Apple MacOSXServer Mac OS X Server 管理者ガイド User Manual OSXServer J0628441

User Manual: Apple MacOSXServer MacOSXServer-管理者ガイド

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Mac OS X Server
管理者ガイド
Mac OS X Server ソフトウェアの機能と
ネットワークでの使いかたに関する情報が書かれています

K Apple Computer, Inc.
© 2001 Apple Computer, Inc. All rights reserved.
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J062-8441/7-26-01

目次
序章
このマニュアルの使いかた

15

15

このマニュアルについて

Mac OS X Server を初めて設定する

16

日常行う管理作業についてヘルプを参照する
その他の情報

第1章

16

17

Mac OS X Server の管理

19

Mac OS X Server とは ? 19
Mac OS X Server を使用する
21

初等/中等教育環境
高等教育環境

20

22

デザイン/出版ビジネス

24

Web サービスプロバイダ

25

Mac OS X Server に含まれているサービス
ディレクトリサービス
ファイルサービス

26

プリントサービス

27

Web サービス

26

26

27

メールサービス

28

QuickTime ストリーミングサービス
クライアント管理サービス
ネットワークサービス

28

28

アプリケーションサービス
サービスを管理する

28

30

30

Server Admin 31

3

Macintosh マネージャ

34

Streaming Server Admin 34
NetBoot Desktop Admin 35
サーバを初めて設定する

35

手順 1:サーバおよびサーバ管理アプリケーションの概要を知る

35

手順 2:サーバをインストールする

35

手順 3:ログインする

36

手順 4:共有ポイントを作成する

手順 5:ホームディレクトリのデフォルト設定を定義する

36

手順 6:ユーザを定義する

37

手順 7:グループを定義する

手順 8:共有ポイントへのアクセス権を割り当てる

38
38

手順 9:必要に応じて、追加するサービスを設定する

Mac OS X Server およびサーバ管理に関するその他の情報

40

サーバとネットワークの管理を始めたばかりの方の場合

40

経験豊富なサーバ管理者の場合

第2章

ディレクトリサービス

41

ディレクトリサービスとは ? 41

41

認証で必要なユーザ情報

サーバが必要とするその他のユーザ情報

サーバがユーザ情報を見つける方法

45

46
46

NetInfo を設定する前に

50

NetInfo を初めて設定する
LDAP を使用する

51

LDAP サーバへのアクセスを設定する前に
51

LDAP を初めて設定する
検索ポリシーを設定する

52

検索ポリシーを設定する前に
検索ポリシーを初めて設定する

第3章

ユーザとグループ

57

ユーザとグループとは ? 57

4

目次

41

42

ユーザ情報を定義する場所

NetInfo を使用する

36

55
55

51

40

35

57

ユーザ情報の使用方法

58

ユーザの特徴

59

グループの特徴

ユーザとグループを設定する前に

59

ユーザとグループを初めて設定する

59

手順 1:サーバの設定時に定義した管理者アカウントを変更する
手順 2:新規ユーザを作成する

59

60

手順 3:新規グループを作成する(省略できます) 60

60

ユーザの設定

61

一般的なユーザ設定
詳細なユーザ設定

62

ユーザのコメント

65
65

メールサービスの設定
グループの設定

68
70

ユーザとグループの上手な使いかたとヒント

70

ユーザとグループを書き出す/読み込む

ホームディレクトリが自動的にマウントされるように設定する

Mac OS X Server でのパスワードの制限
ユーザとグループに関する問題を解決する

第4章

共有

70

71
72

73

共有とは ? 73
アクセス権を割り当てる前に
アクセス権の維持
アクセス権のタイプ
ユーザの分類

73

74
74

74

クライアントユーザとアクセス権
セキュリティの問題
共有を初めて設定する

75

75
76

手順 1:ファイルサービスを開始する
手順 2:共有ポイントを作成する

77

77

手順 3:共有ポイントのアクセス権を設定する
共有の設定
一般設定

77

78
78

自動マウントの設定

80

目次

5

NFS アクセス制御の設定

81
82

共有に関する問題を解決する

第5章

ファイルサービス

83

ファイルサービスとは ? 83

83

ファイルサービスを設定する前に

83

ファイルとフォルダのアクセス権を設定する

84

ゲストアクセスを制限する

84

登録ユーザにのみアクセスを許可する

Apple ファイルサービス

85
85

Apple ファイルサービスを設定する前に
Apple ファイルサービスを初めて設定する

85

86

Apple ファイルサービスの設定

Apple ファイルサービスに関する問題を解決する
92

Apple ファイルサービスの仕様
Windows サービス

93
93

Windows サービスを設定する前に
Windows サービスを初めて設定する

94

95

Windows サービスの設定

Windows サービスに関する問題を解決する
NFS(Network File System)サービス

100

NFS サービスを使用する状況

100

NFS サービスを設定する前に

100

101

NFS を初めて設定する
NFS サービスの設定

101

NFS アクセス制御の設定

102

FTP( File Transfer Protocol )サービス
FTP サービスを設定する前に
FTP サービスを初めて設定する
FTP サービスの設定

99

99

Windows サービスの仕様

104

104
104

105

FTP サービスに関する上手な使いかたとヒント
FTP サービスの内側

106

FTP サービスに関する問題を解決する
FTP サービスの仕様

6

目次

91

109

108

106

109

ファイルサービスに関するその他の情報

第6章

プリントサービス

111

プリントサービスとは ? 111

111

プリンタをサーバに接続する

112

ネットワーク上でキューを共有する

113

プリントキューとプリントジョブを管理する

113

プリントジョブを監視する

113

プリントサービスを設定する前に
プリントサービスを初めて設定する
手順 1:プリンタを追加する

114

114
114

手順 2:プリントサービスを設定する

114

手順 3:プリントキューを設定する
手順 4:プリントサービスを開始する

114

手順 5:Windows サービスを開始する(省略できます) 114
手順 6:クライアントコンピュータからプリントを設定する
プリントサービスの設定

115
115

プリントサービスの一般設定
プリントキューの設定

116

プリントジョブの設定

117

プリントサービスに関する問題を解決する

第7章

Web サービス

114

118

121

Web サービスとは ? 121
121

Web サービスを設定する前に
Web サービスを設定する

122

セキュリティで保護されたトランザクションを提供する

Web サイトを設定する

122

122

複数の Web サイトを運用する

122

WebDAV のセキュリティを理解する
Web サービスを初めて設定する

123

123

手順 1:
「 Documents」フォルダを設定する
手順 2:デフォルトのページを作成する

123
124

手順 3:Web サイトにアクセス権を割り当てる
手順 4:Web サービスを設定する

124

124

目次

7

手順 5:Web サービスを開始する
手順 6:Web サイトに接続する

Web サービスの設定

124
124

125
125

Web サービスの一般設定

127

Web サービスのサイトの設定

Web サービスの MIME タイプの設定
129

Web サービスのプロキシの設定
Web サイトの設定

128

130
131

Web サイトの一般設定
Web サイトのログの設定

133
134

Web サイトのアクセスの設定

Web サイトのセキュリティの設定

136

Web サービスに関する上手な使いかたとヒント
固定接続を使ってサーバの性能を向上させる

Web モジュールを使用する

137
137

138

CGI (Common Gateway Interface)スクリプトを使用する
MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)を理解する
SSL(Secure Sockets Layer )サービスを設定する
サービスの状況と性能を監視する

Apache の詳しい設定

Web サービスに関する問題を解決する

148
149

149

150

Web サービスに関するその他の情報
メールサービス

142

147

WebDAV の保護領域とアクセス権を理解する

第8章

141

146

動的な Web ページのキャッシュを無効にする

Web サービスの仕様

140

151

153

メールサービスとは ? 153

POP (Post Office Protocol) 153
IMAP(Internet Message Access Protocol) 154
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 154
メールサービスを設定する前に

154

サーバが 1 台の場合のメールサービス
複数のドメインが対象のメールサービス

154
154

インターネットベースのメールサービスの MX レコード

8

目次

155

メールサービスを初めて設定する

155

手順 1:MX レコードを設定する

155

手順 2:メールサービスを開始する

155

手順 3:メールサービスを設定する

156
157

手順 4:デフォルトのホスト設定を選ぶ

手順 5:ユーザのメールを有効にして postmaster アカウントを作成する

158

メールサービスの設定
一般設定

158
159

メッセージの設定
フィルタの設定

160
162

プロトコルの設定
ホストの設定

166

受信メールの設定

166

送信メールの設定

167

ネットワークの設定

169

メールサービスに関するその他の情報

第9章

157

QuickTime Streaming Server

170

173

QuickTime Streaming Server とは ? 173
ストリーミングメディアを視聴する方

173

QuickTime Streaming Server を使用する状況

174

QuickTime Streaming Server を設定する前に

174

ライブ映像用の設定例

175

QuickTime Streaming Server を初めて設定する
手順 1:
「 Streaming Server Admin」を開く

175
176

手順 2:ストリーミングサーバの設定を選ぶ

176

手順 3:ストリーミングメディアを表示するための Web ページを作成する(省略で
きます) 176
ストリーミングサーバの設定
一般設定
ログの設定

177

177
178

接続中のユーザ

179

ストリーミングサーバの上手な使いかたとヒント

179

ストリーミングするライブメディアを用意する
ストリーミングする保存済みメディアを用意する

179
180

目次

9

プレイリストを使って記録済みの音声または映像をブロードキャストする

181

184

QuickTime Streaming Server の内側

184

互換性のあるファイルフォーマット

185

ストリーミングメディアへのアクセスを制御する

ファイアウォールまたはアドレス変換を使用するネットワークを介してメディアを
視聴する 188
リレーを設定する

189
192

QuickTime Streaming Server に関する問題を解決する
QuickTime Streaming Server に関するその他の情報
第 10 章

Macintosh マネージメントサービス

194

195

Macintosh マネージメントサービスとは ? 195
195

Macintosh マネージメントサービスを使用する状況
196

Macintosh マネージャを設定する前に

196

Macintosh マネージャを初めて設定する

手順 1:ホームディレクトリを持つユーザが、
「ユーザとグループ」に存在するこ
とを確認する 196
手順 2:Macintosh マネージメントサービスが稼動中であることを確認する

196

手順 3:管理者としてログインする

197

手順 4:ユーザアカウントを追加する

手順 5:Macintosh マネージャの管理者を作成する

197

手順 6:ワークグループを作成する

手順 7:セキュリティオプションを設定する

Macintosh マネージャの設定
ユーザの基本設定

198

ユーザの詳細設定

200

198

ワークグループのメンバー設定
ワークグループの項目設定

205

ワークグループの権限設定

207

203

211

ワークグループのボリューム設定
ワークグループのプリンタ設定

213

ワークグループのオプション設定
コンピュータのリスト設定

217

コンピュータのワークグループ設定
コンピュータの制御設定

10

目次

215

219

218

197

197

196

221

コンピュータのセキュリティ設定

223

コンピュータのログイン設定

224

コンピュータのチェックアウト設定

225

グローバルなセキュリティ設定
グローバル CD-ROM 設定

227
228

Macintosh マネージャの上手な使いかたとヒント

228

読み込まれていないユーザにすばやいアクセスを提供する

大規模なネットワークまたは拡張するネットワーク上で Macintosh マネージャを設
定する 229

229

ネットワークの要望を満たすワークグループを作成する

230

ワークグループのデスクトップ環境を選ぶ
セキュリティを最大限に強化する

Macintosh マネージャの内側

231

232

Macintosh マネージャが起動する仕組み

232
232

Macintosh マネージャが初期設定に従って動作する仕組み
Macintosh マネージャでセキュリティを保護する仕組み

237

サーバからクライアントコンピュータをアップデートする仕組み

238

Macintosh マネージャがユーザ、ワークグループ、およびコンピュータのリストを追
跡する仕組み 238
Macintosh マネージャの共有ポイントについて

239

Macintosh マネージャと NetBoot サービスを一緒に使用する
241

Macintosh マネージャに関する問題を解決する

Macintosh マネージャにログインするときの問題

241

クライアントユーザに発生する可能性がある問題

Macintosh マネージャに関するその他の情報
第 11 章

NetBoot

240

242

243

245

NetBoot とは ? 245
NetBoot を使用する状況

245

NetBoot を設定する前に

246

ネットワークの計画を立てる

NetBoot サーバワークシート

246
253

NetBoot サーバソフトウェアを初めて設定する

254

手順 1:
「 NetBoot」サーバソフトウェアをインストールする(省略できます) 254
手順 2:
「 NetBoot 設定アシスタント」を使う

254

目次

11

手順 3:
「 Macintosh マネージャ」を設定する

255

手順 4:
「 NetBoot」クライアントコンピュータを起動する

NetBoot Desktop Admin を使用する

255

255

ソフトウェアをインストールする/ディスクイメージを変更する

257

NetBoot に関する上手な使いかたとヒント

「NetBoot」のパフォーマンスを向上させる

258

サーバパフォーマンスの要因

NetBoot の内側

260
261

NetBoot に関する問題を解決する
第 12 章

257

ネットワークサービス

263

ネットワークサービスとは ? 263

SLP(Service Location Protocol)DA( Directory Agent)サービス
SLP DA サービスを使用する状況

264

SLP DA サービスを設定する前に

264
265

SLP DA サービスを初めて設定する
SLP DA サービスの設定

267

SLP DA サービスに関する上手な使いかたとヒント
DHCP( Dynamic Host Configuration Protocol)サービス
DHCP サービスを使用する状況

