/トランスコードする
35
トランスコードされた
HDV
素材を使ってビデオを編集する
35
HDV
をテープに出力する/
QuickTime
ムービーに書き出す
36
「
DVD
Studio
Pro
」用に
HDV
を書き出す
37 CanonXLH1HDV
ビデオカメラを使う
38 SonyHVR-V1HDV
ビデオカメラを使う
39 HDV
形式の仕様
第
2
章
43 DVCPRO
HD
形式で作業する
43 DVCPRO
HD
について
44
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
DVCPRO
HD
形式
![](asset-4.png)
4目次
45
DVCPRO
HD
のフレームレート
48
「
Final
Cut
Pro
」で
DVCPROHD
を操作する
48
DVCPRO
HD
デバイスをコンピュータに接続する
49
DVCPRO
HD
簡易セットアップを選択する
49
DVCPRO
HD
ビデオを切り出す/取り込む
51
DVCPRO
HD
ビデオ素材を編集する
52
DVCPRO
HD
シーケンスを出力する
53 DVCPROHD
フレームレートコンバータを使う
53
目的の再生速度を選択する
54
DVCPRO
HD
の可変フレームレート記録のしくみ
56
DVCPROHD
フレームレートコンバータについて
57
フレームレートコンバータのオプションについて
59
フレームレートコンバータを使う
59 24pDVCPRO
HD
を操作する
59
1080pA24DVCPRO
HD
ビデオを操作する
61
720p24DVCPRO
HD
ビデオを操作する
62 DVCPRO
HD
形式の仕様
第
3
章
67 IMX
形式で作業する
67 IMX
について
68
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
IMX
形式
68
MXF
とは
68
「
Final
Cut
Pro
」で
IMX
を操作する
69
IMX
ビデオ素材をコンピュータに転送する
69
MXF
ラッパーに格納された
IMX
メディアファイルをプロジェクトに読み込む
69
IMX
用の簡易セットアップを選択する
69
IMX
クリップをシーケンスに組み込む
69
IMXQuickTime
メディアファイルを書き出す
70 IMX
形式の仕様
第
4
章
73
切り出しと転送ウインドウを使う
74
ファイルベースのメディアについて
74
「切り出しと転送」ウインドウについて
76
ファイルベースのメディアの関連用語
78
ファイルベースのメディアを使用したワークフローの例
80
メディアデバイスをマウントする
80
ファイルベースのメディアの有効なフォルダ構造を持つフォルダを使う
80
ブラウズ領域を使う
81
ブラウズ領域のコントロール
83
ボリュームおよびフォルダをブラウズ領域に追加する
83
ブラウズ領域でクリップを選択する
84
記憶メディアから直接クリップを削除する
84
プレビュー領域を使う
![](asset-5.png)
目次5
85
プレビュー領域の走行制御コントロール
85
プレビュー時の制限事項
86
切り出し領域を使う
86
自動入力キャッシュの切り出し情報を使う
87
切り出しフィールドの増分
87
オーディオ/ビデオクリップの読み込み設定をする
88
転送キューを使う
88
取り込み用の転送キューにクリップを追加する
89
転送キューのクリップを整理する
89
取り込みを一時停止/中止する
89
取り込み中にファイル/クリップの名前を付ける
90
クリップのメディアを再度取り込む
91
スパンクリップを操作する
92
ブラウズ領域でスパンクリップを表示する
93
カードからファイルベースのメディアをアーカイブする
93
フォルダにアーカイブする
94
ディスクイメージにアーカイブする
95
「切り出しと転送」の「読み込み環境設定」を設定する
第
5
章
97 PanasonicP2
カードを使って作業する
97 PanasonicP2
カードおよびメディアファイルについて
98 PanasonicP2
カードと「
Final
Cut
Pro
」を操作する
98
P2
ビデオカメラでビデオを録画する
99
P2
カード/ディスクイメージ/フォルダをマウントする
102
「切り出しと転送」ウインドウで直接
P2
クリップを削除する
102
プレビュー時の制限事項
103
転送中にアドバンスドプルダウンと重複フレームを削除する
103
スパンクリップを操作する
104
「ビデオにプリント」を使って
AG-
HVX200
ビデオカメラの
P2
カードに出力する
105 VTR
テープと同じ方法で
FireWire
から
P2
カードを取り込む
107 PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラの互換性
109 PanasonicP2
カードのフォーマット仕様
第
6
章
111 AVCHD
を使って作業する
111 AVCHD
について
111
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
AVCHD
形式
112
「
Final
Cut
Pro
」で
AVCHD
を使って作業する
112
AVCHD
素材を転送する
112
AVCHD
を使って作業する際の制限
113
プレビュー時の制限事項
113
AVCHD
のコーデックを選択する
114 AVCHD
形式の仕様
![](asset-6.png)
6目次
第
7
章
117 AVC-Intra
を使って作業する
117 AVC-Intra
について
117
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
AVC-Intra
形式
118
「
Final
Cut
Pro
」で
AVC-Intra
を使って作業する
118
AVC-Intra
を使って作業する際の制限
118
プレビュー時の制限事項
118
AVC-Intra
の転送先コーデックを選択する
119 AVC-Intra
形式の仕様
第
8
章
121 So ny XDCAM
形式を使って作業する
121 XDCAM
、
XDCAM
HD
、および
XDCAM
EX
について
122
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
XDCAM
形式
122
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
XDCAMHD
形式
123
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
XDCAM
EX
形式
124
「
Final
Cut
Pro
」の
XDCAM
、
XCAM
HD
、
DCAM
EX
を使って作業する
124
SonyXDCAM
ソフトウェアをインストールする
125
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAMEX
デバイスをコンピュータに接続する
126
XDCAM
、
XDCAMHD
、または
XDCAM
EX
メディアを取り込む
126
簡易セットアップを選択して「
Final
Cut
Pro
」で
XDCAM
メディアを編集する
127
簡易セットアップを選択して
XDCAMHD
または
XDCAM
EX
メディアを「
Final
Cut
Pro
」で編
集する
127
XDCAM
HD
または
XDCAM
EX
メディアをレンダリングする/適合させる
127
シーケンスを
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAM
EX
メディアに書き出す
128 XDCAM
、
XDCAM
HD
、および
XDCAM
EX
形式の仕様
第
9
章
131 REDCODERAW
を操作する
131 REDCODERAW
について
132
REDONE
カメラについて
133
「
Final
Cut
Pro
」で
REDCODERAW
を操作する
134
ネイティブ
REDCODERAW
の編集ワークフロー(フィルム用)
135
REDCODERAW
メディアファイルをコンピュータに転送する
136
転送用に
REDFCPLogandTransferplug-in
を選択する
136
REDCODERAW
素材を切り出す/転送する
136
「
Color
」への出力用にビデオを編集する
136
「
Color
」に出力する
137
仕上げ用に
DPX
ファイルを出力する
137
トランスコード済み
REDCODERAW
データの編集ワークフロー(ビデオ用)
138
REDCODERAW
メディアファイルをコンピュータに転送する
139
トランスコード用に
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックを選択する
139
REDCODERAW
素材を切り出す/転送する
139
トランスコードされた
REDCODERAW
素材を使ってビデオを編集する
140
トランスコードした素材を「
Color
」でグレーディングする
140
テープに出力する/「
Compressor
」に書き出す
141 REDCODERAW
形式の仕様
![](asset-9.png)
9
序章
HD
および放送形式について
放送用のビデオ形式は、毎年のように新しいものが導入されていま
す。
「
Final
Cut
Pro」をポストプロダクションのワークフローの中心
に据えることで、最新の放送および高精細度(
HD)ビデオ形式との
互換環境を構築できます。
この章では以下について記載します:
Â
高精細度(
HD
)ビデオ形式の概要(
9
ページ)
Â
AppleProRes422
コーデックについて(
11
ページ)
Â
AppleIntermediateCodec
について(
12
ページ)
高精細度(
HD)ビデオ形式の概要
デジタル高精細度(
HD
)形式は、垂直方向の解像度(ラインの本数)、スキャン方式(ンター
レースとプログレッシブ)、フレームレートおよびフィールドレートによって定義されます。 た
とえば、
1080i60
形式は、フレームあたり
1080
本の走査線があり、インターレース・スキャン
を使用し(iがこのことを示します)、
1
秒間に
59.94
フィールドをスキャンします。
HD
フレー
ムレートは、
NTSC
、
PAL
、またはフィルムと互換性があります。
参考:
HD
形式と比較するために、現在は標準精細度(
SD
)ビデオ形式も同様の項目を使って定
義されています。
たとえば、
480i60
は、走査線
480
本、インターレース・スキャン、
1
秒あたり
59.94
フィールドの形式です(
NTSC
)。
![](asset-a.png)
10 序章
HD および放送形式について
次の表は、現在一般に使用されている
HD
形式です。
NTSC
互換の
HD
形式
PAL
互換の
HD
形式
フィルム互換の
HD
形式
形式 説明
1080i60 高解像度のフレームを使用し、高速の動きを取り込むことができ、インター
レースのために縦方向の解像度が低い。
NTSC へのダウンコンバートが容易。
1080p30 高解像度のフレームを使用する。
動きのある領域において、インタ ーレース方式の形式よりも 動きの滑らか
さは劣るが、解像度が高い。
720p60 速い動きを明瞭に取り込む。
ただし、静止画フレームの解像度は、走査線数
1080 本の静止画フレームよりも低い。
スポーツのビデオ撮影や商業テレビに最適。
NTSC へのダウンコンバートが容易。
720p30 720p60 のフレームレートを下げた形式。
形式 説明
1080i50 高解像度のフレームを使用し、高速の動きを取り込むことができ、インター
レースのために縦方向の解像度が低い。
PAL へのダウンコンバートが容易。
1080p25 高解像度のフレームを使用する。
動きのある領域において、インタ ーレース方式の形式よりも 動きの滑らか
さは劣るが、解像度が高い。
720p50 速い動きを明瞭に取り込む。
ただし、静止画フレームの解像度は、走査線数
1080 本の静止画フレームよりも低い。
スポーツのビデオ撮影や商業テレビに最適。
PAL へのダウンコンバートが容易。
720p25 720p50 のデータレートを下げた形式。
フィルム転送や
PAL へのダウンコンバートのために24
fps まで下げること
ができる。
形式 長所
1080p24 解像度、スキャン方式、フレーム レート、およびアスペクト 比がフィルム
に最も近い。
720p24 1080p24 と同じだが、解像度が低い。
「ビデオに転送されたフィルム」に見せるのに最適。
![](asset-b.png)
序章
HD および放送形式について11
AppleProRes422 コーデックについて
AppleProRes422
コーデックは、要求の厳しいポストプロダクションのワークフロー用に設計
された、高品質の
10
ビット
4:2:2
ビデオコーデックです。
SD
と
HD
の両方の解像度がサポート
されており、「標準」と「高」の
2
段階の品質レベルがあります。
標準フレームレート(
23.98
、
25
、
29.97
、
50
、および
59.94fps
)はすべて使用できます。
標準品質の形式は Apple ProRes 422
と呼ばれ、高品質形式は Apple ProRes 422(HQ)と呼ばれます。
以下の
AppleProRes422
コーデックは、高品質形式と標準品質形式の両方が用意されています。
AppleProRes422
コーデックでは、可変ビットレート(
VBR
)エンコードが使用されます。
実際
のビットレートは、サイズ、フレームレート、イメージの複雑さ、および使用している品質に依
存します。
以下の表は、ビットレートの例を示しています。
形式 フレームサイズ フレームレート スキャン方式
1080i 14 40 ×1080
1920 ×1080
25、
29.97、および30
fps インターレース
1080p 14 40 ×1080
1920 ×1080
23.98、
24、
25、
29.97、
および30
fps
プログレッシブ
720p 12 8 0 ×720
960 ×720
23.98、
24、
25、
29.97、
30、
50、
59.94、および60
fps
プログレッシブ
486i(
NTSC)
486p
720 ×486 29.97fps インターレース
プログレッシブ
576i(
PAL)
576p
720 ×576 25fps インターレース
プログレッシブ
形式 フレームサイズ
使用可能なビットレート
(高品質)
使用可能なビットレート
(標準品質)
1080i60、
1080p30
720p60
1920 ×1080
128 0 ×720
220
1
Mbps 147
2
Mbps
1080p24 1920 ×1080 17 6 Mbps 117Mbps
720p50 128 0 ×720 184Mbps 122Mbps
720p30 128 0 ×720 110 Mbps 73Mbps
720p24 128 0 ×720 88Mbps 58Mbps
486i60
486p30
720 ×486 63Mbps 42Mbps
576i50
576p25
720 ×576 61Mbps 41Mbps
1使用可能な最大データレートは247.5
Mbps です。
2使用可能な最大データレートは165
Mbps です。
![](asset-c.png)
12 序章
HD および放送形式について
AppleProRes422
コーデックには、次のような利点があります:
Â
未圧縮の
8
ビットおよび
10
ビットコーデックと比べるとストレージコストが低くなります。
Â
SDI
または
HD-SDI
入力を持つ他社製のビデオインターフェイスを使用する取り込みに使用で
きます。
Â
「
Final
Cut
Pro
」で本来サポートされていない形式をトランスコードするために使用できます。
Â
Long-GOPMPEG-2
形式(
HDV
や
XDCAM
HD
など)のレンダリングに使用すると、出力前の
MPEG-2
再エンコードによるアーチファクトを避けることができます。
Â
高精度
YUV
レンダリング用のシーケンス設定が行われているビデオ処理で、 プレビュー上映
(費用のかかるフィルム転送を避けられる)やカラーグレーディングに使用できます。
Â
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックは、ハイエンドのマスタリング形式への出力や、制作予
算が限られているときのフィルム出力にも使用できます。
AppleIntermediateCodec について
AppleIntermediateCodec
は、高品質の
8
ビット
4:2:0
ビデオコーデックで、主に
HDV
などの
Long-GOPMPEG-2
映像を扱うときにプロセッサの負荷を抑える目的で使用されます。
AppleProRes422 コーデックは、
8ビットおよび10 ビットのソースファイ
ルで操作する
AppleProRes422
コーデックは、オリジナルのソースファイルのビット深度を常に保持しま
す。
このように、
AppleProRes422
コーデックを使ってファイルを読み込む際には、
8
ビット
と
10
ビットのどちらであるかを最初に判断する必要がありません。どちらのビット深度でも
自動的に処理できます。
形式 フレームサイズ フレームレート スキャン方式
720p 12 8 0 ×720 29.97fps プログレッシブ
1080i 14 40 ×1080 25 および29.97
fps インターレース
1080p 14 40 ×1080 23.98、
25、および
29.97
fps プログレッシブ
![](asset-d.png)
1
13
1
HDV
形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」は、ネイティブHDV メディアの取り込み、編集、お
よび出力をサポートしています。
DV ビデオ編集の経験があれば、
HDV への移行は簡単です。
この章では以下について記載します:
Â
HDV
について(
13
ページ)
Â
ネイティブ
HDV
編集のワークフロー(
17
ページ)
Â
トランスコードした
HDV
編集のワークフロー(
32
ページ)
Â
CanonXLH1HDV
ビデオカメラを使う(
37
ページ)
Â
SonyHVR-V1HDV
ビデオカメラを使う(
38
ページ)
Â
HDV
形式の仕様(
39
ページ)
HDV について
HDV
は、
Sony
社、
Canon
社、
Sharp
社、
JVC
社などのメーカーからなるコンソーシアムによっ
て策定された
HD
形式です。
HDV
を使った場合、市販のポータブルビデオカメラで、標準の
mini-
DV
ビデオカセットを使用して
1
時間分の
HD
ビデオを録画できます。
HDV
ビデオカメラを
FireWire
経由でコンピュータに接続すると、
DV
デバイスを使用する場合と同じように、ビデオ
の取り込みや出力が可能です。
HDV
では
MPEG-2
圧縮が使用されており、最大
25Mbps
のデータレート(
DV
で使用されてい
るのと同じ)でビデオを録画できます。
つまり、
DV
と同じ容量のビデオを取り込み先ディスク
に格納できます。
HDV
を使った作業は、一般的な
DV
のワークフローとほぼ同じですが、いくつか追加の手順が必
要になります。
この章では、「
Final
Cut
Pro
」固有の機能を使用して、ネイティブ形式の
HDV
ビ
デオを取り込み、編集し、出力する方法を説明します。
ProHD とは?
ProHD
は
JVC720pHDV
の拡張形式で、
24
fps
ビデオ、業務用タイムコードオプション、最
大
4
つのオーディオチャンネルがサポートされます。
![](asset-e.png)
14 第1章
HDV 形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるHDV 形式
HDV
で定義されている形式には、走査線数
1080
本のものと
720
本のものがあり、使用できる
フレームレートがいくつか定められています。
「
Final
Cut
Pro
」は以下の
HDV
形式をサポート
しています。
59.94
fps
の形式
25
fps
の形式
形式
「
Final
Cut
Pro」の
簡易セットアップ フレームサイズ ビデオデータレート
1080i60 HDV-1080i60 1440 ×1080 25Mbps
1080i60(
Canon 社)HDV-1080i60
FireWireBasic
1440 ×1080 25Mbps
1080F30(
Canon 社)HDV-1080p30
FireWireBasic
1440 ×1080 25Mbps
1080F24(
Canon 社)HDV-1080p24
FireWireBasic
1440 ×1080 25Mbps
720p60 HDV-720p60 128 0 ×720 18.3Mbps
720p30 HDV-720p30 128 0 ×720 18.3Mbps
720p24 HDV-720p24 128 0 ×720 18.3Mbps
形式
「
Final
Cut
Pro」の
簡易セットアップ フレームサイズ ビデオデータレート
1080i50 HDV-1080i50 1440 ×1080 25Mbps
1080i50(
Canon 社)HDV-1080i50
FireWireBasic
1440 ×1080 25Mbps
1080F25(
Canon 社)HDV-1080p25
FireWireBasic
1440 ×1080 25Mbps
720p50 HDV-720p50 128 0 ×720 18.3Mbps
720p25 HDV-720p25 12 8 0 ×720 18.3Mbps
![](asset-f.png)
第1章
HDV 形式で作業する15
MPEG 圧縮について
HD
ビデオに必要なデータ量は、
SD
ビデオよりも大幅に増えます。
HD
ビデオの
1
フレームは、
SD
ビデオのフレームよりも最大で
6
倍のデータが必要になります。
このようにサイズが大きい
イメージを低いデータレートで録画するために、
HDV
では
Long-GOPMPEG
圧縮方式が採用さ
れています。
MPEG
圧縮では、フレームごとの冗長な画像情報と、複数フレーム間の冗長な画像
情報の両方が削除されて、データレートが低減されます。
参考:
HDV
は具体的には
MPEG-2
圧縮を採用していますが、以下で説明する
Long-GOP
および
I
フレームのみの圧縮の概念は
MPEG
標準のすべてのバージョン、つまり
MPEG-1
、
MPEG-2
、
MPEG-4
(
AVC/H.264
を含む)に適用されます。
これらの形式のいずれかを指すものとして、こ
こでは包括的に MPEG と呼びます。
空間的(フレーム内)圧縮
1
つのフレームの中で、色やテクスチャが似ている領域のコーディングをオリジナルよりも少な
いビット数で処理するので、画像品質の低下を最低限にとどめながら、データレートを低減しま
す。
JPEG
圧縮における静止画の圧縮も、これと同じ手法がとられます。
フレーム内圧縮を行うこ
とで、I フレーム(Intraframe(フレーム内)の略)と呼ばれる単独のビデオフレームが作成さ
れます。
時間的(フレーム間)圧縮
時間的圧縮方式では、完全なフレームを保存する代わりに、フレーム間で変更された部分だけを
保存することにより、保存するデータ量を大幅に減らしながら、高品質の画像を得ることができ
ます。
ビデオは、
3
種類のフレームに保存されます。
I
フレームには完全なイメージが保存され、
イメージ内の後続の部分的な変更が P フレーム(予測フレーム)とB フレーム(双方向予測フ
レーム)に収められます。
約
0.5
秒ごとに次の
I
フレームが読み込まれ、この完全なイメージを
基に以降の
P
フレームと
B
フレームが表示されます。
I
、
P
、および
B
フレームは、まとめてグ
ループオブピクチャ(GOP)と呼ばれます。
HDV
では、
Long-GOP
パターンが使用されます。
このパターンでは、各
I
フレームに対して少なくとも
1
つの
P
フレームまたは
B
フレームが存在
します。
HDV ビデオカメラを使用した標準精細度(
SD)録画
多くの
HDV
ビデオカメラは、
HD
ビデオだけでなく
SDDV
ビデオの録画にも対応しています。
この形式の
DV
ビデオも、ほかの
DV
ビデオと同様に取り込み、編集、および出力が可能です。
重要:
DV
ビデオと
HDV
ビデオを同じテープに録画することは避けてください。
(また、同じ
テープ上にフレームサイズとフレームレートが異なる
HDV
素材を録画することも避けてくだ
さい。)
両形式が混在すると、取り込みおよび再生時に問題が発生する場合があります。
HDV
仕様の中で追加形式として定義されている SD は、一部の
JVC
社製ビデオカメラで使用
できます。
「
Final
Cut
Pro
」では、この形式はサポートされません。
![](asset-10.png)
16 第1章
HDV 形式で作業する
たとえば、インタビューなどに見られる「上半身のみの人物」を録画する場合、座った人物の動
きはショット全体を通じてわずかです。
人物はほとんど静止した状態なので、画像情報は大部分
が
I
フレームに保存され、後続の
P
フレームと
B
フレームには、フレーム間での変更部分だけが
保存されます。
P
フレームと
B
フレームは、有効なイメージの作成にほかのフレームが必要なため、
HDV
フレー
ムのデコードと表示に必要なコンピュータの処理能力には、
I
フレームのみの形式(
DV
、圧縮ビ
デオ、または
AppleIntermediateCodec
など)を表示する場合よりも高い性能が要求されます。
Long-GOP ビデオについて
「Long」は、
I
フレームと
I
フレームの間で
P
フレームと
B
フレームが使用されることを意味
します。
Long-GOPMPEG
とは対照的な「
I
フレームのみの
MPEG
」では、
I
フレームのみが使
用されます。
IMX
などの形式では、
I
フレームのみの
MPEG
が使用され、一時的な生成物を減
らして、編集時のパフォーマンスを高めています。
ただし、
I
フレームのみの形式では、完全に
独立再生できるよう各フレームに十分な量のデータを含める必要があることから、データレー
トは大幅に増します。
このため、デコードに要するコンピュータリソースは少なくて済みます
が、取り込み先ディスクの速度と容量に対する要求が高くなります。
走査線数
1080
本の
HDV
メディアでは、Open GOP 構造が使用されます。
OpenGOP
では、
MPEG
ストリーム中の
B
フレームが、直前の
GOP
のフレームに依存することがあります。
走
査線数
720
本の
HDV
メディアでは、Closed GOP 構造が使用されます。
ClosedGOP
では、
各
GOP
は自己完結していて、
GOP
の外部のフレームには依存しません。
HDV をほかのApple コーデックにトランスコードする
ネイティブの
MPEG-2HDV
ビデオを使って作業する代わりに、取り込み時に
HDV
ビデオを
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックにトランスコードできます。
これらのコーデックの詳細については、
12
ページの「
AppleIntermediateCodec
について」
および
11
ページの「
AppleProRes422
コーデックについて」を参照してください。
MPEG-2HDV
とは異なり、これらの
Apple
コーデックでは時間的圧縮が行われないため、どの
フレームも即座にデコードされて表示されます。ほかのフレームが先にデコードされるという
ことはありません。
ネイティブ
HDV
で取り込んで編集した素材を、
Apple
ProRes422
コーデックでレンダリング
することも可能です。
詳細については、
29
ページの「
HDV
のレンダリング」を参照してくだ
さい。
![](asset-11.png)
第1章
HDV 形式で作業する17
「
Final
Cut
Pro」でHDV を操作する
これまでに
DV
を操作したことがあれば、
HDV
の作業も同様に行うことができます。
ただし、
MPEG-2Long-GOP
編集の性質上、ネイティブ
HDV
を編集するときはレンダリングに長時間か
かります。
これを避けるには、別のワークフローで
HDV
を編集することを検討してください。
「
Final
Cut
Pro
」で
HDV
ビデオを扱うときのワークフローには、次の
3
つがあります:
Â
ネイティブ MPEG-2 HDV で取り込み、編集、レンダリングを行う: 詳細については、
17
ペー
ジの「ネイティブ
HDV
編集のワークフロー」を参照してください。
Â
ほかのコーデックを使ってトランスコード、編集、レンダリングを行う: 詳細については、
32
ページの「トランスコードした
HDV
編集のワークフロー」を参照してください。
Â
ネイティブ MPEG-2 HDVで取り込みと編集を行い、Apple ProRes 422コーデックでレンダ
リングを行う: 詳細については、
29
ページの「
HDV
のレンダリング」を参照してください。
ネイティブHDV 編集のワークフロー
この方法では、操作全般にわたってオリジナルの
MPEG-2HDV
データを使用して、取り込み、
編集、および出力を行います。
この方式はネイティブ編集と呼ばれ、「
Final
Cut
Pro
」では
HDV
テープから取り込んだ
MPEG-2
データを直接操作します。
HDV
のネイティブ再生は、
1
つのフ
レームを表示するのにビデオストリームの前後の複数フレームのデコードを要することがある
ため、プロセッサの負荷が大きくなります。
このため、この方式で編集する場合は、再生できる
リアルタイムのエフェクトの数が少なくなることがあります。
ただし、
HDV
のネイティブ編集に
は、多くの利点があります:
Â
HDV
のネイティブ編集に必要なディスクスペースは少なく済みます。
これは、
Long-GOPMPEG-2HDV
ビデオのデータレートが非常に低いためです。
Â
テープへの
HDV
の出力では、すでにビデオがネイティブ
HDV
形式であることから、出力前の処
理がわずかで済みます。
適切な
HDVGOP
パターンを作成するために再度エンコードする(適
合させる)必要があるのは、シーケンスのセグメントのうち、カットやエフェクトが含まれて
いるものだけです。
このワークフローは、カットのみの編集項目をテープにすばやく出力する場合や、ほかの
MPEG
形式に書き出す場合に便利な方式です。
![](asset-12.png)
18 第1章
HDV 形式で作業する
ネイティブHDV 編集の手順
「
Final
Cut
Pro
」で
HDV
の取り込み、編集、および出力を行う手順は、
DV
を扱う場合のワーク
フローとほぼ同じですが、いくつかの重要な相違点があります。
以下の手順では、
HDV
と
DV
の
ワークフローの違いを取り上げます。
手順
1
:
HDV
ビデオカメラを
FireWire
経由でコンピュータに接続する
この手順は、
FireWire
を使用して
DV
デバイスを接続する手順とほぼ同じです。
手順
2
:
HDV
用の簡易セットアップを選択する
使用する
HDV
形式に対応した
HDV
簡易セットアップを選択します。
手順
3
:ビデオを切り出して、取り込み先ディスクに取り込む
この手順は、
DV
やほかのビデオ形式の切り出しおよび取り込みとほぼ同じです。
異なる点には、
以下があります:
Â
HDV
の取り込みでは、「切り出しと取り込み」ウインドウの一部のオプションとコントロール
が異なります。
たとえば、ウインドウのサイズをリアルタイムで変更することができます。
Â
HDV
を取り込む際に、シーンの検出が常に有効になります。
シーンの途切れがテープ上のデー
タに組み込まれ、ビデオカメラを停止および再開した個所が示されます。
「
Final
Cut
Pro
」で
取り込む
HDV
ビデオ素材にシーンの途切れが検出されると、新しいメディアファイルとこれ
に対応するクリップが作成されます。
手順
4
:
HDV
クリップをシーケンスに組み込み、エフェクトを追加する
HDV
の編集は、「
Final
Cut
Pro
」でほかの形式を編集する場合と同様に行うことができます。
た
だし、
FireWire
接続された外部
HDV
デバイスでネイティブ
MPEG-2HDV
ビデオを再生するこ
とはできません。
HDV
ビデオを再生するには、
DVFireWire
、他社製のビデオインターフェイス、
または
DigitalCinemaDesktop
のプレビューオプションを使用してください。
重要:
FireWire
接続された
HDV
デバイスに
HDV
ビデオを出力できるのは、「ビデオにプリント」
コマンドを使用した場合だけです。
手順
5
:
HDV
を出力してテープに戻す/
QuickTime
ムービーに書き出す
HDV
のシーケンスを出力する/書き出す前に、「
Final
Cut
Pro
」では、互換性のない
GOP
を適
切な
I
、
P
、および
B
フレームのパターンに適合させる必要があります。
この適合処理は、
HDV
デ
バイスで再生可能な
MPEG-2
データストリームを作成する上で、欠かせない手順です。
重要:適合とレンダリングは同じではありません。
レンダリングとは、表示されるデータをフレー
ムごとに計算する処理ですが、適合は、シーケンスを出力する前に
GOP
構造が適切であること
を保証するための処理です。
テープへの
HDV
ビデオの出力は、「ビデオにプリント」コマンドを使用してのみ行うことができ
ます。
「テープに編集」コマンドは、
HDV
メディアには対応していません。
![](asset-13.png)
第1章
HDV 形式で作業する19
HDV デバイスをコンピュータに接続する
テープに
HDV
ビデオ素材を録画したら、ビデオカメラまたは
VTR
をコンピュータに接続して、
取り込みを行います。
HDV
ビデオカメラまたは
VTR
をコンピュータに接続するには:
1
VTR
またはビデオカメラの電源を入れ、
VCR
(または
VTR
)モードにします。
参考:一部のビデオカメラでは、このモードは「再生」と呼ばれていることがあります。
2
FireWire
ケーブルのコネクタを、ビデオカメラの
FireWire
ポートに接続します。
3
FireWire
ケーブルのコネクタを、お使いのコンピュータの
FireWire400
ポートに接続します。
4
ビデオカメラが、
DV
モードではなく、
HDV
モードであることを確認してください。
詳細については、
HDV
デバイスのマニュアルを参照してください。
簡易セットアップを選択する
「
Final
Cut
Pro
」では、ネイティブ
HDV
に対するさまざまな簡易セットアップが用意されていま
す。
必ず、使用するビデオに対応した簡易セットアップを選択してください。
簡易セットアップを選択するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「簡易セットアップ」を選択します。
2
「形式」ポップアップメニューから「
HDV
」を選択します。
3
「レート」ポップアップメニューから「(すべてのレート)」を選択します。
4
「用途」ポップアップメニューをクリックし、「形式」ポップアップメニューで選択した設定に関
連するすべての簡易セットアップを表示します。
「レート」ポップアップメニューで、特定のフレームレートを選択することで表示される簡易セッ
トアップを絞り込むことができます。
FireWire
HDV
ビデオカメラ
(
VTR
モード)
コンピュータ
6
ピンコネクタを
コンピュータへ接続
4
ピンコネクタを
ビデオカメラへ接続
H?
![](asset-14.png)
20 第1章
HDV 形式で作業する
5
「用途」ポップアップメニューから簡易セットアップを選択します。
重要:使用する
HDV
ソーステープの形式に合った簡易セットアップを選択してください。
6
「セットアップ」をクリックします。
対応する「取り込みプリセット」、「シーケンスのプリセット」、「デバイスコントロール・プリ
セット」、および「
A/V
装置」の設定がロードされます。
ネイティブHDV ビデオを切り出す/取り込む
ビデオカメラを接続して、適切な簡易セットアップを選択したら、ビデオ素材を切り出して取り
込むことができます。
ネイティブ
HDV
の簡易セットアップを選択すると、
HDV
用に設定された
「切り出しと取り込み」ウインドウが表示されます。
切り出しと取り込みについての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の以下の章を
参照してください:
Â
Volume
1
の第
15
章「切り出しと取り込みの概要」
Â
Volume
1
の第
16
章「クリップを切り出す」
Â
Volume
1
の第
17
章「素材をディスクに取り込む」
「切り出しと取り込み」ウインドウを開くには:
m
「ファイル」メニューから「切り出しと取り込み」を選びます(または、コマンドキーを押した
まま
8
キーを押します)。
「切り出しと取り込み」ウインドウが表示されます。
「切り出しと取り込み」ウインドウについて
「切り出しと取り込み」ウインドウでは、ビデオ素材の表示、イン点/アウト点の設定、注釈の
入力、取り込むトラックの選択、クリップの作成、およびメディアファイルの取り込みを行うこ
とができます。
切り出しと取り込みボタンプレビュー領域
「切り出し」タブ、「クリップの設定」タブ、
および「取り込み設定」タブ
サイズ変更コントロール
![](asset-15.png)
第1章
HDV 形式で作業する21
「切り出しと取り込み」ウインドウは以下の領域に分かれています:
Â
プレビュー領域: 左側には、クリップの切り出し中にビデオが表示される領域があります。
こ
の領域には、走行制御コントロール、マーキング用コントロール、およびタイムコードフィー
ルドが含まれています。
デバイスコントロールが無効なときは、走行制御コントロールは表示
されません。
Â
タブ: 右側には、「切り出し」タブ、「クリップの設定」タブ、および「取り込み設定」タブが
あります。
Â
切り出しと取り込みボタン: クリップの切り出し、またはメディアの取り込みの準備ができた
ら、これらのいずれかのボタンをクリックします。
右下隅のサイズ変更コントロールを使用すると、「切り出しと取り込み」ウインドウのサイズを調
整できます。
このオプションは、
HDV
用の簡易セットアップを選択した場合のみ使用できます。
プレビュー領域
クリップを切り出している間および取り込んでいる間、「切り出しと取り込み」ウインドウのこ
の部分にはテープからのビデオが表示されます。
ビデオのプレビュー領域は、ビデオカメラや
デッキの電源を入れて、デバイスでテープを再生するまで黒い表示のままです。
ビデオカメラま
たはデッキの電源がオンになっていて、正しく接続されており、デバイスコントロールが使用可
能になっていれば、以下のコントロールが表示されます。
重要:
PCI
グラフィックカードがインストールされたコンピュータで
HDV
素材の切り出しまたは
取り込みを行う場合、「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと取り込み」ウインドウではビデオやオー
ディオをプレビューできません。
このウインドウでも切り出しと取り込みは可能ですが、ビデオ
のプレビューには
HDV
ビデオカメラのディスプレイを使用する必要があります。
クリップのイン点
タイムコードフィールド
再生ヘッドの
位置フィールド
クリップのアウト点
タイムコードフィールド
継続時間フィールド
ビデオプレビュー領域
装置の状況
シャトルコントロール
利用可能な
容量と時間
走行制御
コントロール
![](asset-16.png)
22 第1章
HDV 形式で作業する
ビデオのプレビュー領域
Â
利用可能な容量と時間: 「
Final
Cut
Pro
」で現在取り込み先ディスクに割り当てられているす
べてのディスクの空き容量が表示されます。
Â
装置の状況: コンピュータに接続され、「
Final
Cut
Pro
」によって制御されるビデオカメラお
よびデッキの準備状況が表示されます。
「
VTROK
」と表示されていれば、装置は接続されて
おり、正常に動作しています。
Â
継続時間フィールド: 現在のテープのイン点とアウト点の間の継続時間をタイムコードで表
示します。
このフィールドに継続時間を入力すると、アウト点が調節されます。
Â
再生ヘッドの位置フィールド: ソーステープの現在のフレームのタイムコード値が表示され
ます。
このフィールドにタイムコード値を入力して、テープ上のそのタイムコードの位置に移
動することもできます。
∏
ヒント: ネイティブ
HDV
の簡易セットアップを選択して「切り出しと取り込み」ウインドウを
使用する場合、切り出しと取り込みに使用するタイムコードフィールド間でタイムコード値を
ドラッグできます。
Option
キーを押したまま、フィールド間でタイムコード値をドラッグして
移動します。
ウインドウ間でタイムコード値をドラッグすることはできません。
走行制御コントロール
デバイスコントロールがある場合は、これらのコントロールを使ってビデオカメラまたはデッキ
を制御します。
これらのコントロールは、メディアファイルではなくビデオテープの再生を制御
するという点を除いては、「ビューア」および「キャンバス」のコントロールと似ています。
再生停止
現在のフレームの周辺を
再生
イン点からアウト点まで
再生
巻き戻し 早送り
![](asset-17.png)
第1章
HDV 形式で作業する23
シャトルコントロール
「ビューア」および「キャンバス」と同様に、シャトルコントロールにより、テープをナビゲー
トすることもできます。
「切り出しと取り込み」ウインドウでは、「ビューア」および「キャンバス」と同様に、
J
、
K
、お
よび
L
キーを使用して、再生およびシャトル操作を行うことができます。
再生時の
J
、
K
、および
L
キーの使用方法については、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
1
の第
6
章
「ビューアの基本」を参照してください。
参考:テープ再生は、ハードディスク上のメディアファイル再生ほど効率的ではありません。適
切なフレームを頭出ししたり、再生方向を変更したりするときに、テープでは数秒かかります。
ビデオカメラの
LCD
画面に表示されるビデオフレームやタイムコードは、ビデオのプレビュー
領域に表示されるフレームと異なる場合があります。
これは、「
Final
Cut
Pro
」が
MPEG-2HDV
のデコードをリアルタイムで行うことによるものです。
マーキング用コントロール
これらを使用して、テープ上のクリップにイン点とアウト点を設定します。
Â
イン点をマーク: クリックして(または
I
キーを押して)、テープ上のクリップのイン点を設定
します。
Â
クリップのイン点タイムコードフィールド: 現在設定されているイン点のタイムコード値が
表示されます。
Â
イン点へ移動: 接続されている
VTR
で、現在設定されているイン点に頭出しをします。
Â
アウト点をマーク: クリックして(または
O
キーを押して)、テープ上のクリップのアウト点
を設定します。
Â
クリップのアウト点のタイムコードフィールド: 現在設定されているアウト点のタイムコード
値が表示されます。
Â
アウト点へ移動: 接続されているビデオカメラまたは
VTR
で、現在設定されているアウト点に
頭出しをします。
シャトルコントロール
イン点をマーク
クリップのアウト点
タイムコードフィールド
アウト点へ移動イン点へ移動
アウト点をマーク
クリップのイン点
タイムコードフィールド
![](asset-18.png)
24 第1章
HDV 形式で作業する
「切り出しと取り込み」ウインドウのタブ
「切り出しと取り込み」ウインドウには、
HDV
ビデオの切り出しおよび取り込みに使用するため
のいくつかのタブがあります。
「切り出し」タブ
このタブでは、切り出す各クリップに、リール名、シーン/テイク番号、注釈、マーカーなどの
説明を追加します。
これらの情報の多くは、後に「ブラウザ」で追加することもできます。
「クリップの設定」タブ
このタブを使用して、テープから取り込むビデオトラックおよびオーディオトラックを選択しま
す。
ビデオのみ、オーディオのみ、ビデオとオーディオの両方のうちどれを取り込むかを選択で
きます。
取り込むオーディオのチャンネルも指定することができます。
新規ビンボタン「切り出しビン」ボタン
には、現在選択している
切り出しビンの名前が
表示されます。
切り出し用のフィールド
マーカーコントロール
個々のオーディオ
チャンネルメーター
このオプションを選択して、
ビデオ取り込みを
有効にします。
このオプションを選択して、
オーディオ取り込みを
有効にします。
ステレオ/モノラルの
切り替えコントロール
オーディオチャンネルの
取り込みコントロール
![](asset-19.png)
第1章
HDV 形式で作業する25
HDV
の簡易セットアップを選択した場合、取り込みに使用できるオーディオチャンネルは
2
つ
だけです。
一方のオーディオチャンネルを取り込むのか、両方のオーディオチャンネルを
2
つの
独立したモノトラック、または単一のステレオペアとして取り込むかのを選択できます。
「取り込み設定」タブ
このタブを使用して、取り込みに使用する取り込み先ディスクを指定します。
取り込み先ディス
クを指定するには、このほかに「
Final
Cut
Pro
」>「システム設定」と選択して、「取り込み先
ディスク」タブをクリックするという方法もあります。
切り出しと取り込みボタン
切り出しと取り込みの際に、以下の切り出しと取り込みボタンを使用します。
Â
切り出しクリップ: 現在の切り出し情報とクリップ設定を使用して、クリップを
1
つ切り出し
ます。
Â
クリップ: 現在の切り出し情報、クリップ設定、取り込み設定に基づき、単一のクリップの切
り出しおよび取り込みを行います。
Â
今すぐ: ディスク上のメディアファイルに現在のビデオおよびオーディオ入力を取り込みま
す。取り込みは、
Esc
キーを押すまで続けられます。
イン点またはアウト点は不要です。
この
ボタンを使用すると、テープ全体を一度に取り込むことができます。
シーンの途切れが検出さ
れると、新しいメディアファイルとこれに対応するクリップが自動的に作成されます。
Â
バッチ: 「ブラウザ」内で選択したクリップ、または現在割り当てられている切り出し用ビン
内のクリップを取り込みます。
ここをクリックして、
「取り込み先ディスク」
タブを開きます。
現在の取り込み先ディスクの
空き容量と「今取り込む」の
設定がここに表示されます。
![](asset-1a.png)
26 第1章
HDV 形式で作業する
開始/停止インジケータを使用して素材を取り込む
HDV
素材の取り込みでは、開始/停止インジケータやタイムコードの途切れを検出した場合の
メディアファイルの作成方法を指定することができます。
この場合の動作は、
DV
ビデオを処理
する場合と若干異なります:
Â
DV を取り込む場合: クリップを選択して「マーク」>「
DV
開始/停止の検出」と選択する
と、取り込み後に開始/停止インジケータを検出することができます。
Â
HDV を取り込む場合: 開始/停止インジケータにより、メディアファイルを個々に作成するか
どうかを制御できます。これには、「切り出しと取り込み」ウインドウの「クリップの設定」タ
ブで、「開始/停止位置に新規クリップを作成」チェックボックスを選択または選択解除します。
「ユーザ環境設定」ウインドウの「一般」タブにある「タイムコードの途切れで」ポップアッ
プメニューのオプションで、取り込みの際のタイムコードの途切れの処理方法を指定します。
ただし、
MPEG-2GOP
の途中に途切れがあるメディアファイルを取り込むことがないよう、
「取り込み後に警告」オプションは無視されます。
「
Final
Cut
Pro
」で
HDV
素材を取り込む際の開始/停止検出の扱いを選択するには:
1
まだ初期設定を選択していない場合は、「
Final
Cut
Pro
」>「簡易セットアップ」と選択し、「形
式」ポップアップメニューから「
HDV
」を選択してから、「用途」ポップアップメニューで簡易
セットアップを選択します。
2
「ファイル」>「切り出しと取り込み」と選択するか、コマンド+
8
キーを押して、「クリップの
設定」をクリックします。
3
「開始/停止位置に新規クリップを作成」チェックボックスを選択または選択解除して、開始/
停止の検出を有効または無効にします:
Â
開始/停止の検出が有効: チェックボックスを選択した場合、「
Final
Cut
Pro
」で取り込まれ
る
HDV
ストリームに開始/停止インジケータが検出されるごとに、新しいメディアファイル
および対応するクリップが作成されます。
Â
開始/停止の検出が無効: チェックボックスを選択解除すると、連続した
1
つのメディアファ
イルおよび対応するクリップが作成され、開始/停止インジケータは無視されます。
参考:
JVC
社製の
HDV
ビデオカメラで撮影した素材を取り込む場合は、開始/停止検出をオフ
にするオプションは使用できません。これは、
MPEG-2
ストリームの特性により、開始/停止イ
ンジケータごとに新しいメディアファイルを作成する必要があるためです。
![](asset-1b.png)
第1章
HDV 形式で作業する27
HDV
素材取り込み時のタイムコードの途切れの処理方法を指定するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」>「ユーザ環境設定」と選択し、「一般」タブをクリックします。
2
「タイムコードの途切れで」ポップアップメニューからオプションを選択します:
Â
新規クリップを作成: デフォルトのオプションです。
「
Final
Cut
Pro
」での取り込み時にタイ
ムコードの途切れが検出されると、ディスクへの現在のメディアファイルの書き込みが終了
し、新しいメディアファイルの取り込みが開始します。
「ブラウザ」には、新しいメディアに
対応するクリップも作成されます。
Â
取り込みを中止: このオプションを選択すると、「
Final
Cut
Pro
」でタイムコードの途切れが
検出されたときには、すぐに取り込みが停止します。
タイムコードの途切れの前に取り込まれ
たすべてのメディアは、タイムコードとフレームが正確に一致したまま保持されます。
作成さ
れたメディアファイルが保存され、対応するクリップが「ブラウザ」に配置されます。
テープ上の信号によっては、タイムコードの途切れが検出された場合に以下のいずれかのメッ
セージが表示されることがあります:
Â
「ストリームエラー」のメッセージ
Â
「タイムコードの途切れエラー」のメッセージ
Â
取り込み後に警告:
HDV
を取り込む場合、このオプションは「取り込みを中止」オプション
を選択した場合と同じ動作になります。
HDV ビデオ素材を再取り込みする
HDV
ビデオ素材の再取り込みは、ほかのビデオ形式の再取り込みと同様に行うことができます。
クリップに正確なタイムコードが含まれているか注意してください。正しくないと、再取り込み
で問題が起きる場合があります。
素材の再取り込みについての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユー
ザーズマニュアル」
Volume
1
、第
17
章「素材をディスクに取り込む」を参照してください。
重要:一部の
HDV
ビデオカメラではタイムコードが記録されないため、これらのビデオカメラ
で録画されたテープからメディアを取り込み直した場合、新しく作成されるメディアファイルで
1
∼
2
フレーム分ずれることがあります。
開始/停止インジケータとタイムコードの途切れを検出したときのクリップ
の名前
開始/停止インジケータおよびタイムコードの途切れを検出して作成された新しいメディア
ファイルとクリップのファイル名は、固有の名前になるよう番号が付けられます。
たとえば、
メディアファイル「
CafeWideShot
」を取り込んでいるときにシーンまたはタイムコードの途
切れが検出されたとします。
「
Final
Cut
Pro
」が途切れを検出した個所から、新しいメディア
ファイル「
CafeWideShot-1
」の取り込みが始まります。
すでに「
CafeWideShot-1
」という
名前のメディアファイルが存在する場合は、新しいメディアファイルには「
CafeWideShot-
2
」という名前が付けられ、その後も同様に名前が付けられます。
![](asset-1c.png)
28 第1章
HDV 形式で作業する
HDV ビデオ素材を編集する
HDV
ビデオ素材の編集は、「
Final
Cut
Pro
」でほかの形式を使用した編集とほとんど同じ方法
で行うことができます。
ただし、
MPEG-2
メディアの
GOP
構造のため、
HDV
シーケンスの編集
項目は、再生および出力時に余分な処理が必要になります。
この追加処理は自動的に行われます
が、その理由について理解しておくと役に立つはずです。
Long-GOP の編集とレンダリングについて
シーケンスの
2
つの
HDV
クリップを一緒に編集する場合、通常は
GOP
パターンが分断されま
す。
特に、
HDV
クリップをカットすると、
I
フレームが削除され、以降の
P
フレームと
B
フレー
ムが画像情報を参照できなくなります。
このような場合に、
I
フレームそのものはシーケンス内
で表示されなくなっていても、ほかのフレームから参照できるように
I
フレームを保持するため
の処理を「
Final
Cut
Pro
」が実行する必要があります。
「
Final
Cut
Pro
」では、編集点の近くに
ある途切れた
GOP
に再適合処理が施され、後続の
GOP
は変更されません。
これには、
I
フレームのみの編集(
DV
編集など)以上の処理能力とメモリが要求されます。
再生
時、この処理はリアルタイムで行われます。
出力および書き込みの処理では、シーケンスのうち、
新しい
I
フレームまたは
GOP
を必要とする領域が「
Final
Cut
Pro
」によって再度エンコードさ
れます(または適合処理が行われます)。
参考:「
DVD
Studio
Pro
」など、一部のアプリケーションは
MPEG-2
の簡単な編集しかサポート
しておらず、
GOP
境界部分のみでしかカットできません。
「
Final
Cut
Pro
」では、いずれのフ
レームでもカットできます。
「
Final
Cut
Pro
」
GOP
境界でのみ編集を行うように設定することは
できませんが、ソースファイルを
Apple
ProRes
422
コーデックに変換して
I
フレームのみの編集とするか、「シーケンス」メニューから適切な「レンダリング」サブメニュー
で
1
つまたは複数のレンダリング状況のカテゴリを選択解除することで、
GOP
境界の再適合処理
を一時的にオフにすることができます。
AppleProRes422 コーデックを使用してHDV レンダリングを向上させる
レンダリングにかかる時間を短縮するには、
AppleProRes422
コーデックを使用してレンダリ
ングするようにネイティブ
HDV
シーケンスを設定します。
Apple
ProRes
422
コーデックを使用
すると、高品質
4:2:2
レンダリングファイルが生成される場合もあります。このファイルは、レ
ンダリングによってネイティブ
HDV
に戻すよりも高い品質が得られる場合があります。
HDV ビデオカメラを使ってDV ビデオ素材を取り込む/出力する
HDV
ビデオカメラは、標準の
DV
デバイスとして使用することができます。
ただし、この場合、
以下の点を確認してください:
Â
「切り出しと取り込み」ウインドウが閉じている。
Â
ビデオカメラが、
HDV
モードではなく、
DV
モードに設定されている。
詳細については、ビデオカメラのマニュアルを参照してください。
Â
「切り出しと取り込み」ウインドウを開く前に、
DV
用の適切な簡易セットアップを選択する。
![](asset-1d.png)
第1章
HDV 形式で作業する29
Long-GOPMPEG-2 メディアをレンダリングする/適合させる
「
Final
Cut
Pro
」では、ネイティブ
HDV
シーケンスを出力する/書き出す前に、メディアを
2
通
りの方法で処理する必要があります:
Â
適用されたトランジションやエフェクト、および「ビデオにプリント」ダイアログで組み込ま
れたリーダーやトレイラー要素をすべてレンダリングします。
Â
互換性のない
GOP
を正しい
I
、
P
、および
B
フレームのパターンに適合させます。
出力にあたり、
カット、トランジション、またはその他適用されたエフェクトを含むシーケンス内のセグメン
トはすべて、標準の
MPEG-2GOP
構造に適合している必要があります。必要な場合は、
I
フ
レームおよび
GOP
境界が新しく作成されます。
また、適合処理によって、
HDV
シーケンスの
データレートが、出力する
HDV
形式に適したデータレートとなるよう処理されます。
適合処
理に要する時間は、シーケンス内の編集項目およびエフェクトの数によって異なります。
参考:
HDV
、
XDCAMHD
、および
XDCAM
EX
固定ビットレート(
CBR
)素材では同一の形式が
使用されるため、このセクションの情報は、
XDCAMHD
および
XDCAM
EX
素材をレンダリング
するときにも当てはまります。
HDV のレンダリング
HDV
シーケンスのセグメントをレンダリングするときに、次のどちらを使用してレンダリング
ファイルを作成するかを選択できます:
Â
ネイティブ
MPEG-2HDV
Â
AppleProRes422
コーデック
HDV
シーケンスでレンダリングファイル形式を選択するには:
1
「ブラウザ」または「タイムライン」でシーケンスを選択します。
2
「シーケンス」>「設定」と選択し、「レンダリング制御」タブをクリックします。
3
「コーデック」ポップアップメニューから、以下のオプションの
1
つを選択します:
Â
シーケンスコーデックと同じ: シーケンスのネイティブ
HDV
コーデックを使用してレンダリ
ングを行います。
Â
Apple ProRes 422:
AppleProRes422
コーデックを使用してレンダリングを行います。
ネイティブ
MPEG-2HDV
を使用してレンダリングファイルを作成する
ネイティブ
MPEG-2HDV
のレンダリングには、ほかの形式のレンダリングよりも時間がかかり
ます。この形式ではフレーム間圧縮が使用されているからです。
ネイティブな形式でのレンダリ
ングには、以下の利点があります:
Â
レンダリングファイルがすでに必要な形式になっているので、
HDV
テープへの書き出しまたは
出力のための適合処理およびレンダリングが短時間で行われます。
HDV
形式に出力しない場
合、このことは利点にはなりません。
Â
ネイティブ
HDV
のレンダリングファイルは、ほかの
I
フレームのみのでレンダリングする
HD
コー
デックで生成されるレンダリングファイルよりもサイズが小さくなります。
ただし、ネイティブレンダリングが行われるために編集作業の効率が低下している場合は、
AppleProRes422
コーデックを使用してレンダリングしてください。
![](asset-1e.png)
30 第1章
HDV 形式で作業する
AppleProRes422
コーデックを使用してレンダリングファイルを作成する
編集中のレンダリングのパフォーマンスを高めるには、
Apple
ProRes
422
コーデックを使用し
て、ネイティブ
HDV
、
XDCAMHD
、および
XDCAM
EX
シーケンスのセグメントをレンダリン
グします。「
Final
Cut
Pro
」は形式が混在するシーケンスをサポートするので、
AppleProRes400
コーデックのレンダリングファイルを含むシーケンス全体を、リアルタイムで再生できます。
レンダリング中の「タイムライン」での適合処理
編集時にネイティブ
HDV
レンダリングファイルを使用すると、レンダリング時にレンダリング
ファイルを適合させることができます。
正しく適合した状態でシーケンスのレンダリングファイ
ルが作成されるようにするには、「シーケンス」メニューの「すべてレンダリング」、「選択部分
をレンダリング」、および「一部レンダリング」の各サブメニューで、すべてのオプションを有
効にします。
たとえば、「選択部分をレンダリング」サブメニューですべてのレンダリング状況カテゴリを有
効にして、「シーケンス」>「選択部分をレンダリング」>「ビデオ」と選択すると、「タイムラ
イン」で選択されているビデオ項目に対して作成されるレンダリングファイルは、正しい
GOP
構造に適合した状態になります。
テープへ出力するときや、「
QuickTime
ムービーを書き出す」
コマンドを使用して書き出すときも、レンダリングファイルはすでに正しく適合されているた
め、最終的なレンダリングおよび適合に要する時間を短縮できます。
∏
ヒント: 「タイムライン」でレンダリングを行う際に、適合処理を無効にすることができます。
これには、「シーケンス」メニューの該当するレンダリングサブメニューで、レンダリング状況
カテゴリの選択を解除します。
「ビデオにプリント」コマンドを使ってHDV を出力する
テープへの
HDV
ビデオの出力は、「ビデオにプリント」コマンドを使用してのみ行うことができ
ます。
「テープに編集」コマンドは、
HDV
メディアには対応していません。
出力の準備のために、
HDV
シーケンスのエフェクトはすべてレンダリングをして、適切な
MPEG-
2
出力ストリームを作成するようにシーケンスを適合させる必要があります。
これらの手順は、
「ビデオにプリント」操作を開始すると、自動的に処理されます。
「ビデオにプリント」の操作では、「
Final
Cut
Pro
」によりビデオのレンダリングと適合が
1
つの
手順で処理され、適合処理されたメディアがシーケンスのレンダリングファイル内に格納されま
す。
これにより、以降の「ビデオにプリント」操作では、シーケンスに変更を加えていない限り、
ビデオの適合処理は必要ありません。
ただし、リーダー/トレイラー要素、およびシーケンス内
のギャップのレンダリングと適合は、「ビデオにプリント」コマンドを実行するたびに行われます。
![](asset-1f.png)
第1章
HDV 形式で作業する31
HDV
シーケンスをテープに出力するには:
1
ビデオカメラがコンピュータに正しく
FireWire
接続されていることを確認します。
詳細については、
19
ページの「
HDV
デバイスをコンピュータに接続する」を参照してください。
2
HDV
ビデオカメラに
DV
テープを挿入します。
3
「ブラウザ」で、以下のいずれかの操作を行います:
Â
シーケンスまたはクリップを選択します。
Â
シーケンスをダブルクリックして、シーケンスを「タイムライン」で開きます。
Â
クリップをダブルクリックして、クリップを「ビューア」で開きます。
4
「ファイル」>「ビデオにプリント」と選択します。
「ビデオにプリント」ダイアログが表示されます。
5
テープに書き出すリーダー/トレイラー要素があれば選択し、さらに開始、終了、およびループ
オプションを選択します。
∏
ヒヒ
ヒヒンン
ンントト
トト::
::
「
Final
Cut
Pro
」で録画が自動的に始まるように設定するには、「自動で録画を開始」
チェックボックスを選択します。
6
「
OK
」をクリックします。
シーケンスにレンダリングや適合が必要なセグメントがあれば、この段階で「
Final
Cut
Pro
」に
よりレンダリングおよび適合処理が行われます。
進行状況を示すダイアログが表示され、レンダ
リングおよび適合処理が終了するまでの時間が示されます。
シーケンスの
GOP
境界が分断され
たすべてのセグメント(編集点前後のフレームや、フィルタ、モーションパラメータなどを追加
したフレームなど)に対して適合処理が行われます。
進行状況を示すダイアログがもう
1
つ表示され、シーケンス内のリーダー、トレイラー、および
ギャップ要素の処理に要する時間が示されます。
シーケンスを出力する準備ができると、ダイアログが表示されます。
7
「ビデオにプリント」ダイアログで「自動で録画を開始」チェックボックスを選択していない場
合は、ビデオカメラまたはデッキの録画ボタンを押してから「
OK
」をクリックします。
テープが書き込み保護されていたり、「ビデオにプリント」の操作中にコマ落ちが発生したりす
ると、ダイアログが表示されて操作をやり直すことができます。
参考:
JVCProHD
機器で「ビデオにプリント」コマンドを使用する場合、シーケンスのタイム
コードをテープに出力することができます。
適切なデッキの設定については、
JVC
の機器に付属
するマニュアルを参照してください。
![](asset-20.png)
32 第1章
HDV 形式で作業する
トランスコードしたHDV 編集のワークフロー
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックでエンコードされた素材を使っ
て編集する場合は、
I
フレームのみがエンコードされている素材(
DV
、非圧縮ビデオなど)と同じ
ように編集できます。
この方式の欠点は、取り込み先ディスクの空き容量が多く必要になることと、テープへ
HDV
で
出力するには、最初にシーケンス全体をネイティブ
HDV
に再エンコードする必要があることで
す。
シーケンスが長い場合は、再エンコードにかかる時間が長くなることがあります。
トランスコードしたHDV 編集の手順
トランスコードした
HDV
のワークフローは、ネイティブ
HDV
とほとんど同じです。ただし、そ
の結果作成されるメディアファイルはネイティブの場合よりも大きくなり、適合やレンダリング
にかかる時間も長くなります。
手順
1
:
HDV
ビデオカメラを
FireWire
経由でコンピュータに接続する
手順
2
:
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデック用の適切な
HDV
簡易セットアップを選択する
手順
3
:ビデオ素材をディスクに取り込む
手順
4
:トランスコードしたクリップをシーケンスに組み込む
手順
5
:
HDV
に再エンコードして、再びテープに出力するか、
QuickTime
ムービーに書き出す
HDV デバイスをコンピュータに接続する
この手順は、
MPEG-2HDV
を取り込む場合の
HDV
ビデオカメラの接続と同じです。
詳細につい
ては、
19
ページの「
HDV
デバイスをコンピュータに接続する 」を参照してください。
![](asset-21.png)
第1章
HDV 形式で作業する33
簡易セットアップを選択する
「
Final
Cut
Pro
」には、
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックにト
ランスコードする
HDV
を取り込んだり編集したりするための簡易セットアップが用意されてい
ます。
HDV
のトランスコード用簡易セットアップを選択するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「簡易セットアップ」を選択します。
2
「形式」ポップアップメニューから「
AppleIntermediateCodec
」を選択します。
参考:
AppleProRes422
用の簡易セットアップオプションでは、
1080p24HDV
のみがサポート
されます。
このコーデックは、対象の
24
fps
素材が
3:2
プルダウンで
1080i60HDV
信号に保存
されている場合に使います。
3
「用途」ポップアップメニューをクリックし、「形式」ポップアップメニューで選択した設定に関
連するすべての簡易セットアップを表示します。
「レート」ポップアップメニューで、特定のフレームレートを選択することで表示される簡易セッ
トアップを絞り込むことができます。
4
「用途」ポップアップメニューから、
AppleIntermediateCodec
用の適切な
HDV
簡易セットアッ
プを選択します。
重要:使用する
HDV
ソーステープの形式に合った簡易セットアップを選択してください。
5
「セットアップ」をクリックします。
対応する「取り込みプリセット」、「シーケンスのプリセット」、「デバイスコントロール・プリ
セット」、および「
A/V
装置」の設定がロードされます。
HDV ビデオを取り込む/トランスコードする
HDV
ビデオの取り込みとトランスコードは、「今取り込む」機能を使用した
DV
ビデオの取り込
みとほぼ同じです。
主な違いは、以下の通りです:
Â
「切り出しと取り込み」ウインドウは使用しません。
Â
HDV
ビデオの取り込みは、リアルタイムでは行われません。これは、
HDV
フレームを
Apple
IntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックにトランスコードするのに余分な
処理が必要になるためです。
![](asset-22.png)
34 第1章
HDV 形式で作業する
HDV
素材を
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックに取り込むには:
1
「ブラウザ」をクリックしてアクティブにし、「ファイル」>「新規」>「ビン」と選択します。
2
Control
キーを押しながらビンをクリックし、ショートカットメニューから「切り出し用ビンと
して設定」を選択します。
取り込んだクリップがこのビンに配置されます。
3
ビンに名前を付けて、
Enter
キーを押します。
4
「ファイル」メニューから「切り出しと取り込み」を選びます(または、コマンドキーを押した
まま
8
キーを押します)。
「切り出しと取り込み」ウインドウではなく、「取り込み」ダイアログが表示されます。
5
「取り込み」ダイアログで、クリップの名前を入力して、「取り込み」をクリックします。
取り込みのプレビューウインドウが現れ、ビデオカメラが現在位置からビデオの再生を開始しま
す。
取り込みのプレビューウインドウの状況領域には、
HDV
からターゲットのコーデックにトラン
スコードされているビデオのパーセンテージがリアルタイムで表示されます。
6
Esc
キーを押して、取り込みを停止します。
ビデオカメラのビデオ再生がすぐに停止します。
取り込みのプレビューウインドウには、エン
コード処理されるビデオの位置が表示され、実際の位置から表示がずれる場合があります。
フ
レームが処理される間、取り込みのプレビューウインドウの状況領域には、未処理分のフレーム
のパーセンテージが表示されます。
参考:もう一度
Esc
キーを押すと、エンコード処理が停止し、取り込みがキャンセルされます。
取り込みのプレビューウインドウが閉じ、取り込まれたクリップが切り出しビンに表示されます。
シーンの途切れを含むビデオ素材を取り込む
AppleIntermediateCodec
または
Apple
ProRes
422
コーデックを使って
HDV
素材を取り込む
際、「
Final
Cut
Pro
」は撮影時にテープに残されたシーンやタイムコードの途切れを検出します。
それぞれのシーンまたはタイムコードの途切れの部分で、取り込み時に新しいクリップが作成さ
れます。
取り込みが終了すると、これらのクリップが切り出しビンに表示され、対応するメディ
アファイルがハードディスクに保存されます。
たとえば、「
CafeEntrance
」という名前のクリップの取り込みを始めたとします。
「
Final
Cut
Pro
」によってシーンまたはタイムコードの途切れが検出されると、最初のメディ
アファイルの書き込みが終了し、新しいメディアファイル「
CafeEntrance-1
」への書き込み
が始まります。
以降も途切れが検出されると、メディアファイルとクリップが「
CafeEntrance-
2
」、「
CafeEntrance-3
」などの名前で作成されます。
![](asset-23.png)
第1章
HDV 形式で作業する35
トランスコードされたHDV 素材を使ってビデオを編集する
「
Final
Cut
Pro
」では、
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックにトラ
ンスコードされたビデオの編集は、そのほかの形式での編集と何ら変わりません。
ただし、デー
タレートが取り込み先ディスクでサポートされていることを確認する必要があります。
これらの
形式のデータレートについて詳しくは、
39
ページの「
HDV
形式の仕様」および
11
ページの
「
AppleProRes422
コーデックについて」を参照してください。
HDV をテープに出力する/QuickTime ムービーに書き出す
編集が終了したら、ビデオカメラを使用してムービーをビデオテープに出力するか、シーケンス
を
QuickTime
ムービーに書き出します。
ムービーを再びテープに出力するには、出力する前に
「
Final
Cut
Pro
」でムービーを
MPEG-2
データに再エンコードする(適合させる)必要がありま
す。
シーケンス内のすべてのフレームを再エンコードする必要があるので、シーケンスの長さに
よっては、この処理に非常に時間がかかる場合があります。
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックのビデオを
HDV
ビデオテー
プに出力するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」を開く前に、
HDV
ビデオカメラがコンピュータに正しく接続されて電源が入っ
ていることを確認してください。
2
HDV
ビデオカメラに
DV
テープを挿入します。
3
「タイムライン」または「キャンバス」内をクリックして、ウインドウをアクティブにします。
4
「ファイル」>「ビデオにプリント」と選択します(または
Control
+
M
キーを押します)。
「ビデオにプリント」ダイアログが表示されます。
5
「
Final
Cut
Pro
」から録画を自動的に始めるよう設定するには、「自動で録画を開始」チェック
ボックスを選択します。
6
テープに書き出すリーダー/トレイラー要素があれば選択し、さらに開始、終了、およびループ
オプションを選択します。
コーデックから
MPEG-2HDV
へのエンコードの状況が進行状況バーに表示され、エンコードの終
了の予測時間が示されます。
ダイアログが表示され、ビデオカメラの録画ボタンを押すよう指示が出ます。
7
ビデオカメラの録画ボタンを押して、「
OK
」をクリックします。
「自動で録画を開始」オプションを選択した場合は、ビデオカメラからテープへ作品の録画が自
動的に始まります。
テープへの作品の書き込みが終了すると、ビデオカメラが停止します。
![](asset-24.png)
36 第1章
HDV 形式で作業する
QuickTime
ムービーにシーケンスを書き出すには:
1
「
Final
Cut
Pro
」のシーケンスを「タイムライン」に開きます。
2
「ファイル」>「書き出し」>「
QuickTime
ムービー」と選択します。
「保存」ダイアログが表示されます。
3
名前を入力して、ムービーの保存場所を選択します。
4
ダイアログの下部で、「独立再生形式で保存」チェックボックスが選択解除されていることを確
認します。
5
Final
Cut
Pro
プロジェクトの
DVD
チャプタマーカーを
QuickTime
ムービーに書き出す場合は、
「マーカー」ポップアップメニューから「
DVD
Studio
Pro
マーカー」を選択します。
6
「保存」をクリックします。
「
Compressor
を使って書き出し」コマンドを使用して、「
DVD
Studio
Pro
」用に高品質の
MPEG-
2
ファイルを作成することも可能です。詳細については、「
Compressor
」および「
DVD
Studio
Pro
」
のマニュアルを参照してください。
「
DVD
Studio
Pro」用にHDV を書き出す
「
DVD
Studio
Pro
」で
OpenGOP
(走査線数
1080
本)
MPEG-2
メディアを使用すると、特にメ
ディアファイルの開始フレームと終了フレームで、
DVD
デコーダの問題が生じる場合がありま
す。
OpenGOPMPEG-2HDV
メディアを「
DVD
Studio
Pro
」用に適切に変換するに は、
「
QuickTime
ムービーを書き出す」コマンドを使用して「
Final
Cut
Pro
」からメディアを書き出
します。
このコマンドを実行すると、
MPEG-2
メディアの開始部分を、
DVD
デコーダと互換性の
ある
ClosedGOP
構造に適合させる処理が行われます。
![](asset-25.png)
第1章
HDV 形式で作業する37
CanonXLH1HDV ビデオカメラを使う
「
Final
Cut
Pro
」で は、「切り出しと取り込み」や「ビデオにプリン ト」などのほ とんど の
「
Final
Cut
Pro
」の操作で
CanonXLH1HDV
ビデオカメラが認識されます。
CanonXLH1HDV
ビデオカメラとの間で取り込みと出力を行うように「
Final
Cut
Pro
」を設定
するには:
1
FireWire
ケーブルの一方のコネクタをコンピュータの
FireWire
ポートに接続し、もう一方をビデ
オカメラの
FireWire
ポートに接続します。
2
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「簡易セットアップ」を選択します。