271

DHCP サービスを設定する前に

271

274

DHCP サービスに関する上手な使いかたとヒント
DNS (Domain Name System)サービス
280

DNS サービスを設定する前に

280

DNS サービスを初めて設定する

281

DNS サービスに関する上手な使いかたとヒント
285

IP フィルタサービスとは ? 285
IP フィルタサービスを使用する状況

286

IP フィルタサービスを設定する前に

286

IP フィルタサービスを初めて設定する
IP フィルタサービスの設定

12

目次

290

279

280

DNS サービスを使用する状況

IP フィルタサービス

271

272

DHCP サービスを初めて設定する
DHCP サービスの設定

269

289

282

264

256

IP フィルタウインドウの設定

295

IP フィルタサービスに関する上手な使いかたとヒント
IP フィルタサービスに関する問題を解決する

300

300

ネットワークサービスに関するその他の情報

付録 A
詳細なトピック

296

301

TCP/IP に関するトピック

301

Mac OS X コンピュータが使用するポート

301

プライベートな TCP/IP ネットワークを設定する
ポートに複数の IP アドレスを設定する

305

ipfw を使って IP フィルタルールを作成する
TCP/IP の設定に関するその他の情報

304

306

308

ユーザとグループを読み込む/書き出すためのファイルフォーマット

XML ファイルの例

308

ユーザとグループのファイルを自分で作成する

XML に関するその他の情報
LDAP データの仕様

308

312

314

314

ユーザデータをマッピングする

315

ネットワークサービスデータをマッピングする
デフォルトのマッピングを使用する

LDAP アクセスを設定する

321

322

323

サーバ情報のバックアップを作成する

328

付録 B

Mac OS X Server のインフォメーションワークシート
用語集
索引

329

333
339

目次

13

14

目次

序

章

このマニュアルの使いかた
このマニュアルについて
初めてネットワークに挑戦する方も、経験豊富な管理者の方も、このマニュアルを読む
ことから始めてください。使用するサーバの目的に応じて、お読みになる章を選んでく
ださい。

m 19 ページの第 1 章「Mac OS X Server の管理」は、「Mac OS X Server」の使いかた、提供
するサービス、管 理方法、および最初の設定方 法の概要を知りたい場 合にお読みく
ださい。

m 第 2 章、第 3 章、および第 4 章では、
「Mac OS X Server」の主要なコンポーネントである
ディレクトリサービス、ユーザとグループ、および共有の 3 つについて説明します。
ほとんどのサービスがこれら 3 つのコンポーネントの設定に依存しているので、こ
れらの章を読むことをお勧めします。

m 第 5 章「ファイルサービス」では、「Mac OS X Server」に含まれるファイルサービスに
ついて説明します。ファイルサービスには、Apple ファイルサービス、Windows サー
ビス、NFS(Network File System)サービス、および FTP(File Transfer Protocol)サービ
スがあります。

m 第 6 章「プリントサービス」では、Macintosh、Windows、およびその他のコンピュー
タのユーザの間で PostScript™ 互換のプリンタを共有する方法について説明します。

m 第 7 章「 Web サービス」では、
「 Mac OS X Server 」の Web サービスについて説明します。
Web サーバでセキュリティによって保護されたトランザクションを設定する方法、お
よび複数の Web サイトを運用する方法が分かります。

m 第 8 章「メールサービス」では、インターネット上でのメールの使いかたや自分の
ネットワ ークに最適な プロトコルの 選びかたなど、「Mac OS X Server」のメー ルサー
ビスに関する情報を記載しています。

m 第 9 章「QuickTime Streaming Server」では、メディアをインターネット経由でリアルタ
イムに配信できるサービスについて説明します。

m 第 10 章「 Macintosh マネージメントサービス」では、
「 Macintosh マネージャ」を使用し
てクライアント コンピュータをより効率的 に管理する方法に関する情 報が書かれて
います。

15

m 第 11 章「NetBoot」では、
「 NetBoot」について説明します。
「NetBoot」によって、管理
者は、サーバ上の 起動ディスクイメージを更 新するだけでクライアン トコンピュー
タの設定と更新を即座に行うことができます。

m 第 12 章「ネットワークサービス」では、SLP(Service Location Protocol)DA(Directory
Agent)サービス、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サービス、DNS( Domain
Name System )サービス、IP フィルタサービスなど、「Mac OS X Server」のネットワー
クサービスに関する情報を記載しています。

m 付録 A「詳細なトピック」では、高度なサーバ管理について詳しく知りたい管理者を
対象とした補足情報を記載しています。

m 付録 B「Mac OS X Server のインフォメーションワークシート」では、サーバに関する
情報を記録するための用紙を記載しています。

m 用語集は、このマニュアルに記載されている頭字語とその定義の一覧です。
ユーザに提供する予定のあるサービスについて書かれた章をお読みください。サービス
についての章では、それぞれのサービスの動作、機能、使いかた、および最初の設定方
法の概要を説明しています。また、あまりなじみのないサービスに関する章もひととお
りお読みください。これまで使ったことのないサービスの中に、自分のネットワークを
より効率的に運用し、ユーザのために性能の向上を図ることのできるものが見つかるか
もしれません。
いくつかの章の後半には、サービスの「内部」に関するセクションがあります。このセ
クショ ンでは、経験豊富 なユーザを 対象とした、より 詳しい技術 情報を記載し ていま
す。このセクションは、ソフトウェアや特定のサービスの裏側で実行されているプロト
コルに関する理解を深めたい場合にお読みください。
ほとんどの章の最後に「その他の情報」というセクションがあります。このセクション
では、サービスに関してより詳しい情報を見つけることができる Web サイトと参考資料
を紹介しています。

Mac OS X Server を初めて設定する
「Mac OS X Server 」のインストールと設定がまだ済んでいない場合は、今すぐ行ってくだ
さい。サーバのインストールと設定の方法については、ソフトウェアに同梱の折り込み
カード「Mac OS X Server をお使いになる前に」を参照してください。そのマニュア
ルの手順が完了したら、このマニュアルの第 1 章の手順説明に従って各サービスの最初
の設定を行ってください。

日常行う管理作業についてヘルプを参照する
設定の変更、サービスの監視、サービスログの表示、またはその他の管理作業を行いた
いときは、各サーバ管理プログラムで利用可能なオンラインヘルプで、ステップバイス
テップ形式の手順説明を検索することができます。

16

序章

その他の情報
以下のマニュアルを、www.apple.co.jp/macosxserver/ で入手できます。

m 「Mac OS X Server 移行ガイド」では、「AppleShare IP」、「Macintosh マネージャ」、お
よび「Mac OS X Server」バージョン 1.2 から「Mac OS X Server」にアップグレードする
手順について説明しています。

m 「NetInfo 活用ガイド」では、「 Mac OS X」に組み込まれたディレクトリシステムと、
「Mac OS X 」ネットワークを十分に活用するための NetInfo および「Mac OS X Server」の
設定方法について説明しています。

このマニュアルの使いかた

17

1
1

Mac OS X Server の管理
この章では、
「Mac OS X Server」を紹介し、その管理の概要を説明します。また、サーバ
の運用を開始する際に役立つ次の情報も示します。

m 35 ページの「サー バを初めて設定する」では、サーバをすば やく起動し、稼動させ
るための手順を説明します。

m 40 ページの「Mac OS X Server およびサーバ管理に関するその他の情報」では、サーバ
管理を初めて 行う方および経験豊富なサ ーバ管理者のそれぞれに 適した、サーバお
よびネットワーク管理情報の入手先を示します。

19

Mac OS X Server とは ?
Mac OS X Server は、インターネットやローカルネットワーク上のユーザに対して、あら
ゆる範囲のサービスを提供する高度なサーバプラットフォームです。

m メールやファイル共有などのサービスを使って、ユーザを相互に接続できます。
m プリンタやコンピュータなどのシステムリソースを共有できます。
m Web サイトやストリーミングビデオなどのインターネットサービスのホストとして
機能することができます。

m デスクトップ のリソースや個人用ファイ ルなど、ネットワークユーザ に表示される
内容をカスタマイズできます。

20

第 1章

こ の章 で は、
「Mac OS X Server」に 含ま れ るサ ー ビス を 紹介 し、そ れ を管 理 する た め
に使用するプログラムの概要を説明します。最初に、教育、出版、およびインターネッ
トサービスの各環境で、サービスをどの ような形で利用できるかについて説明します 。
次に、各サービスの機能について説明し、これらのサービスを管理するアプリケーショ
ンについて簡単に説明します。最後に、サーバを起動し、稼動させるための手順を説明
します。

Mac OS X Server の管理

21

Mac OS X Server を使用する
サーバ は、さまざまな環 境における 要望を満たす ことができ ます。このセクシ ョンで
は、一般的な次の 4 つの環境を例として取り上げます。

m
m
m
m

22

第 1章

初等/中等教育環境
高等教育環境
デザイン/出版ビジネス

Web サービスプロバイダ

初等/中等教育環境
教育環境におけるサーバは、生徒がインターネットにアクセスしたり、メールを送信し
たり、ファイルを管理したり、ビデオを表示したり、書類をプリントしたりできるよう
にする必要があります。また、教師が授業計画やほかの講義の教材を始め、生徒の記録
や集 中管 理さ れてい る情 報に アクセ スで きる ように する 必要 があり ます。「Mac OS X
Server」の Web サービス、メールサービス、プリントサービス、およびファイルサービ
スは、このような要望にすべて対応します。
Mac OS X Server

Mac OS X Server

インターネット
Web
サービス
および
メール
サービス

ファイル
サービス

ファイル
サービス

プリントサービス
クライアント管理サービス

Mac OS 8クライアント

Mac OS 9クライアント

Mac OS Xクライアント

初等/中等教育環境をサポートするサーバには、いくつかの特別な要件があります。

m 生 徒 のワ ー ク ステ ー シ ョン 環 境 を 制御 す る 手段 を 備 え てい る 必 要が あ り ます。
「Mac OS X Server 」ソフトウェアには、クライアント管理サービスが含まれています。
これによって、生徒が使用する Macintosh コンピュータを管理および監視することが
できます。
たとえば、Macintosh マネージメントサービスを使えば、生徒がアクセスできるアプ
リケーション を管理することができ ます。また、アプリケーション の環境設定、デ
スクトップの 外観、およびその他の個々のデ スクトップ設定を定義す ることもでき
ます。これによっ て、生徒は、ネットワーク上の 異なるコンピュータで 同じ環境を
利用できます。

m 同じインターネ ットリソースに対して同時 に行われる要求を効率的に 処理する必要
があります。「Mac OS X Server 」は、キャッシュに対応する Web プロキシサービスを
備えています。このため、すでにダウンロードされている Web コンテンツが再び要
求された場合、これを再度取り込む必要はありません。

Mac OS X Server の管理

23

高等教育環境
専門学 校や大学では、学 生と、彼らが使 用するワーク ステーショ ンが多様であ るため
に、サーバの要件はさらに複 雑で、多岐にわたります。サーバの要件が複雑な場合は、
すべての機能を備えたファイルサービスとネットワークサービスが必要です。
Windows NTサーバ
LDAPサーバ
UNIX NFSファイルサーバ

Mac OS X Server

Webサービス
およびメール
サービス

Mac OS X Server

ファイル、
プリント、
ディレクトリ、
ネットワークの
各サービス

インターネット

Macintoshクライアント

Windowsクライアント

UNIXクライアント

m さまざまな種類のクライアントコンピュータ(Macintosh、Windows、UNIX、Linux など)
を使用する環境では、柔軟性に優れたファイルアクセスのサポートが必要です。
「Mac OS X Server」の高度にスケーラブルな IP ベースのファイルサービスでは、ネッ
トワーク上のどの場所からでも、AFP( Apple File Protocol)、NFS(Network File System)、
FTP( File Transfer Protocol)、および SMB( Server Message Block)を使ってファイルにア
クセスできるようサポートしています。

24

第 1章

m サーバは、業界標準の TCP プリントプロトコルである LPR や、Windows SMB プロトコル
を使って送信されたプリントジョブに対して、PostScript 互換のプリントスプールお
よびジョブアカウントを提供します。

m 高等教育ネットワークはさまざまな種類のコンピュータで構成され 、複雑であるた
め、ネットワークサービスはきわめて重要です 。 DNS (Domain Name System)サービ
スと SLP(Service Location Protocol)サービスは、クライアントのコンピュータやサービ
スがネットワーク上のリソースを検索するためのサービスで、
「Mac OS X Server」が提
供するサービスの中の 2 つの例に過ぎません。DHCP
(Dynamic Host Configuration Protocol )
によって、学生がポータブルコンピュータを使ってネットワークにログインすること
ができます。

m 「Mac OS X Server」ネットワークサービスの 1つである IPフィルタリングは、重要なデー
タを保護するセキュリティファイアウォールを実現します。

m ユーザ情報およびネットワークリソース情報は、NetInfo などのディレクトリシステ
ムから取り込み、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバなどの既存の基盤
に統合 できる必要が あります。「Mac OS X Server」は、この情報 にアクセスす るよう
に簡単に設定できます。

Mac OS X Server の管理

25

デザイン/出版ビジネス
「Mac OS X Server 」は、インターネットデザイナーおよびインターネットパブリッシャー
のワークフローに関する要望を完全に満たすことができるサービスを備えています。
Mac OS X Server
インターネット

ファイル
サービス

WebDAV
サービス

Webサービス
および
QuickTime
ストリーミング
サービス

プリントサービス

Windowsクライアント

Mac OS 9クライアント

Mac OS Xクライアント

m 今や人気のある Apache Web サーバが、「Mac OS X Server」に組み込まれています。
m サーバの Web サービスに統合されている WebDAV (Web-based Distributed Authoring and
Versioning)テクノロジーに よって、「Mac OS X」がインスト ールされたコンピュータ
からドラッグ & ドロップでパブリッシングとファイル共有を行うことができます。

m ビデオの場合、QuickTime ストリーミングサービスによって、ストリーミングビデオ
をクライアントコンピュータにリアルタイムでブロードキャストできます。

m AFP(Apple Filing Protocol)によって、ワークグループのメンバー間でサイズの大きい
ファイルを転送できます。

26

第 1章

Web サービスプロバイダ
「Mac OS X Server 」は、電子商取引の Web サイトを運用したり、高い可用性と拡張性が要
求される その他のイン ターネットサ ービスを提供 するために必 要なサポート を備えて
います。
Mac OS X Server
インターネット
WebDAV
サービス

Web、FTP、
QuickTime
ストリーミング
の各サービス

Mac OS X Server

メール
サービス

Mac OS X Server

Mac OS X Server ファーム

メール
サービス

WebObjects

Mac OS X Server
サーバの ファーム 管理用
Mac OS Xコンピュータ

m Web サービスの中心は、オープンソースの HTTP Web サーバである Apache です。1 台の
サーバで、それぞれが独自のアドレスを持つ複数の Web サイトを運用できます(マ
ルチリンクマルチホーミング)。1 枚の Ethernet カードで複数のアドレスをサポート
するように、サーバを設定することができます(仮想ホスティング)。

m Web サービスでは、安全なインターネット接続を実現するために SSL(Secure Sockets
Layer)保護をサポートします。

m サーバには、「WebObjects」ソフトウェアセット の配布コンポーネント が含まれてい
ます。このアプリケーションサービスによって、複数のデータベースに接続し、HTML
と Java™ を動的に生成できる電子商取引用アプリケーションを配布できます。

m 「Mac OS X Server」には、Perl、JavaServlets、JavaServer Pages、および PHP のサポートも組
み込まれています。

m 「QuickTime Streaming Server」によって、業界標準のストリーミングプロトコルを使用
して、視聴者にリアルタイムでマルチメディアをブロードキャストできます。

m サービスまた は電源に異常が発生した 場合、サーバは自動的に再 起動します。これ
によって、サービスの可用性が最大化されます。

Mac OS X Server の管理

27

Mac OS X Server に含まれているサービス
このセクションでは、次の「Mac OS X Server」サービスについて説明します。

m
m
m
m
m
m
m
m
m

28

第 1章

ディレクトリサービス
ファイルサービス
プリントサービス

Web サービス
メールサービス

QuickTime ストリーミングサービス
クライアント管理サービス
ネットワークサービス
アプリケーションサービス

ディレクトリサービス
ディレ クトリサ ービスは、認証と権 限の付与 に必要なユ ーザおよ びグループ(ユーザ
の集ま り)情報を探 すために、サーバ で使用さ れます。ディレク トリサー ビスによっ
て、サー バに直接保 存されて いる、また はサーバ 間でユーザ 情報を共 有するため に設
定され た場所に保 存されて いるユーザ 情報を検索 するよう に、サ ーバを設定 すること
ができます。
通常、ユーザ情報は組み込みの NetInfo ディレクトリシステムを使って保存しますが、標
準の Lightweight Directory Access Protocol( LDAP)サーバからこれを取り込むこともできま
す。ユーザ名を複数のディレクトリシステムに保存している状態でユーザを確認する必
要が生じた場合、サーバは自動的に指定の場所を指定された順序で検索します。

Mac OS X Server の管理

29

ファイルサービス
ファイルサービスによって、クライアントユーザは、ネットワーク上のファイル、アプ
リケーション、およびその他のリソースにアクセスできます。
「Mac OS X Server」は、次
のファイルサービスを備えています。

m
m
m
m

Apple ファイルサービス
Windows サービス
FTP サービス
NFS サービス

Apple ファイルサービス

Apple ファイルサービスでは、AFP( Apple Filing Protocol)を使用して、Macintosh クライア
ント とリ ソース を共 有でき ます。 Macintosh ユー ザは、サー バに 接続し、自 分の コン
ピュータ上にフォルダやファイルがあるかのように、これらにアクセスすることができ
ます。
「Mac OS X」のユーザは、
「 Finder」の「移動」メニューの「サーバへ接続」を使っ
てサーバ にアクセスしま す。また、Mac OS X コンピュータの 起動時にコンピ ュータに
ディレクトリを自動的にマウントさせることもできます。「Mac OS 8」と「Mac OS 9」の
ユーザは、
「セレクタ」または「ネットワークブラウザ」を使用します。Apple ファイル
サービスは、オペレーティングシステム環境と完全に統合しており、ファイルのエイリ
アスや「Sherlock」などの機能のサポートを提供します。
Windows サービス
Windows サービスによって、Windows コンピュータまたは Windows 互換コンピュータの
ユーザは、
「Mac OS X Server」のリソースを利用することができます。新たなソフトウェ
アを必要とすることなく、Windows ユーザは、いつも使用している「ネットワークコン
ピュータ」ウインドウを使って、サーバを検索し、ファイルやプリントキューを参照す
ることができます。
FTP サービス

FTP( File Transfer Protocol )によって、ユーザは、インターネット上でファイルを転送で
きます。FTP をサポートするコンピュータのユーザであれば、通常はインターネットブ
ラウザや FTP クライアントアプリケーションを使って、サー バからファイルをダウン
ロードできます。また、FTP では、標準的な手段を使って、既知のユーザおよび匿名の
ユーザとサーバとの間でファイルを転送することもできます。
NFS サービス

NFS サービスによって、 NFS クライアントソフトウェアを持つユーザに対して、ディレ
クトリ(フォルダ)を利用可能にすることができます。NFS は、UNIX クライアントの
ディレクトリをエクスポートするときにしばしば使用されます。

30

第 1章

プリントサービス
プリントサービスによって、Macintosh、Windows、および UNIX コンピュータからプリン
トジョブを送信するユーザ間で、PostScript 互換のプリンタを共有できます。ユーザのコ
ンピュータが、標準の LPR プロトコルまたは Windows SMB プロトコルを使ってプリント
するよ うに設定され ている場合、サー バによる管理 が設定されて いるプリンタ に対し
て、プリントジョブを送信できます。

Mac OS X Server の管理

31

Web サービス
「Mac OS X Server 」の Web サー ビスの中心は、最も広く使われている オープンソースの
Web サーバである Apache です。すでに Apache をお使いの方は、Apache のログファイル
分析ツール、設定ファイルの操作手順、および一般的なマニュアル類を継続してご利用
いただけます。
「Mac OS X Server 」の Web サービスでは、Web 環境をカスタマイズする機能も利用できま
す。Web サイトに任意の数のドメインを設定したり、SSL ベースの安全な通信をサイト
単位で 設定したり、CGI、WebObjects 、Perl 、PHP、Java Servlets など のアプリケー ション
サービスの組み込みサポートを利用したりすることができます。

Web サ ービスに含ま れている WebDAV( Web-based Distributed Authoring and Versioning)に
よって、ユーザはサイトの稼働中に Web ページをチェックアウトし、
変更を加え、チェッ
クインして戻すことができます。WebDAV は、特に Web コンテンツの作成者を対象とす
るファイルサーバを提供します。

32

第 1章

メールサービス
メールサービスによって、ネットワークやインターネットを経由するメールサービスを
ユーザに対して提供することができます。サービスにはジャンクメール防御の機能が組
み込まれているばかりでなく、複数ドメインのメールをサポートします。標準のメール
プロトコルは、すべてサポートされています。IMAP( Internet Message Access Protocol)、POP
(Post Office Protocol)、および SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が、そのプロトコルです。
インターネットを経由するメールサービ スを提供するには、ネットワーク上に Domain
Name System (DNS)サービスを定義するか、インターネットサービ スプロバイダ(ISP)
から提供される DNS サービスを利用します。DNS は、「Mac OS X Server」ネットワーク
サービスの 1 つであり、SMTP によるメール処理に必要なシステムです。

Mac OS X Server の管理

33

QuickTime ストリーミングサービス
QuickTime Streaming Server(QTSS)によって、業界標準の RTSP/RTP プロトコルを使用し
て、リアルタイムでマルチメディアをストリーミングできます。
ライブメディアおよび記録済みのメディアを、インターネットを介して Macintosh ユー
ザと Windows ユーザの両方に配信できます。または、ストリ ーミングされたメディア
を、別のストリーミングサーバに中継することができます。ユニキャストストリーミン
グまた はマルチキャ ストストリー ミングが可能 です。ユニキャス トストリーミ ングで
は、1 つのストリームを各クライアントに個別に送信します。マルチキャストストリー
ミングでは、ストリームをクライアントのグループに送信します。

34

第 1章

クライアント管理サービス
クライアント管理サ ービスによって、Macintosh クライアントユー ザの使用環境を簡素
化し、制御することができます。

Macintosh マネージメントサービス

Macintosh マネージメントサービスによって、アプリケーション、ホームディレクトリ、
およびプ リンタへのユ ーザアクセス を制御するた めのネットワ ーク全体のポ リシーを
設定することができます。ユーザがログインしたときに表示される環境を定義すること
もできます。このサービスでは、
「Mac OS 8.1」以降がインストールされているクライア
ントを管理することができます。

NetBoot
「NetBoot」によって、Macintosh クライアントコンピュータを、
「Mac OS X Server」が提供
する「Mac OS 9」オペレーティングシステムを使って起動することができます。
「NetBoot」を使用すると、起動イメージを単にアップデートすることによって、Mac OS 9
コン ピュ ータ を設 定お よび アッ プデー トす るこ とが でき ます。サ ーバ は、すべ ての
Mac OS 9 コンピュータに「システムフォルダ」およびアプリケーションフォルダが含ま
れる起 動イメージを 提供します。サ ーバに加える すべての変 更は、クライアン トコン
ピュータの再起動時に、自動的にクライアントコンピュータに反映されます。

Mac OS X Server の管理

35

ネットワークサービス
「Mac OS X Server 」は次のネットワークサービスを備えており、TCP/IP ネットワーク上で
のインターネット通信を管理することができます。

m
m
m
m

SLP DA サービス
DHCP サービス
DNS サービス
IP フィルタサービス

SLP DA サービス
SLP(Service Location Protocol)は、ネットワークで利用可能なサービスに枠組みを提供し
て、ユーザがサービスにアクセスしやすいようにします。
ファイルサーバや WebDAV サーバなど、URL を使ってアドレスを指定できるものはすべ
て、ネットワークサービスと見なすことができます。ネットワークにサービスを追加す
ると、SLP を使ってネットワーク上にそのサービスが登録されます。手動でサービスを
設定する必要はありません。クライアントコンピュータがネットワークサービスを検索
する必要がある場合は、SLP を使って目的の種類のサービスを検索します。クライアン
トコンピュータの要求に一致するすべての登録サービスが表示されるので、ユーザはこ
の中から使用するサービスを選ぶことができます。

SLP DA(Directory Agent )は基本となる SLP を拡張し たもので、登録 されている ネット
ワークサービスに対して集中リポジトリを使用します。DA を設定することによって、1
つまた は複数のスコ ープ(サービス のグループ)のサ ービスを追 跡することが できま
す。クライアントコンピュータがネットワークサービスを検索する場合、クライアント
コンピュータが接続しているスコープの DA が応答し、利用できるネットワークサービ
スのリストが表示されます。クライアントコンピュータはローカルのサービスを検索す
るだけなので、ネットワークを流れる通信の量が最低限に抑えられ、ユーザはよりすば
やくネットワークサービスに接続できます。

DHCP サービス
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、サーバからクライアントコンピュータの
IP アドレスを管理し、動的に割り当てるためのプロトコルです。定義する IP アドレス
のブロックから、サーバは未使用のアドレスを探し出し、必要に応じてこれをクライア
ントコンピュータに「リース」します。組織が所有する IP アドレスの個数よりもクラ
イアント数の方が多い場合に、DHCP は特に効果的です。IP アドレスは必要に応じて割
り当てられます。不要になると、ほかのクライアントがその IP アドレスを使用できる
ようになります。
DNS サービス
DNS (Domain Name System)によってユーザは、IP アドレス(192.168.11.12 など)ではな
くドメイン名(server.apple.com など)を指定して、Web サーバやファイルサーバなどの
ネットワークリソースに接続できます。DNS は、IP アドレスをドメイン名にマップする
分散型のデータベースです。

36

第 1章

DNS サービスを提供するサーバでは、名前と、名前に関連付けられている IP アドレス
のリストを保持しています。コンピュータは、名前に対応する IP アドレスを検索する
必要がある場合、DNS サーバ(ネームサーバとも呼ばれています)にメッセージを送信
します。ネームサーバでは IP アドレスを探し出し、これをコンピュータに送り返しま
す。ネームサーバがローカルに IP アドレスを所有していない場合は、インターネット
上の別のネームサーバにメッセージを送信します。この処理は、IP アドレスが見つかる
まで続きます。
SMTP メールサービスを使用する場合、またはプライマリドメイン内にサブドメインを
作成したい場合は、DNS を使用します。複数の Web サイトを運用している場合も、DNS
を使用します。ISP が、使用しているネットワーク内で DNS を取り扱っていない場合は、
「Mac OS X Server 」がインストールされたサーバ上に DNS サーバを設定できます。
IP フィルタサービス

IP フィルタサービスによって、不正侵入者からサーバおよびサーバに保管されたコンテ
ンツを保護できます。IP フィルタサービスは、ソフトウェアのファイアウォールとして
使用でき、受信する IP パケットをスキャンし、定義されたフィルタに基づいてそのパ
ケットを受け付けたり拒否したりすることができます。
特定の IP アドレスからのパケットを対象に、サーバ全体に制限を設定することができ
ます。各サービス(Web、メール、FTP など)が使用するポートを対象にフィルタを定
義することによって、各サービスへのアクセスを制限することもできます。

Mac OS X Server の管理

37

アプリケーションサービス
「WebObjects」は、電子商取引用アプリケーションやその他のインターネットアプリケー
ションを開発および配布す る上で、柔軟性に優れたスケーラブルな手段を提供します。
「WebObjects」アプリケーションは、複数のデータベースに接続し、HTML コンテンツを
動的に生成することができます。
サーバは、
「WebObjects」の配布システムと、
「WebObjects」アプリケーションを配布でき
る無制限のライセンスを備えています。
「WebObjects 」アプリケーションを作成したい場
合は、「WebObjects」開発ツールを購入することもできます。
「WebObjects 」
本書では 、こ れ以降、
「WebObjects」について説明するこ とはありません 。
の情報およびマニュアルについては、以下の
「WebObjects」Web サイトを参照してください。

www.apple.co.jp

38

第 1章

サービスを管理する
このセクションでは、
「Mac OS X Server」のサービスを設定および管理するときに使用す
る管理アプリケーションを紹介し、その使いかたについて簡単に説明します。

m 「Server Admin」
: ほとんどのサービスを設定および管理する場合、サーバのユーザ
アカウントを 設定および管理する場合、お よび共有ポイント(サーバ 上でユーザに
共有させたいフォルダやディスクなどの項目)を設定する場合に、
「 Server Admin」を
使用します。
「Server Admin」は、サーバ上と遠隔地のどちらからでも使用できます。お使いのサー
バと Mac OS X コンピュータまたは別のサーバとの間では、暗号を用いた安全な通信
が行われます。「Server Admin 」には、各サービスを管理するための個別のモジュール
が用意されています。詳しくは、31 ページの「Server Admin」を参照してください。

m 「Macintosh マネージャ」:「 Mac OS 8.1」から「Mac OS 9.1」までのバージョンがイン
ストールされ たコンピュータを対象に、認 証を設定し、ユーザ環境を 定義するとき
は、「Macintosh マネージャ」を使用します。
「 Mac OS 9」
このアプリケーション(34 ページの「Macintosh マネージャ」を参照)は、
以降がインストールされたコンピュータで使用できます。

m 「Streaming Server Admin 」: このブラウザベースのアプリケーションにより、Web
ブラウザを使ってストリーミングサービスを設定し、管理することができます。
「 Netscape
このアプリケーション(34 ページの「Streaming Server Admin」を参照)は、
Navigatorô 」、「 Netscape Communicator」、または「Microsoft Internet Explorer」のバージョ
ン 4.5 以降がインストールされているコンピュータから使用できます。

m 「NetBoot Desktop Admin」:「NetBoot」クライアントが起動するときに使用するシ
ステムイメー ジに対して項目をインス トール、アップデート、または 取り除くとき
は、「NetBoot Desktop Admin」を使用します。
「NetBoot Desktop Admin」は、「Mac OS 9」がイン ストールされ ているクライ アントコ
ンピュータから使用 できます。このアプリケーションについて 詳しくは、35 ページ
の「NetBoot Desktop Admin」を参照してください。