3
「形式」ポップアップメニューから「
HDV
」を選択します。
4
「レート」ポップアップメニューから「(すべてのレート)」を選択します。
5
「用途」ポップアップメニューから、
Canon
XL
H1HDV
素材に対応する簡易セットアップを選択
します:
Â
HDV-1080i60FireWireBasic
Â
HDV-1080i50FireWireBasic
Â
HDV-1080p30FireWireBasic
Â
HDV-1080p25FireWireBasic
Â
HDV-1080p24FireWireBasic
6
「セットアップ」をクリックします。
「
Final
Cut
Pro
」で
CanonXLH1HDV
ビデオカメラを使用する場合は、以下の点に注意してく
ださい:
Â
「
Final
Cut
Pro
」では、カメラで
4
チャンネルを記録できる場合でも、最初の
2
つのオーディオ
チャンネルのみ取り込まれます。
(他社製の
HD-SDI
ビデオインターフェイスを追加すること
により、
4
チャンネルの取り込みが可能になります。)
Â
開始/停止インジケータを正しく検出できるようにするため、
CanonXLH1HDV
ビデオカメ
ラで素材を記録する前に、カメラの時計を設定します。
(この設定は、新しいカメラを使う場
合に一度だけ行います。)
参考:
CanonXLH1HDV
ビデオカメラで
FREERUN-PS
オプションを選択した場合、「切り出し
と取り込み」ウインドウが反応しない場合があります。
カメラの
FREERUN-PS
設定を変えるには:
1
ビデオカメラのメニューボタンを押します。
2
カメラのメニューで、「信号設定」>「タイムコード」>「カウントアップ方式」と選択して、
「レックラン」を選択します。
![](asset-26.png)
38 第1章
HDV 形式で作業する
SonyHVR-V1HDV ビデオカメラを使う
「
Final
Cut
Pro
」のバージョン
6.0.2
は、
SonyHVR-V1HDV
ビデオカメラをサポートしています。
このビデオカメラは、ネイティブの
1080i50
および
1080i60
素材を録画できます。
ほかの
HDV
テープベースのデバイスのように、ネイティブで取り込めるほか、
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデックのいずれかで取り込むこともできます。
また、「ビデオにプ
リント」コマンドを使えば、
SonyHVR-V1HDV
ビデオカメラに出力し直すこともできます。
このビデオカメラには、(
1080i50
形式または
1080i60
形式にエンコードされた)
1080p24
、
1080p25
、および
1080p30HDV
形式を録画する機能もあります。
つまり、
HVR-V1HDV
の
1080p24
、
1080p25
、または
1080p30
の素材を取り込むと、ハードディスク上には
1080i50
ま
たは
1080i60
の素材として取り込まれます。
プログレッシブスキャンで録画されたこのようなタ
イプの素材にインターレース形式の状態でエフェクトを追加すると、インターレースアーチファ
クトが生じる可能性があります。
1080p24
、
1080p25
、または
1080p30
の素材をプログレッシ
ブスキャンのまま使うには、その素材を
Apple
Intermediate
Codec
または
AppleProRes422
コーデックを使って取り込み、トランスコードする必要があります。
1080p25
または
1080p30
ビデオをネイティブで取り込むには、それぞれ
HDV
1080i50
または
HDV
1080i60
用の簡易セットアップを使用します。
このようにして取り込んだ素材は、インター
レース形式で保存されていても、プログレッシブスキャンを維持します。
1080p24
ビデオは
1080i60
用の簡易セットアップを使ってネイティブで取り込むことができます
が、その場合、取り込んだ素材は
3:2
ブルダウンを維持したままになります。
3:2
プルダウンを取
り除いて
1080p24
素材を取り込み、トランスコードするには、
AppleProRes422
コーデック用
の簡易セットアップを使います。
次の表に、
SonyHVR-V1HDV
ビデオカメラとの取り込みおよび出力作業で推奨されるワークフ
ローを示します。
テープ上の形式 取り込み形式 出力時のHVR-V1 の録画モード
24p/60i 24pAppleIntermediateCodec
またはAppleProRes422 コーデック
24p/60i
25p/50i 25pAppleIntermediateCodec
またはAppleProRes422 コーデック
25p/50i
30p/60i 30pAppleIntermediateCodec
またはAppleProRes422 コーデック
30p/60i
![](asset-27.png)
第1章
HDV 形式で作業する39
HDV 形式の仕様
HDV
形式は次の通りに定められています。
記憶メディア
HDV
は、標準の
mini-DV
ビデオカセットテープまたはハードディスクに録画されます。
ビデオ標準
HDV
規格は、
Sony
社、
Canon
社、
Sharp
社、
JVC
社などのメーカーからなるコンソーシアムに
よって共同で策定された形式です。
HDV
では、
1080i
、
1080p
、および
720p
の
HD
標準がサポー
トされます。
アスペクト比
HDV
では、
16:9
のアスペクト比が使用されます。
フレームサイズ、走査線数、および解像度
HDV
形式では、
2
種類の
HD
ビデオ解像度がサポートされます:
Â
1080 ライン:
1440
ピクセル/ライン、走査線数
1080
本(アスペクト比
16:9
(
1920
×
1080
)表
示)、インターレースまたはプログレッシブスキャン
Â
720 ライン:
128 0
ピクセル/ライン、走査線数
720
本、プログレッシブスキャン
ネイティブのピクセルサイズと表示されるピクセルサイズを以下に示します。
フレームレート
「
Final
Cut
Pro
」は、以下の
HDV
フレームレートをサポートします:
Â
NTSC 互換のフレームレート:
29.97
fps
、
59.94
fps
(
1080i60
、
1080p30
、
720p60
、
720p30
)
Â
PAL 互換のフレームレート:
25
fps
、
50
fps
(
1080i50
、
1080p25
、
720p50
、
720p25
)
Â
フィルム互換のフレームレート:
23.98
fps
(
1080p24
、
720p24
)
スキャン方式
HDV
では、インターレースまたはプログレッシブスキャンのイメージを記録できます:
Â
1080 ライン: インターレース(
1080i
)またはプログレッシブ(
1080p
)
Â
720 ライン: プログレッシブ
カラー記録方式
HDV
では、
4:2:0Y´C
B
C
R
(コンポーネント)デジタルビデオ信号が記録されます。
各サンプル
(ピクセル)の解像度は
8
ビットです。
1280 x 720
1920 x 1080
1440 x 1080
720
ライン
1080
ライン
![](asset-28.png)
40 第1章
HDV 形式で作業する
データレート
次の表は、
MPEG-2HDV
および
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデッ
クに変換された
HDV
のデータレートを示します。
比較のために
DV
のデータレートも示します。
参考:
HDV
テープ上のオーディオは圧縮された状態ですが、「
Final
Cut
Pro
」では、取り込み時
にこの信号を未圧縮形式に変換します。
つまり、テープ全体の
HDV
データレートと取り込まれ
た素材のデータレートは異なります。
形式 ネイティブフレームサイズ
データレート
DVNTSC 720 ×480 3.6MB /秒
(
12GB /時間相当)
DVPAL 720 ×576 3.6MB /秒
(
12GB /時間相当)
MPEG-2HDV720p30 128 0 ×720 2.5MB /秒
(
9GB /時間相当)
MPEG-2HDV1080i60/50 14 40 ×1080 3.3MB /秒
(
12GB /時間相当)
AppleIntermediateCodec
1
HDV720p30
128 0 ×720 7MB /秒
(
25GB /時間相当)
AppleIntermediateCodec
1
HDV1080i50
1440 ×1080 12MB /秒
(
42GB /時間相当)
AppleIntermediateCodec
1
HDV1080i60
1440 ×1080 14MB /秒
(
49GB /時間相当)
AppleProRes422 コーデック
HDV1080p24
1440 ×1080 12.6MB /秒
(
45GB /時間相当)
1
Apple
Intermediate
Codec のデータレートは変化します。ここに示す値はおおよその値で、ビデオ素材の複雑さによって変
わる可能性があります。
詳細部分を多く含む画像はデータレートが高くなり、詳細部分が少ない画像はデータレートが低く
なります。
![](asset-29.png)
第1章
HDV 形式で作業する41
ビデオ圧縮
HDV
では、固定ビットレート(
CBR
)の
MPEG-2
圧縮形式を使用しています。
I
フレーム、
P
フ
レーム、および
B
フレームから成る
Long-GOP
パターンが作成されます。
MPEG-2
ビデオ/オーディオは、データストリームの階層で構成されています:
Â
エレメンタリストリーム: ビデオ、オーディオ、サブタイトル、またはその他の基本的なメ
ディアストリームです。
HDV
などの形式では、ビデオとオーディオ両方のエレメンタリスト
リームがあります。
Â
トランスポートストリーム: トランスポートストリームは、
TV
やインターネット配信などの
リアルタイム配布用にエレメンタリストリームがカプセル化されたものです。
Â
プログラムストリーム: プログラムストリームも、エレメンタリストリームがカプセル化され
たものです。コンテンツを
DVD
やハードディスクなどのメディアに保存するときに使用され
ます。
HDV
デバイスは、ビデオ/オーディオのエレメンタリストリームを
MPEG-2
トランスポートス
トリームに入れて格納および転送を行います。
「
Final
Cut
Pro
」で
HDV
ビデオを取り込む際に
は、トランスポートストリームからビデオ/オーディオのエレメンタリストリームが自動的に取
り出されて、
QuickTime
メディアファイルのトラックにデータが格納されます。
オーディオ
HDV
では、サンプルレート
48
kHz
、
1
サンプルあたりの分解能
16
ビットのオーディオトラック
が
2
つ使用されます。
オーディオのエンコードには、
MPEG-1
レイヤー
2
形式の
384
kbps
のデー
タレートが使用されます。
タイムコード
HDV
ビデオカメラのタイムコード形式は、ビデオ形式のフレームレートに一致します。
たとえ
ば、
1080i50
のビデオ素材では、タイムコードに
25
fps
が用いられます。
重要:一部の
HDV
ビデオカメラでは、タイムコードが記録されないため、対応するメディアファ
イルを削除すると、クリップを正確に取り込み直すことができないものがあります。
![](asset-2b.png)
2
43
2
DVCPRO
HD
形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」では、コンピュータ内蔵のFireWire ポートを使用し
て、
DVCPRO
HD ネイティブビデオの取り込み、編集、および出力が
可能です。
この章では以下について記載します:
Â
DVCPRO
HD
について(
43
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」で
DVCPROHD
を操作する(
48
ページ)
Â
DVCPROHD
フレームレートコンバータを使う(
53
ページ)
Â
24pDVCPRO
HD
を操作する(
59
ページ)
Â
DVCPRO
HD
形式の仕様(
62
ページ)
DVCPRO
HD について
DVCPRO
HD
は、
DV/DVCPRO
形式のファミリーに加わった高精細度(
HD
)形式で、これによ
り既存の
DV
ベースおよび
FireWire
ベースの編集ワークフローを
HD
ビデオに簡単に適応させる
ことができます。
![](asset-2c.png)
44 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるDVCPRO
HD 形式
「
Final
Cut
Pro
」は、本来、以下の
DVCPRO
HD
形式をサポートしています。
59.94
fps
ベースの形式
50
fps
ベースの形式
形式
「
Final
Cut
Pro」の
簡易セットアップ
シーケンスのサイズと
フレームレート スキャン方式
1080i60 DVCPRO
HD-1080i60 12 8 0 ×1080
29.97
fps
インターレース
1080p30 DVCPRO
HD-1080p30 128 0 ×1080
29.97
fps
プログレッシブ
1080pA24 DVCPRO
HD-1080pA24 128 0 ×1080
23.98
fps
プログレッシブ
720p60 DVCPRO
HD-720p60 960 ×720
59.94
fps
プログレッシブ
720p30 DVCPRO
HD-720p30 960 ×720
29.97
fps
プログレッシブ
720p24 DVCPRO
HD-720p24 960 ×720
23.98
fps
プログレッシブ
形式
「
Final
Cut
Pro」の
簡易セットアップ
シーケンスのサイズと
フレームレート スキャン方式
1080i50 DVCPRO
HD-1080i50 14 40 ×1080
25
fps
インターレース
720p50 DVCPRO
HD-720p50 960 ×720
50
fps
プログレッシブ
720p25 DVCPRO
HD-720p25 960 ×720
25
fps
プログレッシブ
![](asset-2d.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する45
DVCPRO
HD のフレームレート
DVCPRO
HD
がサポートするフレームレートは、
NTSC
と
PAL
の両方のフレームレートに対応し
ていますが、ビデオカメラのほと んどは、どちらか一方でしか動作しま せん。
たとえば、
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラは
1080i60
または
720p60
で
DVCPRO
HD
を録画し、
PanasonicAG-HVX200E
ビデオカメラ(
PAL
地域向け)は
1080i50
または
720p50
で
DVCPRO
HD
を録画します。
1080i
の素材の特性はフィールドレート(
60i
または
50i
)で表され、
720p
の素
材はフレームレート(
60p
または
50p
)で表されます。
そのほかの形式、たとえば
24p
は、プルダウン(
1080i
)または重複フレーム(
720p
)を使用し
て実現されます。
720p
形式では、スローモーションおよびファストモーションのエフェクトの
ための可変フレームレートも使用できます。
参考:
1080i60
および
720p60
の
DVCPRO
HD
は、実際には
60
fps
ではなく
59.94
fps
で動作
します。
この規則の例外については、
47
ページの「
PanasonicVaricam
ビデオカメラでシステム
周波数を設定する」を参照してください。
1080pA24DVCPRO
HD
1080pA24DVCPRO
HD
は、
1080i60
形式とアドバンスドプルダウン(
2:3:3:2
)を使用して記録
されます。
これは、
PanasonicAG-DVX100
ビデオカメラで採用されている方式と同じです。
詳
細については、
59
ページの「
1080pA24DVCPRO
HD
ビデオを操作する」を参照してください。
参考:従来の
2:3:2:3
プルダウンを使用する
1080p24DVCPRO
HD
形式で記録することもできま
す。
「
Cinema
Tools
」ではこの種のプルダウンを削除できますが、「
Final
Cut
Pro
」では削除で
きません。
特別な理由がない限り、この形式は使用しないでください。
1080p24
の素材を扱うと
きは、使いやすい
1080pA24
形式の方をお勧めします。
![](asset-2e.png)
46 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
720p60DVCPRO
HD
720p60DVCPRO
HD
形式は、
60
fps
、
30
fps
、および
24
fps
での記録をサポートしています。
60fps
よりも低いフレームレートを選択すると、カメラの
CCD
はその低いレートでイメージを
取り込みますが、記録レートは
60
fps
に固定されます。
たとえば、
720p30
形式で録画する場合に、カメラの
CCD
は
1
秒間に
30
個の異なるイメージを
生成しますが、各フレームは
2
回ずつテープに記録されます。
これらの重複フレームには、録画
時にデジタルフラグが付けられますが、取り込み時または取り込み後に削除する必要があります。
720pDVCPRO
HD
の取り込みプリセットのほとんどは、「
FireWire
ソースからのアドバンスドプ
ルダウンおよび/または重複するフレームを削除」オプションが有効化されているので、取り込
み時に重複フレームが削除されます。
取り込みプリセットの変更については、「Final Cut Pro 6
ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
25
章「取り込み設定と取り込みプリセット」を参照し
てください。
このチェックボックスが選択されている場合は、取り込まれたメディアファイルのサイズが小さ
くなり、適切なフレームレートで編集できる状態になります。
参考:
720p60
の簡易セットアップでは、このオプションは有効化されません。
60
fps
では重複
フレームが記録されないからです。
詳細については、
49
ページの「取り込み時に重複するフレームを削除する」を参照してください。
Final Cut Pro
に取り込み済み(
59.94 fps
)
24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
Final Cut Pro
に取り込み済み(
23.98 fps
)
使用されたフレーム 削除されたフレーム
DVCPRO HD
テープ(
59.94 fps
)
DVCPRO HD
を取り込む
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 35 34 37 36 38 39 40 41 43 42 44 45 47 46 48 49 25 50 51 53 52 54 55 57 56 58 59 60 1
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 35 34 37 36 38 39 40 41 43 42 44 45 47 46 48 49 25 50 51 53 52 54 55 57 56 58 59 60 1
Final Cut Pro
に取り込み済み(
29.97 fps
)
30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
DVCPRO HD
テープ(
59.94 fps
)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 35 34 37 36 38 39 40 41 43 42 44 45 47 46 48 49 25 50 51 53 52 54 55 57 56 58 59 60
DVCPRO HD
テープ(
59.94 fps
)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 35 34 37 36 38 39 40 41 43 42 44 45 47 46 48 49 25 50 51 53 52 54 55 57 56 58 59 60
720p60
720p30
720p24
![](asset-2f.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する47
720p50DVCPRO
HD
720p50DVCPRO
HD
形式では、
50
fps
および
25
fps
での録画がサポートされます。
25
fps
で録
画すると、カメラの
CCD
はこの低いレートでイメージを取り込みますが、記録レートは
50
fps
に固定されます。
720pNDVCPRO
HD のネイティブ・フレーム・レート録画
PanasonicAG-HVX200
などのビデオカメラでは、
720p
の素材を、重複フレームなしに
P2
カー
ドに録画できます。
素材が目的のフレームレートで記録されるので、この方式はネイティブ・フ
レーム・レート録画と呼ばれ、そのことを示す文字 Nが名前に付けられます。
たとえば、
720p60
ビデオカメラは、
720pN30
形式および
720pN24
形式で録画できます。
720p50
ビデオカメラは、
720pN25
形式で録画できます。
これらの形式を扱う最適な方法の詳細については、
107
ページの
「
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラの互換性」を参照してください。
720pDVCPRO
HD の可変フレームレート録画
720pDVCPRO
HD
ビデオカメラの中には、可変フレームレートで録画することによって、スロー
モーションおよびファストモーションのエフェクトを作成できるものがあります。
Â
720p60
のビデオカメラは、
4
∼
60
fps
のフレームレートで録画できます。
Â
720p50
のビデオカメラは、
4
∼
50
fps
のフレームレートで録画できます。
たとえば、
PanasonicVaricam
ビデオカメラでスローモーションを作成するには、再生フレーム
レートを
24
fps
に設定して
60
fps
で録画します。
60
fps
の素材を
24
fps
で再生すると、スロー
モーションのエフェクトが作成されます。
詳細については、
53
ページの「
DVCPROHD
フレーム
レートコンバータを使う」を参照してください。
PanasonicVaricam ビデオカメラでシステム周波数を設定する
PanasonicVaricam
ビデオカメラは、標準の
NTSC
互換レートの
59.94
fps
でも、
60
fps
でも
録画できます。
「
Final
Cut
Pro
」で
FireWire
を介して
DVCPRO
HD
ビデオを転送するときは、
59.94
fps
(または
29.97
、
23.98fps
などの類似形式)のみがサポートされます。
FireWire
を介
して
DVCPRO
HD
素材を取り込む場合は、素材を録画するときに、ビデオカメラのシステム周
波数を
60
ではなく
59.94
に設定してください。詳細は、
PanasonicVaricam
ビデオカメラ付
属のマニュアルを参照してください。
![](asset-30.png)
48 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」でDVCPROHD を操作する
DVCPRO
HD
素材は、テープまたは
PanasonicP2
カードに録画できます。
この章では、テープ
から
DVCPRO
HD
素材を取り込む方法について説明します。
PanasonicP2
カードからの
DVCPRO
HD
素材の転送については、
97
ページの第
5
章「
PanasonicP2
カードを使って作業す
る」を参照してください。
DVCPRO
HD
ビデオの取り込み、編集、および出力の手順は、
DV
を扱う場合とほぼ同じです。
このセクションでは、
DVCPRO
HD
の基本的なワーク フロー、および「
Final
Cut
Pro
」で
DVCPRO
HD
を扱う場合に固有の面について説明します。
手順
1
:
DVCPRO
HD
のビデオカメラまたはデッキを
FireWire
経由でコンピュータに接続する
手順
2
:
DVCPRO
HD
用の簡易セットアップを選択する
手順
3
:ビデオを切り出して、取り込み先ディスクに取り込む
手順
4
:ビデオクリップをシーケンスに組み込む
手順
5
:
DVCPRO
HD
またはその他の
HD
ビデオデバイスに出力するか、
QuickTime
ムー
ビーに書き出す
DVCPRO
HD デバイスをコンピュータに接続する
DVCPRO
HD
はビデオ形式の
DV/DVCPRO
ファミリーの一部なので、
DVCPRO
HD
の取り込み、
編集、および出力を行うように「
Final
Cut
Pro
」を設定する作業は、その他の種類の
DV
編集用
にシステムを設定するのと本質的に同じです。
DVCPRO
HD
の取り込み/出力を行うようにコンピュータを設定するには:
m
4
ピン−
6
ピンまたは
6
ピン−
6
ピンの
FireWire
ケーブルを使用して、
DVCPRO
HD
のビデオカメラ
またはデッキをコンピュータに接続します。
DV
ビデオカメラまたはデッキとコンピュータの接続について詳しくは、「Fina l Cut Pro 6 ユー
ザーズマニュアル」の
Volume
1
の第
11
章「
DV
ビデオ機器を接続する」を参照してください。
PanasonicP2
カードを取り付けて「切り出しと転送」ウインドウで使用する手順については、
99
ページの「
P2
カード/ディスクイメージ/フォルダをマウントする」を参照してください。
![](asset-31.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する49
DVCPRO
HD 簡易セットアップを選択する
「
Final
Cut
Pro
」には、いくつかの
DVCPRO
HD
簡易セットアップが用意されています。
テープ
のソースビデオ素材に対応した簡易セットアップを選択してください。
720p30
、
720p25
、およ
び
720p24
の簡易セットアップでは、正しいフレームレートでメディアファイルに記録するため
に、取り込み時に重複フレームが削除されます。
詳細については、下記の「取り込み時に重複す
るフレームを削除する」を参照してください。
簡易セットアップを選択するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「簡易セットアップ」を選択します。
2
「形式」ポップアップメニューから「
PanasonicDVCPRO
HD
」を選択します。
3
「レート」ポップアップメニューから「(すべてのレート)」を選択します。
4
「用途」ポップアップメニューをクリックし、「形式」ポップアップメニューで選択した設定に関
連するすべての簡易セットアップを表示します。
「レート」ポップアップメニューで、特定のフレームレートを選択することで表示される簡易セッ
トアップを絞り込むことができます。
5
「用途」ポップアップメニューから簡易セットアップを選択して、「セットアップ」をクリックし
ます。
カスタム簡易セットアップを作成する場合は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
24
章「オーディオ/ビデオ設定および簡易セットアップ」を参照してください。
DVCPRO
HD ビデオを切り出す/取り込む
DVCPRO
HD
ビデオの切り出しおよび取り込みは、ほかの
DV
ソース映像の切り出しと取り込み
と同様に行うことができます。
取り込み時に重複するフレームを削除する
720p30
、
720p25
、および
720p24
の
DVCPRO
HD
取り込みプリセットでは、ビデオカメラに
よって追加された重複プログレッシブフレームを削除するオプションが有効化されます。
詳細に
ついては、
46
ページの「
720p60DVCPRO
HD
」および
47
ページの「
720p50DVCPRO
HD
」を
参照してください。
1080pA24
の取り込みプリセットでも、「
FireWire
ソースからのアドバンスドプルダウンおよび
/または重複するフレームを削除」オプションが有効化されるので、不要なフィールドが削除さ
れ、取り込まれたメディアファイルは、
29.97
fps
ではなく
23.98
fps
となります。
詳しくは、
「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
25
章「取り込み設定と取り込みプ
リセット」を参照してください。
![](asset-32.png)
50 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
720p50 と720p60 形式のタイムコードについて
720pHD
形式では、
60
fps
のビデオ・フレーム・レートで記録できますが、テープに記録され
るタイムコードは常に
30
fps
です。
60fps
で記録されたビデオのフレームを
30
fps
のタイムコー
ドでカウントするには、そのためのしくみが必要です。
この場合、
2
つのフレームが
1
つのタイ
ムコード値によって表され、各組の
2
番目のフレームに固有のフラグが付加されることで、タイ
ムコードのカウントの際に区別が可能になります。
たとえば、
720p60
形式のテープでは、最初
の
2
つのタイムコード値は
:00
と
:00*
となります(アスタリスクは
2
番目のフレームを示す)。
このようにして、
1
秒あたり
30
個のタイムコード値だけで
60
フレームを一意的に表しています。
参考:
720p60DVCPRO
HD
を取り込む際は、ドロップフレームのタイムコードがサポートされ
ます。
720p50 および720p60 デバイスのデバイスコントロールについて
720p60DVCPRO
HD
の切り出し、取り込み、または出力を行うときに、リモート側のデバイス
コントロールには、テープのタイムコード(常に
30
fps
)が表示されます。
つまり、ビデオのフ
レームレートが
60fps
であっても、イン点およびアウト点の設定は、
30
fps
のタイムコードの
精度でしか行うことができません。
このように一部制約はありますが、素材を取り込んだ後は、
60
fps
フレームの精度で編集が可能になります。
「
Final
Cut
Pro
」で
720p60DVCPRO
HD
のメディアを取り込むときに、ソーステープ上の
30
fps
のタイムコードが
QuickTime
メディアファイル内の
60
fps
のタイムコードトラックに変換され
ます。
このタイムコードを使用することにより、後からメディアを正確に取り込み直すことが可
能です。
60
fps
タイムコードの詳細については、
51
ページの「
720p60DVCPRO
HD
メディア用のタイ
ムコード表示オプションを選択する」を参照してください。
重要:上記のルールは、
720p50DVCPROHD
および
25
fps
タイムコードにもあてはまります。
取り込み中に
重複ビデオフレームを
削除するように選択します。
![](asset-33.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する51
DVCPRO
HD ビデオ素材を編集する
DVCPRO
HD
ビデオの編集は、
DV
素材と同様に行うことができます。
DVCPRO
HD
に固有のフ
レームレートをサポートするために、いくつか追加のオプションが用意されています。
720p60DVCPRO
HD メディア用のタイムコード表示オプションを選択する
720p60DVCPRO
HDQuickTime
メディアファイルのタイムコードトラックは常に
60
fps
でカ
ウントされますが、「
Final
Cut
Pro
」のタイムコードフィールドでは、
60
fps
と
30
fps
のどちら
でタイムコードを表示するかを選択できます。
Â
720p60 ビデオを編集する場合:
2
つの時間表示オプションのいずれかを選択できます。
Â
HH:MM:SS:FF: タイムコードは、
1
秒間に
:00
から
:59
までの
60
フレームでカウントされ
ます。
Â
60 @ 3 0:
59.94
と
60
fps
のビデオを、
30
fps
のタイムコードを使用して表示します。
1
つ
のタイムコード値が、
2
つのビデオフレームを表し、フレームの値には
1
つおきにアスタ
リスクが表示されます。
このタイムコード表示は、
DVCPRO
HD
デッキでの表示と同じな
ので、
30
fps
タイムコードを使用して生成された切り出しの注釈や
EDL
を参照する場合に
便利です。
Â
720p30または720p24のビデオを編集する場合: ソース時間の代わりにクリップ時間を表示
することができます。
クリップ時間を表示するオプションを選択すると、メディアファイルの
タイムコードトラックのレートではなく、メディアファイルのフレームレートを基にタイム
コードが表示されます。
重要:これらのタイムコード表示オプションを使用しても、メディアファイルのタイムコードが
変更されることはなく、表示されるタイムコード値にのみ影響します。
01:50:20:29
01:50:20:29*
01:50:21:00
01:50:21:00*
01:50:20:28
01:50:20:28*
01:50:20:58
01:50:20:59
01:50:21:00
01:50:21:01
01:50:20:56
01:50:20:57
60 fps 60 @ 30 fps
フレーム
![](asset-34.png)
52 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
720p60
ビデオのタイムコード表示を設定するには:
1
「ビューア」または「キャンバス」で
720p60
クリップまたはシーケンスを開きます。
2
Control
キーを押したままタイムコードフィールドをクリックし、ショートカットメニューから
「
HH:MM:SS:FF
」(
60
fps
タイムコードを表示)または「
60@30
」を選択します。
参考:
60@30
のタイムコード表示は、
59.94
fps
または
60
fps
のメディアファイルとシーケンス
を操作しているときに限り使用できます。
720p30
または
720p24
クリップのクリップ時間を表示するには:
1
「ビューア」で
720p30
または
720p24
形式のクリップを開きます。
2
Control
キーを押したまま現在のタイムコードフィールドをクリックして、ショートカットメ
ニューから「クリップ時間」を選択します。
現在のタイムコードフィールドに、ソースのタイムコードレートではなく、メディアファイルの
フレームレートに基づくタイムコードが表示されます。
タイムコードの表示オプションの変更についての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュア
ル」の
Volume
2
の第
25
章「タイムコードを操作する」を参照してください。
重要:また、
720p50
ビデオの場合は、
HH:MM:SS:FF
と
50
@
25
の
2
つのモードでタイムコー
ドを表示できます。
DVCPRO
HD シーケンスを出力する
DVCPRO
HD
のクリップおよびシーケンスを
FireWire
経由でテープに記録するときの方法は、そ
の他の
DV
メディアの場合と同様です。
テープへの編集についての詳細は、「Final Cut Pro 6ユー
ザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
13
章「テープへの出力を準備する」を参照してください。
1080i、
1080p、および720p ビデオ用のカラーバーとトーンを生成する
「
Final
Cut
Pro
」には、特に
1080i
、
1080p
、および
720p
のシーケンスで使用するためのバーと
トーンの生成機能があります。
これらのバーおよびトーンのジェネレータは、「ブラウザ」の「エ
フェクト」タブの「ビデオジェネレータ」ビンにあります。
詳しくは、「Final Cut Pro 6 ユー
ザーズマニュアル」の
Volume
3
の第
21
章「ジェネレータクリップを使う」を参照してください。
720p60 の出力および再生
720p60
、
720p30
、または
720p24
のクリップまたはシーケンスを
FireWire
経由でテープに記録
するときは、「
Final
Cut
Pro
」によって自動的に
59.94
fps
でビデオが出力され、必要に応じて重
複フレームが作成されます。
同様に、
720p25
および
720p50
のクリップやシーケンスは、常に
50
fps
でテープに記録されます。
DVCPRO
HD
の
59.94fps
フレームに重複フレーム情報のフラグが付けられる方法の詳細につい
ては、
46
ページの「
720p60DVCPRO
HD
」を参照してください。
警告:すでに
DVCPPO
(
25
)または
DVCPRO50
の映像があるテープに
DVCPROHD
ビデオ
を記録しないでください。
これらの形式で同じテープストックを使用することはできますが、
記録速度が異なります。
![](asset-35.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する53
DVCPRO
HD を使ったシーケンスタイムコードを出力する
DVCPRO
HD
のシーケンスまたはクリップを
FireWire
経由で
DVCPRO
HD
デバイスに出力する
と、タイムコードも出力されます。
これは、「ビデオにプリント」や「テープに編集」の操作を行
う場合や、
FireWire
経由の外部ビデオ出力が可能な状態で通常再生するときに機能します。
詳しくは、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
14
章「テープに編集を
使用するアセンブル編集とインサート編集」を参照してください。
∏
ヒヒ
ヒヒンン
ンントト
トト::
::
DVCPRO
HD
テープで黒みとタイムコード機能を使用するときには、開始タイムコー
ド値をカスタマイズして設定することも可能です。
「
Final
Cut
Pro
」の黒みとタイムコード機能
についての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
13
章「テープ
への出力を準備する」を参照してください。
参考:黒みとタイムコード機能を使用して
720p
テープを準備する場合は、ドロップフレームの
タイムコードがサポートされます。
DVCPROHD フレームレートコンバータを使う
720pDVCPRO
HD
ビデオカメラの中には、可変フレームレートで録画できるものがありますが、
この機能は、以前はフィルムカメラにしかありませんでした。
フィルムではフレームレート
24
fps
が慣例となっていますが、多くのカメラは、スローモーショ
ンやファストモーションのエフェクトを作り出すために「早回し」や「遅回し」ができるように
なっています。
このテクニックは単純です。
1
秒間に記録するフレームが多いほど、
24
fps
で再生
するには時間がかかり、画面上の動きが遅くなります。
この逆も成り立ちます。
1
秒間に記録する
フレームが少ないほど、
24
fps
で再生したときの動きは速くなります。
目的の再生速度を選択する
DVCPRO
HD
での可変フレームレートによる録画の効果は、フィルムの場合と同様です。ただ
し、最終的な再生速度は最終的な出力形式によって異なります(
24
、
25
、
30
、
50
、または
60
fps
)。
撮影時に、目的の再生レートを考慮して、素材を記録するフレームレートを決定する必要があり
ます。
スローモーションのエフェクトを作成するには、目的の再生速度よりも高いフレームレー
トで記録する必要があります。
ファストモーションにする場合は、目的の再生レートよりも低い
フレームレートで撮影します。
たとえば、
60
fps
で撮影した素材を
24
fps
で再生すると、記録時のレートのほうが最終的な再
生レートよりも高いため、結果はスローモーションになります。
ただし、
24
fps
で記録した素材
を
24
fps
で再生すると、通常の速度で再生されます。
![](asset-36.png)
54 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
DVCPRO
HD の可変フレームレート記録のしくみ
720pDVCPRO
HD
で可変フレームレート記録を行うときに、カメラの
CCD
からは任意のフレー
ムレートで出力されますが、記録レートは
59.94
fps
または
50
fps
(ビデオカメラの機種によっ
て決まります)に固定されます。
720p60
のカメラ
CCD
は、
1
秒間に
4
∼
60
個のイメージを生成できますが、録画ユニットの
レートは
60
fps
(厳密には
59.94
fps
)に固定されます。
60fps
より低いフレームレートを選択
すると、
CCD
からの一部のイメージは
2
回以上記録されます。
これらの重複フレームにはタグが
付けられるので、後でフレームレートコンバータと呼ばれる専用デバイスを使用して削除するこ
とができます。
フレームレートコンバータとは?
フレームレートコンバータ(FRC)は、以下のような方法でフレームレートを変換するハード
ウェアまたはソフトウェアです:
Â
再生のレートを高く/低く設定し、各フレームが画面に表示される時間の長さを長く/短くし
ます。
各フレームが画面に表示される時間の長さを、記録されたときの長さから変更すること
によって、メディアに記録された動作を速く/遅くします。
Â
可変フレームレートのフラグを持つ重複フレームを自動的に判断してスキップします。
一部のフレームレートコンバータは、アップコンバート/ダウンコンバートにも対応しており、
可変レートのムービーに
720p
を使用して、
1080i
または
480i
(標準精細度)に変換することが
できます。
フレームレートコンバータの動作
テープでは、可変フレームレートのビデオ素材は、やや奇妙に(ストロボのように)見えます。
これは、削除されることになる多くのフレームが繰り返されるためです。
フレームレートコン
バータによって重複フレームが削除され、固有のフレームだけが残れば、映像は目的のレートで
再生されます。
たとえば、
15
fps
で録画するようにカメラを設定した場合は、
4
フレームのうち
3
フレームに重
複フレームとしてタグが付けられ、これらのフレームはフレームレートコンバータによって無視
または削除されます。
フレームレートコンバータは、
15
fps
の映像を、
23.98
fps
、
29.97
fps
、
59.94
fps
などの標準のフレームレートで新しいメディアファイルに変換します。
![](asset-37.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する55
720p60DVCPRO
HD
の可変フレームレート映像の例を以下に示します。
720p50
のビデオカメラでも、
720p60
のビデオカメラの場合と同様に可変フレームレートを記
録できますが、可変フレームレートの範囲は
4
∼
50
fps
になります。
使用されたフレーム 複製フレーム
DVCPRO HD 720p を使ってさまざまなフレームレートを記録する
1234
複製フレームの削除後(4 fps)
2345678910111213141516 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 60
DVCPRO HD テープ(60 fps)
1
複製フレームの削除後(30 fps)
302928272625242322212019181716151413121110987654321
DVCPRO HD テープ(60 fps)
123456789101112131415161718192021222324 2627282930313233 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 60
複製フレームの削除後(15 fps)
151413121110987654321
DVCPRO HD テープ(60 fps)
123456789101112131415161718192021222324 2627282930313233 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 60
24 252322212019181716151413121110987654321
複製フレームの削除後(25 fps)
DVCPRO HD テープ(60 fps)
123456789101112131415161718192021222324 2627282930313233 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 60
242322212019181716151413121110987654321
複製フレームの削除後(24 fps)
DVCPRO HD テープ(60 fps)
123456789101112131415161718192021222324 2627282930313233 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 60
複製フレームの削除後(60 fps)
DVCPRO HD テープ(60 fps)
2345678910111213141516 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 601
2345678910111213141516 17 18 19 20 21 22 23 24 26 27 28 29 30 31 32 33 3534 3736 38 39 40 41 4342 44 45 4746 48 4925 50 51 5352 54 55 5756 58 59 601
![](asset-38.png)
56 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
ネイティブ可変フレームレートの録画
PanasonicAG-HVX200
や
AG-HVX200E
などのビデオカメラには、テープ録画時にみられるよ
うな制約がないので、ネイティブのフレームレートで録画してもフレームの重複は発生しませ
ん。
詳細については、
47
ページの「
720pNDVCPRO
HD
のネイティブ・フレーム・レート録画」
を参照してください。
ネイティブ・フレームレート・モードのときに可変フレームレートで録画した場合、フレームレー
トコンバータを使用しなくても、結果をただちにカメラで表示できます。
詳細については、
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラに付属のマニュアルを参照してください。
DVCPROHD フレームレートコンバータについて
「
Final
Cut
Pro
」の
DVCPROHD
フレームレートコンバータでは、以前は高価なハードウェアで
しか実現できなかった変換も可能です。
元のフレームレートとは異なるフレームレートで出力
ムービーを作成することができます(たとえば、
59.94
fps
の映像を
23.98
fps
に変換します)。
フレームレートコンバータでは、独立再生形式の
QuickTime
ムービーを新しく作成することも、
実際には元のメディアファイルのフレームを参照して異なるレートで再生する
QuickTime
ムー
ビーを作成することもできます。
フレームレートコンバータは、特定の
720pDVCPRO
HD
形式に対してのみ動作し、タイムコー
ドやオーディオは処理しません。
元のメディアファイルの要件
フレームレートコンバータは、次の要件を満たすメディアファイルのみを処理します:
Â
メディアファイルが使用するコーデックが
DVCPROHD720p60
または
DVCPRO
HD720p50
である。
Â
メディアファイルが取り込まれたときのフレームレートが
59.94
fps
または
50
fps
である。
カメラからの可変フレームレート映像が確実にメディアファイルに出力されるようにするため
に、取り込みプリセットの「
FireWire
ソースからのアドバンスドプルダウンおよび/または重複
するフレームを削除」チェックボックスの選択が解除されていることを確認してください。
720p60
素材の場合は、「
DVCPROHD-720p60
」取り込みプリセットを使用すると、フラグが
適切に設定された状態で素材を取り込むことができます。
![](asset-39.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する57
タイムコードとオーディオに関する制限
フレームレートコンバータで処理されたメディアファイルには、タイムコードやオーディオが含
まれません。
このことは制限事項のように思われがちですが、タイムコードの主な目的を思い出
してください。タイムコードの目的とは、再取り込みに備えて、クリップをビデオテープ上の特
定のタイムコードアドレスにリンクさせることです。
処理されたメディアファイルのフレームは
元のテープのフレームと厳密に対応しているわけではないので、元のタイムコードが含まれてい
ても、混乱の原因になるだけです。
処理された可変フレームレートのメディアファイルは、まっ
たく新しいメディアであると考えてください。
可変フレームレート映像の撮影時に、オーディオは影響を受けることも考慮されることもありま
せん。
フィルム撮影で可変フレームレートを使用するときと同様に、ビデオでも可変フレーム
レートの映像は一般に音声なしで記録され、音声は後でポストプロダクション時に追加されます。
フレームレートコンバータのオプションについて
フレームレートコンバータのオプションについて説明します。
フレームレート
「フレームレート」ポップアップメニューでは、処理されたメディアファイルの目的の再生レート
を選択します。
詳細については、
53
ページの「目的の再生速度を選択する」を参照してください。
ここで使用可能なオプションは、ソースメディアのフレームレートによって異なります。
ソースファイル名および
形式の記述
目的の再生フレームレート
をここで選択します。
ソースのフレームレート 出力フレームレートのオプション
59.94fps 59.94、
29.97、
23.98fps
50fps 50、
25、
24fps
![](asset-3a.png)
58 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
重複フレームを削除
「重複フレームを削除」チェックボックスが選択されている場合は、フレームレートコンバータに
よって新しいメディアファイルが作成されるとき、または既存のメディアファイルが処理される
ときに(どちらが行われるかは「独立再生形式ファイルを作成」チェックボックスの選択によっ
て決まります)、フラグ付きの重複フレームが削除されます。
独立再生形式ファイルを作成
このチェックボックスが選択されている場合は、新しい独立再生形式の
QuickTime
メディアファ
イルがディスクに書き込まれます。
元のファイルから完全に独立した新しいメディアファイルを
作成する場合に、このオプションを選択します。
たとえば、元のファイルを削除したい場合や、
処理された新しいファイルを別の編集システムにコピーしたい場合です。
参考:独立再生形式のファイルを作成するには、メディアファイルをもう
1
つ作成するのに十分
なディスク容量が必要です。
このチェックボックスの選択が解除されている場合は、
QuickTime
参照ムービーが作成されま
す。
QuickTime
参照ムービーは、元のメディアファイルのフレームを参照します。
参照ムービー
には実際のメディアは含まれていないので、元のメディアファイルに比べてサイズが非常に小さ
くなります(「
Final
Cut
Pro
」のプロジェクトファイルに参照先のメディアが含まれていないの
で小さいのと同様です)。
このオプションのデメリットは、参照ムービーと共に元のメディアファ
イルが必要であることです。
詳しくは、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の第
17
章「
QuickTime
ムー
ビーを書き出す」を参照してください。
Final
Cut
Pro
に結果を読み込む
「
Final
Cut
Pro
に結果を読み込む」チェックボックスが選択されている場合は、生成されたメディ
アファイルが現在のプロジェクトに読み込まれます。
読み込まれたクリップには、「変換済みのメ
ディアを保存」ダイアログで入力した名前が付けられます。
59.94
fps から59.94
fps への変換オプションがある理由
59.94
fps
から
59.94
fps
への変換は、不必要に思われるかもしれません。
実際、映像に可変フ
レームレートのフラグがなければ、この変換は不要です。
たとえば、映像に
10
fps
のフラグが
付いている場合は、かなりの重複フレームがこの映像に含まれています。
最終的なフレーム
レートである
59.94
fps
を維持しながら、これらのフレームを元の映像から削除することがで
きます。
メディアファイル全体のフレーム数が減るので、クリップは短くなり、その結果速く
なります。
これは、標準の取り込みプリセットオプションでは不可能です。
参考:また、
50
fps
の映像を
50
fps
に変換することもできます。
この場合も、映像に可変フ
レームレートのフラグがなければ、目立った効果はありません。
![](asset-3b.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する59
フレームレートコンバータを使う
フレームレートコンバータを使用して
DVCPROHD
のメディアファイルを変換するには:
1
フレームレートコンバータの要件を満たすクリップをブラウザで選択します(
56
ページの「元
のメディアファイルの要件」を参照)。
2
「
Final
Cut
Pro
」で、「ツール」>「
DVCPROHD
フレームレートコンバータ」と選択します。
3
メディアファイルの処理のオプションを選択します。
オプションの詳細については、
57
ページの「フレームレートコンバータのオプションについて」
を参照してください。
4
「
OK
」をクリックします。
5
「変換済みのメディアを保存」ダイアログで、ファイル名を入力し、場所を指定して「
OK
」をク
リックします。
フレームレートコンバータは、はじめにソースのメディアファイルを処理し、タグ付きの重複フ
レームを削除します(「重複フレームを削除」オプションが選択されている場合)。
「ソースメディ
アを処理中」ウインドウが表示され、処理の進行状況が表示されます。
処理が完了すると、最終的な変換済みムービーファイルが、新しい独立再生形式のファイルとし
て(「独立再生形式ファイルを作成」チェックボックスが選択されている場合)、または元のメ
ディアファイルの関連フレームを参照する参照ムービーファイルとして、ディスクに書き込まれ
ます。
「
Final
Cut
Pro
に結果を読み込む」オプションが選択されている場合は、変換されたメディアファ
イルが「
Final
Cut
Pro
」に読み込まれます。
クリップ名は、「変換済みのメディアを保存」ダイア
ログで入力した名前と同じです。
変換されたメディアファイル名と、生成されたクリップ名は通
常は同じではないので、フレームレートコンバータで作成されたメディアファイルを管理すると
きは、混乱しないように注意する必要があります。
24pDVCPRO
HD を操作する
DVCPRO
HD
は、使用するビデオカメラによって、いくつかの
24p
録画モードをサポートしま
す。
24p
ビデオの詳細については、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の付
録
C
「
24p
ビデオを使って作業する」を参照してください。
1080pA24DVCPRO
HD ビデオを操作する
ここでは、
1080pA24
(アドバンスドプルダウン)の
DVCPRO
HD
ビデオ素材を取り込んで出力
するワークフローの手順を説明します。
参考:
1080p24
ビデオ素材から標準の
3:2
(
2:3:2:3
)プルダウンを削除するには、素材を
1080i60
(
29.97
fps
)として取り込んでから、「
Cinema
Tools
」を使用してプルダウンを削除します。
![](asset-3c.png)
60 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
手順
1
:アドバンスドプルダウンを使用して撮影する(
23.98
fps
を
29.97
fps
で撮影)
カメラでは
1080i/24PA
の録画モードを選択します。
このようにして撮影された
29.97
fps
の
1080i
ビデオには、
23.98fps
プログレッシブ方式のフレームが
2:3:3:2
プルダウンのパターンを使用し
て記録されます。
手順
2
:取り込み時に
24p
ビデオから
2:3:3:2
アドバンスドプルダウンを削除する
「
DVCPROHD1080pA24
」簡易セットアップを 選択します。この簡易セットアップで は、
「
FireWire
ソースからのアドバンスドプルダウンおよび/または重複するフレームを削除」オプ
ションが有効化されます。
重複するビデオフィールドが取り込み時に削除され、取り込みが終わると
24p
(
23.98
fps
)メ
ディアファイルがディスクに作成されます。
参考:
P2
カードに記録された
1080pA24
または
480pA24
の素材を取り込むときにアドバンス
ドプルダウンを削除することもできます。
詳細については、
95
ページの「「切り出しと転送」の
「読み込み環境設定」を設定する」を参照してください。
ビデオを
29.97
fps
で取り込んだ場合は、取り込みの後で、メディアファイルから重複フィール
ドを削除できます。
取り込み後にメディアファイルから
2:3:3:2
アドバンスドプルダウンを削除するには:
m
「ブラウザ」で
29.97
fps
形式のクリップを選択し、「ツール」>「アドバンスドプルダウンを削除」
と選択します。
メディアファイルのサイズは同じままですが、
23.98
fps
で再生されるよう設定がなされます。
ア
ドバンスドプルダウンのフラグがまったく検出されない場合は、メディアファイルは
29.97
fps
のままで変更されません。
手順
3
:
23.98
fps
で編集する
23.98
fps
形式のシーケンス内でビデオ素材を編集することができます。
編集時に、外部モニタで
ビデオをプレビューするには、いずれかのプルダウンオプションを選択して、
23.98
fps
ビデオ
を
29.97
fps
に変換します。
2:2:2:4
が最もプロセッサに対する負荷の少ないオプションですが、
これは、プレビュー用にのみ使用するようにしてください。
リアルタイムのプルダウンオプションの詳細については、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュア
ル」の
Volume
4
の付録
C
「
24p
ビデオを使って作業する」を参照してください。
手順
4
:アドバンスドプルダウンありの
1080i60
ビデオに戻す
ムービーの編集が終了したら、
FireWire
出力にプルダウンパターンを追加して再び
1080i60
ビデ
オに出力します。
「タイムライン」の「
RT
」ポップアップメニュー、または「システム設定」ウ
インドウの「再生コントロール」タブから、プルダウンパターンを選択します。
テープに書き戻
す場合は、アドバンスドプルダウン(
2:3:3:2
)または標準のテレシネプルダウン(
2:3:2:3
)を選
択してください。
このほかにも、
23.98
fpsQuickTime
ムービーやイメージシーケンスにムービーを書き出して、
業者にビデオ
-
フィルムの変換を依頼することもできます。
![](asset-3d.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する61
720p24DVCPRO
HD ビデオを操作する
720p24DVCPRO
HD
素材を録画するにはさまざまな方法がありますが、どれを使用できるかは
ビデオカメラによって異なります。
720p60DVCPRO
HD を23.98fps で録画する
重複フレームが記録されます。この重複フレームの削除は、取り込み時(
PanasonicVaricam
)、
P2
カードの取り込み時(
PanasonicAG-HVX200
)、または取り込み後(
DVCPRO
HD
フレーム
レートコンバータを使用)に行うことができます。
この形式は、720p24 とも呼ばれます。
詳細については、
49
ページの「取り込み時に重複するフレームを削除する」および
95
ページの
「「切り出しと転送」の「読み込み環境設定」を設定する」を参照してください。
参考:
PanasonicVaricam
ビデオカメラではフレームレート設定
24
fps
で
720p60
ビデオを録画
できますが、この形式は「
Final
Cut
Pro
」ではサポートされていません。
詳細については、
47
ペー
ジの「
PanasonicVaricam
ビデオカメラでシステム周波数を設定する」を参照してください。
720p50DVCPRO
HD を24fps で録画する
重複フレームが記録されます。この重複フレームの削除は、
P2
カードの取り込み時に「切り出
しと転送」ウインドウで行うか、
DVCPRO
HD
フレームレートコンバータを使用して行います。
詳細については、
95
ページの「「切り出しと転送」の「読み込み環境設定」を設定する」を参照
してください。
参考:この形式は、
PanasonicAG-HVX200E
ビデオカメラ(
PAL
)を使用する場合のみ使用可能
です。
720pN24DVCPRO
HD(ネイティブ24p)
DVCPROHD24
fps
映像は
PanasonicP2
カードにネイティブに録画され、「切り出しと転送」ウ
インドウを使用して取り込むことができます。
詳細については、
107
ページの「
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラの互換性」を参照してください。
参考:この形式は、
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラ(
NTSC
)を使用する場合のみ使用可
能です。
![](asset-3e.png)
62 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
DVCPRO
HD 形式の仕様
DVCPRO
HD
は、
DVCPRO
(
25
)や
DVCPRO50
を拡張して
100Mbps
に対応させた形式で、高
品質
HD
ビデオの取り込みおよび編集に使用されます。
DVCPRO
HD
は
DV
形式であるため、
FireWire
を使用したネイティブ取り込みおよび出力がサポートされます。
記憶メディア
DVCPRO
、
DVCPRO50
、および
DVCPRO
HD
テープでは、メタルパーティクル(
MP
)テープが
使用されています。
一部のテープサイズは、デッキにのみ対応しており、カメラには対応してい
ません。
25Mbps
(
DV
および
DVCPRO
)のデータレートから
50Mbps
(
DVCPRO50
)、そして
100Mbps
(
DVCPRO
HD
)へとデータレートが倍増するごとに、記録時間はそれぞれ半減してい
ます。
このため、
63
分の
DV
テープに記録できる
DVCPRO50
の映像は
31
分、
DVCPRO
HD
の映
像は
15
分のみとなります。
DVCPRO
、
DVCPRO
50
、および
DVCPRO
HD
は、
P2
カードへの記録も可能です。
詳細について
は、
97
ページの「
PanasonicP2
カードおよびメディアファイルについて」を参照してください。
ビデオ標準
SMPTE370M-2006
仕様では、以下の
DVCPRO
HD
形式が定義されています。
Panasonic
社の機器および「
Final
Cut
Pro
」は、これらの形式でこのほかのフレームレートもサ
ポートします。
詳細については、
63
ページの「フレームレート」を参照してください。
アスペクト比
いずれの解像度を使用する場合でも、
DVCPRO
HD
では、画像は常に
16:9
(
1.78
)のアスペクト
比で取り込まれて表示されます。
警告:
DV
(mini-DV とも呼ばれます)および
DVCAM
ではメタル蒸着(
ME
)テープを使用し、
DVCPRO
ではメタル・パーティクル・テープを使用します。
迷ったときは、使用するカメラま
たは
VTR
用に製造されたテープを使用してください。
形式
フレームサイズ フレームレート
スキャン方式
1080i60 12 8 0 ×1080 59.94fps インターレース
1080i50 14 40 ×1080 50fps インターレース
720p60 960 ×720 59.94fps プログレッシブ
720p50 960 ×720 50fps プログレッシブ
![](asset-3f.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する63
フレームサイズ、走査線数、および解像度
DVCPRO
HD
では、次の
3
つの解像度がサポートされます:
Â
1080i60:
128 0
ピクセル/ライン、走査線数
1080
本、インターレース(
16:9
(
1920
×
1080
)表示)
Â
1080i50:
1440
ピクセル/ライン、走査線数
1080
本、インターレース(
16:9
(
1920
×
1080
)表示)
Â
720p60、720p50:
960
ピクセル/ライン、走査線数
720
本、プログレッシブ(
16:9
(
128 0
×
720
)表示)
「
Final
Cut
Pro
」での
DVCPRO
HD
形式の取り込みおよび処理には、ネイティブのサイズが使用
されますが、画面での表示は
16:9
ビデオを表示したときと同様になります。
フレームレート
DVCPRO
HD
は、
NTSC
と
PAL
の両方のフレームレートをサポートします:
Â
NTSC:
59.94
および
29.97
fps
Â
PAL:
50
および
25
fps
参考:
PanasonicVaricam
ビデオカメラには、
59.94
fps
ではなく正確に
60
fps
で録画するオプショ
ンがありますが、「
Final
Cut
Pro
」での
FireWire
経由の取り込み時には、このレートはサポートさ
れません。
1080i60
形式では、
24
fps
のプログレッシブ映像を標準のプルダウン(
2:3:2:3
)またはアドバン
スドプルダウン(
2:3:3:2
)を使用して録画できます。
720p60
の素材を録画できるビデオカメラは、
720p30
および
720p24
の素材も録画できます。
720p50
をサポートするビデオカメラは、
720p25
の素材も録画できます。
テープベースのビデ
オカメラでこれらのフレームレートを実現するには、フレームを重複させて記録し、取り込み時
に(またはフレームレートコンバータによって)削除できるようにフラグを付けるという方法が
とられます。
PanasonicAG-HVX200
などの
P2
ビデオカメラは、
720pN30
形式および
720pN24
形式にネイティブに(重複フレームを発生させずに)録画できます。
PanasonicAG-HVX200E
ビ
デオカメラは、
720pN25
をサポートします。
一部の
DVCPRO
HD
ビデオカメラは、可変フレームレートでの
720p
形式の録画に対応していま
す。
この場合、ビデオは実際に
60
fps
または
50
fps
で記録され、重複フレームには、ポストプ
ロダクションで削除するためのフラグが付けられます。
重複フレームを削除するには、フレーム
レートコンバータを使用します。
1280 x 720
1280 x 1080
1920 x 1080
1440 x 1080
1
920
x 1
080
720p
1080i60、1080p30、
1080pA24
1080i50
960 x 720
![](asset-40.png)
64 第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する
スキャン方式
DVCPRO
HD
はフレームサイズと形式に応じて、インターレース・スキャン画像またはプログ
レッシブスキャン画像を記録することができます。
Â
1080 ライン: インターレースまたはプログレッシブ(アドバンスドプルダウン経由)
Â
720 ライン: プログレッシブのみ
カラー記録方式
DVCPRO
HD
では、
4:2:2Y´C
B
C
R
(コンポーネント)デジタルビデオ信号が記録されます。
各サ
ンプル(ピクセル)には、ネイティブ解像度の
8
ビットが使用されます。
FireWire
はネイティブ
の
8
ビットの色深度でカラーを転送し、
HDSDI
は各カラーサンプルを
10
ビットの値として転送
します。
データレート
テープ上の
DVCPRO
HD
のデータレートは
100Mbps
に固定されます。これは、
DVCPRO50
の
データレートの
2
倍、
DVCPRO
の
4
倍です。
以下の表は、
DVCPRO
HD
形式での取り込みに使用されるデータレートを比較したものです。
こ
れらのデータレートでは、ビデオのみが表示されます。
取り込み中に使われる実際のディスク空き容量は、取り込まれるオーディオチャンネルの数に
よって若干変わります。
取り込まれるオーディオトラック
1
つにつき、
0.34MB/
秒が加算され
ます。
DVCPRO
HD
では圧縮が行われるため、
DVCPRO
HD
ビデオ素材の取り込みには、
7200rpm
の
内蔵パラレル/シリアル
ATA
ドライブで十分に対応できます。
FireWire
ドライブも、多くの場合
に十分対応が可能です。
形式 記録時のデータレート(
Mbps) 取り込み時のデータレート(
MB/ 秒)
1080i60 100Mbps 14.4 MB /秒
1080i50 100Mbps 14.4 MB /秒
720p60 100Mbps 14.4MB /秒
720p50 100Mbps 14.4MB /秒
720pN30 50Mbps 7. 2 M B /秒
720pN25 50Mbps 7. 2 M B /秒
720pN24 40Mbps 5.76MB /秒
![](asset-41.png)
第2章
DVCPRO
HD 形式で作業する65
ビデオ圧縮
DVCPRO
HD
では、さまざまな
DV
および
DVCPRO
50
コーデックを使用しています。
圧縮比は、
約
6.7:1
です。
オーディオ
DVCPRO
HD
形式では、最大
8
つのオーディオトラックがサポートされますが、すべてのデバイ
スが全トラックにアクセスできるわけではありません。
サンプリングレートは
48
kHz
で、
1
サ
ンプルあたり
16
ビットが使用されます。
タイムコード
テープまたは
P2
カードでは、
1080i60
、
1080p30
、および
720p60DVCPRO
HD
に
30
fps
のタ
イムコードが使用されます。
1080i50
および
720p50
の
DVCPRO
HD
には、
25
fps
のタイムコー
ドが使用されます。
720p60
の
DVCPRO
HD
を記録するときは、
1
つのタイムコード値が
2
回使
用され、同じタイムコード値のフレーム
1
とフレーム
2
はアスタリスクで区別されます。
これに
より、
SMPTE30
fps
タイムコードとの下位互換性が保たれています。
720p60
ビデオを取り込む
ときに、
30
fps
タイムコードは
60
fps
タイムコードに変換されます。
メディアファイル表示に
60
fps
タイムコードでなく
30
fps
タイムコードを使用できるよう、「
Final
Cut
Pro
」には 60@30
タイムコードと呼ばれるタイムコード表示オプションが用意されています。
参考:「
Final
Cut
Pro
」は、
720p
形式のドロップフレームのタイムコードをサポートしています。
![](asset-43.png)
3
67
3
IMX
形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」でサポートされているIMX のネイティブ編集は、放
送用ポストプロダクション環境の強力なツールとなります。
この章では以下について記載します:
Â
IMX
について(
67
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」で
IMX
を操作する(
68
ページ)
Â
IMX
形式の仕様(
70
ページ)
IMX について
IMX
は、
Sony
社が策定した
MPEG-2
ベースの高品質な標準精細度ビデオ形式です。
NTSC
およ
び
PAL
ビデオ規格の両方がサポートされます。
IMX
は、特定のテープ形式や転送方式に限定した形式ではなく、テープ、ハードディスク、また
は光学ディスクにも簡単に保存することができます。
アナログコンポーネントや
SDI
インター
フェイス経由での標準ビデオ信号の転送に加え、
SDTI
および
Ethernet
インターフェイスを使用
したネイティブ
IMX
データの転送も可能です。
IMX
は、利用が拡大している MXF と呼ばれるデータ形式によりビデオとオーディオデータをカ
プセル化することで、従来のビデオ形式とコンピュータベースのポストプロダクションシステム
間の橋渡し的な役割をしています。
![](asset-44.png)
68 第3章
IMX 形式で作業する
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるIMX 形式
IMX
は、
NTSC
または
PAL
ビデオ規格を使用して、
3
種類のビットレート(
30
、
40
、および
50
Mbps
)での記録が可能です。
「
Final
Cut
Pro
」では、
30
、
40
、および
50
Mbps
の
IMX
形式
を使用したリアルタイムの編集およびエフェクトがサポートされます。
MXF とは
MXF
(
MaterialeXchangeFormat
)は、ビデオ業界向けの汎用メディアコンテナ形式です。
これ
は、圧縮方式や特定のビデオタイプではなく、ビデオ、オーディオ、および関連するメタデータ
の格納/転送を行うためのコンテナの役割をします。
MXF
コンテナの概念は、汎用のメディアコ
ンテナである
QuickTime
ムービーと似ていて、各種のサイズ、コーデック、サンプルレートのビ
デオおよびオーディオの格納が可能です。
たとえば、
IMX
形式では、
MPEG-2
圧縮ビデオとオーディオを
MXF
コンテナに格納できます。
た
だし、
MXF
はコーデックに固有の形式ではないため、
DVCAM
などほかのコーデックで圧縮され
たビデオの保存が可能です。
PanasonicP2
カードでは、
MXF
ラッパー内に
DV
、
DVCPRO
、
DVCPRO
50
、お よ び
DVCPRO
HD
データを格納できます。
MXF
ラッパーを使用することで、専用のメディ
アデータの転送および格納が、汎用のコンピュータシステム内で行うことができるようになり、
また複数のメディアタイプに対応できるようになります。
「
Final
Cut
Pro」でIMX を操作する
「
Final
Cut
Pro
」での
IMX
ビデオの書き出しおよび編集は、いくつかの手順で行うことができま
す。
IMX
は
MXF
ベースの形式であるため、
MXF
コンテナから
MPEG-2IMX
メディアを取り出し
て、
QuickTime
メディアファイルに保存するには、 他社製のソフトウェアが必要になります。
手順
1
:
IMX
ビデオ素材をコンピュータに転送する
手順
2
:
MXF
ラッパーでラップされた
IMX
メディアファイルをプロジェクトに読み込む
手順
3
:
IMX
用の簡易セットアップを選択する
手順
4
:
IMX
クリップをシーケンスに組み込む
手順
5
:
IMXQuickTime
メディアファイルを書き出す
形式 フレームサイズ データレート
IMX-NTSC 720 ×486 30、
40、および50Mbps
IMX-PAL 720 ×576 30、
40、および50Mbps
![](asset-45.png)
第3章
IMX 形式で作業する69
IMX ビデオ素材をコンピュータに転送する
IMX
メディアは
MXF
ファイルに格納されるため、最初の手順では、
IMX
メディアを含む
MXF
ファイルをコンピュータのハードディスクに転送します。
使用するメディアの形式に応じて、
SonyIMXVTR
、
XDCAM
プレーヤー、または
MXF
ファイル転送に対応したその他デバイスを使
用できます。
コンピュータへの
IMX
メディアの転送の詳細については、デッキに付属しているマ
ニュアルを参照してください。
MXF ラッパーに格納されたIMX メディアファイルをプロジェクト
に読み込む
ハードディスクに
MXF
ファイルを取り込んだら、
IMXMPEG-2
メディアデータを取り出して、
QuickTime
メディアファイルに保存する必要があります。
この処理には、「
Final
Cut
Pro
」での
MXF
エンコードメディアの書き出し機能を拡張する他社製のプラグインが必要です。
MXF
から
QuickTime
メディアファイルに
IMX
メディアを変換したら、
QuickTime
メディアファイルを
「
Final
Cut
Pro
」に読み込むことができます。
IMX 用の簡易セットアップを選択する
MXF
ファイルを変換して、
IMXMPEG-2
メディアを格納した
QuickTime
メディアファイルが作
成されたら、使用する
IMX
形式と互換性のあるシーケンスのプリセット(または対応する簡易
セットアップ)を選択する必要があります。
「
Final
Cut
Pro
」には、
30
、
40
、ま た は
50
Mbps
の
NTSC
または
PALIMX
メディアを使用したリアルタイム編集用の簡易セットアップが用意されて
います。
IMX クリップをシーケンスに組み込む
「
Final
Cut
Pro
」での
IMX
の組み込みには、特別な機能や設定は必要ありません。
ほかの形式と
同様に、簡易セットアップが編集するビデオ素材の形式に適合しているかを確認するだけです。
IMXQuickTime メディアファイルを書き出す
シーケンスの編集が完了したら、対応する
NTSC/PALIMX
コーデックを使用して、
QuickTime
ムービーを書き出すことができます。
![](asset-46.png)
70 第3章
IMX 形式で作業する
IMX 形式の仕様
IMX
は、ベータカム IMX または MPEG IMX とも呼ばれ、高品質の
MPEG-2
圧縮を行って
SD
NTSC/PAL
ビデオを記録します。
記憶メディア
IMX
形式の特徴の
1
つとして、単一のメディアタイプに制限されないことがあげられます。
IMX
は、
IMX
テープ形式のほかにも、
Sony
光学ディスク形式の
XDCAM
にも記録が可能です。
IMXVTR
は、従来からのテープデッキと近年のコンピュータ編集システムとの橋渡しをする役割
を持ち、次のような特徴があります:
Â
ベータカム
SP
、ベータ
SX
、およびデジタルベータカムなど、旧式のビデオ形式を再生できま
す。
これらの形式を、リアルタイムで
MPEGIMX
に変換して出力することができます。
参考:すべての
IMXVTR
が、ベータカム形式の再生および録画に対応しているわけではあり
ません。
Â
Ethernet
や
TCP/IP
プロトコルなど、ネットワークインターフェイス経由で
IMX
デジタル・ビデ
オ・ファイルを転送できます。
ビデオ標準
IMX
では、
SDNTSC
および
SDPAL
の両方がサポートされます。
アスペクト比
NTSC
および
PALIMX
のアスペクト比は、ともに
4:3
です。
フレームサイズ、走査線数、および解像度
IMX
では、ビデオの記録に、
NTSC
(
525
)および
PAL
(
625
)の
2
種類の解像度を使用できます。
数値は、それぞれ対応するビデオ形式のアナログ走査線数を示します。
ただし、これらのアナロ
グ走査線の多くは画像情報の格納には使用されません。
「
Final
Cut
Pro
」では、以下のフレーム
サイズが使用されます:
Â
NTSC IMX:
720
ピクセル/ライン、走査線数
486
本
Â
PAL IMX:
720
ピクセル/ライン、走査線数
576
本
どちらの形式でも、
DV
、
DVD
、デジタルベータカム、およびその他の
SD
デジタルビデオ形式
と同様に、標準精細度の長方形ピクセルが使用されます。
フレームレート
IMX
では、
NTSC
および
PAL
のフレームレート(それぞれ
29.97
fps
と
25
fps
)がサポートされます。
スキャン方式
IMX
は、インターレース記録方式に対応しています。
![](asset-47.png)
第3章
IMX 形式で作業する71
カラー記録方式
IMX
では、
4:2:2Y´C
B
C
R
(コンポーネント)デジタルビデオ信号が記録されます。
各サンプル(ピ
クセル)の解像度は
8
ビットです。
データレートとビデオ圧縮
IMX
は、
I
フレームのみの
MPEG-2
圧縮方式を使用します。
IMX
は、
MPEG-24:2:2Profile@ML
の限定バージョンです。
SMPTE
の公式の指定は、
SMPTE
標準
356M
の通り、
D10
です。
3
種類の圧縮レートがサポートされています:
Â
30 Mbps:圧縮比
5.6:1
Â
40 Mbps:圧縮比
4.2:1
Â
50 Mbps:圧縮比
3.3:1
オーディオ
IMX
では、
2
種類のオーディオチャンネル構成がサポートされます:
Â
4
オーディオチャンネル(サンプルレート
48
kHz
、
1
サンプルあたり
24
ビット)
Â
8
オーディオチャンネル(サンプルレート
48
kHz
、
1
サンプルあたり
16
ビット)
タイムコード
IMX
では、
30fps
と
25
fps
のタイムコードがサポートされます。
![](asset-49.png)
4
73
4
切り出しと転送ウインドウを使う
「切り出しと転送」ウインドウでは、ファイルベースのメディアに録
画された素材を表示したり、それらの素材を取り込み先ディスクに転
送したりできます。
この章では以下について記載します:
Â
ファイルベースのメディアについて(
74
ページ)
Â
「切り出しと転送」ウインドウについて(
74
ページ)
Â
ファイルベースのメディアの関連用語(
76
ページ)
Â
ファイルベースのメディアを使用したワークフローの例(
78
ページ)
Â
メディアデバイスをマウントする(
80
ページ)
Â
ブラウズ領域を使う(
80
ページ)
Â
プレビュー領域を使う(
84
ページ)
Â
切り出し領域を使う(
86
ページ)
Â
転送キューを使う(
88
ページ)
Â
クリップのメディアを再度取り込む(
90
ページ)
Â
スパンクリップを操作する(
91
ページ)
Â
カードからファイルベースのメディアをアーカイブする(
93
ページ)
Â
「切り出しと転送」の「読み込み環境設定」を設定する(
95
ページ)
![](asset-4a.png)
74 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
ファイルベースのメディアについて
従来、ビデオ映像はビデオテープに記録されてきました。
アナログ技術に代わってデジタル化が
急速に発展し、ビデオカメラは、ハードディスク、ソリッドステートメモリカード、光ディスク
など、テープ以外のメディアにファイルとして映像を記録するタイプが増えつつあります。
分か
りやすいように、このマニュアルではテープ以外のメディアのことをファイルベースのメディア
と呼んでいます。
ファイルベースのメディアはノンリニアであるため、テープメディアに比べて
以下の利点があります:
Â
ほかのクリップを取り込みながら、クリップの切り出しも同時に行うことができます。
これは
テープでは不可能な操作です。
Â
ファイルベースのクリップは記録時間で定義されるため、ビデオ素材を容易に確認することが
できます。
テープを使用した場合は、イン点とアウト点を手動で設定してクリップを定義する
必要があります。
Â
ビデオの表示および取りみ込みのための頭出しやプリロール時間は必要ありません。
Â
複数のボリュームを同時にマウントすることができます。
テープでは、一度にマウントできる
のは
1
つだけです。
今日、一般的なファイルベースのメディア形式には、以下のものがあります:
Â
DVCPRO
HD
および
AVC-Intra
(ソリッドステートの
PanasonicP2
カード)
Â
AVCHD
(ハードディスク、
miniDVD
、
SD
カード、メモリスティック)
Â
SonyXDCAM
、
XDCAM
HD
(光学ディスク)、
XDCAM
EX
(
SxS
メモリカード)
Â
Sony
ビデオディスク・ユニット・デバイス(ハードディスク)
「切り出しと転送」ウインドウについて
「
Final
Cut
Pro
」では、「切り出しと転送」ウインドウを使用して、ファイルベースのメディアを
コンピュータに転送できます。
転送されたメディアファイルは、ほかの形式のメディアファイル
と同様に編集できます。
「切り出しと転送」ウインドウは、以下の
4
つの領域に分かれています:
Â
ブラウズ: マウントされたすべてのメディアボリュームと、ボリュームに保存されたクリップ
に関する概要を表示します。
Â
プレビュー: 素材の表示、イン点とアウト点の設定、転送キューへのクリップの追加ができ
ます。
Â
切り出し: この領域を使用して、取り込みの前にクリップの説明情報を追加します。
また、こ
の領域にある「読み込み設定」ボタンをクリックすると、各クリップと共に取り込むビデオ/
オーディオチャンネルを選択することができます。
Â
転送キュー: 取り込み用のキューにあるクリップの状況一覧を表示します。
![](asset-4b.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う75
「切り出しと転送」ウインドウを開くには:
m
「ファイル」>「切り出しと転送」と選択します(またはコマンド+
Shift
+
8
キーを押します)。
参考:この章の図では、「切り出しと転送」ウインドウで
P2
素材を取り込んでいる様子を示して
います。
ウインドウに表示される機能が、ほかのビデオ形式を取り込む場合とは多少異なってい
る場合があります。
「切り出しと転送」ウインドウの各領域のサイズを変更するには、以下のいずれかの操作を行い
ます:
m
縦または横のサイズ変更バーをドラッグします。
m
縦または横のサイズ変更バーをダブルクリックすると、領域が隠れます(すでに隠れている場合
は、領域が現れます)。
参考:サイズ変更バーをウインドウのふちの近くに置くと、
1
つまたは複数の領域が隠れる場合
がありますが、サイズ変更バーは常に表示された状態になります。
ブラウズ領域
転送キュー領域
プレビュー領域
切り出し領域
縦方向のサイズ変更バー
横方向のサイズ変更バー
縦方向のサイズ変更バーと
サイズ変更ポインタ
![](asset-4c.png)
76 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
ファイルベースのメディアの関連用語
ファイルベースのメディアを「切り出しと転送」ウインドウを使って取り込む場合、次の概念や
定義について理解していることが重要です。
Â
インジェスト(取り込み): メディア・ストレージ・システム間でビデオ、オーディオ、およ
びメタデータを転送する処理を表す一般的な用語です。
インジェスト(取り込み)は、状況に
よっては以下を意味することがあります:
Â
P2
ファイルシステムと
Mac
OS
X
の間など、異なるコンピュータプラットフォームやファイ
ルシステム間でデータを転送する
Â
テープからハードディスクなど、異なる記憶メディア間でデータを転送する(取り込みとも
呼ばれる)
Â
ローカルの取り込み先ディスクからノンリニア編集システムにメディアファイルを追加し
て、メディアを参照するクリップを作成する(読み込みとも呼ばれる)
Â
MXF
ファイルから
QuickTime
ファイルなど、異なるコンテナファイル形式間でメディアを
変換する
Â
AVC-Intra1080i
素材から
AppleProRes422
コーデック
1080i
素材など、ビデオ/オーディオ
データを異なる形式にトランスコードする
Â
「切り出しと転送」ウインドウのプラグイン: 「切り出しと転送」ウインドウの機能を拡張し、
特定のメディア形式のプレビューや取り込みを可能にするソフトウェアプラグインです。
「
Final
Cut
Pro
」には、
PanasonicP2
形式などに対応したデフォルトのプラグインが用意され
ていますが、メーカーが新しい形式を導入した際はそれに合ったプラグインを追加でインス
トールできます。
Â
記憶メディア: 素材を録画するファイルベースのメディアを指します。
たとえば、
Panasonic
P2
カード、
SonySxS
カード、ハードディスク、
SonyProfessionalDisc
、
miniDVD
がありま
す。
通常、記憶メディア(
PanasonicP2
カード、
SonyProfessionalDisc
など)の個々のユ
ニットは記憶メディアユニットと呼ばれます。
Â
メディアデバイス: ビデオカメラ、デッキ、カードリーダーなど、ファイルベースの記憶メ
ディアの読み書きができるデバイスです。
これらのデバイスは通常、
USB
または
FireWire
ケー
ブルを介して
Macintosh
コンピュータに接続することができます。
参考:外付けのハードディスクドライブも記憶メディアが固定されているメディアデバイスと
見なすことができます。
Â
メディアボリューム:
Mac
OS
X
のデスクトップにマウントされているメディアデバイス(ま
たは同等のデバイスのディスクイメージ)です。
「切り出しと転送」ウインドウには、「切り
出しと転送」ウインドウのプラグインで認識可能なファイルおよびディレクトリ構造を持つメ
ディアボリュームのみが表示されます。
単にボリュームと呼ばれることもあります。
Â
ディスクイメージ: メディアボリュームの中身を格納しているファイルです。
マウントしてい
るボリュームのディスクイメージは、「切り出しと転送」ウインドウまたは
Mac
OS
X
の付属
ユーティリティを使って作成できます。
![](asset-4d.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う77
Â
メディアボリューム名: マウントしているボリューム、ディスクイメージ、またはフォルダの
名前です。
メディアボリュームへの書き込み権限がある場合は、フォルダ内のボリューム名を
変更できます。
Â
メディアファイル: サンプルデータのビデオ/オーディオトラックを
1
つまたは複数含むファ
イルです。
メディアファイルには、実際の素材(コンテンツ要素とも呼ばれます)が含まれて
います。
ビデオとオーディオが関連付けられているコンテンツ(たとえば、イメージと音声の
両方が含まれているインタビュー映像)は、
1
つのファイルにまとめて保存することも、別々
のファイルに保存することもできます。
分離されているビデオとオーディオは、メディアファ
イルによって関連付ける必要があります(
P2
カードには、この目的で
XML
ファイルが用意さ
れています)。
メディアファイルの多くは、
QuickTime
や
MXF
などの汎用コンテナ形式で保存されます。こ
れには、ビデオやオーディオのトラックやストリーム、メタデータコンテンツが含まれていま
す。
AIFF
、
Wave
、
TIFF
、および
JPEG
も、メディアファイルのタイプの例です。
Â
MXF: ビデオやオーディオおよび関連するメタデータを
1
つのコンテナファイルに格納する
ためのメディアファイル標準です。
MXF
ファイルは
QuickTime
ファイルに似た形式で、これ
らはともにメディアとそのメタデータを保存するフ ァイル形式です。
詳細については、
68
ページの「
MXF
とは」を参照してください。
Â
メタデータ: 一般的に、基本データを記述する
2
次的なデータのことを言います。
メディアの
場合、基本データはビデオ/オーディオサンプル自体のことで、これに付属する、撮影時間、
GPS
座標、カメラオペレータ名、ショット/テイク番号、サンプルレート、使用するビデオ
コーデックなどの記述情報がメタデータとなります。
Â
プロキシメディアファイル: メディアファイルの低解像度のコピーで、通常は
MPEG-4
ファイ
ルとして保存されます。
プロキシを使用することで、ビデオの高速転送とプレビューが可能に
なります。
すべての形式がプロキシファイルに記録できるわけではありません。
Â
クリップ: ディスク上のメディアファイルを参照またはメディアファイルを示す
「
Final
Cut
Pro
」のオブジェクトです。
Â
リール名:
Final
Cut
Pro
プロジェクトのクリップに保存されている情報です。これによりク
リップのオリジナルメディアが保存されているメディアボリュームを識別できます。
クリッ
プのリール名は、特にクリップを取り込み直すとき、オリジナルメディアが保存されているボ
リュームを見つけるのに重要な要素です。
Â
スパンクリップ:
2
つ以上のメディアファイルから成る
1
つのクリップのことです。
スパンク
リップは、
1
ショットで記憶メディアの容量を超える素材を録画すると必ず作成されます(
P2
カードでは素材が
4
GB
を超える場合)。
この場合、ビデオカメラは中断することなく次の使用
可能な記憶メディアの新しいメディアファイルに記録し続けることができます。
詳細について
は、
91
ページの「スパンクリップを操作する」を参照してください。
![](asset-4e.png)
78 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
ファイルベースのメディアを使用したワークフローの例
ファイルベースの素材を取り込む処理は、「切り出しと取り込み」ウインドウを使ってテープメ
ディアを読み込むのとほとんど同じです。ただし、テープのわずらわしさがないため、処理速度
が速くなることが多いです。
ここでは、次のワークフローの例を通して「切り出しと転送」ウイ
ンドウの使い方を説明します:
手順
1
:ビデオを録画する
手順
2
:取り込み先ディスクと切り出しビンを選択する
手順
3
:「切り出しと転送」ウインドウでボリュームをマウントする
手順
4
:「
Final
Cut
Pro
」がネイティブにサポートしていない形式の場合は転送先コーデックを選
択する
手順
5
:ブラウズ領域でクリップを選択する
手順
6
:プレビュー領域でクリップを表示する
手順
7
:切り出し領域で切り出し情報を追加する
手順
8
:転送キューにクリップを追加してメディアを取り込む
これらのワークフローの手順の詳細を以下に説明します:
1
PanasonicP2
、
XDCAM
、
AVCHD
ビデオカメラなどのデバイスを使って、ファイルベースの記
憶メディアに素材を録画します。
2
記憶メディアを挿入したままのメディアデバイスを、
FireWire
または
USB
経由でコンピュータに
接続します。
記憶メディアが
Finder
で認識され、デスクトップに表示されます。
3
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「システム設定」を選択し、「取り込み先ディスク」タブをクリッ
クします。
4
取り込んだメディアを保存する取り込み先ディスクを選択します。
5
「
Final
Cut
Pro
」のブラウザで、プロジェクトで取り込んだクリップを保存する切り出しビンを
選択します。
6
「ファイル」>「切り出しと転送」と選択します(またはコマンド+
Shift
+
8
キーを押します)。
マウントされているボリュームがブラウザ領域に表示されます。
7
必要に応じて、
Finder
からファイルベースのメディアフォルダを追加します。以下のいずれかの
操作を行います:
Â
ブラウズ領域の左上隅にある「フォルダを追加します」ボタンをクリックしてフォルダを選択
し、「
OK
」をクリックします。
Â
Finder
からブラウズ領域にフォルダをドラッグして、マウスボタンを放します。
Â
ブラウズ領域の右上隅のアクションポップアップメニューから「カスタムパスを追加」を選択
し、フォルダを選択して「
OK
」をクリックします。
![](asset-4f.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う79
8
取り込もうとしている形式が、「
Final
Cut
Pro
」でネイティブにサポートされていない場合
(
AVCHD
や
AVC-Intra
など)は、素材をトランスコードする形式を選択する必要があります。
詳
細については、
95
ページの「「切り出しと転送」のプラグインのトランスコード設定」を参照し
てください。
9
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域でクリップを選択し、プレビュー領域に表示します。
10
プレビュー領域でイン点とアウト点を設定し、取り込むメディアを指定します。
参考:一部の形式では、イン点とアウト点の設定がサポートされていません。
11
ブラウズ領域、切り出し領域、またはプレビュー領域でクリップのリール情報を変更します。
デフォルトでは、クリップのリール情報は、その保存場所であるボリュームの名前と同じです。
スパンクリップの一部となるクリップの場合、リール情報はデフォルトで「スパンリール」とな
ります。
必要に応じて、クリップのリール情報を分かりやすい名前に変更することができます。
このようにすれば、後でクリップのメディアを取り込み直すときに、オリジナルのメディアが保
存されている場所を見つけやすくなります。
特にスパンクリップを扱う場合は、クリップのリー
ル名を変更することが重要になります。
詳細については、
90
ページの「リール名の選択とボ
リューム名について」を参照してください。
12
クリップ名を、ビデオカメラで付けられたデフォルトの名前より分かりやすい名前に変更します。
13
切り出しフィールドの各クリップに説明情報を追加します。
これらの情報は、クリップを取り込
んでブラウザに保存する際に、クリップとともに保存されます。
14
切り出し領域の「読み込み設定」をクリックして、取り込むビデオ/オーディオチャンネルを選
択します。
使用できるオーディオチャンネルの数(通常は
2
または
4
)は、ブラウズ領域にある
クリップに含まれるチャンネルの数によって異なります。
オーディオチャンネルのペアは、ステ
レオまたはデュアルモノとして扱うことができます。
参考:一部の形式は、自動的にステレオにミックスダウンされます。
この場合、「読み込み設定」
パネルのオーディオ設定は調整できません。
15
以下のいずれかの操作を行います:
Â
ブラウズ領域で
1
つまたは複数のクリップを選択して、「選択項目をキューに追加」をクリック
します。
Â
プレビュー領域で「クリップをキューに追加」をクリックします。
参考:「クリップをキューに追加」ボタンをクリックすると、プレビュー領域に表示されたク
リップのみが転送キューに追加されます。
転送キューにクリップを追加するその他の方法については、
88
ページの「取り込み用の転送
キューにクリップを追加する」を参照してください。
16
転送キュー領域にある取り込み済みのメディアの状況を確認します。
![](asset-50.png)
80 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
メディアデバイスをマウントする
ファイルベースのメディアデバイスから素材を取り込むには、まず、そのメディアデバイスをメ
ディアボリュームとしてデスクトップにマウントする必要があります。
ほとんどのメディアデバ
イスには、特別なファイル・アクセス・モードがあり、
FireWire
や
USB
経由でコンピュータに
接続できるようになっています。
詳細については、それぞれのメディアデバイスのマニュアルを参照してください。
また、メディ
アボリュームのディスクイメージもマウントできます。
重要:記憶メディアを実際に取り出す場合やコンピュータからメディアデバイスを切断する場合
は、その前に必ずそれらのボリュームのマウントを解除してください。
ボリュームのマウントを解除するには、次のいずれかを実行します:
m
「切り出しと転送」ウインドウでボリュームを選択して、「取り出し」ボタンをクリックします。
m
Finder
でマウントされたボリュームを選択し、「ファイル」>「取り出し」と選択します(または
コマンド+
E
キー)。
ボリュームのマウントを解除した後、記憶メディアの取り外しやメディアデバイスの切断が可能
になります。
ファイルベースのメディアの有効なフォルダ構造を持つフォルダを
使う
「切り出しと転送」ウインドウでは、有効なフォルダ構造を持つフォルダからであればメディア
を取り込むことができます。
これらのフォルダは、それぞれのカードやデバイスからハードディ
スクにコピーすることにより作成できます。
重要:「
Final
Cut
Pro
」では、オリジナルのメディアファイル、記述メタデータ、および対応す
る
XML
クリップファイルが含まれていて、各標準に準拠したフォルダのみが認識されます。
ファ
イルベースのメディアデバイスの内容をハードディスクにコピーする場合は、内容に変更を加え
ずに、そのまま複製してください。
ブラウズ領域を使う
ブラウズ領域では、マウントされたボリュームのコンテンツの表示や、転送キューに取り込むク
リップの選択が可能です。
「切り出しと転送」ウインドウを開くと、有効なボリュームがブラウ
ズ領域に自動的に表示されます。
参考:「切り出しと転送」ウインドウには、前回ウインドウを開いたときに表示されていた、す
べての使用可能なマウントボリュームとフォルダが表示されます。
![](asset-51.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う81
ブラウズ領域のコントロール
ブラウズ領域には、以下のコントロールがあります:
Â
「フォルダを追加」ボタン: クリックすると、
P2
、
AVCHD
、
AVC-Intra
、
XDCAM
などの形式
に準拠した、有効なファイルベースのメディアフォルダ構造を持つフォルダが追加されます。
Finder
からブラウズ領域にフォルダをドラッグすることもできます。
Â
「取り出し」ボタン: クリックすると、現在選択しているボリュームやフォルダがブラウズ領
域から削除されます。
選択しているボリュームは、
Finder
のデスクトップからマウントが解除
されます。
フォルダはブラウズ領域からは削除されますが、そのほかの影響は受けません。
Â
検索フィールド: 「
iTunes
」と同じように操作できる検索フィールドで、表示するクリップを
フィルタにかけます。
現在表示されていない列がある場合でも、すべての列について検索が行
われます。
たとえば「
DV
」と入力すると、名前に「
DV
」が含まれるクリップが表示されます
が、
DV
や
DVCPRO
コーデックを使用するクリップも表示されます。
コマンド+
Control
+
S
キーを押すと、検索フィールドを強調表示できます。
Â
検索フィールドでは、タイムコードの区切り文字にピリオド(
.