Mac OS X Server の管理

39

Server Admin
「Server Admin」は、1 つまたは複数の「 Mac OS X Server 」のサービスを管理する目的で、
ロー カル に(サーバ 上で)使用 する ことも、遠 隔地 で(「Mac OS X 」が稼動 する コン
ピュータまたは別の「Mac OS X Server」から)使用することもできます。
「Mac OS X Server 」をイン ストール すると、自 動的に「Server Admin」がサ ーバにイ ンス
トールされます。
「Server Admin」のリモートコンポーネントを Mac OS X コンピュータに
インストールするときは、次のように操作します。

1

ネットワークが設定されている Mac OS X コンピュータの CD-ROM ドライブに、
「Mac OS X
Server」の CD をセットします。

2 「Admin Install」フォルダを開き、インストーラパッケージの「Admin_Install.mpkg」をダ
ブルクリックします。

3 「カスタムインストール」オプションを選び、
「Server Admin 」を選びます。
「Server Admin」が「/Applications/Utilities/」にインストールされます。

Server Admin にログインする
「Server Admin」にログインするときは、次のように操作します。

1 「Dock」内の「Server Admin」アイコンをクリックして、
「 Server Admin」
(/Applications/Utilities
にあります)を開きます。

2

管理したい「Mac OS X Server」の IP アドレスまたはドメイン名を入力します。デフォルト
では、ローカルサーバの IP アドレスがログインウインドウに表示されます。別のサー
バを 管理す るとき は、そのサ ーバの アドレ スまた はドメ イン名 を入力 します。次に、
サーバの管理者のユーザ名とパスワードを入力します。

3 「接続」をクリックします。
各サーバにログインし、各自のツールバーから管理することによって、複数のサーバを
同時に管理することができます。

40

第 1章

ツールバーを使用する
「Server Admin」を開き、サーバにログインすると、そのサーバのツールバーが表示されま
す。ツールバーの 4 つのタブに配置されたサービスモジュールを使って、各サービスを
管理することができます。

サービスモジュールを使用する目的と、本書内で各モジュールについて詳しい情報が記
載されている箇所を、以下にまとめて示します。

目的

詳しい情報の
参照先

使用するモジュール

サーバに関する情報を
表示する

「サーバ情報」モジュール(「一般」タブ)

34 ページ

サーバのログを
表示する

「ログビューア」(「一般」タブ)

33 ページ

ディレクトリサービス
を設定および管理する

「ディレクトリサービス」の「 Mac OS X」ユー
ティリティ

41 ページ

ユーザを設定および
管理する

「ユーザとグループ」モジュール(「一般」 タブ) 57 ページ
「共有」モジュール(「一般」タブ)

Macintosh マネージメン 「 Macintosh Mgr」モジュール(「一般」タブ)

73 ページ
195 ページ

トサービスを操作する
ファイルサービスを
設定および管理する

m Apple ファイル

「ファイルとプリント」タブの各モジュール

m 「 Apple」

85 ページ

m 「 Windows」
m 「 FTP」
m 「 NFS」

93 ページ

サービス

m Windows サービス
m FTP サービス
m NFS サービス

104 ページ
100 ページ

プリントサービスを
設定および管理する

「プリント」モジュール
(「ファイルとプリント」タブ)

111 ページ

Web サービスを設定

「 Web サービス」モジュール
(「インターネット」タブ)

121 ページ

および管理する

Mac OS X Server の管理

41

目的

使用するモジュール

メールサービスを設定
および管理する

「メールサービス」モジュール
(「インターネット」タブ)

ネットワークサービス
を設定および管理する

「ネットワーク」タブの各モジュール

m
m
m
m

SLP DA サービス
DHCP サービス
DNS サービス
IP フィルタサービス

m 「 SLP サービス」
m 「 DHCP/NetBoot 」
m 「 DNS」
m 「 IP フィルタ」

詳しい情報の
参照先

153 ページ

264 ページ
271 ページ
280 ページ
285 ページ

「Server Admin」モジュールをクリックすると、コマンドのメニューが表示されます。コ
マンドを使ってサービスを管理する方法については、上の表に示されているページ、ま
たはモジュールに関するオンスクリーンヘルプを参照してください。
「 Server Admin」の
一般的な使いかたについては、
「 Server Admin」メニューバーの「ヘルプ」メニューを参
照してください。
ツールバーの下部にあるステータスバーには、稼働中のサービスの個数と、注意を要す
る状態 を知らせる警 告が表示さ れます。地球のマ ークは、動作中 のサービスを 示しま
す。三角形で 囲まれた「!」マー クは、警告を示しま す。これらのマーク は、個々のモ
ジュールのアイコン上、および警告の状態にあるモジュールが含まれるタブ上にも表示
されます。

ログを表示する
「ログビューア」を使用すると、サーバ上で稼動している各種 のサービスとアプリケー
ションによってログに記録される、エラーやその他の注目すべきイベントを監視するこ
とができます。「ログビューア」のウインドウは、新しいログ が記録されるたびに動的
にアップデートされるので、複数のサービスをリアルタイムで監視できます。
「ログビューア」をクリックし、そのログを表示したいサービスを選びます。たとえば、
プリントサービスのログや サーバの各プリントキューのログを表示するときは、「プリ
ントサービス」を選びます。目的のサービスが表示されない場合は、サービスが稼動し
ていることを確認し、システムログをチェックしてください(
「ログビューア」メニュー
から「System Software 」を選び、次に「表示」ポッアップメニューから「System Log」を
選びます)。
本書の後ろの章とオンスクリーンヘルプには、特定のサービスのログに関する説明があ
ります。「ログビューア」の使いかたと、各種のサービスで管 理されるログの設定およ
び表示についても、ヘルプを参照してください。

42

第 1章

サーバに関する情報を表示する
「サーバ情報」をクリックし、
「サーバ情報を表示」を選ぶと、サーバのシリアル番号と
ネットワークの特性が表示されます。
サーバのシリアル番号を変更する必要がある場合は、
「サーバ情報」をクリックし、
「製
品のシリアル番号を変更」を選びます。

Mac OS X Server の管理

43

Macintosh マネージャ
「Macintosh マネージャ」アプリケーションは、Macintosh マネージメントサービスを管理
し、ネットワーク上のクライアントコンピュータのユーザ環境を設定するために使用し
ます。
「Macintosh マネージャ」は、ローカル(サーバ上)で、または遠隔地(「Mac OS X
Server」と同じネットワーク上にある Mac OS 9 コンピュータまたは Mac OS X コンピュー
タ)から使用できます。
「Macintosh マネージャ」に加えて、2 つの「Server Admin」モジュールを使って Macintosh
マネー ジメントサ ービスを管 理すること もできます。「ユーザと グループ」と「共有」
です。これらすべてのアプリケーションについて詳しく は、195 ページを参照してくだ
さい。

Macintosh マネージャにログインする
「Macintosh マネージ ャ」を開きます。サーバ管
「Dock」内のアイコンをクリッ クして、
理者のユーザ名とパスワードを使ってログインします。サーバ管理者としてログインす
ると、
「 Macintosh マネージャ」のグローバル管理者のアクセス権が自動的に許可されま
す。ログイン後は、ユーザの追加、ワークグループの作成、およびネットワーク上のコ
ンピュータの管理が可能です。
「Macintosh マネージャ」を開くには、「Server Admin」の「一般」タブで「 Macintosh Mgr」
をクリックし、「Macintosh マネージャを開く」を選ぶこともできます。

Macintosh マネージメントサービスを開始する/停止する

Macintosh マネージメントサービスを開始したり停止したりするときは、「Server Admin」
の「Macintosh Mgr」モジュールを使用します。
「Macintosh Mgr」モジュールを使って、サー
バの起動時に Macintosh マネージメントサービスを自動的に開始するかどうかを指定す
ることもできます。

44

第 1章

Streaming Server Admin
「Streaming Server Admin」は、Web ブラウザが稼動しているコンピュータから使用できま
す。「Streaming Server Admin」を 開く と きは、ブ ラウ ザ を開 き、サー バ 上の「Streaming
Server Admin」の URL を入力します。次に、ストリーミングサーバの管理者のログイン
ID とパスワードを入力します。確立される接続は、安全性の高いものです。
「Streaming Server Admin 」につ いて 詳し く は、173 ペー ジ の第 9 章「 QuickTime Streaming
Server」を参照してください。

Mac OS X Server の管理

45

NetBoot Desktop Admin
Mac OS 9 コンピュータ上で、「セレクタ」を使って「 NetBoot」サーバボリュームを探し、
サーバ管理者 としてサーバにログイン します。これによって、「NetBoot Desktop Admin」
を開き、起動イメ ージに対して変更を加え ることができます。「NetBoot Desktop Admin」
を使用するときは、画面上の指示に従ってください。
「NetBoot」の管理については、 245 ページを参照してください。

46

第 1章

サーバを初めて設定する
サーバをすばやく起動し、稼動させるときは、次のように操作します。手順 8 まで完了
すると、ユーザがサーバにアクセスし、Apple ファイルサービスの基本的な機能を利用
できるようになります。手順 9 には、ユーザに提供したいその他のサービスを設定する
ための手順を参照できる、このガイド内の場所を示します。

手順 1 : サーバおよびサーバ管理アプリケーションの概要を知る
この章 の前半部分を まだお読み になっていな い場合は、お読 みください。前半 のセク
ションでは、ビ ジネス環境および教 育環境における「Mac OS X Server」の一 般的な使用
例が説明されています。また、ユーザに提供できるサービスの紹介、およびサーバの管
理に使用するアプリケーションの概要も示されています。
これらのセクションは、残りの手順を進める際に出てくる、用語および概念を理解する
ために役立ちます。

手順 2 : サーバをインストールする
「Mac OS X Server をお使いになる前に」のワークシートおよび手順を使用して、サー
バをインストールし、ネットワーク上で使用できる状態に設定します。

手順 3 : ログインする
手順 2 で指定したオーナー/管理者の名前とパスワードを使用して、サーバにログイン
します。次に、以下の手順で「Server Admin 」アプリケーションにログインします。
1 「Dock」または「Applications/Utilities」から、「Server Admin」を開きます。
2 「アドレス」
欄に、手順 2でサーバに割り当てたIPアドレスまたはドメイン名を入力します。
3 「ユーザ名」欄に、オ ーナー/ 管理者の名 前を入力 します。「パスワー ド」欄に、オー
ナー/管理者のパスワードを入力します。

4 「接続」をクリックします。

手順 4 : 共有ポイントを作成する
共有ポ イントとは、ユー ザが共有す るファイルが 保管された ハードディス ク(または
ハードディスクのパーティション)、CD-ROM ディスク、またはフォルダのことです。た
とえば、サーバ管理者が教師である場合、数学、英語、生物学などの各クラスについて
共有ポイントを設定すれば、クラスごとに生徒全員が同じ課題や資料にアクセスできる
ようになります。
共有ポイントを作成するときは、次のように操作します。

1 「Finder」ウインドウで、共有ポイント を置きたいフォルダを開きます。「ファイル」メ
ニューから「新規フォルダ」を選びます。共有ポイントの名前を入力します。

Mac OS X Server の管理

47

2 「Server Admin」で、「ファイルとプリント」タブをクリックし、Apple ファイルサービス
が稼 動し てい るこ とを 確認 しま す。稼動し てい ない 場合 は、
「Apple」を クリ ックし、
「Apple ファイルサービスを開始」を選びます。

3 「一般」タブをクリックします。次に、「共有」をクリックし、「アクセス権を設定」を
選びます。先ほど作成したフォルダを選び、「選択」をクリックします。

4 「この項目とその内容を共有する」をクリックし、
「保存」をクリックします。
5

作成したい共有ポイントごとに、手順 1 〜 4 を繰り返します。

手順 5 : ホームディレクトリのデフォルト設定を定義する
ホームディレクトリとは、ユーザの個人ファイルを保管するフォルダのことです。たと
えば、生徒が、それぞれ自分のホームディレクトリに、授業のノートや作業中の課題を
保管することができます。
ホームディレクトリのデフォルト設定を定義しておくと、サーバに新しいユーザを定義
したときに、そのユーザにホームディレクトリが自動的に作成されます。ホームディレ
クトリのデフォルト設定を定義するときは、次のように操作します。

1 「Server Admin」の「一般」タブで、
「U&G」をクリックし、
「デフォルトのホームディレ
クトリ」を選びます。

2 「ローカル」を選んで、単純なデフォルト設定を定義し ます。デフォルト設定は、後で
必要に応じて変更できます。

3 「共有ポイント」ポップアップリストから、ホームディレクト リを置きたい共有ポイン
トを選びます。あらかじめ定義されている「Users」共有ポイントを選ぶか、自分で作成
した共有ポイントのいずれかを選ぶことができます。

4 「保存」をクリックします。
新しいユーザを定義すると常に、選択した共有ポイントにそのユーザの「ユーザ名」で
ユーザのホームディレクトリが作成されます。ユーザは、ホームディレクトリを所有す
ることになります。つまり、ユーザは、自分のホームディレクトリに対する読み出し/
書き込みのアクセス権を持ち、ホームディレクトリ内のファイルに対するアクセスを完
全に制御できるということです。

手順 6 : ユーザを定義する
サーバを使用できるようにするユーザを定義するときは、次のように操作します。

1 「Server Admin」の「一般」タブで、「U&G」をクリックし、
「新規ユーザ」を選びます。
2 「名前」フィールドに、ユーザを識別するための名前(たとえば「Bob W. Brown, Jr」な
ど)を入力します

3 「ユーザ名」フィールドに、ユーザのユーザ名を入力します。ユーザは、手順 2 で指定し
た名前 でサーバにロ グインでき ますが、ユーザ名 のほうが便 利です。ユーザの ホーム
ディレクトリ名には、ユーザ名が使われます。また、サーバにメールサービスを設定す
る場合は、ユーザのメールアドレスにもユーザ名が使われます。

48

第 1章

通常、ユーザ名は 8 文字(半角英数文字)以下で指定します。使 用できるのは、英数
字、ハイフン(-)、およびアンダースコア(_)のみです。

4 「パスワード」フィールドに、ユーザがサーバにログインする ために使用するパスワー
ドを入力します。最初はサーバ管理者がパスワードを定義しますが、ユーザは、サーバ
へのログイン時に、または「システム環境設定」の「パスワード」パネルを使って、パ
スワードを変更することができます。権限がないユーザが簡単に推測できないようなパ
スワードを入力します。
パスワードは大文字と小文字が区別されます。入力時に画面に表示されることはありま
せん。パスワードを入力する前に caps lock キーを押して いないことを確認してくださ
い。空白文字と、option キーを使った文字の組み合わせは使用しないでください。