)、セミコロン(
;
)およびコロ
ン(
:
)の
3
種類の文字を使用できますが、これらは検索の際には区別されません。
たとえば、
「
10.00
」、「
10:00
」、または「
10;00
」のいずれを入力した場合でも、タイムコードフィールド
に「
10;00
」を含むクリップがすべて検索されます。
メディア・マップ・
インジケータには、
取り込み済みのメディアの
数が示されます。
マウントされている
ボリューム
有効な構造のフォルダ
「フォルダを追加」ボタン
「取り出し」ボタン 検索フィールド
フラットリスト表示/階層リスト表示を
切り替えるボタン
アクション・ポップアップ・メニュー
サムネールのサイズ変更スライダ クリックして、選択したクリップを
転送キューに追加します。
クリップの情報をダブル
クリックして変更します。
またはEnter キーを
押します。
列見出し
![](asset-52.png)
82 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
Â
リスト表示ボタン: マウントされているボリュームのクリップは、以下の
2
通りの方法で表示
できます:
Â
階層リスト表示: クリップをボリュームごとのグループで表示します。
この場合、ボリュー
ム名の横の開閉用三角ボタンをクリックすることにより、グループ内のクリップを表示した
り隠したりできます。
ボリュームを選択して右矢印キーを押して表示する操作や、左矢印
キーにより隠す操作も可能です。
この方式ではデフォルトで、「名前」、サムネールイメージ、
「メディアの開始」、および「メディア継続時間」の列が表示されます。
Â
フラットリスト表示: マウントされているすべてのボリュームのクリップを
1
つのリストに
表示します。
各クリップの親ボリュームは、「ボリューム」列に示されます。
この表示方式
は、スパンクリップが
1
つの項目にまとめられるため、便利な使い方ができます。
スパンク
リップを使用する場合、通常はこの表示を使用してください。
Â
アクション・ポップアップ・メニュー: 現在の選択を変更するためのコマンドを使用できま
す。
また、「切り出しと転送」ウインドウの環境設定も、このメニューから行います。
Â
列見出し: 列には、クリップの情報とメタデータが表示されます。
列見出しを使用することに
より、次のことが可能です:
Â
列見出しをクリックして、見出しの情報をもとにクリップをソートします。
列見出しをもう
一度クリックすると、ソート順序が逆になります。
Â
Control
キーを押しながらショートカットメニューから列見出しを選択して、追加の列(「形
式」、「圧縮プログラム」、「撮影レート」など)の表示と非表示を切り替えます。
Â
列見出しを左右にドラッグすると、列の順序が入れ替わります。
Â
クリップの情報: クリップ情報は多くが読み取り専用ですが、「名前」、「シーン」、「ショット」、
「イン点」および「アウト点」などは、ダブルクリックして
Enter
または
Return
キーを押すこ
とにより変更が可能です。
クリップ名を選択した状態で
Tab
キーを押すと、ブラウズ領域の次
のクリップの名前を編集できます。
クリップ情報の変更内容は一時的に現在のプロジェクトに保存されますが、マウントされてい
るボリューム上のクリップ情報は変更されません。
つまり、以下のようになります:
Â
「切り出しと転送」ウインドウでクリップを取り込む前に、クリップの情報をオリジナルの
状態に戻すことができます。元に戻すには、
Control
キーを押しながらクリップをクリック
して、ショートカットメニューから「元のメタデータに戻す」を選択します。
Â
「切り出しと転送」ウインドウでクリップを新しいプロジェクトに切り出す際に、ほかのプロ
ジェクトでクリップを切り出したときのクリップ情報の変更は反映されません。
つまり、ク
リップ情報はプロジェクト単位でのみ変更されることになります。
![](asset-53.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う83
Â
メディア・マップ・インジケータ: クリップのメディアがどの程度現在のプロジェクトに取り
込まれたかを示します。
プロジェクトにメディアを取り込む前は、メディア・マップ・インジ
ケータにはすべて空の状態が示されます。
ボリューム上のクリップからメディアの一部を取
り込んだ場合は、その部分がクリップとしてプロジェクトに追加され、対応するメディア・
マップ・インジケータには途中まで取り込んだことを示すアイコンが表示されます。
新しいプ
ロジェクトを作成した場合や、現在のプロジェクトを閉じた場合は、そのクリップのメディ
ア・マップ・インジケータは再び空の状態になります。
メディア・マップ・インジケータには、次の
3
つの状態が示されます:
Â
空: メディアは取り込まれていません。
Â
一部: すべてのフレームが取り込まれずに、少なくとも
1
フレームが取り込まれた状態です。
Â
完全: クリップのすべてのメディアが取り込まれています。
Â
サムネールのサイズ変更スライダ: スライダを調整して、クリップのサムネールのサイズを変
更します。
大または小のサムネールボタンをクリックすると、それぞれ最大または最小のサム
ネールサイズを選択できます。
Â
「選択項目をキューに追加」ボタン: このボタンをクリックして、ブラウズ領域で現在選択さ
れているクリップを取り込み用の転送キューに追加します。
ボリュームおよびフォルダをブラウズ領域に追加する
「切り出しと転送」ウインドウを開くと、マウントされているボリュームがブラウザ領域に自動的
に表示されます。
有効なフォルダ構造を持つフォルダを追加するには、「フォルダを追加します」
ボタンをクリックし、追加するフォルダを選択します。
Finder
からブラウズ領域にフォルダをド
ラッグして追加することもできます。
ブラウズ領域でクリップを選択する
「
Final
Cut
Pro
」では、ブラウズ領域で選択されたクリップが連続する項目として扱われ、プレ
ビュー領域で走行制御コントロールを使用してナビゲートすることができます。
たとえばブラウ
ズ領域で
2
つのクリップを選択した場合、最初に選択したクリップの最後に再生ヘッドが到達す
ると、
2
番目のクリップの再生が続けられます。
詳細については、
85
ページの「プレビュー領域
の走行制御コントロール」を参照してください。
ブラウズ領域で、クリップ名が表示された行内をクリックすることにより、クリップを選択でき
ます。
ある範囲のクリップを選択するには、クリップを
1
つ選択して、
Shift
キーを押しながら範
囲の最後のクリップをクリックします。
コマンドキーを押しながらクリップをクリックすると、
現在の選択範囲にクリップが追加されます。または、範囲内のクリップが選択から除外されます。
ブラウズ領域のすべてのクリップを選択するには、「編集」>「すべてを選択」と選択します(ま
たは、コマンド+
A
キー)。
すべてのクリップの選択を解除するには、「編集」>「すべての選択
を解除」と選択します(または、コマンド+
Shift
+
A
キー)。
![](asset-54.png)
84 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
記憶メディアから直接クリップを削除する
一部の記憶メディアでは、「切り出しと転送」ウインドウから直接クリップを削除できます。
詳細
については、
102
ページの「「切り出しと転送」ウインドウで直接
P2
クリップを削除する」を 参
照してください。
プレビュー領域を使う
プレビュー領域ではクリップを表示できます。
参考:ファイルベースのメディアのクリップ形式が原因で、プレビュー領域の一部の機能を使用
できない場合、それらの機能のコントロールはウインドウに表示されません。
クリップ名
イン点
コントロール
走行制御
コントロール
ジョグコントロール シャトルコントロール
スクラバー・バー
再生ヘッドの位置フィールド
継続時間フィールド
画像表示領域
アウト点
コントロール
「次のクリップ」ボタン「前のクリップ」ボタン
イン点/アウト点のマーカー
![](asset-55.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う85
プレビュー領域の走行制御コントロール
プレビュー領域の走行制御、ナビゲーション、およびマーキングのコントロールは、ビューアお
よびキャンバスのコントロールと同じように使用できます。
再生時の
J
、
K
、および
L
キーなど、
キーボードショートカットも同様に操作できます。
ループ再生のオン/オフを切り替えるには、
「表示」>「ループ再生」と選択します(または
Control
+
L
キー)。
Tab
キーを押すと、プレビューおよび切り出し領域のフィールドを移動することができます。
ビューアのコントロールの詳細については、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
1
の第
6
章「ビューアの基本」を参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」では、ジョグおよびシャトル操作をしたり、
J
、
K
、
L
キーや「前のクリップ」/
「次のクリップ」ボタンを使用したりする際に、ブラウズ領域で選択されたすべてのクリップが
1
つの連続する項目として扱われます。
たとえば、選択されたクリップの最後に再生ヘッドが到
達すると、次に選択されたクリップが開いて再生が続けられます。
ただし、ループ再生を有効に
した場合は(「表示」>「ループ再生」と選択するか
Control
+
L
キーを押す)、プレビュー領域
に表示されたクリップのみが再生されます。
「前のクリップ」および「次のクリップ」ボタンを使用すると、ブラウズ領域で選択されたクリッ
プの範囲内を移動できます。
(ただし、選択されたクリップが
1
つだけの場合は、どのクリップ
にも移動できます。)
ブラウズ領域で選択したクリップを切り替えるには、以下のいずれかの操作を行います:
m
「前のクリップ」ボタンをクリックします(またはコマンド+
Control
+左矢印キー)。
m
「次のクリップ」ボタンをクリックします(またはコマンド+
Control
+右矢印キー)。
現在のクリップを転送キューに追加するには、以下のいずれかの操作を行います:
m
「クリップをキューに追加」ボタンをクリックします。
m
イメージ表示領域をクリックして、クリップを転送キューにドラッグします。
m
F2
キーを押します。
プレビュー時の制限事項
ファイルベースのメディアの一部の形式には、マウントしているボリュームから直接素材を再生
するときの制限があります。
詳細については、次のセクションを参照してください:
Â
P2 の制限の詳細:
102
ページの「プレビュー時の制限事項」を参照してください。
Â
AVCHD の制限の詳細:
113
ページの「プレビュー時の制限事項」を参照してください。
Â
AVC-Intra の制限の詳細:
118
ページの「
AVC-Intra
を使って作業する際の制限」を参照してく
ださい。
![](asset-56.png)
86 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
切り出し領域を使う
切り出し領域では、取り込みの前に、クリップのリール名やその他の説明情報を変更することが
できます。
ここで入力したデータは、取り込み後にプロジェクトのクリップに保存されます。
ここのフィールドは、「切り出しと取り込み」ウインドウの切り出しフィールドと同じです。
Tab
キーを押すと、フィールド間を移動できます。
Shift
+
Tab
キーを押すと、逆の順序でフィール
ドを移動できます。
Control
キーを押しながらブラウズ領域のクリップ(複数可)をクリックして、ショートカット
メニューから「元のメタデータに戻す」を選択すると、クリップの切り出しフィールドとメタ
データをリセットできます。
リセットされるクリップ情報は、
リール、名前、シーン、ショット
/テイク、アングル、注釈、イン点、アウト点、およびクリップの再生ヘッド位置です。
自動入力キャッシュの切り出し情報を使う
「切り出しと取り込み」ウインドウのフィールドとは異なり、切り出し領域のフィールドでは、各
フィールドの以前の切り出し情報が自動入力キャッシュに保存され、反復する情報をすばやく入
力することが可能です。
参考:「
Final
Cut
Pro
」では、クリップを取り込む場合にのみ、自動入力キャッシュに切り出し
情報が追加されます。
自動入力キャッシュの以前の切り出しデータを入力するには:
m
切り出しフィールドの横のポップアップメニューから、以前に入力した切り出しデータを選択し
ます。
切り出しフィールドに以前のデータが現れないように自動入力キャッシュを空にするには:
1
ブラウズ領域の右上隅のアクション・ポップアップ・メニューから「環境設定」を選択します。
2
「切り出しの自動入力キャッシュを消去」をクリックします。
切り出し用のフィールド
増分ボタン
自動入力ポップアップメニュー
![](asset-57.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う87
切り出しフィールドの増分
ほとんどの切り出しフィールドには増分ボタンがあり、これをクリックすることで、クリップ名
の最後の文字の値を
1
つずつ増分することができます。これは、以下の規則に従います:
Â
フィールド末尾の数値は、
1
つずつ増分します。
Â
フィールド末尾の
1
文字は、
A
から
Z
の順に文字が
1
つずつ増分します。
Â
数値に
1
文字が続く場合、
A
から
Z
の順に
1
文字ずつ増分します。
文字が
Z
に達すると、数値が
1
つ大きくなります。文字は
A
に戻り、この順序が繰り返されます。
Â
複数の文字で終わるフィールドには数値が
1
つ追加され、
1
ずつ増分します。
たとえば
ABC
とあ
る場合、
ABC1
、
ABC2
のように続きます。
オーディオ/ビデオクリップの読み込み設定をする
切り出し領域の「読み込み設定」ボタンをクリックすることにより、「読み込み設定」パネルを
表示できます。
ここでは、ビデオやオーディオの取り込みを指定できるほか、オーディオチャン
ネルの数やグループを指定できます。
オーディオメーターには、有効なチャンネルのオーディオ
入力レベルが表示されます。
参考:
AVCHD
などの一部の形式は、自動的にステレオにミックスダウンされます。
このような
形式の場合は、オーディオ設定を調整できません。
ブラウズ領域でクリップを
1
つ選択した場合、クリップの読み込み設定はそのクリップに適用さ
れます。
複数のクリップに読み込み設定を適用するには:
1
Shift
キーまたはコマンドキーを押しながらブラウズ領域で複数のクリップをクリックして選択
します。
2
「読み込み設定」パネルでビデオ/オーディオチャンネルを有効にします。
3
「選択項目に適用」をクリックして、表示されるダイアログで「
OK
」をクリックします。
ステレオペアに
まとめられた2つの有効な
オーディオチャンネル
1つの有効な
モノチャンネル
![](asset-58.png)
88 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
転送キューを使う
転送キューには、取り込みのため現在キューに入れられているクリップの一覧が表示されます。
各クリップの状況が表示され、クリップのメディアの取り込み状況を示す進行状況バーが表示
されます。
一時停止ボタンをクリックするか、コマンド+
Control
+
Q
キーを押すことにより、いつでも取
り込みを停止または再開することができます。
重要:クリップを取り込むと、必ずメディアのコピーが作成されます。つまり、オリジナルの記
憶メディアからメディアが抽出され、それが取り込み先ディスク上の新しい
QuickTime
ファイ
ルにコピーされます。
たとえば、ハードディスクの
P2
フォルダから
4
GB
の
DVCPROHD
素材
を取り込む場合、
QuickTime
ムービーファイル用にさらに
4GB
のディスク容量が必要になりま
す。
ソース素材をトランスコードする場合、その結果として作成される
QuickTime
ムービーは
オリジナルよりもかなり大きなサイズになることがあります。
取り込み用の転送キューにクリップを追加する
取り込み用の転送キューにクリップを追加するには、多くの方法があります:
m
ブラウズ領域で
1
つまたは複数のクリップを選択して、「選択項目をキューに追加」をクリックし
ます。
m
ブラウズ領域から
1
つまたは複数のクリップを転送キューにドラッグします。
m
ブラウズ領域からボリュームを転送キューにドラッグします。
ボリュームのすべてのクリップが
転送キューにまとめて追加されます。
m
プレビュー領域で「クリップをキューに追加」ボタンをクリックします。
参考:「クリップをキューに追加」ボタンをクリックすると、プレビュー領域に表示されたクリッ
プのみが転送キューに追加されます。
m
プレビュー領域のビデオイメージをクリックして、イメージを転送キューにドラッグします。
クリックすると、現在の切り出しビンが
ブラウザに表示されます。 進行状況バー
一時停止ボタン
サムネールのサイズ変更スライダ
「状況」列には取り込みの
状況が表示されます。
![](asset-59.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う89
「切り出しと転送」ウインドウからブラウザのプロジェクトにクリップをドラッグすることもで
きます。
これらのクリップは自動的にプロジェクトに切り出されて転送キューに追加され、ク
リップのメディアが取り込まれます。
転送キューのクリップを整理する
「状況」列には、転送キューの各クリップの以下の取り込み状況が表示されます:
Â
取り込み中: 回転しているディスクは、メディアが取り込み先ディスクに転送中であることを
示します。
Â
一時停止: 停止したディスクは、現在のクリップが途中まで転送済みであることを示します。
Â
エラー: 感嘆符はファイルの取り込みが失敗したことを示します。
クリップを転送キューに追
加した後、このクリップのソースメディアがマウント解除されたか、移動されている可能性が
あります。
ディスク容量の不足など、そのほかのエラーが発生している可能性もあります。
取
り込みに失敗したクリップを
Control
キーを押しながらクリックし、表示されたショートカッ
トメニューからもう一度取り込みを実行できます。クリップを削除したり、転送キューに追加
し直したりすることもできます。
クリップの取り込みは、その表示順に
1
つずつ行われます。
クリップを上下にドラッグして、順
序を変えることができます。
また、クリップを選択して転送キューから削除すると、クリップの
取り込みを中止できます。
取り込みを一時停止/中止する
「
Final
Cut
Pro
」では、部分的にしか取り込まれていないメディアは保存されません。
転送キュー
でクリップの取り込み処理が実行中(または転送が一時停止)の場合、「
Final
Cut
Pro
」で以下
のいずれかの操作を行うと、途中まで取り込んだメディアが失われることを伝える警告が表示さ
れます:
Â
転送キューからクリップを削除する。
Â
「切り出しと転送」ウインドウを閉じる。
Â
切り出しビンが含まれている現在の
Final
Cut
Pro
プロジェクトを閉じる。
Â
「
Final
Cut
Pro
」を終了する。
取り込み中にファイル/クリップの名前を付ける
「
Final
Cut
Pro
」で転送キューにクリップを追加するときに、現在の取り込み先ディスクのフォ
ルダに同じ名前のファイルが存在するかどうかのチェックが行われます。
同じ名前のメディア
ファイルが存在する場合は、
87
ページの「切り出しフィールドの増分」に記載されている規則
に従い、メディアファイルとプロジェクトのクリップの名前が変更されます。
![](asset-5a.png)
90 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
クリップのメディアを再度取り込む
クリップのメディアファイルを削除したり紛失したりした場合は、いつでもクリップのメディア
を取り込み直すことができます。
この手順は、テープメディアを扱う場合のバッチ取り込みに相
当します。
ただし、テープから切り出して取り込んだクリップの場合は、トラッキングの方法が
若干異なります。
テープメディアを使用するワークフローでは、「リール」、「メディアの開始」および「メディアの
終了」の情報によって、クリップのオリジナルのソースメディアがテープ上のどこにあるかを表
します。
クリップを切り出すときに、ソーステープに記されたラベルを基に「リール」情報を設
定してください。後で取り込み直すときにクリップを見つけることができるようにするためです。
「
Final
Cut
Pro
」では、使用するテープが正しいかどうかを確認することはできません。
正しくな
いテープを使用した場合は、一致するタイムコードが検出されて、別の素材を誤って取り込んで
しまう可能性があります。
取り込まれたクリップのほとんどには、クリップ ID と呼ばれる、信頼性の高いメディア管理用
の識別子が保存されます。
それぞれのクリップには、そのクリップ専用の一意のクリップ
ID
番
号が含まれています。
クリップを切り出して取り込むと、クリップ
ID
がプロジェクト内のクリッ
プに保存されます。
「
Final
Cut
Pro
」でクリップを再度取り込むときに、「切り出しと転送」ウインドウに表示されて
いるボリュームの中で、クリップ
ID
が一致するクリップが検索されます。
一致するクリップ
ID
を
持つクリップがない場合は、そのクリップを含むボリュームがマウントされていないことが通知
されます。
リール名の選択とボリューム名について
「切り出しと転送」ウインドウでのクリップの切り出しでは、後でもう一度取り込みをするとき
にボリュームを見つけやすいように、分かりやすく覚えやすいリール名を付けることが重要で
す。
これは特に、スパンクリップを取り込む場合に重要です。というのも、スパンクリップのメ
ディアは複数のボリュームに分かれていますが、「
Final
Cut
Pro
」のデフォルトでは、各クリッ
プのリール情報が「スパンリール」と設定されてしまうためです。
スパンクリップで必要とされ
るボリュームがそれぞれ分かるようにリール名を付けてください。
たとえば、リール名を
「
10A_10B_10C
」と設定すれば、クリップには
3
つのボリュームが必要であることが分かりま
す。
(
10A
、
10B
、および
10C
)。
「
Final
Cut
Pro
」でボリュームが見つからない場合、表示される警告には、ボリューム名では
なく、クリップに割り当てられているリール情報が表示されます。
クリップを管理する上で
リール名とボリューム名はどちらも重要ですが、取り込み直しの際にはそれらの情報は使用さ
れません。その代わりに「
Final
Cut
Pro
」では、マウントされたボリュームから、取り込み直
すクリップに一致するクリップ
ID
番号を持つクリップが検索されます。
つまり、ボリュームに
含まれるクリップのクリップ
ID
が一致すれば、どのボリュームからでもクリップを取り込み
直すことが可能です。
![](asset-5b.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う91
「切り出しと転送」ウインドウで作成されたクリップのメディアを取り込み直すには:
1
ブラウザで、取り込み直すメディアを含むクリップを選択します。
2
以下のいずれかの操作を行います:
Â
「ファイル」>「バッチ取り込み」と選択します(または
Control
+
C
キーを押します)。
Â
「切り出しと転送」ウインドウが開いている状態で、選択したクリップをブラウザから転送
キュー領域にドラッグします。
3
ダイアログが表示されるので、選択したすべてのクリップのメディアを取り込み直すか、メディ
アファイルがオフラインになっているクリップのみを取り込み直すかを指定して、「
OK
」をク
リックします。
現在マウントされているボリュームにクリップ
ID
が一致するメディアが見つからない場合は、警
告が表示され、クリップのリール情報が通知されます。この場合は、取り込み直すクリップが含
まれているボリュームを見つけて「切り出しと転送」ウインドウに追加してから、上記の手順を
繰り返します。
「切り出しと転送」ウインドウへのボリュームの追加については、
83
ページの
「ボリュームおよびフォルダをブラウズ領域に追加する」を参照してください。
重要:カードからディスクイメージのアーカイブやフォルダのコピーを作成することは簡単なた
め、同じクリップが含まれているボリュームを
2
つ以上「切り出しと転送」ウインドウのブラウ
ズ領域に追加してしまうことがあります。
これは、特にスパンクリップの表示や取り込みの際に、
予期しない結果を招く場合があります。
スパンクリップを操作する
スパンクリップは、
1
ショットの録画で現在の記憶メディアユニットの容量を超えてしまう場合
や、ファイルサイズがデバイスのファイルシステムで許容されるサイズを超えてしまう場合など
に作成されます。
たとえば、
P2
カード上のファイルが
4GB
の制限を越えると、スパンクリップ
が作成されます。
この場合、現在のメディアファイルの記録が終了し、新しい記憶メディアユニッ
トで新しいメディアファイルへの記録が開始されます。
これにより、複数のメディアファイルか
らなるシームレスな
1
つのショットが作成されます。
重要:スパンクリップを
1
つのメディアファイルとして取り込む(または取り込み直す)には、
そのクリップで必要とされるすべてのボリュームをマウントする必要があります。
ボリュームを
何度かに分けてマウントした場合は、クリップが部分的にしか取り込めなかったり、ほかのセグ
メントが見つからず部分的に取り込みができなかったりすることがあります。
![](asset-5c.png)
92 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
ブラウズ領域でスパンクリップを表示する
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域では、
2
通りの方法でクリップを表示できます。
階
層リスト表示とフラットリスト表示による方法があります。
以下の例では、
5
つのクリップから
構成されるスパンクリップ(
5
つのボリューム上にある)がこれらの表示でどのように見えるの
かを示しています。
見つからないボリュームがあるためにスパンクリップに不足しているセグメントがある場合は、
どちらの表示でもスパンクリップの各セグメントは別々に表示されます。
ただし、スパンクリッ
プが完全な状態の場合、選択した方法に応じて異なる表示になります。
フラットリスト表示では、完全なスパンクリップは、ブラウズ領域の
1
項目として表示されま
す。
階層リスト表示では、スパンクリップのセグメントを含むそれぞれのボリュームの下に同じ
スパンクリップがそれぞれ表示されます。
不完全なスパンクリップの
階層リスト表示
不完全なスパンクリップの
フラットリスト表示
階層リスト表示では、複数の同じ
スパンクリップが表示されます。
フラットリスト表示では、
1 つのスパンクリップが表示さ
![](asset-5d.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う93
混乱を避けるため、スパンクリップの取り込みでは通常はフラットリスト表示を使用することを
お勧めします。
スパンクリップが不完全な状態の場合、各セグメントを個々に
QuickTime
メディアファイルと
クリップとして取り込むことができます。
ただし、スパンクリップのすべてのセグメントが使用
できる場合は、すべてのメディアを
1
つの
QuickTime
ファイルに取り込むことができます。
∏
ヒント: スパンクリップを切り出す場合は、クリップが保存されたすべてのボリュームが分か
るようにリール名を付けてください。
詳細については、
90
ページの「リール名の選択とボ
リューム名について」を参照してください。
カードからファイルベースのメディアをアーカイブする
低コストで永続的な保存が可能であるテープに比べ、カードは長期保存用に使用するにはコスト
がかさみます。
このため、カードの内容を消去して新しい記録の保存スペースを確保する必要が
あります。
カードを消去する前に、後で素材が必要になる場合に備えて、アーカイブを作成して
おく必要があります。
メディアを失わずにカードを消去できるように、以下の
2
通りの方法でバックアップします:
m
カード上のフォルダを別のハードディスクにコピーする。
m
後でボリュームとしてマウントできる、カードのディスクイメージを作成する。
フォルダにアーカイブする
ボリューム上のフォルダは、
Finder
で直接コピーすることも、「切り出しと転送」ウインドウの
ブラウズ領域で「フォルダにアーカイブを作成」コマンドを使用してコピーすることもできます。
「切り出しと転送」ウインドウでボリューム上のフォルダのコピーを作成するには:
1
ブラウズ領域で、階層リスト表示ボタンが選択されていることを確認します。
2
コピーするボリュームを選択します。
3
以下のいずれかの操作を行います:
Â
Control
キーを押したままボリュームをクリックし、ショートカットメニューから「フォルダ
にアーカイブを作成」を選択します。
Â
ブラウズ領域の右上隅のアクション・ポップアップ・メニューから「フォルダにアーカイブを
作成」を選択します。
4
コピーしたフォルダの名前を入力します。
デフォルトでは、ボリュームの名前が使用されます。
![](asset-5e.png)
94 第4章 切り出しと転送ウインドウを使う
ディスクイメージにアーカイブする
「ディスクイメージにアーカイブを作成」コマンドを実行すると、読み書き可能なディスクイメー
ジが作成されます。このディスクイメージは、ほかのハードディスクやディスクメディアに簡単
に保存できるほか、簡単に開いてアーカイブの内容を見ることができます。
カードのディスクイメージを作成するには:
1
ブラウズ領域で、階層リスト表示ボタンが選択されていることを確認します。
2
内容をアーカイブするカードを選択します。
3
以下のいずれかの操作を行います:
Â
Control
キーを押したままカードのアイコンをクリックし、ショートカットメニューから「ディ
スクイメージにアーカイブを作成」を選択します。
Â
ブラウズ領域の右上隅のアクション・ポップアップ・メニューから「ディスクイメージにアー
カイブを作成」を選択します。
4
ディスク・イメージ・ファイルの名前を入力します。
デフォルトでは、ボリュームの名前が使用
されます。
重要:ここで入力する名前は、ディスクイメージ(
.dmg
)ファイルの名前です。ファイルに格
納されるディスクイメージの名前ではありません。
アーカイブ済みディスクイメージのボリュームをマウントして名前を変更するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウでボリュームを選択し、ブラウズ領域のアクション・ポップアッ
プ・メニューから「ディスクイメージにアーカイブを作成」を選択します。
新しいディスクイメージ(
.dmg
)ファイルがデスクトップに作成されます。
2
Finder
に切り替えます(コマンド+
Tab
キーを押すか、
Dock
の
Finder
アイコンをクリックしま
す)。
3
作成した新しいディスクイメージをダブルクリックし、デスクトップにマウントします。
4
デスクトップにマウントされたボリュームを選択し、
Enter
キーを押してボリューム名を選択し
ます。
5
マウントされたボリュームの新しい名前を入力して
Enter
キーを押します。
![](asset-5f.png)
第4章 切り出しと転送ウインドウを使う95
「切り出しと転送」の「読み込み環境設定」を設定する
「切り出しと転送」ウインドウには、次の環境設定項目があります。環境設定を表示するには、ブ
ラウス領域のアクション・ポップアップ・メニューから「環境設定」を選択します:
Â
アドバンスドプルダウンおよび重複するフレームを削除
Â
切り出しの自動入力キャッシュを消去
Â
「切り出しと転送」のプラグインのトランスコード設定
アドバンスドプルダウンおよび重複するフレームを削除
このオプションは、
DVCPROHD
などの形式で記録されている、アドバンスドプルダウンおよび
余分な(重複)フレームを削除します。
切り出しの自動入力キャッシュを消去
このオプションを選択すると、以前に切り出しのフィールドに入力された情報のキャッシュが空
になります。詳細については、
86
ページの「切り出し領域を使う」を参照してください。
「切り出しと転送」のプラグインのトランスコード設定
「
Final
Cut
Pro
」でネイティブにサポートされていない形式の場合、取り込み中に素材のトラン
スコード形式を選択できます。
各記憶メディアタイプ(
PanasonicP2
、
ACVCHD
など)に対応
した「切り出しと転送」ウインドウのプラグインは、「
Final
Cut
Pro
」でネイティブにサポート
されていない形式を判断し、これらの形式をどのコーデックにトランスコードできるのかを示し
ます。
たとえば、内蔵の
P2AVC-Intra
プラグインを使用した場合は、
AVC-Intra
素材を
AppleProRes
422
または
AppleProRes422
(
HQ
)素材にトランスコードできます。
「切り出しと転送」ウインドウで非ネイティブな素材を転送するコーデックを選択するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域の右上にあるアクション・ポップアップ・メニュー
から「環境設定」を選択します。
2
表示されるダイアログで、プラグインとトランスコード形式を確認し、「トランスコード後の形
式」列で目的のコーデックを選択して「
OK
」をクリックします。
![](asset-61.png)
5
97
5
PanasonicP2
カードを使って作業する
「切り出しと転送」ウインドウでは、
PanasonicP2 カードに録画され
た素材を表示したりコンピュータに転送したりできます。
この章では以下について記載します:
Â
PanasonicP2
カードおよびメディアファイルについて(
97
ページ)
Â
PanasonicP2
カードと「
Final
Cut
Pro
」を操作する(
98
ページ)
Â
「ビデオにプリント」を使って
AG-
HVX200
ビデオカメラの
P2
カードに出力する(
104
ページ)
Â
VTR
テープと同じ方法で
FireWire
から
P2
カードを取り込む(
105
ページ)
Â
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラの互換性(
107
ページ)
Â
PanasonicP2
カードのフォーマット仕様(
109
ページ)
PanasonicP2 カードおよびメディアファイルについて
P2
カード(
P2
は、プロフェッショナルプラグインを表す)は、業務用ビデオ向けに設計された
コンパクトなソリッドステートメモリカードです。
P2
カードには可動部品がないため、温度や湿
度による変化、テープの詰まりや消去、面倒な切り出しや取り込み作業といった、テープを使用
するメディアに伴う欠点に悩まされることはありません。
Panasonic
では現在、独自開発の
P2
カメラ、デッキ、およびカードリーダーを製造しています。
初期の
P2
カードの容量は
2GB
で、約
8
分間の
DV25
ビデオ素材を記録できました。
5
スロッ
トすべてにメモリを搭載した場合、
10GB
(
40
分相当の
DV25
ビデオ素材)を記録することが
できました。
現在販売されているカードの容量は
32
GB
となり、今後も新しい
P2
カードがリリー
スされるたびに大幅に容量が増すものと見込まれています。
![](asset-62.png)
98 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
P2
カードとメディアについて説明するにあたり、以下の用語について簡単に説明します:
Â
P2 カード:
DV
、
DVCPRO
、
DVCPRO50
、
DVCPRO
HD
、および
AVC-Intra
メディアを
MXF
コ
ンテナファイルに記録するためのソリッドステートのメモリカードです。
Â
P2 デバイス:
P2
カードの読み取りと書き込みが可能なビデオカメラ、デッキ、またはカード
リーダーのことです。
これらのデバイスは通常、
USB
または
FireWire
ケーブルを介して
Macintosh
コンピュータに接続することができます。
Â
P2ボリューム: 有効な
P2
ディレクトリ構造と
MXF
メディアファイルを含む
P2
カードまたはマ
ウントされたディスクイメージのことです。
詳細については、
109
ページの「
PanasonicP2
カードのフォーマット仕様」を参照してください。
Â
P2フォルダ: 有効な
P2
ディレクトリ構造および
MXF
メディアファイルを含むフォルダのこと
です。
詳細については、
109
ページの「
PanasonicP2
カードのフォーマット仕様」を参照して
ください。
Â
P2クリップ:
P2
ボリュームに保存された
XML
クリップファイルと、その関連する
MXF
ビデオ
/オーディオファイルです。
P2
メディアファイルでは
FAT32
ファイルシステムを使用するた
め、サイズが
4GB
に制限されます。
Â
P2 クリップ名:
P2
ビデオカメラによって自動的に付けられる簡単なクリップ名です(通常は
6
文字)。
Â
P2 クリップ ID:
P2
ビデオカメラで記録された各クリップに付けられるユニバーサル固有
ID
(
UUID
)番号です。
グローバルクリップ ID とも呼ばれます。
ファイルベースのメディアに関するそのほかの用語については、
76
ページの「ファイルベースの
メディアの関連用語」を参照してください。
PanasonicP2 カードと「
Final
Cut
Pro」を操作する
「
Final
Cut
Pro
」では、
PanasonicP2
カードに記録されたビデオ/オーディオを取り込んで、作
成されたメディアファイルをほかの形式のメディアファイルと同じように編集することができ
ます。
P2 ビデオカメラでビデオを録画する
PanasonicAG-HVX200P2
ビデオカメラ(広く普及している
P2
デバイスの一種)は、さまざま
なフレームレートの
SD
および
HD
ビデオ形式を数多くサポートしています。
PanasonicAG-
HVX200
ビデオカメラでは、テープまたは
P2
カードへの録画が可能ですが、一部の形式では
P2
カードへの録画にのみ対応しています。
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラでサポートされる形
式の詳しい一覧は、
107
ページの「
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラの互換性」を参照して
ください。
![](asset-63.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する99
P2 カード/ディスクイメージ/フォルダをマウントする
P2
カードにビデオを録画したら、
P2
カードをコンピュータのファイルシステムにマウントしま
す。以下の
3
通りの方法があります:
Â
お使いの
Macintosh
コンピュータに接続された、
PanasonicP2
メモリカードリーダーを使用し
ます。
Â
P2
カードを
PowerBook
コンピュータの
PCMCIA
スロットに挿入します。
Â
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラを
FireWire
経由で接続して、カードリーダーとして使用
します。
その他、以下の方法が可能です:
Â
「切り出しと転送」ウインドウを使用して作成した、
P2
カードのアーカイブ済みディスクイメー
ジをマウントします。
詳細については、
93
ページの「カードからファイルベースのメディア
をアーカイブする」を参照してください。
Â
ローカルまたはネットワークハードディスク上の
P2
準拠のフォルダから
MXF
メディアを取り
込みます。
詳細については、
101
ページの「有効な
P2
カードフォルダ構造のフォルダを使う」
を参照してください。
また、
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラを
VTR
モードに設定すると、「切り出しと取り込み」
ウインドウで
P2
カードをビデオデッキのテープと同じように扱うことができます。
この方法は、
P2
カードをデスクトップにマウントする方法よりも時間がかかるため、あまりお勧めできませ
ん。
詳細については、
105
ページの「
VTR
テープと同じ方法で
FireWire
から
P2
カードを取り込
む」を参照してください。
重要:
P2
カードの操作を終えたら、リーダーから物理的にカードを取り外す前に、必ず
Finder
から取り出す(マウントを解除する)ようにしてください。
P2 カードリーダーまたはPanasonicP2Store ユニットを使用して
P2 カードをマウントする
Panasonic
メモリカードリーダーまたは
PanasonicP2Store
(
AJ-PCS060G
)ポータブルハード
ディスクユニットを使用して、
P2
メディアの読み込みやコピーをすることが可能です。
P2
カードリーダーを使用して
P2
メモリカードをマウントするには:
1
P2
メモリカードデバイスをコンピュータに接続します。
2
P2
メモリカードデバイスのスロットの
1
つにメモリカードを挿入します。
各メモリカード(または
P2Store
ポータブルハードディスクユニットのパーティション)が、
「
NONAME
」でマウントされたディスクとしてデスクトップに表示されます。
P2 メモリカードが
それぞれデスクトップに
表示されます。
![](asset-64.png)
100 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
重要:操作を終えたら、カードリーダーやカードを取り外す前に、
P2
カードを取り出す(マウ
ントを解除する)ようにしてください。
PowerBookPCCard(
Cardbus)スロットを使用してP2 カードをマウント
する
PowerBook
の
PCCard
スロットを使用して
Mac
OS
X
で
PanasonicP2
カードをマウントする
には、あらかじめ以下の
PanasonicWeb
サイトから
P2
ドライバソフトウェアをダウンロード
してインストールしておく必要があります:
https://eww.pavc.panasonic.co.jp/pro-av/support/desk/j/download.htm
参考:
P2
ドライバソフトウェアをダウンロードするには、お使いのいずれかの
PanasonicP2
デ
バイスのシリアル番号を入力する必要があります。
P2
ドライバソフトウェアに含まれるインストールの手順に注意して従います。
このドライバの
インストールには、コンピュータの再起動が必要になります。
PowerBook
の
PCCard
スロットに挿入した
P2
カードをマウントするには:
1
PanasonicWeb
サイトから入手した
P2
ドライバソフトウェアが
PowerBook
にインストールされて
いることを確認します。
2
読み込むメディアが保存された
P2
カードを
PowerBook
の
PCCard
スロットに挿入します。
P2
カードが、「
NONAME
」でマウントされたディスクとしてデスクトップに表示されます。
参考:カードが
PowerBook
にマウントされた後で、名前を変更することができます。
問題が起
きるのを避けるため、
P2
カードの名前には英数字のみを使用するようにしてください(数字と
文字のみで、句読点やその他の記号は使用しない)。
![](asset-65.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する101
PanasonicAG-HVX200 ビデオカメラを使用してP2 カードをマウントする
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラを
P2
カードリーダーとして使用して、
P2
カードをデスク
トップにマウントすることができます。
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラを
P2
カードリーダーとして設定するには:
1
FireWire
ケーブルの一方のコネクタをビデオカメラの対応するポートに接続します。
2
FireWire
ケーブルのもう一方のコネクタをコンピュータの対応するポートに接続します。
3
ビデオカメラで、以下の操作を行います:
a
カメラモードを選択します。
b
メニューボタンを押します。
c
「ソノタ設定」メニューを選択して、
PC
モード設定を選択します。
d
PC
モード設定を
13 9 4
デバイスに設定します。
e
モードボタンを押して、カメラモードから
MCR/VCR
モードに切り替えます。
f
次に、モードボタンを数秒間押したままにして、カメラの表示が青画面になり、
PC/Dub
モー
ドのインジケータが点灯するのを確認します。
ビデオカメラの
P2
カードが、デスクトップの
Finder
にマウントされます。
参考:
PC
モードがすでに
13 9 4
デバイスに設定されている場合は、手順
c
と
d
を省略できます。
P2 カードのマウントを解除する
コンピュータに接続された
P2
デバイスから
P2
カードを安全に取り外すには、デスクトップで
Finder
からボリュームのマウントを解除する必要があります。
デスクトップで
P2
カードのマウントを解除するには、以下のいずれかの操作を行います:
m
「切り出しと転送」ウインドウで
P2
カードを選択して、「取り出し」ボタンをクリックします。
m
Finder
でマウントされた
P2
カードを選択し、「ファイル」>「取り出し」と選択します(またはコ
マンド+
E
キー)。
ボリュームのマウントを解除したら、
P2
デバイスまたは
PowerBook
の
PCCard
カードスロッ
トからカードを取り外すことができます。
有効なP2 カードフォルダ構造のフォルダを使う
「切り出しと転送」ウインドウでは、有効な
PanasonicP2
フォルダ構造を持つフォルダであれ
ば、
MXF
メディアを取り込むことが可能です。
これらのフォルダは、
P2
カードやデバイスから
ハードディスクにコピーすることによ り作成できます。
詳細については、
109
ページの
「
PanasonicP2
カードのフォーマット仕様」を参照してください。
重要:「
Final
Cut
Pro
」では、オリジナルのメディアファイル、記述メタデータ、および対応す
る
XML
クリップファイルを含んだ、
P2
準拠のファルダのみが認識されます。
P2
カードの内容を
ハードディスクにコピーする場合は、内容に変更を加えることなく複製を作成してください。
CONTENTS
フォルダのみをコピーするのではなく、これらを含むフォルダ全体をコピーしてく
ださい。
![](asset-66.png)
102 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
「切り出しと転送」ウインドウで直接P2 クリップを削除する
P2
ボリュームに読み取り/書き込み権限がある場合は(読み取り専用権限ではなく)、以下の操
作によって、クリップと関連するメディアを削除できます:
Â
クリップを選択して、
Delete
キーを押す
Â
Control
キーを押しながらクリップをクリックして、ショートカットメニューから「削除」を
選択する
ほとんどの
P2
フォルダおよびディスクイメージには、読み取り/書き込み権限が設定されてい
ます。
ただし、以前の
PanasonicP2
カードリーダー、
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラ、ま
たは
PanasonicP2Store
(
AJ-PCS060G
)ポータブルハードディスクユニットを使用して
P2
カー
ドをマウントした場合は、ボリュームに読み取り専用権限が設定されます。
重要:
P2
カード、フォルダ、またはディスクイメージからメディアを削除すると、素材を再度取
り込むことはできなくなります。
多くの場合、ワークフローではプロダクションの途中で
P2
カー
ドが再使用されるため、後から再度取り込みが必要になる場合に備えて、オリジナルのメディア
を
P2
カードにバックアップするようにしてください。
プレビュー時の制限事項
「切り出しと転送」ウインドウのプレビュー領域で
P2
クリップを表示する際には、以下の制限が
あります:
Â
スクラブ操作でのオーディオの再生: 「切り出しと転送」ウインドウにおけるビデオのプレ
ビューでは、通常(
100
%)速度の再生/逆再生の場合のみオーディオが再生されます。
ほか
の速度でのスクラブ操作では、オーディオは再生されません。
Â
ビデオ再生のパフォーマンス:
HD
ビデオ用の最低限のシステム条件(
1GHz
のプロセッサと
1
GB
の
RAM
)のコンピュータでは、プレビュー領域で
HD
ビデオをスムーズに再生することが
できません。
Â
P2 カードとボリュームの再生パフォーマンス:
P2
カードに保存されたクリップの再生に問題
がある場合は、
P2
カードの「
CONTENTS
」フォルダを別のハードディスクのフォルダにコピー
してから、コピーしたクリップを取り込んでください。
この方法を使う場合は、必ずオリジナ
ルの
P2
カードのマウントを解除してください。「切り出しと転送」ウインドウに同じ
P2
ク
リップが
2
つ表示されることのないようにするためです。
![](asset-67.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する103
転送中にアドバンスドプルダウンと重複フレームを削除する
「切り出しと転送」ウインドウの環境設定の「アドバンスドプルダウンおよび重複するフレーム
を削除」オプションを使って、可変フレームレートの
DVCPROHD720p
素材で記録された余分
な(重複)フレームを削除できます。
また、このオプションを選択して、
29.97
fps
ビデオ素材
(
1080i
、
480i
など)からアドバンスド(
2:3:3:2
)プルダウンを削除することもできます。つま
り、取り込み後にディスク上に作成される素材は
23.98
fps
(
24p
)となります。
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラでは、
P2
カードへの
24p
ビデオ素材の記録に以下の
3
つ
の方式が用いられます:
Â
ネイティブの
23.98
fps
(プルダウン/重複フレームなし)
Â
23.98
fps
(標準
3:2
(
2:3:2:3
)プルダウンを使用)
Â
23.98
fps
(アドバンスド(
2:3:3:2
)プルダウンを使用)
重要:「切り出しと転送」ウインドウでは、標準
3:2
プルダウンを削除することはできません。
3:2
プルダウンを使用している素材を変換するには、メディアを
29.97
fps
で取り込んでから、
「
Cinema
Tools
」を使用してプルダウンを削除します。
このオプションの選択について詳しくは、
95
ページの「「切り出しと転送」の「読み込み環境設
定」を設定する」を参照してください。
スパンクリップを操作する
1
ショットの撮影で使用中の
P2
カードの容量を超えた場合や、ファイルサイズが
4
GB
より大き
くなった場合は、スパンクリップが作成されます。
この場合、現在のメディアファイルの記録が
終了し、新しい
P2
ボリューム上の新しいメディアファイルへの記録が開始されます。
これによ
り、複数のメディアファイルからなるシームレスな
1
つのショットが作成されます。
重要:スパンクリップを
1
つのメディアファイルとして取り込む(または再度取り込む)には、
そのクリップで必要とされるすべての
P2
ボリュームをマウントする必要があります。
P2
ボ
リュームを何度かに分けてマウントした場合は、「
Final
Cut
Pro
」によって
P2
クリップの一部し
か取り込めないことや、ほかの
P2
セグメントが見つからないときに一部分の取り込みができな
いことがあります。
![](asset-68.png)
104 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
「ビデオにプリント」を使ってAG-
HVX200 ビデオカメラの
P2 カードに出力する
「
Final
Cut
Pro
」のビデオ素材を
PanasonicAG-HVX200
カメラの
P2
カードに出力することがで
きます。
この方法は、コンピュータ内蔵の
FireWire
ポートを経由して「ビデオにプリント」コマ
ンドを使用するか、ビューアまたはタイムラインで映像を直接再生する場合のみ使用できます。
P2
カードに出力するには、以下の条件を満たす必要があります:
Â
ビデオカメラの録画モードと、「
Final
Cut
Pro
」でのビデオ素材の設定が同じである必要があ
ります。
たとえば、素材が
720p60
の場合、カメラの録画モードが
720P/60P
に設定されてい
る必要があります。
Â
現在のビデオ再生の設定項目が、ビデオカメラの録画モードに一致している必要があります。
たとえば、カメラの録画モードが
720P/60P
の場合、「表示」>「ビデオ再生」>「
DVCPRO
HD
(720p60)(1280x720)
」を選択する必要があります。
これと同じオプションは、「オーディオ/
ビデオ設定」ウインドウの「
A/V
装置」タブにも表示されます。
使用するビデオ再生オプショ
ンが表示されない場合は、カメラの録画モードを変更してください(詳しくは、以下のセット
アップ手順を参照)。
Â
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラに挿入されている
P2
カードの空き容量が十分にあること
が必要です。
重要:「
Final
Cut
Pro
」から
P2
カードへの出力には、
PanasonicAG-HVX200
カメラでサポート
されるすべての形式が使用できるわけではありません。
出力する形式をテストしてから、プロ
ジェクトを開始するようにしてください。
たとえば、
720pN24
、
720pN30
、
720p25
、および可
変フレームレート形式はサポートされません。
「
Final
Cut
Pro
」と
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラで
P2
カードへの出力を設定するには:
1
コンピュータとビデオカメラを
4
ピン
-6
ピンの
FireWire
ケーブルで接続します。
2
ビデオカメラで、以下の操作を行います:
a
カメラモードを選択します。
b
メニューボタンを押します。
c
記録設定メニューを選択して、「記録フォーマット」を選択します。
d
「記録フォーマット」を「
Final
Cut
Pro
」のビデオ素材の形式に設定します。
たとえば、
DVCPRO
HD720p60
形式の素材の場合、
720P/60P
を選択します。
e
モードボタンを押して、
MCR/VCR
モードに切り替えます。
f
「
AUDIODUB/THUMBNAIL
」ボタンを押します。
「
Final
Cut
Pro
」の現在のビデオ再生設定がカメラの録画モードと一致しない場合、カメラの
ディスプレイに「
13 9 4INPUTERROR
」のメッセージが点滅します。
g
メニューボタンを押して、録画セットアップメニューを選択します。
h
「
13 9 4T C
リジェネ」および「
13 9 4U B
リジェネ」オプションをオンにし、メニューボタンを押
してメニューを終了します。
![](asset-69.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する105
3
「
Final
Cut
Pro
」で、「表示」>「ビデオ再生」と選択して、
FireWire
からの出力形式を選択します。
たとえば
720p60
形式の素材を出力し、カメラの録画モードが
720P/60P
に設定されている場合、
「表示」>「ビデオ再生」>「
DVCPRO
HD(720p60)(1280x720)
」と選択します。
4
ビューアでクリップを開くか、タイムラインでシーケンスを開きます。形式は、ビデオカメラの
録画モードと同じものである必要があります。
5
「表示」>「外部ビデオ」>「すべてのフレーム」と選択します。
ビューアまたはキャンバスの現在のフレームが、カメラのディスプレイに表示されます。
現在の
フレームが表示されない場合は、手順
2
から再実行してください。
6
以下のいずれかの操作を行います:
Â
「ファイル」>「ビデオにプリント」と選択し、出力オプションを選択して、「
OK
」をクリッ
クします。
Â
スペースバーを押すと、ビューアまたはタイムラインで直接にビデオ再生が始まります。
参考:最適な結果を得るには、「ビデオにプリント」ウインドウの「自動で録画を開始」チェッ
クボックスの選択を解除します。
7
ビデオカメラで、赤とグレーの録画ボタンを同時に押します。
8
記録が完了したら、カメラの「
Pause/Set
」ボタンを押して下矢印を押します。
カメラの
P2
カードにクリップが作成されたことを確認するには、カメラの「
AUDIODUB/
THUMBNAIL
」ボタンを押し、記録したクリップのサムネールを見つけて上矢印を押すと、ク
リップが再生されます。
VTR テープと同じ方法でFireWire からP2 カードを取り込む
「
Final
Cut
Pro
」で
PanasonicAG-HVX200
を従来の
VTR
(ビデオデッキ)と同じように扱うよう
設定することができます。
これにより、挿入された
P2
カードにテープのリニア特性を反映させる
ことができ、「切り出しと取り込み」ウインドウを使用したメディアの転送が可能になります。
参考:この方法では、テープからの素材であるかのようにリアルタイムで転送されるので、「切
り出しと転送」ウインドウでメディアを取り込む場合よりも時間がかかります。
「切り出しと取り込み」ウインドウで
P2
カードからメディアを取り込むには:
1
FireWire
ケーブルの一方のコネクタをビデオカメラの対応するポートに接続します。
2
FireWire
ケーブルのもう一方のコネクタをコンピュータの対応するポートに接続します。
3
取り込むクリップが保存された
P2
カードを、ビデオカメラのいずれかのスロットに挿入します。
![](asset-6a.png)
106 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
4
ビデオカメラで、以下の操作を行います:
a
カメラモードを選択します。
b
メニューボタンを押します。
c
「ソノタ設定」メニューを選択して、
PC
モード設定を選択します。
d
PC
モード設定を
13 9 4
デバイスに設定します。
e
モードボタンを押して、カメラモードから
MCR/VCR
モードに切り替えます。
重要:「
Final
Cut
Pro
」の起動は、
MCR/VCR
モードに切り替えた後で行ってください。
こうしな
いと、機器のコントロールやビデオのパス・スルーが有効になりません。
5
「
AUDIODUB/THUMBNAIL
」ボタンを使用して、サムネールモードを終了します。
参考:素材の特定のポイントから取り込みを開始するには、カメラのサムネール機能を使用して
特定のクリップを選択してから、「
AUDIODUB/THUMBNAIL
」ボタンを押してサムネールモー
ドを終了します。
6
「
Final
Cut
Pro
」を起動して、「
Final
Cut
Pro
」>「システム設定」と選択して、「取り込み先ディ
スク」タブをクリックします。
7
P2
メディアを転送する取り込み先ディスクまたはフォルダを選択します。
取り込み先ディスクの選択についての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
1
の第
11
章「
DV
ビデオ機器を接続する」を参照してください。
8
「
Final
Cut
Pro
」で、「ファイル」>「切り出しと取り込み」と選択します(または、コマンド
キー+
8
)。
9
以下のいずれかの操作を行います:
Â
「再生」ボタンをクリックします。
Â
スペースバーを押します。
10
取り込みの準備ができたら、「今取り込む」ボタンをクリックします。
取り込み先ディスクへのメディアファイルの取り込みが「
Final
Cut
Pro
」で始まります。
重要:記録された素材の最後まで取り込む場合は、最初に「
Final
Cut
Pro
」>「ユーザ環境設定」
と選択して、「コマ落ち時に取り込みを中止」チェックボックスが選択されていないことを確認
します。
VTR
の場合は、メディアの最後に到達するとフレームが反復されますが、
PanasonicAG-
HVX200
カメラではフレームの転送が終了します。
この設定により、最後のクリップが確実に保
存されるよう指定できます。
11
Esc
キーを押して取り込みを中止するか、「
Final
Cut
Pro
」による取り込みが終了するまで待ちま
す(「システム設定」ウインドウの「取り込み先ディスク」タブにある「“今取り込む”の制限時
間」で指定された時間に達すると自動的に停止します)。
「
Final
Cut
Pro
」で取り込みが終了すると、クリップが切り出しビンに表示されます。
新しいク
リップは、取り込んだメディアファイルを参照します。
12
操作を終えたら、ビデオカメラやカードを取り外す前に、
P2
カードを取り出す(マウント解除す
る)ようにしてください。
![](asset-6b.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する107
PanasonicAG-HVX200 ビデオカメラの互換性
PanasonicAG-HVX200P2
ビデオカメラでは、さまざまなフレームレートの
SD
および
HD
ビデ
オ形式が数多くサポートされています。
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラでは、テープまたは
P2
カードへの録画が可能ですが、一部の形式では
P2
カードへの録画にのみ対応しています。
次の表に、「
Final
Cut
Pro
」の最新バージョンと互換性のある形式を示します。
PanasonicAG-HVX200
(
NTSC
)
i
=インターレース、
p
=プログレッシブ、
A
=アドバンスドプルダウン、
N
=ネイティブ・フレーム・レート(重複フィー
ルド/フレームなし)、
DF
=ドロップフレーム、
NDF
=ノンドロップフレーム、
VFR
=可変フレームレート
1-プルダウンの削除は不要で、ネイティブ・フレーム・レートでの取り込みが行われます。
2-取り込み後に「
Final
Cut
Pro」または「
Cinema
Tools」の「アドバンスドプルダウンを削除」コマンドを使用します。
3-取り込み時にアドバンスドプルダウンを削除するオプションを有効にします。
4-フレームレートコンバータを使用します(オーディオとタイムコードは削除されます)。
詳細については、
53ページの「
DVCPROHD フレームレートコンバータを使う」を参照してください。
形式
録画
フレームレート
プルダウン/
重複フレームの
パターン タイムコード
v5.1.2
P2
テープ
v6.0 ∼
v6.0.3
P2テープ
1080i60 29.97i - DF、
NDF 1111
1080p30 29.97i 2:2 DF、
NDF 1111
1080p24 29.97i 2:3 NDF 2 2 22
1080pA24 29.97i 2:3:3:2 NDF 2,3 2,3 2,32,3
480i60 29.97i - DF、
NDF 1111
480p30 29.97i 2:2 DF、
NDF 1212
480p24 29.97i 2:3 DF、
NDF 2222
480pA24 29.97i 2:3:3:2 DF、
NDF 2,3 2,3 2,32,3
720p60 59.94p -DF、
NDF 1111
720p30 59.94p 2:2 NDF 3,4 3,4 3,43,4
720p24 59.94p 2:3 NDF 3,4 3,4 3,43,4
720pVFR
1
59.94p - NDF 4 4 44
720pN30 29.97p - NDF 1 該当
なし
1該当
なし
720pN24 23.98p - NDF 1 該当
なし
1該当
なし
720pNVFR
1
1
720p 可変フレームレート:
12、
18、
20、
22、
24、
26、
30、
32、
36、
48、および60fps
VFR - NDF 1 該当
なし
1該当
なし
![](asset-6c.png)
108 第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する
PanasonicAG-HVX200E
(
PAL
)
i
=インターレース、
p
=プログレッシブ、
A
=アドバンスドプルダウン、
N
=ネイティブ・フレーム・レート(重複フィー
ルド/フレームなし)、
DF
=ドロップフレーム、
NDF
=ノンドロップフレーム、
VFR
=可変フレームレート
1-プルダウンの削除は不要で、ネイティブ・フレーム・レートでの取り込みが行われます。
2-取り込みはサポートされますが、ネイティブの720p50 の編集はサポートされません。
3-P2 の取り込み時にアドバンスドプルダウンを削除するオプションを有効にします。
4-フレームレートコンバータを使用します(オーディオとタイムコードは削除されます)。
詳細については、
53ページの「
DVCPROHD フレームレートコンバータを使う」を参照してください。
形式
録画
フレームレート
プルダウン/
重複フレームの
パターン タイムコード
v5.1.2
P2テープ
v6.0、
v6.0.1
P2テープ
v6.0.2、
v6.0.3、
P2テープ
1080i50 25i - NDF 1 1 11 1 1
1080p25 25i 2:2 NDF 1 1 11 1 1
576i50 25i - NDF 1 1 11 1 1
576p25 25i 2:2 NDF 1 1 11 1 1
720p50 50p - NDF 2 - 2- 1 1
720p25 50p 2:2 NDF 3 - 31 3 1
720pVFR
1
50p - NDF 4 4 44 4 4
720pN25 25p - NDF 1 該当
なし
1該当
なし
1該当
なし
720pNVFR
1
VFR - NDF 1 該当
なし
1該当
なし
1該当
なし
1
720p 可変フレームレート:
12、
18、
20、
23、
25、
27、
30、
32、
36、
48、および50fps
![](asset-6d.png)
第5章
PanasonicP2 カードを使って作業する109
PanasonicP2 カードのフォーマット仕様
P2
カードは、
4
つの
SD
メモリカードを
RAID0
アレイにまとめた
PCCard
で、
SD
カード
1
枚
の
4
倍の容量と転送速度を持ちます。
P2
カードは
FAT32
ファイルシステムでフォーマットされ、
1
ファイルのサイズは
4
GB
に制限されます。
たとえば、
8
GB
の
P2
カードに連続して録画を行
うと、
1
ショットは
4
GB
の
2
つのメディアファイルに分割されます(スパンクリップと呼ばれ
ます)。
PanasonicP2
カードのファイルシステムでは、クリップ、メディア、およびメタデータが以下
の階層に分けられます:
Â
CONTENTS:
P2
カードのルートフォルダで、 記録されたすべてのメディアとメタデータの
フォルダが含まれます。
Â
AUDIO: 各クリップのオーディオメディアが、
MXF
コンテナファイルに格納されて収めら
れています。
Â
CLIP:
P2
カードの書くクリップは
XML
ファイルにより定義されます。これにより、クリッ
プを構成するビデオ/オーディオの
MXF
ファイル、サムネール(アイコン)ファイルの場
所、およびクリップのメディアを記述する追加のメタデータが識別されます。
Â
ICON: 各クリップのサムネールファイルが含まれます。通常は
BMP
形式が使用されます。
Â
PROXY: 各クリップを表すオプションの低解像度
MPEG-4
ファイルが含まれます。
素材の
確認や転送する前のプレビューに使用されます。
参考:
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラでは、プロキシファイルは記録されません。
Â
VIDEO: 各クリップのビデオメディアが、
MXF
コンテナファイルに格納されて収められてい
ます。
一般的な
Panasonic
コーデック(
DV
、
DVCPRO50
、
DVCPRO
HD
、お よ び
AVC-Intra
)
がサポートされています。
Â
VOICE: 各クリップに関連付けられているオプションの音声注釈です。
参考:
PanasonicAG-HVX200
ビデオカメラでは、音声注釈は記録されません。
![](asset-6f.png)
6
111
6
AVCHD
を使って作業する
「切り出しと転送」ウインドウでは、ファイルベースのビデオカメラ
で撮影したAVCHD 形式の映像を転送できます。
この章では以下について記載します:
Â
AVCHD
について(
111
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
AVCHD
形式(
111
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」で
AVCHD
を使って作業する(
112
ページ)
Â
AVCHD
形式の仕様(
114
ページ)
AVCHD について
AVCHD
は
Sony
社と
Panasonic
社が共同で開発したビデオ形式です。
AVCHD
は、
AVC
(
Advanced
VideoCoding
)圧縮(MPEG-4 part 10 または H.264 とも呼ばれます)を使用して、高品質
画像と低データレートの両方を実現しています。
AVCHD
ビデオカメラは、ファイルベースのさ
まざまなメディアに録画でき、それらには
80
mmDVD
、ハードディスク、およびフラッシュメ
モリ(
SD
カード、
SD
メモリスティックなど)があります。
AVCHD
の仕様では、ほぼすべての
SD
および
HD
ビデオの表示サイズとフレームレートに対応
しています。ただし通常は、個々のビデオカメラではそれらのうちの一部のみがサポートされて
います。
AVCHD
のカラーサンプル比は、
8
ビット/サンプルの
4:2:0
です。
オーディオは、
Dolby
Digital
(
AC-3
)圧縮の
5.1
チャンネルサラウンドサウンドか、
7.1
チャンネルサラウンドサウン
ド(非圧縮)で録音できます。
PanasonicHDC-SD5
などの一部のビデオカメラでは、
2
チャン
ネルの内蔵マイクを使用します。
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるAVCHD 形式
「
Final
Cut
Pro
」では、
AVCHD
素材をそのまま使用することはできません。
AVCHD
素材は「切
り出しと転送」ウインドウで転送中に、自動的に
AppleProRes422
コーデックまたは
Apple
IntermediateCodec
にトランスコードされます。
重要:素材を「
Final
Cut
Pro
」から
AVCHD
形式に再度書き出すことはできません。
![](asset-70.png)
112 第6章
AVCHD を使って作業する
「
Final
Cut
Pro」でAVCHD を使って作業する
AVCHD
素材は、「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと転送」ウインドウを使って転送できます。
転送
した素材は、
AppleIntermediateCodec
または
AppleProRes422
コーデック用の簡易セット
アップを使って編集できます。
AVCHD 素材を転送する
AVCHD
素材は、「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと転送」ウインドウを使って取り込み先ディスク
に移動できます。
「切り出しと転送」ウインドウで素材をトランスコードする形式を
Apple
IntermediateCodec
と
theAppleProRes422
コーデックのどちらにするのかは、転送中に選択
できます。
「切り出しと転送」ウインドウの詳細については、
78
ページの「ファイルベースのメ
ディアを使用したワークフローの例」を参照してください。
重要:
AVCHD
ファイルは、取り込み先ディスクに直接コピーすることはできても、
「
Final
Cut
Pro
」では認識されません。
このため、
AVCHD
素材は、必ず「切り出しと転送」ウ
インドウを使って転送してトランスコードする必要があります。
AVCHD を使って作業する際の制限
AVCHD
素材を使って作業する際には、次の制限があります。
Â
AVCHD
ビデオカメラは、通常
FireWire
ではなく
USB2.0
でコンピュータに接続します。
Â
AVCHD
のサポートは、
Intel
ベースの
Macintosh
コンピュータでのみ利用できます。
Â
DVD
ベースの
AVCHD
ビデオカメラは、
Mac
OS
X
Server
v10.4
以前のバージョンではサポート
されていません。
Â
AVCHD
ビデオカメラで録画された
SD
ビデオは、「切り出しと転送」ウインドウからはアクセス
できません。
Â
AVCHD
素材はそのままの形式では取り込まれず、
Apple
ProRes
422
コーデックまたは
Apple
IntermediateCodec
にトランスコードされます。
エンコードするコーデックは「切り出しと
転送」ウインドウの環境設定で選択できます。
詳細については、
113
ページの「
AVCHD
のコー
デックを選択する」を参照してください。
Â
「切り出し」領域で
AVCHD
オーディオを転送するように選択すると、オーディオが自動的にス
テレオにミックスダウンされます。
Â
AVCHD
ボリュームのクリップは、読み/書きのアクセス権について、ファイルの削除を許可
するように設定していても削除できません。
この動作は、
P2
ボリューム(適切な読み/書き
のアクセス権を設定していればクリップを削除できる)とは異なります。
Â
「切り出しと転送」ウインドウには、
AVCHD
クリップ(特に
1
分以上の長さのクリップ)の平
均の継続時間のみが表示されます。
ただし、クリップの取り込み後は、正しい継続時間が
「
Final
Cut
Pro
」のブラウザに表示されます。
![](asset-71.png)
第6章
AVCHD を使って作業する113
プレビュー時の制限事項
「切り出しと転送」ウインドウでの
AVCHD
ビデオのプレビューは、順方向の、通常速度の再生
に限られます。
再生ヘッドをスクラブする場合、プレビュー領域のビデオはスクラブを停止する
までアップデートされません。
また、イン点とアウト点に移動またはスクラブすると、再生ヘッ
ドは素材中にある直近の
I
フレームにスナップするため、指定した正確なタイムコード値とは微
妙にずれることがあります。
AVCHD のコーデックを選択する
再生時の
AVCHD
デコード処理は単純な場合でも大きな処理負荷が要求されます。
「切り出しと転
送」ウインドウでは、コンピュータの処理負荷を減らすために、
AVCHD
素材が比較的プロセッサ
負荷の軽いコーデックにトランスコードされます。
デフォルトでは、
Apple
ProRes
422
コーデッ
クが使用されますが、
AppleIntermediateCodec
を使用することもできます。
「切り出しと転送」ウインドウで
AVCHD
素材を転送するコーデックを選択するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域の右上にあるアクション・ポップアップ・メニュー
から「環境設定」を選択します。
2
表示されるダイアログの「トランスコード後の形式」列で、
AVCHD
プラグイン用のコーデック
を選択して、「
OK
」をクリックします。
参考:
AVCHD
プラグインは、
AVCHD
オーディオをマトリックス・ステレオとして取り込むよう
にあらかじめ設定されています。
一部の
AVCHD
ビデオカメラでは、マトリックス・ステレオと
してオーディオを取り込むと、音のバランスが崩れて聞こえることあります。
このアンバランス
を補正するには、
AVCHD
プラグインの環境設定で「
AC-3
オーディオ」デコーダオプションを選
択し、「プレーンステレオ」を選択します。
その後で、もう一度
AVCHD
素材を取り込みます。
AVCHD
の最初のクリップを取り込みを終えたら、サウンドのバランスを確認することをお勧め
します。
このようにすれば、正しい設定を選択してから残りの
AVCHD
素材を取り込むことがで
きます。
![](asset-72.png)
114 第6章
AVCHD を使って作業する
AVCHD 形式の仕様
AVCHD
は
AdvancedVideoCoding
(
AVC
)圧縮技術(MPEG-4 part 10 または H.264 とも呼
ばれます)を使った
HD
ビデオ形式です。
記憶メディア
AVCHD
ビデオカメラはさまざまなファイルベースのメディアに記録できます。たとえば、
80
mm
DVD
(miniDVD とも呼ばれます)、ハードディスク、フラッシュメモリ(
SD
カードなど)があ
ります。
ビデオ標準
AVCHD
仕様は、
Sony
社と
Panasonic
社が共同で開発しました。
AVCHD
では、
HD
録画(
1080i
、
1080p
、および
720p
)と
SD
録画(
480i
および
576i
)が可能です。
アスペクト比
AVCHD
は、
HD
ビデオをアスペクト比
16:9
で録画します。
SD
ビデオは
4:3
または
16:9
のアス
ペクト比で録画できます。
AVCHDをトランスコードしたファイルには通常の
AVCHDファイルよりも
かなり多くのディスク容量が必要になる
「切り出しと転送」ウインドウで
AVCHD
ファイルを取り込むときに、ビデオが
AppleProRes
422
コーデックまたは
AppleIntermediateCodec
に変換されます。
AVCHD
は
AppleProRes
422
コーデックよりも大幅に圧縮率が高いため、取り込み後のファイルは元のファイルよりも
かなりファイルサイズが大きくなります。
たとえば、通常の
2
分間の
AVCHD
ファイルは約
200MB
です。
AppleProRes422
コーデックにトランスコードすると、ファイルサイズは
2
GB
程度になります。
このため、転送中に取り込みディスクの空き容量が不足する可能性があります。
AVCHD
素材
を取り込む前に、必要なディスクスペースが通常の
AVCHD
ファイルサイズの約
10
倍になる
ことを考慮する必要があります。
転送時にサイズの小さなファイルを作成するには、
AVCHD
ファイルを
AppleIntermediateCodec
にトランスコードします。
ソースファイルのサイズとトランスコード後のファイルサイズの見積もりは、「切り出しと転
送」ウインドウの「ソースサイズ」と「ターゲットサイズ」列に表示できます。
「切り出しと
転送」ウインドウのブラウズ領域の列見出しを
Control
キーを押しながらクリックし、表示し
たい列見出しをショートカットメニューから選択します。
また、「切り出しと転送」ウインドウ