5

ユーザがサーバを管理でき るようにしたい場合は、
「ユーザ がサーバを管理できるよう
にする」を選びます。サーバを初めて設定した場合、これを管理できるのは設定時に指
定されたオーナーおよび管理者だけです。サーバ管理者は、すべてのサーバ管理アプリ
ケーションを使用でき、サーバのすべての機能にアクセスできます。

6

ユーザ がサーバにロ グインできる ようにする ために、
「ユ ーザにログイ ンを許可する」
を選びます。次に、「保存」をクリックします。

7

サーバにアクセスできるようにしたいユーザごとに、手順 1 〜 6 を繰り返します。

手順 7 : グループを定義する
グループとは、類似した要求を持つユーザの集まりのことです。たとえば、数学クラス
の生徒を数学クラスグループにまとめ、数学グループの共有ポイント内にあるファイル
に対するグループアクセス権を与えることができます。
グループを使用すると、共有リソースの管理を簡略化できます。特定のリソースを必要
とするユーザに個別にアクセス権を与える代わりに、それらのユーザを 1 つのグループ
にまとめて、そのグループにアクセス権を与えることができます。
グループを定義するときは、次のように操作します。

1 「Server Admin」の「一般」タブで、
「 U&G」をクリックし、
「新規グループ」を選びます。
2

グルー プの名前を入 力します。このグ ループにメー ルを送信でき るようにした い場合
は、空白文字や option キーを使った文字を使用しないでください。

3

グループにユーザを追加するときは、
「 U&G リストを開く」をクリックします。追加し
たいユーザを探し、グループの設定ウインドウにドラッグします。

4 「保存」をクリックします。

手順 8 : 共有ポイントへのアクセス権を割り当てる
定義したユーザおよびグル ープに、共有ポイントへのアクセス権を割り当てるときは、
次のように操作します。

1 「Server Admin」の「一般」タブで、「共有」をクリックし、
「ディスクと共有ポイントを
表示」を選びます。

Mac OS X Server の管理

49

2

共有ポイントをダブルクリックします。

3 「一般」タブで、
「U&G」をクリックし、「U&G リストを開く」を選びます。
4

共有ポイントのオーナーを 変更するときは、
「ユーザとグ ループのリスト」ウインドウ
から「共有」ウインドウの「オーナ ー」フィールドにユーザをドラッグします。「オー
ナー」フィールドの右のポップアップメニューを使用して、オーナーのアクセス権を設
定します。

5

グループにアクセス権を割 り当てるときは、
「ユーザとグ ループのリスト」ウインドウ
から「共有」ウ インドウ の「グループ」フィ ールドに グループを ドラッグ します。次
に、「グループ」フィールドの右のポップアップメニュー を使用して、グループのアク
セス権を設定します。たとえば、グループが数学クラスグループである場合、数学クラ
スの生徒 が共有ポイン ト内の情報を 読み出すこと はできても変 更できないよ うにする
ときは、「読み出し専用」のアクセス権を与えます。

6

サーバにログインできるす べてのユーザにアクセス権を割り当てるときは、「全員」の
右のポップアップメニューを使用します。

手順 9 : 必要に応じて、追加するサービスを設定する
追加したいサ ービスを決め、次の表に示す 章を参照します。最初に目的の 章を読み、内
容を理 解します。次に、サ ービスを 設定する前に行 う作業、およ びそのサー ビスを初
めて設定すると きの手順に関する指示に 従います。これらの情報に従 うことによって、
各サー ビスを設 定できます。詳しい 手順につ いては、オンスク リーンヘル プも参照で
きます。
目的

設定する項目

参照先

共有ポイント内のフォルダや
ファイルにアクセス権を割り
当てる

フォルダとファイル、および
アクセス権

第 4 章、73 ページの「共有」

Apple ファイルサービスの機

Apple ファイルサービス

第 5 章、85 ページの「ファイ
ルサービス」

Windows サービス

第 5 章、93 ページの「ファイ
ルサービス」

ユーザが NFS クライアントソ
フトウェアからフォルダを利
用できるようにする

NFS サービス

第 5 章、100 ページの「ファ
イルサービス」

ユーザが FTP を使ってサーバ
からファイルを転送できるよ
うにする

FTP サービス

第 5 章、104 ページの「ファ
イルサービス」

ユーザ間でプリンタを共有す
る

プリントサービス

第 6 章、111 ページの「プリ
ントサービス」

能を追加する

Windows ユーザにファイル
サービスおよびプリントサー
ビスを提供する

50

第 1章

目的

設定する項目

参照先

サーバに Web サイトまたは
WebDAV サポートを設定する

Web サービス

第 7 章、121 ページの「Web
サービス」

ユーザにメールサービスを提
供する

メールサービス

第 8 章、153 ページの「メー
ルサービス」

サーバからリアルタイムでマ
ルチメディアをブロードキャ
ストする

QuickTime ストリーミング

「Mac OS 8.1」以降のユーザ環
境を管理する

Macintosh マネージメント

サービス

サービス

第 9 章、173 ページの
「QuickTime Streaming Server」

第 10 章、195 ページの
「Macintosh マネージメント
サービス」

すべての Mac OS 9 クライアン
トコンピュータに同一の「シ
ステムフォルダ」およびアプ
リケーションフォルダを提供
する

NetBoot

URL でアクセス可能なネット

SLP DA サービス

第 12 章、263 ページの「 ネッ
トワークサービス」

クライアントコンピュータに
IP アドレスを動的に割り当て
る

DHCP サービス

第 12 章、271 ページ の「ネッ
トワークサービス」

ドメインネームサーバを設定
する

DNS サービス

第 12 章、280 ページ の「ネッ
トワークサービス」

サーバが受信する IP パケッ
トをフィルタリングする

IP フィルタサービス

第 12 章、285 ページ の「ネッ
トワークサービス」

複数の「Mac OS X Server」や
Mac OS X コンピュータ間で
ユーザ情報を共有する

ディレクトリサービス

第 2 章、41 ページの「ディレ
クトリサービス」

ワーク装置の登録を自動化す
る

第 11 章、245 ページの
「NetBoot 」

Mac OS X Server の管理

51

Mac OS X Server およびサーバ管理に関するその他の情報

52

第 1章

サーバとネットワークの管理を始めたばかりの方の場合
「Mac OS X Server 」について詳しくは、次に示す「Mac OS X Server」の Web サイトを参照
してください。

www.apple.co.jp/macosxserver
オンラインディスカッショングループに参加すると、同じ立場の人と知り合うことがで
きます。発生した問題の多くは、ほかのサーバ管理者によってすでに解決されている可
能性があります。アップル社が提供しているリストを探すときは、次の Web サイトを参
照してください。

www.lists.apple.com
次の参考書籍を入手することを検討してください。これらには、背景にある情報、基本
概念の説明、およびネットワークを最大限に活用するためのアイディアが記載されてい
ます。

m 「Teach Yourself Networking Visually 」Paul Whitehead / Ruth Maran 著(IDG Books
Worldwide 社発行、1998 年)。

m 「Internet and Intranet Engineering」Daniel Minoli 著(McGraw-Hill 社発行、1997 年)。
さらに、NetworkMagazine.com では、次の Web サイトで多くのオンラインチュートリアル
を提供しています。

www.networkmagazine.com

Mac OS X Server の管理

53

経験豊富なサーバ管理者の場合
すでにネットワーク管理に関する知識があり、「Mac OS X Server 」、
「Linux」、
「 UNIX」、ま
たは同等のオペレーティングシステムを使用した経験がある場合は、次の参考書籍が役
に立つでしょう。

m 「Mac OS X Server」に関連したトピックを説明している O’Reilly & Associates 社発行の各種
の 書 籍。
「Internet Core Protocols: The Definitive Reference, DNS and BIND」や
「TCP/IP Network Administration」などがその例です。より詳しい情報については、
「Apache: The Definitive Guide」、「Writing Apache Modules with Perl and C」、
「Web Performance Tuning」、および「 Web Security & Commerce」を参照してく
ださい。これらも、O’Reilly and Associates 社の発行です。次の O’Reilly & Associates 社の
Web サイトを参照してください。

www.oreilly.co.jp

m Apache について詳しくは、Apache の Web サイトを参照してください。
www.apache.or.jp
「Mac OS X Server 」に用意されている管理ツールを使用することはできますが、
「Terminal」
アプリケーションに組み込まれているコマンドラインインタフェースから、大部分の
UNIX コマンドおよびシェルスク リプトを実行できます。コマンドラインインタフェー
スにアクセスするためには、管理 者としてサーバにログインし、
「 /Applications/Utilities/」
内の「Terminal」アプリケーションに移動します。さまざまな推奨事項については、301
ページの付録 A 「詳細なトピック」を参照してください。

54

第 1章

2
2

ディレクトリサービス
ディレクトリサービスとは ?
「Mac OS X Server 」は、ディレクトリサービスを使用してユーザに関する情報を検索しま
す。サーバは、認証用とさまざまなサービスをサポートするために、ユーザ情報を必要
とします。

認証で必要なユーザ情報
ユーザが「Mac OS X Server」にログインすると、サーバは、そのユーザを認証します。つ
まり、有効なユーザであるかどうかを判断します。有効なユーザだけがサーバにアクセ
スしたり、サーバのサービスを利用したりすることができます。
ユーザを認証する際、サーバはユーザに関する次の情報を調査します。

m ユーザ名
m パスワード
m ユーザ ID
ユーザが使用するサービスが何であるかにかかわらず、少なくともサーバへのアクセス
を許可する各ユーザのユーザ名、パスワード、およびユーザ ID が、サーバがアクセス
可能な場所に保管されていなければなりません。ユーザが認証されるためには、ユーザ
がログインするときに入力するユーザ名とパスワードが、サーバで定義されているいず
れかのユーザのものと一致する必要があります。

サーバが必要とするその他のユーザ情報
個別のサービスでは、その他のユーザ情報が必要です。たとえば、メールサービスでは
各ユーザのメールの 設定、Macintosh マネージメントサービスでは ユーザのホームディ
レクトリに関する情報が必要です。ほとんどのサービスで、ユーザ ID が必要です。
ユーザが認証された後で、各サービスがアクセスする必要のあるデータについては、301
ページの付録 A 「詳細なトピック」を参照してください。

41

ユーザ情報を定義する場所
NetInfo データベースでは、ディレクトリサービスが必要とするユーザ情報は「Mac OS X
Server」に保管されます。NetInfo データベースは、ドメインと呼ばれます。
「Mac OS X Server 」は、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サ ーバと呼ばれ る標準
のサーバから情報を取り込むこともで きます。LDAP サーバは、多くの場合、ユーザ情
報の要求を処理するために使用されます。
サーバのユーザ情報を保管する場所は、それを共有する必要があるかどうかによって決
まります。
サーバ上のユーザ情報を共有しない場合
サーバが、ネッ トワーク上の別の「 Mac OS X Server」か らその情報を取得さ れることの
ないユーザに対応している場合、ユーザ情報を、ローカルに、つまりそのサーバ自体に
置く必要があります。この場合、ユーザ情報は、サーバの NetInfo ドメイン(ローカル
ドメインと呼ばれます)に保管されます。
Mac OS X Server

ローカル
NetInfo
ドメイン

Mac OS 9ユーザ

Mac OS Xユーザ

Windowsユーザ

ユーザがサーバにログインすると、ディレクトリサービスは、ローカルドメインでその
ユーザを検索します。ユーザがサーバにログインできるのは、そのユーザがローカルド
メインで定義されている場合だけです。
すべての「 Mac OS X Server」に はローカルドメイン があります。ローカルド メインで定
義されているユーザを見ることができるのは、そのドメインが置かれているコンピュー
タだ けです。ス タンド アロン サーバ や、シンプ ルなネ ットワ ークの サーバ の場合は、
ローカルドメインでのユーザの定義が適しています。しかし、多くの場合は、複数のコ
ンピュータでユーザ情報を共有するほうが効率的です。ユーザデータを共有することに
よって、デ ータの冗長性 を最小限に 抑えられます。ユ ーザのデー タが変更され た場合
に、変更しなければならない箇所が少なくて済みます。

42

第 2章

サーバ上のユーザ情報を共有できる場合
ネットワーク上の複数の 「Mac OS X Server 」がユーザにサービスを提供している場合は 、
いずれかのサーバの NetInfo ドメインに保管されているユーザ情報をサーバ間で共有する
ことができます。
Mac OS X Server

Mac OS X Server

ローカル
ドメイン

ローカル
ドメイン

共有
ドメイン

Mac OS 9ユーザ

Mac OS Xユーザ

Windowsユーザ

NetInfo 情報を複数の「 Mac OS X Server 」に公開するときは、共有ドメインを定義します。
上の図 では、共有ドメ インに定義 されたユー ザは 2 つのサ ーバにアク セスできます。
ユーザがいずれかのサーバにログインすると、ディレクトリサービスは、そのサーバの
ローカ ルドメインで ユーザを検 索します。ユーザ が見つから なければ、ディレ クトリ
サービスは共有ドメインでユーザを検索します。

ディレクトリサービス

43

共有ドメ インは、
「 Mac OS X 」が稼動するコン ピュータの使用 権限を管理する ときにも
使用できます:
Mac OS X Server

Mac OS X Server

ローカル
ドメイン

ローカル
ドメイン

共有
ドメイン

ローカル
ドメイン
Mac OS 9ユーザ

Mac OS Xユーザ

Windowsユーザ

「Mac OS X Server 」と同様、
「 Mac OS X 」の稼動するコンピュー タは常にローカル NetInfo
ドメイン を保持します。上 の図では、「Mac OS X 」のローカルド メインまたは サーバの
共有ドメインで定義されているユーザが、Mac OS X コンピュータを使用できます。

44

第 2章

サーバの外部にある情報を共有できる場合
大学や世界的規模の企業などの組織では、 LDAP サーバを使ってユーザ情報を管理しま
す。
「Mac OS X Server」は、これらの標準のシステムからユーザ情報を取り込むように設
定することができます。
Mac OS X Server

Mac OS X Server

ローカル
ドメイン

LDAPサーバ

ローカル
ドメイン

共有
ドメイン

ローカル
ドメイン
Mac OS 9ユーザ

Mac OS Xユーザ

Windowsユーザ

ユー ザがいず れかの「 Mac OS X Server 」にログイ ンする と、ディレク トリサ ービスは、
NetInfo ドメインで、ローカルドメインから順にユーザを検索します。しかし、ユーザが
見つからない場合、サーバが LDAP サーバを使うように設定されていると、サーバは、
LDAP サーバを参照してユーザに関する情報を検索します。

サーバがユーザ情報を見つける方法
ディレクト リサービスは「Mac OS X Server」の基本 的な構造の一部であ り、集中管理さ
れたロ ードマップ を提供しま す。このロー ドマップは、サ ーバが、ユーザ、グ ループ
(ユーザの集まり)
、装置など、サーバが対応しているすべてのユーザおよびリソースに
関する情報を探すために使用します。
サーバがユーザ情報を必要とする場合は、ディレクトリサービスがその検索場所を識別
します。