の転送キュー領域の右下隅には、使用可能な空きディスクスペースの合計も表示されます。
![](asset-73.png)
第6章
AVCHD を使って作業する115
フレームサイズ、走査線数、および解像度
AVCHD
は次の
3
種類の
HD
ビデオ解像度をサポートしています。
Â
1920 ×1080: この形式は、走査線が
1080
本の
HD
形式のなかでも、水平方向の画素数が
1920
であるためフル HD と呼ばれることがあります。
Â
1440 × 1080: これは、走査線が
1080
本ですが、水平方向にサブサンプルされているイメー
ジです。
Â
1280 × 720: フル解像度
720p
形式です。
SDNTSC
および
PAL
互換の形式は、
AVCHD
仕様でも定義されています。
Â
720
×
480
(
60i
)
Â
720
×
576
(
50i
)
重要:
SDAVCHD
形式は、「
Final
Cut
Pro
」ではサポートされていません。
フレームレート
指定されている
AVCHD
フレームレートは次の通りです:
Â
NTSC 互換のフレームレート:
29.97
fps
(
1080i60
、
720p60
)
Â
PAL 互換のフレームレート:
25
fps
(
1080i50
、
720p50
)
Â
フィルム互換のフレームレート:
23.98
fps
(
1080p24
、
720p24
)
スキャン方式
AVCHD
では、インターレースまたはプログレッシブスキャンのイメージを記録できます:
Â
1080 ライン: インターレース(
1080i
)またはプログレッシブ(
1080p
)
Â
720 ライン: プログレッシブ
カラー記録方式
AVCHD
のカラーサンプル比は、
8
ビット/サンプルの
4:2:0
です。
データレート
AVCHD
素材の保存に必要な容量は、ビデオカメラで選択された品質設定によって異なります。
ほ
とんどのビデオカメラでは、複数の品質レベルがサポートされています。ただし、これらの品質
レベルの名前やビットレートは、ビデオカメラごとに異なります。
可変ビットレート(
VBR
:
VariableBitRate
)エンコーディングを使用した場合、映像が複雑で頻繁に変化するビデオでは
データ量が増えるため、録画できる時間が短くなります。
このため、可変ビットレートの記載は
平均値を表します。
![](asset-74.png)
116 第6章
AVCHD を使って作業する
Sony
社ビデオカメラの
AVCHD
品質レベル
Panasonic
社ビデオカメラの
AVCHD
品質レベル
オーディオ
AVCHD
オーディオは、
DolbyDigital
(
AC-3
)圧縮の
5.1
チャンネルサラウンドサウンドか、
7.1
チャンネルサラウンドサウンド(非圧縮)で録音できます。
PanasonicHDC-SD5
などの一部の
ビデオカメラでは、
2
チャンネルの内蔵マイクを使用します。
形式名 ビットレート
XP(最高品質)15
Mbps(
VBR)
HQ(高品質)9
Mbps(
VBR)
SP(標準品質)7
Mbps(
VBR)
LP(長時間再生)5
Mbps(
VBR)
形式名 ビットレート
HF 13
Mbps(固定ビットレート、
CBR)
HN 9Mbps(
VBR)
HE 6Mbps(
VBR)
![](asset-75.png)
7
117
7
AVC-Intra
を使って作業する
「切り出しと転送」ウインドウでは、
AVC-Intra 形式の映像をP2 ボ
リュームから転送できます。
この章では以下について記載します:
Â
AVC-Intra
について(
117
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」でサポートされる
AVC-Intra
形式(
117
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」で
AVC-Intra
を使って作業する(
118
ページ)
Â
AVC-Intra
形式の仕様(
119
ページ)
AVC-Intra について
AVC-Intra
は、フレーム内圧縮のみを使用する
H.264
圧縮の
1
つです(
I
フレームのみの圧縮で
す)。一方、
HDV
や
AVCHD
などの形式にはフレーム間(
Long-GOP
)圧縮が使われています。
フ
レーム間圧縮とフレーム内圧縮の詳細については、
15
ページの「
MPEG
圧縮について」を参照
してください。
AVC-Intra
の録画に対応しているのは、
PanasonicP2
カード(
100Mbps
または
50
Mbps
)です。
100
Mbps
形式では、フルワイドの
HD
ビデオ(
1920
×
1080
および
128 0
×
720
)を
4:2:2
のカ
ラーサンプリングで録画できます。
また、
50
Mbps
形式では、
1440
×
1080
または
960
×
720
を
4:2:0
のカラーサンプリングで録画できます。
いずれの形式も
10
ビット/カラーサンプルで録画し
ます。
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるAVC-Intra 形式
「
Final
Cut
Pro
」は、
50
および
100Mbps
形式のすべての
AVC-Intra
フレームレートおよびイ
メージサイズをサポートしています。
詳細については、
119
ページの「
AVC-Intra
形式の仕様」を
参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」は
AVC-Intra
素材のネイティブ編集をサポートしていませ
んが、「切り出しと転送」ウインドウで
AVC-Intra
素材を
AppleProRes422
コーデックまたは
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックに自動的にトランスコードします。
重要:トランスコードされた素材を「
Final
Cut
Pro
」で再び
AVC-Intra
形式に書き出すことはで
きません。
![](asset-76.png)
118 第7章
AVC-Intra を使って作業する
「
Final
Cut
Pro」でAVC-Intra を使って作業する
「
Final
Cut
Pro
」で は 、「切り出しと転送」ウインドウを使って
AVC-Intra
素材を転送します。
転送
中に、素材を
AppleProRes422
コーデックと
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックのどちらにト
ランスコードするのかを選択できます。
転送した素材は、
AppleProRes422
コーデック用の簡易
セットアップを使って編集できます。
「切り出しと転送」ウインドウの詳細については、
78
ページの「ファイルベースのメディアを使
用したワークフローの例」を参照してください。
AVC-Intra を使って作業する際の制限
AVC-Intra
素材を使って作業する際には、次の制限があります。
Â
AVC-Intra
素材は、
AppleProRes422
コーデックまたは
Apple
ProRes422
(
HQ
)コーデック
にトランスコードする必要があります。
Â
AVC-Intra
素材は、
Intel
ベースの
Macintosh
コンピュータでのみサポートされます。
Â
AVC-Intra
素材のフルビデオのプレビューには、
MacPro
コンピュータが必要です。
AVC-Intra
素材をフルフレームレートで再生できない場合は、プレビューの再生が制限付きであることを
示すアイコンが表示されます。
Â
AVC-Intra
コーデック(
Panasonic
社から入手できます)をコンピュータにインストールする必
要があります。
プレビュー時の制限事項
「切り出しと転送」ウインドウで
AVC-Intra
ビデオのオーディオを使ってプレビューするには、
2
基のデュアルコアプロセッサを搭載した
Intel
ベースの
Macintosh
コンピュータが必要です。
AVC-Intra の転送先コーデックを選択する
AVCHD
のように、
AVC-Intra
も転送時にトランスコードする必要があります。
AppleProRes422
または
AppleProRes422
(
HQ
)へのトランスコードを選択できます。
「切り出しと転送」ウインドウで
AVC-Intra
素材を転送するコーデックを選択するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域の右上にあるアクション・ポップアップ・メニュー
から「環境設定」を選択します。
2
表示されるダイアログの「トランスコード後の形式」列で、
P2AVC-Intra
プラグイン用のコー
デックを選択して、「
OK
」をクリックします。
![](asset-77.png)
第7章
AVC-Intra を使って作業する119
AVC-Intra 形式の仕様
AVC-Intra
は、
AVCHD
と同様に、
AdvancedVideoCoding
(
AVC
)圧縮を使用する
HD
ビデオ
形式です。
ただし、
AVC-Intra
はフレーム内圧縮のみを使用します(
I
フレームのみの圧縮)。一
方、
AVCHD
はフレーム間(
Long-GOP
)圧縮を使用します。
また、
AVC-Intra
は
10
ビット、
4:2:2
のカラーサンプリングを使うため、高品質カラーの録画が可能です。
記憶メディア
AVC-Intra
は、
PanasonicP2
カードに録画されます。
Panasonic
P2
カードに録画できるその他の
形式と同様に、
AVC-Intra
は
MXF
コンテナファイルに保存されます。
詳細については、
109
ページ
の「
PanasonicP2
カードのフォーマット仕様」を参照してください。
ビデオ標準
AVC-Intra
仕様は、
1080i
、
1080p
、
720pHD
録画標準をサポートしています。
アスペクト比
AVC-Intra
は、アスペクト比
16:9
の
HD
ビデオを録画します。
フレームサイズ、走査線数、および解像度
AVC-Intra
でサポートされる
HD
解像度は次の通りです:
Â
1920 ×1080: この形式は、走査線が
1080
本の
HD
形式のなかでも、水平方向の画素数が
1920
であるためフル HD と呼ばれることがあります。
Â
1440 × 1080: これは走査線は
1080
本ですが、水平方向にサブサンプルされているイメージ
です。
Â
1280 × 720: フル解像度
720p
形式です。
Â
960×720: これは、走査線が
720
本ですが、水平方向にサブサンプルされているイメージです。
フレームレート
指定されている
AV-Intra
フレームレートは次の通りです:
Â
NTSC 互換のフレームレート:
29.97
fps
(
1080i60
、
1080p30
、
720p60
、
720p30
)
Â
PAL 互換のフレームレート:
25
fps
(
1080i50
、
1080p25
、
720p50
、
720p25
)
Â
フィルム互換のフレームレート:
23.98
fps
(
1080p24
、
720p24
)
スキャン方式
AV-Intra
では、インターレースまたはプログレッシブスキャンのイメージを記録できます:
Â
1080 ライン: インターレース(
1080i
)またはプログレッシブ(
1080p
)
Â
720 ライン: プログレッシブ
![](asset-78.png)
120 第7章
AVC-Intra を使って作業する
カラー記録方式
100
MbpsAVC-Intra
カラーサンプル比は、
10
ビット/サンプルの
4:2:2
です。
50
MbpsAVC-
Intra
カラーサンプル比は、
10
ビット/サンプルの
4:2:0
です。
データレート
AVC-Intra
は、
100Mbps
または
50
Mbps
で録画できます。
フレームレートが下がると、素材の
保存に使用されるスペースが少なくなります。
オーディオ
AVC-Intra
ビデオカメラには、
4
チャンネル非圧縮オーディオ録音機能があります。
データレート フレームサイズ カラーサンプル比
50Mbps 1440 ×1080
960 ×720
10 ビット/サンプルの4:2:0
100Mbps 1920 ×1080
128 0 ×720
10 ビット/サンプルの4:2:2
![](asset-79.png)
8
121
8
SonyXDCAM
形式を使って作業する
「
Final
Cut
Pro」では、
XDCAM、
XDCAM
HD、およびXDCAM
EX
形式をネイティブに転送および編集することができます。
この章では以下について記載します:
Â
XDCAM
、
XDCAM
HD
、および
XDCAM
EX
について(
121
ページ)
Â
「
Final
Cut
Pro
」の
XDCAM
、
XCAM
HD
、
DCAM
EX
を使って作業する(
124
ページ)
Â
XDCAM
、
XDCAM
HD
、および
XDCAM
EX
形式の仕様(
12 8
ページ)
XDCAM、
XDCAM
HD、およびXDCAM
EX について
XDCAM
は、
SDDVCAM
または
IMX
ビデオを
SonyProfessionalDisc
メディアに記録するための
形式です。
16
ビット、
48kHz
未圧縮オーディオチャンネルを、最高で
4
つまで記録できます。
MPEG-4
プロキシファイルが同時に記録されるので、ビデオ素材をすぐに確認することや、カメ
ラで直接プロキシ編集を行うこともできます。
メディアは
MXF
コンテナファイルに保存され、
FireWire
または光
Ethernet
コネクタを介して簡単にコンピュータに転送できます。
XDCAMHD
は、
Long-
GOPMPEG-2
圧縮を使用し、
4
つの
1080-lineHD
ビデオ形式が含まれる
ように
XDCAM
を拡張します(
Sony
社では MPEG HD と呼んでいます)。
1920
×
1080
および
128 0
×
720
のフレームサイズが含まれる
HD442
形式もサポートされています。
形式
MPEG-2 の
ビットレート フレームサイズ カラーサンプル比
MPEG-2
標準
LP 18Mbps(
VBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL
SP(
HDV)25
Mbps(
CBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL-1440
HQ 35Mbps(
VBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL
HD422 50Mbps(
CBR)1920 ×1080
128 0 ×720
4:2:2 MPEG422P@HL
![](asset-7a.png)
122 第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する
SP
は、固定ビットレート(
CBR
)を使用する形式で、
1080iHDV
と互換性があります。
LP
およ
び
HQ
は可変ビットレート(
VBR
)を使用する形式です。
LP
は
HDV
形式よりも品質を下げて長
時間の記録を可能にしており、
HQ
は
HDV
形式を上回る品質での記録が可能です。可変フレー
ムレートの録画もサポートされています。
HD422
形式では
50
Mbps
(
CBR
)を使用します。
XDCAMEX
は
XDCAM
HD
の一種で、
1920
×
1080
素材または
128 0
×
720
素材をフル
HD
解
像度で記録する。
XDCAMEX
素材は、
PCMCIAExpressCard/34
フォームファクタを採用した
SxS
カードに記録されます。
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるXDCAM 形式
XDCAM
素材を編集するには、
DVCAM
または
IMX
の簡易セットアップの中から、素材に対応す
るものを選択します。
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるXDCAMHD 形式
「
Final
Cut
Pro
」には、以下に挙げる
XDCAM
HD
形式のための簡易セットアップが用意されてい
ます。
XDCAM
HDVBR 簡易セットアップ
次の
XDCAM
HDVBR
簡易セットアップは、
35
Mbps
(
HQ
)と
18
Mbps
(
LP
)の両方の形式を
サポートします:
Â
XDCAMHD1080p24VBR
Â
XDCAMHD1080p25VBR
Â
XDCAMHD1080p30VBR
Â
XDCAMHD1080i60VBR
Â
XDCAMHD1080i50VBR
参考:
18
MbpsVBRXDCAM
HD
ビデオ素材の編集、レンダリング、および書き出しには、
35
Mbps
(
HQ
)コーデックが使用されます。
ただし、この形式の取り込みに用いられるデータ
レートは
18
Mbps
であるため、取り込み時に必要なディスク容量は
35
Mbps
(
HQ
)形式より
も少なくなります。
XDCAM
HDCBR 簡易セットアップ
「
Final
Cut
Pro
」には、次の
XDCAM
HDCBR
(
25
Mbps
)簡易セットアップが用意されています:
Â
XDCAMHD1080p24CBR
Â
XDCAMHD1080p25CBR
Â
XDCAMHD1080p30CBR
Â
XDCAMHD1080i50CBR
Â
XDCAMHD1080i60CBR
![](asset-7b.png)
第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する123
XDCAM
HD422CBR 簡易セットアップ
「
Final
Cut
Pro6
」で は
SonyXDCAM
HD422
形式がサポートされていますが、この形式を利用す
るには
Sony
社の「
XDCAM
Transfer
」ソフトウェアと
XDCAM
プラグインがインストールされて
いる必要があります。このソフトウェアの詳細については、
Sony
社の
Web
サイト(
http://
www.sony.jp/products/Professional/XDCAM/index.html
)を参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」には次の
XDCAM
HD422CBR
(
50
Mbps
)簡易セットアップが含まれています:
Â
XDCAMHD4221080p24CBR
Â
XDCAMHD4221080p25CBR
Â
XDCAMHD4221080p30CBR
Â
XDCAMHD4221080i50CBR
Â
XDCAMHD4221080i60CBR
「
Final
Cut
Pro
」には、次の走査線数
720
本の
XDCAMHD422
(
50
Mbps
)簡易セットアップも
含まれています:
Â
XDCAMHD422720p50CBR
Â
XDCAMHD422720p60CBR
「
Final
Cut
Pro」でサポートされるXDCAM
EX 形式
「
Final
Cut
Pro6
」では
SonyXDCAM
EX
形式がサポートされていますが、この形式の素材を取
り込むには
Sony
社の「
XDCAM
Transfer
」ソフトウェアがインストールされている必要があり
ます。「切り出しと転送」ウインドウを使って素材を取り込むには、
XDCAM
EX
プラグインもイ
ンストールされている必要があります。このソフトウェアの詳細については、
Sony
社の
Web
サ
イト(
http://www.sony.jp/products/Professional/XDCAM/index.html
)を参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」には、次の走査線数
1080
本の
XDCAMEX
簡易セットアップがまれています:
Â
XDCAMEX1080p24VBR
Â
XDCAMEX1080p25VBR
Â
XDCAMEX1080p30VBR
Â
XDCAMEX1080i50VBR
Â
XDCAMEX1080i60VBR
「
Final
Cut
Pro
」には、次の走査線数
720
本の
XDCAMEX
簡易セットアップも含まれています:
Â
XDCAMEX720p24VBR
Â
XDCAMEX720p25VBR
Â
XDCAMEX720p30VBR
Â
XDCAMEX720p50VBR
Â
XDCAMEX720p60VBR
![](asset-7c.png)
124 第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する
「
Final
Cut
Pro」のXDCAM、
XCAM
HD、
DCAM
EX を使って
作業する
「
Final
Cut
Pro
」では、
Sony
社の「
XDCAMTransfer
」ソフトウェアを使って
XDCAM
、
XDCAM
HD
、お よ び
XDCAM
EX
の取り込みと書き出しが可能です。
XDCAM
の編集には
DV
また
は
IMX
簡易セットアップが必要です。
XDCAM
HD
または
XDCAM
EX
の編集には、お使いの形式
に対応した簡易セットアップが必要です。
手順
1
:
SonyXDCAM
転送ソフトウェアをインストールする
手順
2
:
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAM
EX
デバイスをコンピュータに接続する
手順
3
:
Sony
社の「
XDCAMTransfer
」アプリケーションまたは「
Final
Cut
Pro
」の「切り
出しと転送」プラグインを使って、メディアファイルを取り込む
手順
4
:
DV
または
IMX
簡易セットアップ(
XDCAM
用)、あるいは
XDCAM
HD
または
XDCAM
EX
簡易セットアップを選択する
手順
5
:
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAMEX
素材を編集する
手順
6
:「
Final
Cut
Pro
」で
SonyXDCAM
転送書き出しプラグインを使用してメディアファ
イルを書き出す
SonyXDCAM ソフトウェアをインストールする
「
Final
Cut
Pro
」では、
XDCAM
デバイスのマウント、デバイスからのメディアの取り込み、お
よび
MXF
ラッパーに格納された素材への
Final
Cut
Pro
シーケンスの書き出しを行うため、
Sony
製のソフトウェアが必要です。
XDCAM
転送(
PDZK-P1
)ソフトウェアは、以下の
SonyXDCAM
Web
サイトからダウンロードできます:
http://bssc.sel.sony.com/BroadcastandBusiness/markets/10014/xdcamDownload.shtml
XDCAM
転送ソフトウェアのインストール手順に従います。対応するの
XDCAM
読み込み/書き
出しプラグインは、ソフトウェアに含まれています。
![](asset-7d.png)
第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する125
XDCAM、
XDCAM
HD、またはXDCAMEX デバイスをコンピュータ
に接続する
XDCAM
素材を取り込む前に、
XDCAM
または
XDCAM
HD
デッキ、あるいは
XDCAM
EX
カメ
ラ、あるいは
SxS
カードデバイスを、お使いのコンピュータに接続する必要があります。
XDCAM またはXDCAM
HD デッキを接続する
お使いのコンピュータにある
XDCAM
または
XDCAMHD
メディアをマウントするには:
1
SonyXDCAMFileAccessMode
(
FAM
)ドライバをインストールします。
このドライバは、
Sony
XDCAM
転送ソフトウェアと共にインストールされます。
詳細については、上記の「
SonyXDCAM
ソフトウェアをインストールする」を参照してください。
2
FireWire
または
USB
ケーブルを使って、デッキとコンピュータを接続します。
3
デッキで
PC
リモートモードを有効にします。
SonyPDW-1500XDCAM
デッキで
PC
リモートモードを選択するには、「
ExtendedMenu
」オ
プションが有効であることが必要です。
SonyPDW-1500XDCAM
デッキで「
ExtendedMenu
」オプションを有効にするには:
1
SonyPDW-1500
デッキのシステム・メニュー・ボタンを押します。
2
「
CounterSelect
」ボタンと「
Set
」ボタンを同時に押します。
3
下ボタンを押して「
SETUPMAINTENANCE
」を選択し、右ボタンを押してメニューを開きます。
4
右ボタンを押して「
EXTENDEDMENU
」メニューを開きます。
5
右ボタンを押し、次に下ボタンを押して「
ENABLE
」を選択します。
6
「
Set
」ボタンを押して設定を保存します。
SonyPDW-1500XDCAM
デッキで
PCRemote
モードを有効にするには:
1
上記のステップに従い、「
ExtendedMenu
」オプションが有効になっていることを確認します。
2
デッキとコンピュータの
FireWire
接続を解除します。
3
システム・メニュー・ボタンを押します。
4
ジョグダイヤルを回し、「
i.LINKMODE
」(メニュー
215
)を選択します。
5
シャトルボタンを押したままにして、「
i.LINKMODE
」のオプションを表示します。
6
シャトルボタンを押したままジョグダイヤルを回し、「
FAM(PCREMOTE)
」を選択してからシャ
トルボタンを放します。
7
「
Set
」ボタンを押して設定を保存します。
8
FireWire
ケーブルを使用してデッキとコンピュータを接続します。
コンピュータのデスクトップに、ディスクがマウントされて表示されます。
SonyPDW-F70XDCAM
HD
デッキを接続して
XDCAM
HD
素材を転送することもできます。
![](asset-7e.png)
126 第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する
SonyPDW-F70XDCAM
HD
デッキでリモート・デバイス・コントロールを有効にするには:
1
デッキとコンピュータの
FireWire
接続を解除します。
2
デッキの「
Menu
」ボタンを押します。
3
「
SETUPMENU
」が選択されている状態で右ボタンを押し、「
SETUPMENU
」のオプションを表
示します。
4
下ボタンを押して「
INTERFACESELECT
」を選択し、右ボタンを押して「
INTERFACESELECT
」
のオプションを表示します。
5
上ボタンまたは下ボタンを押して「
FAM(PCREMOTE)
」を選択します。
6
「
Set
」ボタンを押して設定を保存します。
7
設定の確認を求めるメッセージがデッキに表示されたら、「
Set
」ボタンを押します。
8
FireWire
ケーブルを使用してデッキとコンピュータを接続します。
コンピュータのデスクトップに、ディスクがマウントされて表示されます。
XDCAM
EX カメラまたはSxS カードをコンピュータに接続する
お使いのコンピュータのデスクトップ上にある
XDCAMEX
メディアをマウントするには、カメ
ラを
USB
ケーブルでコンピュータに接続するか、
MacBookPro
の
ExpressCard/34PCMCIA
ス
ロットに
SxS
カードを直接挿入します。
XDCAMEX
カメラをお使いのコンピュータに接続するとき、カメラをターゲット・デバイス・モー
ドに設定する必要があります。詳しくは、カメラに付属しているマニュアルを参照してください。
XDCAM、
XDCAMHD、またはXDCAM
EX メディアを取り込む
Sony
社の「
XDCAMTransfer
」(
PDZK-P1
)ソフトウェアで、
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAM
EX
メディア(
MXF
または
MPEG-4
ラッパーに格納されたメディアから、取り込み先ディ
スク上の
QuickTime
ラッパーに格納されたメディアまで)を取り込むためのプラグインを読み込
みます。詳細については、
124
ページの「
SonyXDCAM
ソフトウェアをインストールする」を参
照してください。
重要:
MXF
または
MPEG-4
メディアを取り込み先ディスクに直接コピーすることもできますが、
「
Final
Cut
Pro
」はそのような
MXF
ファイルを認識しません。
代わりに、
SonyXDCAM
転送ソ
フトウェアを使用してください。
簡易セットアップを選択して「
Final
Cut
Pro」でXDCAM メディア
を編集する
XDCAM
デバイスから取り込まれた
DVCAM
または
IMX
の素材を編集するには、対応する
DV
ま
たは
IMX
の簡易セットアップを選択してから編集を始めます。
IMX
の詳細については、
67
ペー
ジの第
3
章「
IMX
形式で作業する」を参照してください。
![](asset-7f.png)
第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する127
簡易セットアップを選択してXDCAMHD または
XDCAM
EX メディアを「
Final
Cut
Pro」で編集する
XDCAMHD
または
XDCAM
EX
素材を取り込み先ディスク上の
QuickTime
メディアファイル
に取り込めば、お使いの素材に対応した
XDCAMHD
または
XDCAM
EX
簡易セットアップを選
択して、「
Final
Cut
Pro
」のほかのネイティブフォーマットの場合と同じように編集することが
できます。
参考:「
Final
Cut
Pro
」での
LP
(
18
MbpsVBR
)
XDCAM
HD
素材のレンダリングと書き出しに
は
35Mbps
(
HQ
)コーデックが使用されるので、再び書き出して
18MbpsVBRLP
形式に戻す
ことはできません。
ただし、
18
MbpsVBRLPXDCAM
HD
素材はデータレート
18
Mbps
で取り
込まれるため、取り込み時に必要なディスク容量は
35
Mbps
形式よりも少なくて済みます。
「
Final
Cut
Pro
」では、
XDCAM
HD
可変フレームレート素材のリアルタイム再生もサポートされ
ています。
XDCAM
HD またはXDCAM
EX メディアをレンダリングする/
適合させる
XDCAM
HD
または
XDCAM
EX
メディアのレンダリングおよび適合処理は、
HDV
のレンダリン
グおよび適合処理と同様にはたらきます。詳細については、
29
ページの「
Long-GOPMPEG-2
メディアをレンダリングする/適合させる」を参照してください。
参考:編集済みのシーケンスを出 力して
XDCAM
メディアに戻すつもりがないのな ら、
Apple
ProRes
422
コーデックを選択してレンダリング速度を高めることができます。ただしこ
の操作では、ファイルの格納に必要なディスク容量が増加します。選択したレンダリングコー
デックを変更するには、「シーケンス」>「設定」と選択して「レンダリング制御」タブを選択
し、次に「コーデック」ポップアップメニューから「
AppleProRes422[HDV
、
XDCAMHD/EX
のみ
]
」を選択します。
シーケンスをXDCAM、
XDCAM
HD、またはXDCAM
EX メディア
に書き出す
「
Final
Cut
Pro
」の完成したシーケンスまたはクリップを書き出して、
XDCAM
、
XDCAM
HD
、
または
XDCAM
EX
素材が含まれた
MXF
ファイルに戻す場合は、
Sony
社の「
XDCAMTransfer
(
PDZK-P1
)」ソフトウェアに含まれている
XDCAM
書き出しプラグインを使用する必要があり
ます。詳細については、
124
ページの「
SonyXDCAM
ソフトウェアをインストールする」およ
び
125
ページの「
XDCAM
、
XDCAM
HD
、または
XDCAMEX
デバイスをコンピュータに接続す
る」を参照してください。
また、書き出された
XDCAM
シーケンスには、シーケンスに含まれるトラック数にかかわらず
4
つのモノラルオーディオ出力が割り当てられている必要があります。
![](asset-80.png)
128 第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する
4
つのモノラルオーディオ出力をシーケンスに割り当てるには:
1
「シーケンス」>「設定」と選択し、「オーディオ出力」タブをクリックします。
2
「出力」ポップアップメニューから「
4
」を選びます。
3
両方のオーディオ出力グループについて「デュアルモノ」オプションを選択します。
XDCAM、
XDCAM
HD、およびXDCAM
EX 形式の仕様
XDCAM
(
SD
)は、
MXF
ファイルベースのメディアを光ディスク形式に記録するための形式で
す。
XDCAM
HD
形式は
XDCAM
形式を拡張したもので、
HD
ビデオの保存に使用されます。
XDCAMEX
では、フル解像度の
1920
×
1080
または
128 0
×
720
モード、および
ExpressCard
を用いた記録が追加されます。
記憶メディア
XDCAM
形式および
XDCAM
HD
形式での保存には、
CD
や
DVD
のディスクに似た
120
mm
の
ディスクを使用します。このディスクには、
405nm
の青紫色レーザーを使用して
23.3GB
のメ
ディアが記録されます。
SonyProfessionalDisc
では青紫レーザーが使用されますが、
Blu-ray
ディスクテクノロジーとは互換性がありません。
SonyProfessionalDisc
でサポートされる転送
速度は
72
Mbps
(デュアルヘッドの場合は
144
Mbps
)ですが、民生用の
Blu-ray
ディスクの転
送速度は最大で
36
Mbps
です。
XDCAMEX
では、
SonySxS
ソリッドステート
ExpressCard/34
メディアに記録されます。
ビデオおよびオーディオコンテンツはすべてディスク上の
MXF
コンテナファイルに格納されま
す。
QuickTime
ムービーファイルと同様に、
MXF
ファイルでも、ほぼすべてのフレームレート
およびコーデックを持つビデオおよびオーディオデータと、コンテンツに関するメタデータ(録
画の日付、
GPS
位置データなど)を記録できます。
ビデオ標準
XDCAM
では
NTSC
および
PAL
がサポートされ、
DVCAM
形式または
IMX
形式が使用されます:
Â
DVCAM:
25
MbpsDV
Â
MPEG IMX:
30
、
40
、または
50MbpsMPEG-2
(
I
フレームのみ)
XDCAM
ビデオカメラでは、編集システムへの取り込みの前のプレビュー用に、低解像度の
MPEG-4
プロキシファイル(
1. 5
Mbps
)の記録も可能です。
プロキシファイルのサイズは、
CIF
(
CommonIntermediateFormat
)標準に準拠した
352
×
240
(
NTSC
)または
352
×
288
(
PAL
)
となります。
500
MB
分のディスク領域が確保され、テキストファイル、
EDL
、プロジェクトファ
イル、グラフィックスなどの汎用ファイルの保存に使用されます。
![](asset-81.png)
第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する129
XDCAM
HD
では、
MPEG-2
圧縮を使用して、走査線数
1080
本の
HD
ビデオを
4
段階の品質で
記録できます。
SP
は固定ビットレート(
CBR
)を使用する形式で、
1080iHDV
と互換性があります。
LP
および
HQ
は可変ビットレート(
VBR
)を使用する形式です。
LP
は
HDV
形式よりも品質を下げて長時間
の記録を可能にしており、
HQ
は
HDV
形式を上回る品質での記録が可能です。
HD422
形式では
50
Mbps
(
CBR
)を使用します。
XDCAM
では、素材を
2
段階の品質で記録できます。
アスペクト比
XDCAM
では、
4:3
の
SD
ビデオが記録されます。
XDCAM
HD
および
XDCAM
EX
では、
16:9HD
ビデオが記録されます。
フレームサイズ、走査線数、および解像度
XDCAM
では、
DV
および
IMX
のビデオが記録されます。
これらの形式の詳細については、
70
ペー
ジの「
IMX
形式の仕様」および「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
4
の付録
A
「ビデオ形式」を参照してください。
XDCAM
HD
では、
1
ラインあたり
1440
ピクセル、
1
フレームあたり
1080
ラインが記録されます。
XDCAM
EX
では、
1920
ピクセル/ライン−
1080
ライン/フレーム、または
128 0
ピクセル/ラ
イン−
720
ライン/フレームのどちらかで記録できます。
XDCAM
HD422
では、
1920
ピクセル/ライン−
1080
ライン/フレーム、または
128 0
ピクセル
/ライン−
720
ライン/フレームのどちらかで記録できます。
参考:
30
fps
を超える可変フレームレート(
VFR
)では、
1
フレームあたり
540
ラインが記録さ
れます。
形式
MPEG-2 の
ビットレート フレームサイズ カラーサンプル比
MPEG-2
標準
LP 18Mbps(
VBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL
SP(
HDV)25
Mbps(
CBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL-1440
HQ 35Mbps(
VBR)1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL
HD422 50Mbps(
CBR)1920 ×1080
128 0 ×720
4:2:2 MPEG422P@HL
形式
MPEG-2 の
ビットレート フレームサイズ カラーサンプル比
MPEG-2
標準
SP(
HDV)25
Mbps(
CBR)
1440 ×1080 4:2:0 MPEGMP@HL-1440
HQ 35Mbps(
VBR)1920 ×1080
128 0 ×720
4:2:0 MPEGMP@HL
![](asset-82.png)
130 第8章
SonyXDCAM 形式を使って作業する
フレームレート
XDCAM
では、
25fps
と
29.97
fps
がサポートされます。
XDCAM
HD
および
XDCAM
EX
では、以下の形式とフレームレートがサポートされます:
Â
1080i60
、
1080p30
Â
1080i50
、
1080p25
Â
1080p24
XDCAMEX
では、
720p
形式(
23.98
、
25
、
29.97
、
50
、
59.94fps
)もサポートされます。
XDCAMHD422
では、
720p
形式(
50
、
59.94fps
)がサポートされます。
VFR
での撮影モードは、一部の
XDCAMHD
ビデオカメラでも使用できます。
再生フレームレー
ト(
24p
または
30p
)および録画フレームレート(
4
∼
60
fps
の範囲で
1fps
単位)を選択でき
ます。
重複フレームは記録されないため、撮影した
VFR
ビデオ素材を特に処理することなくカメ
ラで確認することができます。
たとえば、
60
fps
の素材を再生速度
24
fps
で撮影した場合、再生
されるビデオは実際の
40%
の速度で見えることになります。
参考:
XDCAM
HD
では、
30
fps
を超える可変フレームレート(「早回し」)で記録するときに、
垂直方向の解像度がフレームあたり
540
ラインに半減します。
ただし、「
Final
Cut
Pro
」で素材
を取り込んだ後は、フレームサイズが
1440
×
1080
ピクセルで表示されます。
スキャン方式
XDCAM
は、インターレース・スキャン方式をサポートし ています。
XDCAM
HD
および
XDCAM
EX
では、お使いの
HD
形式の種類によっては、プログレッシブおよびインターレース
の両スキャン方式がサポートされます。
![](asset-83.png)
9
131
9
REDCODERAW
を操作する
「
Final
Cut
Pro」を使って、ネイティブのREDCODERAW メディア
を取り込んで編集したり、フィルムやデジタルシネマに書き出した
り、
REDCODERAW メディアをトランスコードして編集し、
HD お
よびSD ビデオに出力したりすることができます。
この章では以下について記載します:
Â
REDCODERAW
について(
131
ページ)
Â
ネイティブ
REDCODERAW
の編集ワークフロー(フィルム用)(
13 4
ページ)
Â
トランスコード済み
REDCODERAW
データの編集ワークフロー( ビデオ用)(
137
ページ)
Â
REDCODERAW
形式の仕様(
141
ページ)
REDCODERAW について
REDCODERAW
は、
REDDigitalCinema
社が製造する
REDONE
カメラで使用される、超高解
像度の形式です。
REDCODERAW
形式は、フィルムおよびデジタルシネマ配信に十分に対応で
きる解像度を持つデジタルメディアの作成に対応しています。
HD
ビデオよりも高い解像度を持つ
REDCODERAW
は、標準の
HD
および
SD
ビデオ形式にトラ
ンスコードしたりダウンコンバートしたりすることは可能ですが、厳密に言えば
HD
形式ではあ
りません。
フィルムに出力したりデジタルシネマを映写したりする場合は、「
Final
Cut
Pro
」を使って
2K
素
材または
4K
素材を取り込み、ネイティブメディアを編集して最終的にフィルムまたはデジタル
シネマに出力することができます。「
Final
Cut
Pro
」で
4K
素材を取り込む際には、その素材は
2K
の
QuickTime
ファイルにダウンコンバートされます。その後に、「
Final
Cut
Pro
」で素材を
編集します。お手持ちの素材を「
Color
」に転送して、グレーディングや色補正を行うこともで
きます。色補正を終えたら、素材をほかのデジタル中間ファイル用ソフトウェアで使用できるよ
うに、「
Color
」を使って非圧縮
HD
ファイル、
AppleProRes422
コーデックファイル、または
DPX
ファイルとして出力できます。
![](asset-84.png)
132 第9章
REDCODERAW を操作する
放送用ビデオに出力するには、「
Final
Cut
Pro
」で
REDCODERAW
素材を
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックか
AppleProRes422
コーデックにトランスコードし、プロジェクトのオンラ
イン編集を行い、「
Color
」で素材をグレーディングし(任意)、次に「
Final
Cut
Pro
」で標準の
HD
または
SD
ビデオ形式に出力します。
REDONE カメラについて
REDONE
カメラでは、以下に示す通り、
12
メガピクセル
CMOS
センサーを使用し、
2K
および
4K
の解像度でイメージを取り込みます。
参考:
REDONE
カメラでは
3K
解像度でイメージを取り込むことができますが、この解像度での
取り込みはお勧めしません。
REDONE
カメラの仕様および形式の最新情報については、
RED
DigitalCinema
社のウェブサイト(
http://www.red.com/ja_JP
)を参照してください。
REDONE
カメラは、フィルムをスキャンすることなく高解像度メディアを生成し、編集およびデ
ジタル中間ファイルの処理ができる仕様になっています。ポストプロダクションの間に、通常は
フィルムは、編集およびグレーディング用のデジタルファイルを生成するために
2K
または
4K
解
像度でデジタルスキャンされます。劇場用フィルムのこのデジタル処理段階は、デジタル中間ファ
イル(
DI
)と呼ばれます。ポストプロダクションの間、デジタル中間ファイルは編集作業とグレー
ディングを経て、通常はフィルムへと出力されます。
REDONE
センサーは、スーパー
35mm
フィルムまたはスーパー
16mm
フィルムと同じフレー
ムサイズ、および
2K
または
4K
解像度でイメージを取り込むため、
REDCODERAW
のイメージ
情報は、定義上は
2K
または
4K
でデジタル化されたフィルム素材と同等になります。実際、
RED
ONE
カメラは、素材を直接デジタル中間ファイルの段階へと取り込みます。これにより、フィ
ルムのスキャンをスキップできるという利点が生まれ、迅速にプレビューしてポストプロダク
ションで編集およびグレーディングすることが可能になり、とりわけその日の仕上がり分のプロ
ダクションが効率化されます。
REDONE
カメラでは、
REDCODERAW
コーデックが使用され、最大
30fps
の
4KRAW
データ
と最大
12 0 fps
の
2KRAW
データが取り込まれます。
REDCODERAW
のカラーサンプル比は、
12
ビット/サンプルの
4:4:4RGB
および
4:2:2Y’C
B
C
R
です。オーディオは、サンプルレート
48KHz
、
24
ビット、
4
チャンネルの非圧縮サウンドで録音されます。
形式 解像度 アスペクト比
2KRAW 2048
x
115 2 ピクセル16:9
2KRAW 2048
x
1024 ピクセル2:1
4KRAW 4096
x2304 ピクセル16:9
4KRAW 4096
x
2048 ピクセル2:1
![](asset-85.png)
第9章
REDCODERAW を操作する133
カメラのデータは、ユーザのハードディスクドライブおよび
CompactFlash
カードに直接記録さ
れます。ハードディスクは、お使いのコンピュータに直接接続できます。また、
CompactFlash
カードは、カードリーダーを使用しているコンピュータに接続できます。その後、ファイルを別
の大容量のストレージデバイス(大用量ハードディスクドライブ、
RAID
ストレージサーバなど)
にダウンロードします。「
Final
Cut
Pro
」を使ってファイルにアクセスしたりそれを編集したり、
REDONE
カメラソフトウェアまたはほかの
DI
フィニッシングソフトウェアを使ってさらにファ
イルを処理したりできます。
「
Final
Cut
Pro」でREDCODERAW を操作する
最終的にどのような出力が欲しいのかによって別のワークフローもいくつか存在しますが、
「
Final
Cut
Pro
」で
REDCODERAW
素材を操作するには主に
2
つのワークフローをお勧めします:
Â
フィルムまたはデジタルシネマへの出力用に、2K REDCODE RAW 素材をネイティブ編集す
る: 詳細については、
134
ページの「ネイティブ
REDCODERAW
の編集ワークフロー(フィ
ルム用)」を参照してください。
Â
ビデオへの出力用に、Apple ProRes 422(HQ)コーデックを使ってトランスコードと編集
を行う: 詳細については、
137
ページの「トランスコード済み
REDCODERAW
データの編集
ワークフロー(ビデオ用)」を参照してください。
重要:
REDONE
カメラでは、
REDCODERAW
素材、およびその素材を表す
QuickTime
参照ムー
ビーを作成できます。ファイルはすべてクリップフォルダにまとめて保存されます。ただし、
QuickTime
参照ムービーを使用することはお勧めできません。お勧めするワークフローは、ネイ
ティブ
REDCODERAW
ファイルを
2K
解像度で取り込んで編集するか、
REDCODERAW
ファイ
ルを
AppleProRes422
コーデックにトランスコードする方法です。
参考:
REDCODERAW
クリップを空の
Final
Cut
Pro
シーケンスに読み込むと、そのシーケンス
の設定は自動的にクリップの設定に適合しますが、「
QuickTime
」のビデオ圧縮プログラムの設
定は、エフェクトのレンダリング用に
AppleProRes422
に設定されます。
REDCODE
コーデッ
クではエンコード機能がサポートされませんので、圧縮プログラムの設定は
REDCODE
に変更し
ないでください。
REDCODERAW
素材を使って作業する際には、次の制限があります。
Â
REDCODERAW
素材は、
Intel
ベースの
Macintosh
コンピュータでのみ利用できます。
Â
「
Final
Cut
Pro
」は
4K
または
2K
のいずれかの
REDCODERAW
ファイルを取り込むことができま
すが、
4K
素材は
2K
解像度にダウンコンバートされます。
Â
最新の
REDQuickTime
コーデックをインストールする必要があります。
Â
REDONE
カメラの素材を扱うには、お使いの
Mac
に
Mac
OS
X
バージョン
10.4.11
以降がインス
トールされている必要があります。
Â
REDCODERAW
素材を「切り出しと転送」ウインドウでプレビューするには
REDFCPLogand
Transferplug-in
(
http://www.red.com/ja_JP/support
で入手可能)をインストールする必
要があります。
![](asset-86.png)
134 第9章
REDCODERAW を操作する
ネイティブREDCODERAW の編集ワークフロー(フィルム用)
REDONE
カメラを使って、素材を
4KRAW
で撮影することをお勧めします。
REDQuickTime
コーデックを使って
REDCODERAW
ファイルを取り込むと、素材は
2K
の
QuickTime
ファイル
に変換されます。次に、シーケンスを
2K
に設定した「タイムライン」で素材を編集します。
編集を終えたら、素材を「
Color
」に送信できます。「
Color
」を使ってシーケンスをグレーディ
ングし、それを
2KDPX
ファイル、非圧縮
HD
ファイル、または
AppleProRes422
コーデック
ファイルとしてレンダリングします。必要に応じて、
DPX
ファイルを
DI
フィニッシングソフト
ウェアに転送することもできます。仕上がった
DPX
ファイルは、フィルムまたはデジタル・シ
ネマ・ファイルに出力できます。
重要:
REDCODERAW
ファイルを取り込むには、
REDQuickTime
プラグインおよび
REDFCP
LogandTransferplug-in
がインストールされていて、
REDCODERAW
ファイルを取り込むとき
にそれらを選択する必要があります。これらのプラグインは、
REDDigitalCinema
社の
Web
サ
イト(
http://www.red.com/ja_JP/support
)からダウンロードできます。
REDCODERAW
ファイルを取り込む前に、「切り出しと転送」ウインドウで目的のコーデックを
指定する必要があります。詳細については、
136
ページの「転送用に
REDFCPLogandTransfer
plug-in
を選択する」を参照してください。
素材を取り込んだ後は、
REDCODERAW
クリップを「タイムライン」にドラッグしてシーケンス
の設定を確定することができます。「
Final
Cut
Pro
」でシーケンスの圧縮設定が自動的に
Apple
ProRes422
コーデックに確定されます。これは
REDCODERAW
素材に適したレンダリング形式
です。
REDCODERAW
素材を取り込んでそれを
RGB
または
YUVQuickTime
ファイルに変換した
後は、素材をネイティブの
REDCODERAW
素材にレンダリングし直すことはできません。
REDCODE
コーデックはエンコードをサポートしていません。
重要:
REDCODERAW
ファイルを「
Final
Cut
Pro
」に取り込むための新しい方法は、定期的に
開発されています。
REDCODERAW
素材を使った作業の最新ワークフローについて詳しくは、
REDDigitalCinema
社の
Web
サイト(
http://www.red.com/ja_JP
)を参照してください。
参考:作成された
2K
の
REDCODERAWQuickTime
ファイルは、
DV
または非圧縮ビデオを編集
するのと同じように編集できます。
REDCODERAW
素材を編集しやすくするために、シーケン
スの設定を「無制限の
RT
」にしてください。
このワークフローの利点は、
DI
フィニッシングシステムを使った最終処理のために
2KDPX
ファ
イルを出力できるということです。ただしこのワークフローでは、
REDCODERAW
ファイルお
よび
DPX
ファイルを保持するために大量のディスク容量を必要とします。また、「
Final
Cut
Pro
」
で完全なリアルタイム再生ができなくなるため、「無制限の
RT
」を使用する必要があります。
![](asset-87.png)
第9章
REDCODERAW を操作する135
REDCODERAW
のネイティブ・ワークフローでは、「切り出しと転送」ウインドウを使ってファ
イルベースでメディアの取り込むという、標準的な手順を踏みます。
手順
1
:
REDCODERAW
メディアファイルをコンピュータに転送する
手順
2
:転送用に
REDFCPLogandTransferplug-in
を選択する
手順
3
:素材を切り出してディスクに転送する
手順
4
:クリップを編集してシーケンスにする
手順
5
:「
Color
」を使って素材をグレーディングする
手順
6
:仕上げ用に
DPX
ファイルを出力する
REDCODERAW メディアファイルをコンピュータに転送する
REDCODERAW
素材を撮影したら、お使いのコンピュータにカメラのハードディスクドライブ
を接続するか、コンピュータに接続しているカードリーダーに
CompactFlash
カードを挿入しま
す。詳細については、お使いの
REDONE
カメラに付属のマニュアルを参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」でアクセスするディスク・ストレージ・デバイスに、ファイルをダウンロード
します。また、安全のために、必ず
REDCODERAW
素材のコピーを別のストレージデバイスに
保存しておいてください。
REDCODERAW
素材は大量のディスク容量を必要とする場合があるため、プロジェクト全体を
保持できる十分な容量のストレージを確保してください。
4KRAW
データを
24fps
で記録する場
合は、
320GB
のハードディスクで約
180
分間の素材を記録できます。
2KRAW
データを
24fps
で記録する場合は、
320GB
のハードディスクで約
720
分間の素材を記録できます。
REDCODERAW
メディアファイルをダウンロードするときは、以下の推奨事項を考慮してくだ
さい:
Â
CompactFlash
カードカードまたはハードディスク上のコンテンツ全部を、フォルダまたは
ディスクイメージにコピーします。フォルダまたはディスクイメージには、一意の名前を付け
ます。(この名前が「
Final
Cut
Pro
」のデフォルトのリール名になります。)
Â
複数の
RED
ボリュームのコンテンツを
1
つのフォルダに混在させないでください。たとえば、
「
REDFOOTAGE
」とうい名前のフォルダを作ってそこに
.rdc
ファイルと
.profile
ファイルを全
部まとめて置いたりはしないでください。
Â
RED
コンテンツのフォルダ同士をネストしないでください。
Â
RED
ボリュームのコンテンツの名前を変更しないでください。
Â
「
CaptureScratch
」フォルダに
RED
ボリュームのコンテンツを格納しないでください。
Â
フィルムのワークフローでは、ベースとなるプロジェクトのフレームレートが
23.98fps
または
24fps
で、シーケンスに含まれるメディアがすべて
REDCODERAW
メディアでなければなり
ません。形式が混在したメディアがシーケンスに含まれている場合、メディアを「
Color
」に
転送するワークフローは、「
Color
」の
RED
ルーム内のメディアのグレーディングには利用で
きません。
Â
フィルムのワークフローでは、
REDCODERAW
ボリュームおよびメディアを、同一のフォルダ
構造を持つ
DPX
イメージのフォルダと混同しないでください。
![](asset-88.png)
136 第9章
REDCODERAW を操作する
転送用にREDFCPLogandTransferplug-in を選択する
REDCODERAW
ファイルを取り込む前に、「切り出しと転送」ウインドウを開き、
REDFCPLog
andTransferplug-in
を選択します。
「切り出しと転送」ウインドウで
REDFCPLogandTransferplug-in
を選択するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域の右上にあるアクション・ポップアップ・メニュー
から「環境設定」を選択します。
2
「環境設定」ウインドウで、「ソース」列の「
REDFCPLogandTransferplugin
」の横にある開
閉用三角ボタンをクリックし、「
REDDigitalCinemaREDCODE
」を選択します。
3
「トランスコード後の形式」列のポップアップメニューから「ネイティブ」を選択して、「
OK
」を
クリックします。
REDCODERAW 素材を切り出す/転送する
「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと転送」ウインドウを使って、
REDCODERAW
素材を取り込み先
ディスクに転送できます。
REDCODERAW
ファイルを取り込むと、取り込まれたクリップは
2K
サイズとなり、解像度
2048
x
1024
ピクセル、アスペクト比
2:1
、または解像度
2048
x
115 2
ピ
クセル、アスペクト比
16:9
となります。
QuickTime
ファイルは参照ムービーではないので、こ
れらのファイルは大量のディスク容量を占有する可能性があります。
重要:
REDCODERAW
ファイルは、取り込み先ディスクに直接コピーすることはできても、
「
Final
Cut
Pro
」では認識されません。このため、
REDCODERAW
素材は、必ず「切り出しと転
送」ウインドウで転送する必要があります。
「
Color」への出力用にビデオを編集する
「
Final
Cut
Pro
」では、
REDCODERAW
ビデオの編集はそのほかの形式での編集と何ら変わりま
せん。「無制限の
RT
」を使って
REDCODERAW
ファイルを編集する必要があります。編集を終
えたら、素材を「
Color
」に送信できます。ただし、ファイルを
DPX
ファイルとして「
Color
」か
ら書き出す場合は、カットのみの編集を行うことをお勧めします。
「
Color」に出力する
選択した
REDCODERAW
シーケンスを書き出すことができます。ただし、「
Color
」への書き出
しは一度に
1
シーケンスのみ可能です。
シーケンスを「
Color
」に書き出すには:
1
ブラウザでシーケンスを選択するか、「タイムライン」でシーケンスを開きます。
2
「ファイル」>「送信」>「
Color
」と選択します。
3
「
Color
へ送信」ダイアログの「
Color
プロジェクト名」フィールドで、
Color
プロジェクトの名前
を入力し、「
OK
」をクリックします。
![](asset-89.png)
第9章
REDCODERAW を操作する137
仕上げ用にDPX ファイルを出力する
「
Color
」を使用してネイティブの
REDCODERAW
ファイルをグレーディングした後は、さらに
仕上げを行うために素材を
DPX
ファイルに出力したり、
DI
フィニッシングソフトウェアに出力
したりできます。
DPX
ファイルの出力と、それらのファイルを最終的な
DI
出力用に準備するこ
とについて詳しくは、「Color ユーザーズマニュアル」の第
2
章「色補正のワークフロー」を参
照してください。
トランスコード済みREDCODERAW データの編集
ワークフロー(ビデオ用)
REDONE
カメラを使って、素材を
4KRAW
または
2KRAW
で撮影できます。
REDCODERAW
ファ
イルをビデオ用に取り込むときは、ファイルを
AppleProRes422
コーデックまたは
AppleProRes
422
(
HQ
)コーデックにトランスコードします。最高品質の素材を得るためには、
AppleProRes
422
(
HQ
)コーデックを使用します。ただし、オフライン編集をしているとき、または
EDL
を作
成しているときで、編集時の素材の品質が問題とならない場合は、
AppleProRes422
コーデック
を使用しても構いません。
トランスコードされた素材は、「
Final
Cut
Pro
」の「タイムライン」で編集が可能な、独立再生
形式の
QuickTime
ムービーになります。
REDCODERAW
ファイルを
AppleProRes422
(
HQ
)
コーデックにトランスコードする場合は、
REDCODERAW
ファイルのサイズと複雑さの影響で、
処理時間が長くなります。
重要:
REDCODERAW
ファイルをトランスコードするには、
REDQuickTime
プラグインおよび
REDFCPLogandTransferplug-in
がインストールされていて、
REDCODERAW
ファイルを取
り込むときにそれらを選択する必要があります。これらのプラグインは、
REDDigitalCinema
社の
Web
サイト(
http://www.red.com/ja_JP/support
)からダウンロードできます。
REDCODERAW
ファイルを取り込む前に、「切り出しと転送」ウインドウで
AppleProRes422
(
HQ
)を目的のコーデックに指定する必要があります。詳細については、
139
ページの「トラン
スコード用に
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックを選択する」を参照してください。
トランスコードしたファイルは、
DV
または非圧縮ビデオを編集するのと同じように編集できま
す。そのファイルを「
Color
」に送信してグレーディングし、「
Final
Cut
Pro
」に戻してさらに仕
上げを行うことができます。エンコードした素材を、「
Final
Cut
Pro
」の標準
HD
または
SD
の
どちらのビデオ形式でも、テープまたはメディアファイルに出力できます。
このワークフローの欠点は、すでに
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックにトランスコードされ
たファイルをグレーディングしなければならないことです(ネイティブの
REDCODERAW
メディ
アはグレーディングできません)。ネイティブの
REDCODERAW
素材では、
4:4:4
カラーサンプ
リングが使用されます。このサンプリングでは、出力をフィルムにプリントする際に、より高品
質な結果が得られます。
![](asset-8a.png)
138 第9章
REDCODERAW を操作する
トランスコードされた
REDCODERAW
のワークフローでは、「切り出しと転送」ウインドウを
使っでファイルベースでメディアの取り込むという、標準的な手順を踏みます。
手順
1
:
REDCODERAW
メディアファイルをコンピュータに転送する
手順
2
:トランスコード用に
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックを選択する
手順
3
:素材を切り出してディスクに転送する
手順
4
:トランスコードしたクリップをシーケンスに組み込む
手順
5
:素材を「
Color
」でグレーディングし(任意)、そのファイルを「
Final
Cut
Pro
」に
戻す
手順
6
:プロジェクトを仕上げて、テープに出力するか
QuickTime
ムービーに書き出す
REDCODERAW メディアファイルをコンピュータに転送する
REDCODERAW
素材を撮影したら、お使いのコンピュータにカメラのハードディスクドライブ
を接続するか、コンピュータに接続しているカードリーダーに
CompactFlash
カードを挿入しま
す。詳細については、お使いの
REDONE
カメラに付属のマニュアルを参照してください。
「
Final
Cut
Pro
」でアクセスするディスク・ストレージ・デバイスに、ファイルをダウンロード
します。また、安全のために、必ず
REDCODERAW
素材のコピーを別のストレージデバイスに
保存しておいてください。
REDCODERAW
素材は大量のディスク容量を必要とする場合があるため、プロジェクト全体を
保持できる十分な容量のストレージを確保してください。
4KRAW
データを
24fps
で記録する場
合は、
320GB
のハードディスクで約
180
分間の素材を記録できます。
2KRAW
データを
24fps
で記録する場合は、
320GB
のハードディスクで約
720
分間の素材を記録できます。
REDCODERAW
メディアファイルをダウンロードするときは、以下の推奨事項を考慮してくだ
さい:
Â
CompactFlash
カードまたはハードディスク上のコンテンツ全部を、フォルダまたはディスクイ
メージにコピーします。
Â
各フォルダまたはディスクイメージに一意の名前が付いていることを確認します。(この名前
が「
Final
Cut
Pro
」のデフォルトのリール名になります。)
Â
複数の
RED
ボリュームのコンテンツを
1
つのフォルダに混在させないでください。たとえば、
「
REDFOOTAGE
」とうい名前のフォルダを作ってそこに
.rdc
ファイルと
.profile
ファイルを
全部まとめて置いたりはしないでください。
Â
RED
コンテンツのフォルダ同士をネストしないでください。
Â
RED
ボリュームのコンテンツの名前を変更しないでください。
Â
「
CaptureScratch
」フォルダに
RED
ボリュームのコンテンツを格納しないでください。
![](asset-8b.png)
第9章
REDCODERAW を操作する139
トランスコード用にAppleProRes422(
HQ)コーデックを選択する
ネイティブの
REDCODERAW
素材のデコード処理は、プロセッサに大きな負荷がかかります。お
使いのコンピュータで処理の負荷を減らすには、「切り出しと転送」ウインドウを使って、
REDCODERAW
素材をプロセッサの負荷がより小さい
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックにト
ランスコードします。これにより、現在のシーケンスの設定が、取り込んだ素材に最適なデフォ
ルトの
AppleProRes422
(
HQ
)コーデック設定へと変更されます。
「切り出しと転送」ウインドウで
REDCODERAW
素材を転送するコーデックを選択するには:
1
「切り出しと転送」ウインドウのブラウズ領域の右上にあるアクション・ポップアップ・メニュー
から「環境設定」を選択します。
2
「環境設定」ウインドウで、「ソース」列の「
REDFCPLogandTransferplugin
」の横にある開
閉用三角ボタンをクリックし、「
REDDigitalCinemaREDCODE
」を選択します。
3
「トランスコード後の形式」列のポップアップメニューから「
AppleProRes422(HQ)
」を選択し
て、「
OK
」をクリックします。
REDCODERAW 素材を切り出す/転送する
「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと転送」ウインドウを使って、
REDCODERAW
素材を取り込み先
ディスクに転送できます。転送中に、「切り出しと転送」ウインドウを使って、素材を
AppleProRes
422
(
HQ
)コーデックにトランスコードします。「切り出しと転送」ウインドウの詳細について
は、
78
ページの「ファイルベースのメディアを使用したワークフローの例」を参照してください。
REDCODERAW
ファイルを取り込むと、取り込みまれたクリップは
2K
サイズとなり、解像度
2048
x
1024
、アスペクト比
2:1
、または解像度
2048
x
115 2
、アスペクト比
16:9
となります。
重要:
REDCODERAW
ファイルは、取り込み先ディスクに直接コピーすることはできても、
「
Final
Cut
Pro
」では認識されません。このため、
REDCODERAW
素材は、必ず「切り出しと転
送」ウインドウで転送およびトランスコードする必要があります。
トランスコードされたREDCODERAW 素材を使ってビデオを
編集する
「
Final
Cut
Pro
」では、
AppleProRes422
(
HQ
)コーデックまたは
AppleProRes422
コーデッ
クにトランスコードされたビデオの編集は、そのほかの形式での編集と何ら変わりません。ただ
し、データレートが取り込み先ディスクでサポートされていることを確認する必要があります。
これらの形式のデータレートについて詳しくは、
141
ページの「
REDCODERAW
形式の仕様」お
よび
11
ページの「
AppleProRes422
コーデックについて」を参照してください。
![](asset-8c.png)
140 第9章
REDCODERAW を操作する
トランスコードした素材を「
Color」でグレーディングする
「
Color
」を使って素材をグレーディングする場合は、トランジションやエフェクトを含めた通常
の編集作業ができます。編集を終えたら、「ファイル」>「送信」>「
Color
」と選択すること
で、素材を「
Color
」に送信できます。ファイルのグレーディングを終えたら、「ファイル」>
「送信」>「
Final
Cut
Pro
」と選択することで、それらのファイルを「
Final
Cut
Pro
」に送信で
きます。「
Color
」でグレーディングするためのプロジェクトの準備について詳しくは、「Color
ユーザーズマニュアル」を参照してください。
テープに出力する/「
Compressor」に書き出す
編集が終わったら、ムービーをビデオテープに出力するか、シーケンスを「
Compressor
」に書
き出して高品質
MPEG-2
ファイルを作成します。
トランスコードされた
REDCODERAW
素材のシーケンスは
2K
メディアファイルとなりますが、
2K
メディア形式がサポートされるデッキが非常に少ないため、
HD
ファイルまたは
SD
ファイル
としてテープに出力するには別の形式を選択しなければならないことがあります。
2K
の
AppleProRes422
(
HQ
)ビデオをテープに出力する前に、そのビデオが目的の形式に対
して規定通りのサイズとフレームレートで出力されることを確認してください。希望する出力設
定のシーケンスに
2K
メディアを配置するか、
Kona3
を使ってメディアを
HD
のフレームサイズ
にクロップすることができます。また、「
Compressor
」を使って、クロップを設定するか素材を
HD
または
SD
形式に縮小することができます。
テープに出力するには、以下の標準の手順に従って「ビデオにプリント」コマンドを使用してく
ださい。詳細については、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」
Volume4
、第
15
章「ビデ
オにプリント/タイムラインから出力」を参照してください。
シーケンスを「
Compressor
」に書き出して
MPEG-2
ファイルを作成するには:
1
「
Final
Cut
Pro
」のシーケンスを「タイムライン」に開きます。
2
「ファイル」>「書き出し」>「
Compressor
を使う」と選択します。
「
Compressor
」の使い方の詳細については、「
Compressor
」のマニュアルを参照してください。
![](asset-8d.png)
第9章
REDCODERAW を操作する141
REDCODERAW 形式の仕様
REDCODERAW
形式は次の通りに定められています。
記憶メディア
REDCODERAW
は、
RED-DRIVE
(
RAID
)ハードディスクドライブ、
REDFLASH
ハードディスク
ドライブ、および
REDFLASHCompactFlash
カードに記録されます。
アスペクト比
REDCODERAW
素材のアスペクト比は、
2:1
および
16:9
です。
フレームサイズと解像度
REDCODERAW
形式では、
2KRAW
および
4KRAW
のネイティブビデオ解像度がサポートされ
ています。
フレームレート
「
Final
Cut
Pro
」では、フィルムワークフロー用に次の
REDCODERAW
フレームレートがサポー
トされています:
Â
4K2:1
および
2K2:1
(
23.98fps
および
24fps
)
「
Final
Cut
Pro
」では、ビデオワークフロー用に次の
REDCODERAW
フレームレートがサポート
されています:
Â
4K2:1
および
2K2:1
(
23.98fps
、
24fps
、
25fps
、
29.97fps
、
50fps
、および
59.94fps
)
スキャン方式
4K
および
2K
の
REDCODERAW
は、プログレッシブ・スキャン・イメージとして記録されます。
カラー記録方式
REDCODERAW
では、
RGB12
ビットカラーが記録されます。
オーディオ
REDCODERAW
非圧縮オーディオには、サンプルレート
48
kHz
、
1
サンプルあたりの解像度が
24
ビットのオーディオチャンネルが、
4
つあります。
タイムコード
REDONE
カメラでは、
2
つの独立したタイムコードトラックが記録されます:
Â
エッジコード: 空のマガジンに記録された最初のクリップの最初のフレームで、
1:00:00:00
か
ら始まる
SMPTE
タイムコード。記録されるクリップが増えていくにつれて、後続の各クリッ
プのタイムコードも順番に、切れ目なく記録されていきます。
Â
タイムコード: カメラのクロック、または外部からの
SMPTE
マスタータイムコード信号を記
録する
SMPTE
タイムコード。
形式 解像度 アスペクト比
2KRAW 2048
x
115 2 ピクセル16:9
2KRAW 2048
x
1024 ピクセル2:1
4KRAW 4096
x2304 ピクセル16:9
4KRAW 4096
x
2048 ピクセル2:1
![](asset-8f.png)
10
143
10
Sony
ビデオディスクユニットを使って
作業する
「切り出しと転送」ウインドウでは、
Sony ビデオディスクユニットで
録画された素材を表示し、取り込み先ディスクに転送することができ
ます。
この章では以下について記載します:
Â
Sony
ビデオディスクユニットについて(
143
ページ)
Â
Sony
ビデオディスクユニットからビデオ素材を読み込む (
144
ページ)
Sony ビデオディスクユニットについて
「
Final
Cut
Pro
」では、
Sony
ビデオディスクユニット(
VDU
)に記録されたビデオ/オーディオ
を読み込み、作成されたメディアファイルを、ほかの形式のメディアファイルと同じように編集
することができます。
SonyDSR-DU1
ビデオディスクユニットは、
FireWire
接続可能なディスクレコーダで、
40GB
の
ハードディスクドライブを記録メディアに使用します。
このデバイスは、業務用品質の
DVCAM
ビデオカメラに
FireWire
接続され、テープへの録画と並行して最長
3
時間のビデオ/オーディ
オ信号を記録することができます。
Sony
ビデオディスクユニットは、
FireWire
経由での録画、再生、およびファイル転送に対応し
ています。
ビデオをドライブに直接に記録し、これを読み取り専用の
FireWire
ドライブとして使
用して、オーディオ/ビデオのコンテンツをコンピュータに読み込むことができます。
![](asset-90.png)
144 第10 章
Sony ビデオディスクユニットを使って作業する
Sony ビデオディスクユニットからビデオ素材を読み込む
Sony
ビデオディスクユニットからメディアを読み込むには、ユニットをコンピュータに
FireWire
接続し、「
Final
Cut
Pro
」の「切り出しと転送」ウインドウを使用して、読み込むメディアファ
イルを選択します。
Sony ビデオディスクユニットをセットアップする
Sony
ビデオディスクユニットを接続して使用する操作は、
FireWire
接続された外部ハードディ
スクドライブを使用する場合と似ています。
Sony
ビデオディスクユニットをコンピュータに接続するには:
1
FireWire
ケーブルの片方の
4
ピンコネクタを、
Sony
ビデオディスクユニットの
4
ピンの
FireWire
ポートに接続します。
2
FireWire
ケーブルの
6
ピンコネクタ側を、お使いのコンピュータの
FireWire400
ポートに接続し
ます。
3
Sony
ビデオディスクユニットの電源を入れます。
参考:ほかの
FireWire
接続の外部ドライブと同様、
Sony
ビデオディスクユニットの接続を解除
するか電源を切る前には、必ずマウントを解除してください。
デスクトップから
FireWire
ハードディスクのマウントを解除するには:
m
FireWire
ハードディスクのアイコンを、
Dock
の「取り出し」アイコンにドラッグします。
Sony ビデオディスクユニットからDV メディアを読み込む
「切り出しと転送」ウインドウでは、
Sony
ビデオディスクユニットのメディアファイルを直接ブ
ラウズして読み込むことができます。
Sony
ビデオディスクユニットから素材を転送する方法は、
ほかのファイルベースのメディアデバイスから素材を転送する方法とほとんど同じです。
Sony
ビデオディスクユニットをマウントしてから、
78
ページの「ファイルベースのメディアを使用
したワークフローの例」の手順を実行します。
「名称未設定」という
FireWire ハードディスクの
アイコンがデスクトップに
現れます。
![](asset-91.png)
第10 章
Sony ビデオディスクユニットを使って作業する145
Sony
ビデオディスクユニットからメディアを転送するには:
1
Sony
ビデオディスクユニットが接続されていて、デスクトップにマウントされていることを確
認します。
2
「
Final
Cut
Pro
」メニューから「システム設定」を選択し、「取り込み先ディスク」タブをクリッ
クします。
3
メディアを転送する取り込み先ディスクまたはフォルダを選択します。
取り込み先ディスクの選択についての詳細は、「Final Cut Pro 6 ユーザーズマニュアル」の
Volume
1
の第
11
章「
DV
ビデオ機器を接続する」を参照してください。
4
「ファイル」>「切り出しと転送」と選択します。
5
「切り出しと転送」ウインドウを使用して、
Sony
ビデオディスクユニットから映像を転送します。
「切り出しと転送」ウインドウの使用方法については、以下のセクションを参照してください:
Â
80
ページの「ブラウズ領域を使う」
Â
84
ページの「プレビュー領域を使う」
Â
86
ページの「切り出し領域を使う」
Â
88
ページの「転送キューを使う」
重要:マウントされた
Sony
ビデオディスクユニットからメディアファイルを取り込み先ディス
クに直接にコピーしないでください。
このような形で
Sony
ビデオディスクユニットから直接にコピーされたメディアファイルは、
QuickTime
メディアファイルとして扱われず、「
Final
Cut
Pro
」に読み込んだ場合に適切に処理
されません。