ディレクトリサービス

NetInfo

LDAP

ディレクトリサービス

45

また、サーバが、複数のサーバの NetInfo ドメインや、1 つ以上の LDAP サーバなど、複
数の場所に保存されているユーザ情報にアクセスする必要がある場合は、ディレクトリ
サービスが、その検索する順序も制御します。
検索す る場所と順序 は、サーバの検 索ポリシーと 呼ばれます。ユ ーザがログイ ンする
と、ディレクトリサービスはローカル NetInfo ドメインでユーザを検索し、次に、設定
されている検索ポリシーに従って、共有ドメインや LDAP サーバを検索します。

NetInfo を使用する
NetInfo によって、「Mac OS X Server」上のユーザ情報を保管および管理できます。
サーバには、常に少なくとも 1 つの NetInfo ドメイン(つまり、ローカルドメイン)が
定義されています。ローカルド メインに保管されている情報を見ることができるのは、
それが置かれているサーバだけです。この情報をほかのサーバと共有することはできま
せん。このため、ローカルドメインで定義されているユーザがアクセスできるのは、そ
のローカルドメインが置かれているサーバだけです。

NetInfo ドメインの情報を共有したい場合は、ローカルドメインを、上位層ドメインと呼
ばれる共有ドメインの下位層に設定する必要があります。

NetInfo を設定する前に
NetInfo の共有ドメインを利用する場合は、上位層と下位層の階層構造を理解する必要が
あります。

2 つのレベルの階層構造
最もシンプルな階層構造は、2 つのレベルの階層構造です。

上位層NetInfo
ドメイン

ローカルNetInfo
ドメイン

46

第 2章

2 つのレベルの階層構造を使用できるケースについて、次に説明します:

ルートドメイン

英語学科の
コンピュータの
ローカルドメイン

数学科の
コンピュータの
ローカルドメイン

理科学科の
コンピュータの
ローカルドメイン

各学科(英語、数学、理科)には、専用の コンピュータがあります。各学科の生徒は、
その学科のコンピュータのローカルドメインでユーザとして定義されています。これら
の 3 つの学科の上位層は同じ(つまり、ルートドメイン)で、すべての教師が定義され
ています。教師は、ルートドメインのメンバーとして、すべての学科コンピュータ上の
サービスを使用できます。各ローカルドメインのメンバーは、自分のローカルドメイン
が置かれているサーバ上のサービスのみを使用できます。

ディレクトリサービス

47

ローカルドメインはそれぞれのサーバ上にありますが、上位層ドメインは、下位層ドメ
インのコン ピュータからアクセス 可能な任意の「Mac OS X Server」上に置く ことができ
ます。この例では、ルートドメインは、学科サーバからアクセス可能な任意のサーバ上
に置くことができます。たとえば、いずれかの学科サーバ上に置いたり、下の図に示す
ように、ネットワーク上のまったく別のサーバに置いたりすることができます。
教員のMac OS X
Server

ローカル
ドメイン

理科学科の
コンピュータ

ローカル
ドメイン

ルート
ドメイン

ローカル
ドメイン

英語学科の
コンピュータ

ローカル
ドメイン

数学科の
コンピュータ

教師が 3 つの学科サーバのいずれかにログインしたときに、ローカルドメインでその教
師が見つからない場合は、サーバはルートドメインを検索します。
ルートドメインは、特殊な共有ドメインです。ルートドメインは、NetInfo 階層構造の常
に最上位にある共有ドメインです。ルートドメインは、階層構造を使用するすべてのコ
ンピュータに公開されます。この例の共有ドメインはルートドメインだけですが、より
複雑な階層構造では複数の共有ドメインが存在することもあります。

48

第 2章

より複雑な階層構造

NetInfo は、複数の階層を持つドメインの構造にも対応しています。数多くのユーザがい
る複雑なネットワークでは、このような構成が便利です。ただし、その管理方法はより
複雑になります。

ルートドメイン

研究員のドメイン

学部生の
ドメイン

大学院生の
ドメイン

研究生の
ドメイン

Mac OS Xクライアントまたはサーバのローカルドメイン

このケースでは、ルートドメインで定義されている教師は、ローカルドメインが置かれ
ている任意の Mac OS X コンピュータを使用できます。研究員のドメインで定義されて
いる研究員は、上位層ドメインが大学院生または研究生のいずれかであるローカルドメ
インの Mac OS X コンピュータにログインできます。これは、研究員のドメインが、大
学院生のドメインと研究生のドメインの上位層ドメインであるからです。
サーバが NetInfo の階層構造を検索する方法
デフォルトの検索設定では、サーバは、NetInfo ドメインで、ローカルドメインから順に
ユーザを検索します。

m サーバのロー カルドメインに上位層が ない場合、サーバは、ローカル ドメインだけ
を検索します。

m サーバのローカルドメインに上位層 NetInfo ドメインがある場合は、ローカルドメイ
ンでユ ーザが見 つからな いときに、サ ーバは、その 上位層ド メインを 検索します。
ローカルドメ インの上位層でユーザが見 つからないときに、その上位 層ドメインが
2 番目の上位層ドメインの下位層として定義されている場合は、2 番目の上位層ドメ
インが検索されます。それでもユーザが見つからない場合、サーバは、NetInfo 階層
を上方向に順 番に検索します。サーバは、ユ ーザが見つかるか、または 最上位の上
位層を検索するまで、検索し続けます。
サーバがほかの NetInfo ドメインを検索するように設定したい場合、または LDAP サーバ
が検索されるように指定したい場合は、「Directory Setup」アプリケーションを使って検
索ポリシーをカスタマイズします。その方法については、52 ページの「検索ポリシーを
設定する」を参照してください。

ディレクトリサービス

49

NetInfo を初めて設定する
NetInfo ドメインを設定するときは、次のように操作します。
手順 1: サーバへのアクセス要件を評価する
「Mac OS X Server 」にアクセスする必要があるユーザを識別します。

LDAP サーバからユーザ情報にアクセスできない場合、または「 Mac OS X Server」で最も
簡単にユーザ情報を管理する場合は、それらのユーザを NetInfo ドメインで定義します。
手順 2: NetInfo の階層構造を設計する
ユーザ情報をローカル NetInfo ドメインに保管するか、NetInfo ドメインに保管してサー
バ間で共有するかを決定します。使用する共有ドメインと下位層ドメイン、共有ドメイ
ンを置くサーバ、およびドメイン間の上位層と下位層の関係を決定しながら、NetInfo の
階層構造を設計します。通常、任意のドメインに関連付けるユーザ数は、10,000 人未満
にします。

NetInfo 階層構造の構成の決定方法については、「NetInfo 活用ガイド」の第 2 章「NetInfo
のプランニング」を参照してください。
手順 3: NetInfo の階層構造を設定する

NetInfo の階層構造を設定するときは、主に次の手順で行います。
1

共有ドメインを設定します。共有ドメインのホストにするサーバごとに、共有ドメイン
を作成し、目的の階層構造にバインドします。

2

Mac OS X コンピュータごとにローカルドメインを設定し、上位層ドメインとして機能さ
せる共有ドメインにバインドします。

3

複製を設定します。共有ドメインを複製すれば、データアクセスの速度と信頼性を向上
させることができます。

4

Windows ユーザの認証を設定します。NetInfoと暗号化パスワードを使って Windows ユーザ
を認証する場合は、NetInfo 階層構造内のすべてのドメインで「Authentication Manager」を
使用可能にします。

5

ユーザやグループなど、共有する情報を共有ドメインに読み込みます。
各手順について詳しくは、「NetInfo 活用ガイド」の第 3 章「NetInfo の階層構造を設定
する」を参照してください。
手順 4: 検索ポリシーをカスタマイズする(省略できます)
「Directory
デフォルトの NetInfo の検索ポリシーがサーバの目的に適していない場合は、
Setup」を使って検索 ポリシーをカスタマイ ズします。その方法につい ては、52 ページ
の「検索ポリシーを設定する」を参照してください。

50

第 2章

LDAP を使用する
サーバには LDAP 対応機能が組み込まれているので、サーバは LDAP V2 サーバからユー
ザ情報を取り込むことができます。

LDAP サーバは、ユーザ、グループ、プリンタ、サ ーバなど、さまざまなユーザやネッ
トワークリソースの情報を管理することが できます。LDAP サーバをいったん設定する
と、
「Mac OS X Server」がそのサーバにアクセスしてユーザ情報およびその他の情報を取
り込めるように簡単に設定することができます。

LDAP サーバへのアクセスを設定する前に
LDAP サーバが「Mac OS X Server」のユーザ情報の情報源として機能するためには、LDAP
サーバが LDAP ベースの認証とパスワードの確認に対応できるように設定する必要があ
ります。LDAP サーバへのアクセスは、LDAP サーバとそのデータの管理を担当するシス
テム管理者が設定します。
ユーザ認証のための適切な情報を提供するために、LDAP サーバには次の 4 つの項目に
関す るエ ントリ と属 性が設 定さ れてい る必 要があ りま す。ユーザ 名(「RecordName」
フィールドと「RealName」フィールド)、パスワード、およびユーザ ID です。ユーザが
アクセスす る必要がある「Mac OS X Server」サービ スによって、補足情報が 必要になる
こともあります。

LDAP サーバがすべての必要なデータを 提供するように設定したら、各データ項目の検
索基 準と属性 名を紙 に書き 留めてお いてく ださい。この 情報は、「Mac OS X Server」が
LDAP にアクセスできるように設定するときに必要です。

LDAP を初めて設定する
サーバが LDAP サーバにアクセスするように設定するには、次の手順に従ってください。
詳しくは 323 ページの「LDAP アクセスを設定する」を参照してください。
手順 1: LDAP サーバのデータを準備する
サーバ認証で必要なデータ、およびデータを使用するその他のサービスで必要なデータ
を提供できるように、LDAP サーバのエントリと属性を必要に応じて変更します。
「Mac OS X Server 」が使用する LDAP データの全仕様については、314 ページの「LDAP デー
タの仕様」を参照してください。適切なフォーマットで情報を提供するためには、LDAP
サーバの情報を追加、変更、または再構成する必要があるかもしれません。
手順 2: LDAP に対応できるようにする
「Directory Setup」アプリケーション(「Applications/Utilities」にあります)を開きます。カ
ギをクリックして、サーバ管理者としてロ グインします。
「Directory Setup」の「サービ
ス」パネルの「LDAPv2」を選択して、「設定」をクリックします。
手順 3: LDAP サーバを識別する
「固有名」パネルで、LDAP サーバのドメイン名または IP アドレスを指定します。

ディレクトリサービス

51

手順 4: LDAP の検索基準を定義する
「レコード 」パネルで 、
「Users 」というレコードタイプを 、ユーザ情報を提供する LDAP
サーバ上の 1 つまたは複数の検索基準にマッピングします(たとえば、o= 人、ou= 会
社名など)。また、LDAP サーバからグループ情報を取り込む場合は 、レコードタイプ
「Groups」もマッピングします。
手順 5: ユーザおよびグループ情報のデータタイプをマッピングする
、
「 RealName」、
「Password」
、および「 UniqueID 」
「データ」パネルで、少なくとも「RecordName」
というデータタイプを、それらの値を提供する LDAP フィールドにマッピングします。た
とえば、UniqueID は userid という名前の LDAP フィールドに保管できます。ほかの情報を
取り込む場合は、別の適切なデータタイプを必要に応じてマッピングします。
手順 6: 接続属性を定義する
「アクセス」パネルで、LDAP サーバでのデータの検索の最大所要時間などの、ユーザの
サーバと LDAP サーバの間に確立する接続特性を示す情報を入力します。
手順 7: LDAP データを使用する方法を指定する

LDAP サーバをサーバの検索ポリシーに追加するか、または LDAP サーバの特定ユーザの
エイリアスを定義します 。その方法については、
「検索ポリシーを設定す る」を参照し
てください。

検索ポリシーを設定する
サーバは、その検索ポリシーで指定されている場所でユーザ情報を検索します。
ユーザ情報の保管に NetInfo ドメインだけを使っている場合は、通常、デフォルトの検
索ポリシーを適用できます。ただし、LDAP サーバまたは別の NetInfo ドメインを検索す
るときは、「Directory Setup」を使って検索ポリシーをカスタマイズして定義します。
デフォルトの検索ポリシー
ユーザがログインしようとすると、「Mac OS X Server 」は常に自分のローカル NetInfo ド
メインを検索します。

大学院生の
ドメイン

ユーザは定義
されていますか?

52

第 2章

ローカルドメイン

ローカルドメインでユーザが見つからない場合は、そのローカルドメインに定義されて
いる任意の上位層ドメインを検索します。

ユーザは定義
されていますか?

大学院生の
ドメイン

いいえ

ローカルドメイン

それでもユーザが見つからない場合は、NetInfo の階層構造で 1 つ上のレベルにある上位
層を検索します。同様に、ルートドメインまで検索し続けます。

ユーザは定義
されていますか?

ルートドメイン

いいえ

研究員のドメイン

いいえ

大学院生のドメイン

いいえ

ローカルドメイン

ディレクトリサービス

53

カスタム検索
デフォルトの検索ポリシーには含まれない LDAP サーバまたは NetInfo ドメインを使って
ユーザに関する情報を入手する場合、
「Directory Setup」アプリケーションを使ってカスタ
ムの検索ポリシーを設定します。カスタマイズした検索ポリシーの例を次に示します。

キャンパスのドメイン

ルートドメイン
LDAPサーバ 1

研究員のドメイン

大学院生のドメイン

ローカルドメイン

このケ ースでは、デフォ ルトの検索ポ リシーのドメ インでユーザ が見つからな いとき
に、ユーザ情報として LDAP サーバ 1 が参照されています。ユーザ情報がその LDAP サー
バ上で見つからない場合は、「Campus 」という名前の NetInfo ドメインが検索されます。
エイリアスを使用する
検索ポリシーで指定されているどの場所にも情報が保管されていないユーザを、サーバ
が認証できるようにしたい場合があります。

54

第 2章

サーバがこのようなユーザを検索できるようにするためには、検索ポリシーで指定され
ているいずれかの NetInfo ドメインでユーザのエイリアスを定義します。エイリアスと
は、ユーザ情報が実際に保管されている場所へのポインタです。サーバがエイリアスを
使ってユーザを認証する必要がある場合、そのサーバは、ユーザ情報が実際に置かれて
いる場所からその情報を取り込みます。次の図を参照してください。
LDAPサーバ
大学院生のドメイン
エイリアス
情報
理科学科の
ローカルドメイン

上の図では、大学院生のドメインにユーザのエイリアスが定義されています。このエイ
リアスを使って、ユーザの情報を LDAP サーバから取り込みます。ユーザがローカルま
たは大学院生のドメインで見つからないと き、LDAP サーバ全体の検索を行う必要はあ
りません。検索は、エイリアスが参照するユーザに対してのみ行われます。
このようなケースを設定するには、LDAP サーバにアクセスしても検索ポリシーに LDAP
サーバを追加しないように、サーバを設定 します。次に、LDAP サーバ上の各ユーザの
エイリアスを、検索ポリシーで指定されている NetInfo ドメインで作成します。
エイリアスを作成するときは、
「 Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使
用します。詳しくは、
「ユーザとグループ」のオンスクリーンヘルプを参照してください。

検索ポリシーを設定する前に
サーバの検索ポリシーを定義する前に、サーバが検索するように設定したい NetInfo ド
メインまたは LDAP サーバに、「Mac OS X Server」がアクセスできるように設定されてい
ることを確認します。

1 つ以上の NetInfo ドメインでエイリアスを定義することが、各ユーザにとって役に立つ
かどうかも判断します。

検索ポリシーを初めて設定する
手順 1: デフォルトの検索ポリシーを適用できるかどうかを判断する
デフォルトの NetInfo の検索ポリシーを適用できる場合は、これで操作は完了です。そ
れ以外の場合は、手順 2 に進んでください。
手順 2: Directory Setup を開く
「Directory Setup」アプリケーション(「Applications/Utilities」にあります)を開きます。

ディレクトリサービス

55

手順 3: サーバの検索ポリシーオプションを定義する
「認証」パネルで、
「検索」ポップアップメニューを使って、設定したい検索ポリシーを
選びます。

m 「NetInfo ネットワーク」はデフォルトの NetInfo の検索ポリシーです。この検索ポリシー
は、サーバに上位層 NetInfo ドメインが設定されている場合に使用できます。この検
索ポリシーを使用するサーバは、ユーザ情報を、まずローカルドメインで検索し、次
に上位層ドメインの階層を上方向に順番に検索します。

m 「ローカルディレクトリ」を使用すると、サーバは、ローカルの NetInfo ディレクトリ
だけを使ってユーザを検索します。

m 「カスタムパス」を使用して、サーバがデフォルトの NetInfo 検索ポリシーで NetInfo ド
メインを検索した後に検索する場所を指定します。サーバ用に設定されている LDAP
サーバを選択するか、デフォルトの検索ポリシーにない NetInfo ドメインを選択しま
す。詳しくは、 323 ページの「LDAP アクセスを設定する」を参照してください。
手順 4: 個人のアプリケーションの検索ポリシーを定義する(省略できます)
サーバの検索ポリシーを設定できるだけでなく、検索ポリシーを、メールまたは個人情
報マネージャなどの個人のアプリケーションで使用できるように定義できます。これを
行うには、「コンタクト」パネルを使用し、手順 3 に書かれた操作を行います。

56

第 2章

3
3

ユーザとグループ
ユーザとグループとは ?
個別 のユ ーザ また はグ ルー プ(類似 した 要求 を持 つユ ーザ の集 まり)に、「Mac OS X
Server」とそのサービスに対 するアクセス権を与えるときは、ユーザ とグループを定義
します。
この章では、ユーザとグループの属性の概要と、その設定方法について説明します。

ユーザ情報の使用方法
「Mac OS X Server 」は、管理者が定義するユーザ情報を使って、ユーザを認証し、ユーザ
が特定のサービスを使用する権限を与えられているかどうかを判断します。ユーザ情報
は、ドメインと呼ばれる NetInfo データベースに保管されます。
Mac OS X Server

Mac OS X Server

ローカル
ドメイン

ローカル
ドメイン

共有
ドメイン

ローカル
ドメイン
Mac OS 9ユーザ

Mac OS Xユーザ

Windowsユーザ

57

各 Mac OS X コンピュータおよび「Mac OS X Server」には、ローカルドメインがあります。
ローカルドメインで定義されているユーザのみが、そのローカルドメインが置かれてい
るコンピュータを使用できます。前に示された図では、サーバのローカルドメインで定
義された ユーザのみが、そ のサーバへのア クセス権を持 ちます。また、Mac OS X コン
ピュータのローカルドメインで定義されているユーザのみが、そのコンピュータにログ
インできます。
「Mac OS X Server 」には、共有ドメインが定義されている場合もあります。共有ドメイン
には、ネットワーク上の複数の Mac OS X コンピュータおよびサーバが利用するユーザ
情報が保管されます。共有ドメインで定義されたユーザは、その共有ドメインからユー
ザ情報を取り込むように設定されたどのコンピュータも使用することができます。前に
示された図では、共有ドメインで定義されたユーザは、サーバと Mac OS X コンピュー
タのどちらにもログインできます。ユーザがログインしたときにそのユーザがローカル
ドメインに見つからない場合は、共有ドメインが参照されます。
サーバのローカル NetInfo ドメインおよび共有 NetInfo ドメインでユーザとグループを定
義するときは、「Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使用します。
また、LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)サーバからユーザ情報を取り込むよう
にサーバを設 定することもできます。 LDAP サーバ を使ってユーザ情報を 取り込む方法
については、51 ページの「LDAP を使用する」を参照してください。

ユーザの特徴
ユーザを定義するときは、そのユーザを認証するために必要な情報を指定します。つま
り、ユーザ名、パスワード、およびユーザ ID を指定します。ユーザが使用するサービ
スにか かわらず、これら の情報は必 須です。ユーザが ログイン時 に認証される ために
は、そのユーザが入力するユーザ名とパスワードが、サーバで定義されているいずれか
のユーザのものと一致する必要があります。
その他のユーザ情報は、個別のサービスで使用されます。ユーザが権限を与えられてい
る操作を判断したり、ユーザの環境を個別に設定したりするために使用されます。たと
えば、次の情報が使用されます。

m サーバに対す るユーザのアクセス権情報 によって、ユーザがそのサー バを管理でき
るかどうか が決まります。管理者 のアクセス権を持っ ているユーザだけ が、
「Server

Admin 」やその他のサーバ管理アプリケーションを使用できます。

m ユーザのメール情報には、ユーザのメールアカウントの属性が記録されています。こ
の情報は、メールサービスで使用されます(153 ページ)。

m Macintosh マネージメントサービス( 195 ページ)、Web サービス(121 ページ)、Apple
ファイルサービス(85 ページ)、および NFS(Network File System )サービス(100 ペー
ジ)では、ユーザのホ ームディレクトリ情報 が使用されます。ホームデ ィレクトリ
とは、ユーザのファイルと環境設定が保存されるネットワーク上の場所のことです。

58

第 3章

グループの特徴
グループとは、類似した要求を持つユーザの単なる集まりのことです。たとえば、すべ
ての英語教師を 1 つのグループにまとめ、そのグループに、
「Mac OS X Server」上の特定
のファイルまたはフォルダに対するアクセス権を与えることができます。
グループを使用すると、共有リソースの管理を簡略化できます。つまり、特定のリソー
スを必要とするユーザに個別にアクセス権を与える代わりに、それらのユーザを 1 つの
グループにまとめて、そのグループにアクセス権を与えることができます。

ユーザとグループを設定する前に
1 つまたは複数の「Mac OS X Server」でユーザとグループを設定する前に、以下のことを
確認してください。

m すべての「Mac OS X Server」が必要なユーザ情報にアクセスできるように、ユーザ情
報を保管する方法を考えます。また、そのために必要な共有 NetInfo ドメインまたは
LDAP サーバを 設定します。設定方法について は、第 2 章「ディレクトリサービス」
を参照してください。

m 1 つのサーバに複数の NetInfo ドメインがある場合は、それぞれのドメインで定義する
ユーザを決めます。
参考: ユーザの追加を始めるときに、どの NetInfo ドメインも準備が完了していない場
合は、ほかのサーバの既存の NetInfo ドメインにユーザを追加します。
(ローカルドメイ
ンはいつでも使用できます。)
「ユーザとグループ」モジュールを使えば、後でユーザや
グル ープを 別のドメ インま たはサ ーバに 簡単に移 動でき ます。操作 手順に ついては、
「ユーザとグループ」のオンスクリーンヘルプを参照してください。

m サーバに対して類似した要求を持つユーザを識別します。それらのユーザは、グルー
プとしてまとめることができます。

ユーザとグループを初めて設定する
「Mac OS X Server 」でユーザとグループを設定するときは、次のように操作します。これ
らの手順を実行するために追加情報が必要な場合は、
「 Server Admin」で「U&G」をクリッ
クし、「ヘルプ」を選びます。

手順 1 : サーバの設定時に定義した管理者アカウントを変更する
「設定アシスタント」を使ってサーバを設定するときは、オー ナーまたは管理者のパス
ワード を指定します。指 定したパス ワードは、サーバ のルートパ スワードにも なりま
す。
「 Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使って、ルートパスワードと
は異なるパスワードを持つ管理者ユーザを作成します。サーバ管理者に、ルートのアク
セス権は必要ありません。

ユーザとグループ

59

ルートパスワードは安全な場所に保管し、その使用には細心の注意を払う必要がありま
す。ルートユーザには、システムファイルも含めて、システムに対するすべてのアクセ
ス権が与えられます。必要に 応じて、
「ユーザとグループ」モ ジュールを使ってルート
パスワードを変更できます。ル ートユーザに設定を行うときは、「ユーザとグループの
リストを表示」を選び、「システムユーザとグループを表示」を選びます。

手順 2 : 新規ユーザを作成する
新規 ユーザ アカ ウント を作成 する ときは、「Server Admin」の「ユ ーザ とグル ープ」モ
ジュールを使用します。サーバに複数の NetInfo ドメインがある場合は、ユーザを作成
するドメインを選びます。ユーザの設定の説明については、次のセクション「ユーザの
設定」を参照してください。

手順 3 : 新規グループを作成する(省略できます)
グループを使いたい場合は、
「 Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使っ
て新規グループを作成します。サーバに複数の NetInfo ドメインがある場合は、新規グ
ループを作成するドメインを選びます。グループの設定の説明については、68 ページの
「グループの設定」を参照してください。

ユーザの設定
ユーザの設定を表示するときは 、
「Server Admin」の「一般」タブをクリックします。次
のいずれかの操作を行います。
新規ユーザを作成するときは、次のように操作します。

m 「U&G」をクリックし、「新規ユーザ」を選びます。NetInfo ドメインのリストが表示
された場合は、ユーザを作成したい NetInfo ドメインを選びます。

m 「 ユーザと グルー プ」 ウインド ウで「新規ユ ーザ」ボタ ンが利 用可能 な場合 は、こ
のボ タンを クリッ クします。
(新規 ユーザ は、 現在操作 してい るドメ インに 作成さ
れます 。
)
ユーザを編集するときは、次のように操作します。

m ウインドウ(たとえば、
「 U&G の検索結果」ウインドウ)でユーザの名前を選び、
「編
集」ボタンをクリックします。
ユーザの設定のウインドウには、次の 4 つのパネルがあります。「一般」
、「詳細」
、「コ
メント」、および「メールサービス」パネルです。ウインドウの上端にあるポップアッ
プメニューから、設定したいパネルを選びます。

60

第 3章

一般的なユーザ設定

名前
ユーザを識別するために使用する名前を入力します。たとえば、
「Bob W. Brown, Jr」と入
力します。
ユーザ名
ログイン名を入力します。この名前は、メールアドレスとして使用される場合もありま
す。この名前に指定できるのは、英数字、ハイフン(-)
、およびアンダースコア(_)の
みです。通常は 8 文字(半角英数文字)以下で指定します。
パスワード
ユーザ のパスワード を入力しま す。ユーザは、サーバ にログイン するときにこ のパス
ワードを入力します。パスワードでは大文字と小文字が区別されます。入力時に画面上
に表示されることはありません。ユーザはログイン時にパスワードを変更できます。
パスワードは、権限がないユーザが簡単に推測できないように、英数字と記号を組み合
わせて指定します。空白文字と、option キーを使った文字の組み合わせは使用しないで
ください。また、ユーザのコンピュ ータで入力できない文字も使用しないでください。
(コンピュータによっては、2 バイトの文字や、先頭や途中に空白 などが含まれるパス
ワードに対応していない場合があります。)
「Mac OS X Server」の各サービスでのパスワー
ド要件については、71 ページの「Mac OS X Server でのパスワードの制限」を参照してく
ださい。
検証
「パスワード」フィールドに入力したパスワードを、このフィールドに再入力します。

ユーザとグループ

61

ユーザがサーバを管理できるようにする
ユー ザがサ ーバを管 理でき るよう に設定 したい場 合は、この オプシ ョンを 選びます。
「Mac OS X Server 」を初めてインストールした場合、これを管理できるのはサーバの設定
時に指定されたオーナーおよび管理者だけです。サーバ管理者は、
「 Mac OS X Server 」お
よびそのほかのサーバ管理アプリケーションを使用できます。また、サーバのすべての
機能にアクセスできます。
ユーザにログインを許可する
ユーザ がサーバにロ グインできる ように設定し たい場合は、この オプションを 選びま
す。このオプションは、デフォルトで選択されます。このオプションを選択しなかった
場合でも、ユーザへのメール配送が停止することはありません。メール配送を停止する
ときは、「メールサービス」パネルを使用します。

詳細なユーザ設定

ユーザ ID
これ は、ユーザ を一意 に識別 する番 号です。こ の番号 によっ て、ユー ザが「Mac OS X
Server」上で持つアクセス権が決まります。たとえば、ユーザ ID は、共有ポイントに関
するアクセス権を管理するために使用されます。アクセス権については、第 4 章「共有」
を参照してください。
ユーザ ID は、新規ユーザの作成時に自動的に割り当てられますが、後で変更すること
ができます。サーバの検索ポリシー内で一意の、100 以上の値を割り当てます。
(検索ポ
リシーについては、52 ページの「検索ポリシーを設定する」を参照してください。)最
大値は、2,147,483,647 です。99 以下のユーザ ID は、システムアカウントに割り当てられ
ます。これらの ID を持つユーザは削除できません。また、これらのユーザを変更しな
いでください。
プライマリグループ
ユーザを自動的に所属させるグループの ID を入力します。デフォルトでは、 20 に設定
されます。
62

第 3章

ログインシェル
ユーザが サーバにコマ ンドライン操 作をするとき に使用するデ フォルトのシ ェルを選
びます。「なし」を選ぶと、ユーザはコマンドラインを使用 できなくなります。ユーザ
が SSH を使ってサーバにアクセスできないようにしたい場合に便利です。
ホームディレクトリ
ユーザのホームディレクトリを定義します。これは、ユーザが個人的に使用するための
フォルダです。
「Finder」の「移動」メニューから「ホーム」を選ぶと、自動的に表示さ
れます。ホームディレクトリは、共有ポイントと呼ばれる特別なディレクトリの中に置
く必要があります。
ホームディレクトリを定義する前に、そのホームディレクトリを置く共有ポイントを用
意する必要があります。ホームディレクトリのデフォルトの共有ポイント(「Users 」
)を
使用するか、共有ポイントを新しく作成します。共有ポイントのオーナーには、読み出
し/書き込みのアクセス権を割り当て、共有ポイントの「グループ」および「全員」に
は、読み出しのアクセス権を割り当てます。共有ポイントおよびアクセス権については、
73 ページの第 4 章「共有」を参照してください。また、ホームディレクトリの共有ポイ
ントを作成する手順については、
「ユーザとグループ」の「ヘルプ」を参照してください。
ユーザを最初に定義するときは、ホームディレクトリのデフォルト設定がユーザに割り
当てられます。
(ホームディレクトリのデフォルト設定は、
「U&G」メニューの「デフォ
ルトのホームディレクトリ」コマンドを使って定義できます。)各ユーザのデフォルト
設定は、以下の方法で変更できます。

m ユーザにホームディレクトリを割り当てないときは、「なし」を選びます。
m ユーザが定義されているサーバ上にホームディレクトリを作成するときは、
「ローカ
ル」を選びます。
「共有ポイント」ポップアップメニューから選んだ共有ポイントに、
ユーザのユー ザ名と同じ名前のディレ クトリが作成されます。た とえば、共有ポイ
ントが「Users」の場合、
「Mary」という名前のユーザのホームディレクトリは「Users/
Mary」フォルダになります。ホームディレクトリ名は、「共有ポイント」ポップアッ
プメニューの下の「パス:」の横に表示されます。

ユーザとグループ

63

ホームディレ クトリ名の下には、共有ポイン トに対するホームディレ クトリの相対
パスが表示されます。
「Server Admin」によ ってホー ムディレ クトリが作 成される と、ユーザは、そ のホー
ムディレクト リのオーナーとして定義さ れ、読み出し/書き込みのア クセス権が割
り当てられます。

m 別のサーバに ホームディレクトリを定義 したい場合、またはホームデ ィレクトリの
パスと名前を自分で指定したい場合は、「カスタム」を選びます。
重要 「Server Admin」では、ログ インしたサーバ上 にだけホームディレ クトリが自動的
に作成されます。ユーザのホ ームディレクトリをリモートサーバ上に置き たい場合は、
ホームディレクトリを手動で作成してから、
「詳細」パネルを使ってユーザをホームディ
レクト リに関連付け てください。ホー ムディレク トリを手動で 定義する方 法について
は、オンスクリーンヘルプを参照してください。
「カスタム」オプションは、ホームディレクトリを共有ポイント内の複数のサブディ
レクト リに再編 成する場 合などに使 います。たと えば、
「 Users」が 共有ポイ ントの
場 合、教師 ま たは 生 徒 のホ ー ムデ ィ レク ト リを「 Teachers」サ ブ デ ィレ ク トリ と
「Students」サブ ディレ クトリ に分 類する と、教師の ホーム ディ レクト リは「Users/
Teachers/Smith」、生 徒 の ホ ー ム デ ィ レ ク ト リ は「 Users/Students/Mary 」に な り ま
す。ホームディレ クトリが共有ポイント内 の最上位にないので、この ようなホーム
ディレクトリを定義するときは「カスタム」オプションを使用します。

「 サーバ」フィールドにサーバの DNS 名または IP アドレスを入力し 、
「共有ポイン
ト」フィ ールドに共有ポイントを入力します。
「パス」フィールド には、ホームディ
レク トリ のフ ォルダ 名を、共有 ポイ ント 内での パス を含め て入 力し ます。
「パス 」
フィールド の下には、共有ポイントに 対するホームディレ クトリの相対パスが 表示
されます。
64

第 3章

「カスタム」オプションを使って、ローカルサーバ上にホームディレクトリを作成し
ます。次に、
「共有」モジュールを使って、ユーザをそのホームディレクトリの所有
者として定義 し、所有者に読み出し/書き 込みアクセス権を割り 当てます。アクセ
ス権を定義する方法については、73 ページの第 4 章「共有」を参照してください。
ネットワー クユーザに対して 、ホームディ レクトリを自動的に 表示することができ ま
す。その手順については、70 ページの「ホームディレクトリが自動的にマウントされる
ように設定する」を参照してください。

ユーザのコメント

ユーザに関する一般的な 情報を入力するときは、
「コ メント」パネルを使用します。コ
メントは、半角で 32,767 文字、全角で 16,383 文字まで入力できます。

メールサービスの設定
「メールサービス」パネルでは、ユーザがメールを使用で きるかどうかを指定し、ユー
ザのメールアカウントを設定することができます。これらの設定を使ってユーザにメー
ルサービスを 提供する方法について詳し くは、153 ページの第 8 章「メールサービス」
を参照してください。

ユーザとグループ

65

メール配送を停止する
ユーザのメール配送を停止するときは、「なし」をクリックします。

メール配送を開始する
ユーザのメール配送を開始して、メールアカウントのオプションを設定するときは、
「許
可」をクリックします。

サーバにあるメールアカウント
ユーザのメールが配送されるサーバの IP アドレスまたは DNS 名を入力します。

66

第 3章

メールの使用方法の選択
ユー ザのメー ルアカ ウント で使用す るプロ トコルを 選びま す。選択で きるのは、 POP
(Post Office Protocol)
、IMAP( Internet Message Access Protocol)、またはその両方です。これ
らのプロトコルについては、153 ページの第 8 章「メールサービス」
を参照してください。
オプション
メールアカウントの追加オプションを設定するときにクリックします。

POP と IMAP で別の受付箱を使用する
それぞれ別の受付箱を使って POP メールと IMAP メールを管理するときは、このオプショ
ンを選びます。

IMAP フォルダリストに POP メールボックスを表示する
「POP Inbox」という名前の IMAP フォルダを表示するときは、このオプションを選びます。

NotifyMail を許可する
新着メールが到着したらユー ザのメールアプリケーションに自動的に通知するときは、
このオプションを選びます。通知が送られる IP アドレスは、ユーザが前回ログインし
たときの IP アドレス、または指定したアドレスです。

ユーザとグループ

67

メールを転送する
「転送」をクリックしてアドレスを指定することによって、ユーザのメールを特定のメー
ルアドレスに転送できます。

グループの設定
グループの設定を表示するときは、
「 Server Admin」の「一般」タブをクリックし、以下
のいずれかの操作を行います。
新規グループを作成するときは、次のように操作します。

m 「U&G」をクリック し、「新規グル ープ」を選びます。ドメ インのリストが 表示され
た場合は、新しいグループを作成したいドメインを選びます。

m 「ユーザとグループ」ウインドウで「新規グループ」ボタンが利用可能な場合は、こ
のボタンをクリックします。
(新規グループは、現在操作しているドメインに作成さ
れます。)
グループを編集するときは、次のように操作します。

m グループのリストが表示されるウインドウ(たとえば、
「 U&G の検索結果」ウインド
ウ)でグループの名前を選び、「編集」ボタンをクリックします。

68

第 3章

このウインドウを使ってグループの設定を操作します。

名前
グルー プの名前を入 力します。このグ ループにメー ルを送信でき るようにした い場合
は、名前に空白文字や option キーを使った文字を使用しないでください。

GID
これは、グループの ID です。この ID によって、そのグループのメンバーがサーバ上で
実行できる操作が決まります。たとえば、グループ ID は、共有ポイントに関するアク
セス権 を追跡する ために内部で 使用されま す。アクセス権 について詳し くは、第 4 章
「共有」を参照してください。
グループ ID は、新規グループの作成時に自動的に割り当てられますが、後で変更する
ことができます。ユーザ ID には、操作している NetInfo ドメイン内で一意の、100 より
大きい値を割り当てます。100 よりも小さい ID を持つグループは削除できません。
名前、種類、ID、場所
グループに現在関連付け られているユーザの特徴です。「種類」は、ユーザが管理者の
アクセス権を持っている場合は「管理者」となり、それ以外の場合は「ユーザ」となり
ます。
「場所」は、そのユーザが定義されている NetInfo ドメインを示します。すべての
列が表示されない場合は、横方向にスクロールします。
グループにユー ザを追加するときは、「U&G リストを開く」をクリックし、「ユーザと
グルー プのリスト」から グループの 設定のウイン ドウにユー ザをドラッグ します。グ
ループからユーザを取り 除きたい場合は、目的のユーザを選び、「取り除く」をクリッ
クします。

ユーザとグループ

69

ユーザとグループの上手な使いかたとヒント
このセクションでは、ユーザとグループを管理するために役立ついくつかの技術につい
て説明します。

ユーザとグループを書き出す/読み込む
場合によっては、ユーザを個別に追加するのではなく、ユーザやグループの情報をテキ
ストフ ァイルに保存 し、そのファイル からユーザと グループを追 加することが ありま
す。この方法は、同じネットワーク上にない複数のサーバに、同じユーザとグループを
追加したい場合などに便利です。
「ユーザとグループ」モジュールを使って、任意の「Mac OS X Server 」上の NetInfo ドメ
インに、ファイルからユーザとグループを読み込むことができます。ファイルを作成す
るときは、次のいずれかの操作を行います。

m 「ユーザとグループ」モジュールを使って、ファイルを自動的に作成することができ
ます。この処理は、ユーザとグループの「書き出し」と呼ばれます。

m また、ファイルを 手動で作成することもで きます。ファイルのフォー マットと手順
については、308 ページの「ユーザとグループを読み込む/書き出すためのファイル
フォーマット」を参照してください。
「ユーザとグループ」モジュールを使ってユーザおよびグル ープの書き出しや読み込み
を行う手順については、ヘルプも参照してください。

ホームディレクトリが自動的にマウントされるように設定する
ユーザが「Finder 」の「移動」メニューから「ホーム」を選んだと きに、そのユーザの
ホームディレクトリが自動的に表示されるようにします。
また、ネッ トワークユー ザにもホー ムディレクト リを自動的 に表示できま す。ネット
ワークユーザにホームディレクトリが自動的にマウントされるように設定するには、次
のように操作します:
手順 1: NetInfo を設定する
ホームディレクトリを置きたいサーバに、共有 NetInfo ドメインを作成します。自動的
なマウントを利用可能にしたい Mac OS X コンピュータの検索ポリシーに、このドメイ
ンを含める必要があります。NetInfo ドメインと検索ポリシーの定義については、41 ペー
ジの第 2 章「ディレクトリサービス」を参照してください。
手順 2: サーバに共有ポイントを設定する
「Server Admin」の「共有」モジュールを使って、サーバに共有ポイントを作成し 、その
共有ポイントを自動的にマウントするように設定します(80 ページ)。個々の手順につ
いては、オンスクリーンヘルプを参照してください。
手順 3: ユーザが自動的に接続解除されないことを確認する
「Server Admin」の「Apple ファイルサービス」モジュールを使って、ユーザが一定の時間
サーバを使用しなかったと きに接続が自動的に解除されないことを確認します。「アイ
ドル状態のユーザ」パネルで、「接続解除するまでのアイ ドル時間」を選ばないように
します。この設定について詳しくは、90 ページを参照してください。
70

第 3章

手順 4: ユーザとそのホームディレクトリを定義する
「Server Admin」の「ユー ザとグルー プ」モジュール を使って、手順 1 で作成し た共有
NetInfo ドメインに、ユーザと、必要に応じてエイリアスを定義します。ユーザにホーム
ディレクトリを設定するときに、手順 2 で設定した共有ポイントを選びます。

Mac OS X Server でのパスワードの制限
「Mac OS X Server 」でパスワードが必要 なアプリケーションお よびサービスの大部分は、
先頭または末尾にスペースを含まない 7 ビットまたは 8 ビット ASCII 文字のパスワード
に対応しています。サーバのユーザにパスワードを定義するときに、次の表を参考にし
て、考慮する必要のある制限を確認してください。

サービスまたは
アプリケーション

7 ビット ASCII
文字のパスワード
使用可

8 ビット ASCII
文字のパスワード
使用可

Apple ファイルサービス

×

×

FTP(File Transfer Protocol)

×

2 バイト文字の
パスワード使用可

サービス

IMAP

×

×(一部の IMAP
クライアント)

Macintosh マネージャ

×

×

POP3

×

Server Admin

×

Web サービス

×

Windows サービス

×

×

ユーザとグループ

71

ユーザとグループに関する問題を解決する
ユーザが自分のホームディレクトリのファイルにアクセスできない場合:
ホームデ ィレクトリが 置かれている 共有ポイント およびホーム ディレクトリ にアクセ
スする権利を、ユーザが持っていることを確認します。ユーザには、共有ポイントに対
する読み出しのアクセス権、およびホームディレクトリに対する読み出し/書き込みの
アクセス権を割り当てる必要があります。
共有 NetInfo ドメインに定義されている Mac OS X ユーザがログインできない場合:
ユーザが共有 NetInfo ドメインのアカウントを使って Mac OS X コンピュータにログイン
しようとしたときに、そのドメインをホストとするサーバがアクセスできない状態にあ
る場合、この問題が 発生します。ユーザは、NetInfo アカウントを使用 するようにコン
ピュータを設定した際に自動的に作成されたローカルユーザアカウントを使えば、
Mac OS X コンピュータにログインできます。ユーザの名前は「administrator」(ユーザ名
は「admin 」
)、パスワードは NetInfo パスワードになります。

72

第 3章

4
4

共有
共有とは ?
「Mac OS X Server」の「共有」モジュールによって、ほかのユーザと共有したい情報を指
定したり、アクセス権を割り当ててその情報を参照および使用できるユーザを制限した
りすることができます。
共有項目は、1 つ以上の共有ポイントに保存されます。共有ポイントとは、ネットワー
ク経由でアクセスできるフォルダ、ハードディスク(またはハードディスクのパーティ
ション)、または CD のことです。つまり、共有項目グループの最上位レベルにあるア
クセス ポイントのこ とです。共有ポ イントは、デスク トップ上で はマウントさ れたボ
リュームとして、また「Mac OS X」の「Finder」ではボリュームとしてユーザに表示され
ます。
アクセス権とは、ほかのユーザと共有したい任意の項目に割り当てるアクセスのレベル
のことです。Apple ファイルサービス、Windows ファイルサービス(SMB)、NFS( Network
File System)サービス、FTP(File Transfer Protocol)サービスなど、ほかのサービスで使用
される共有ポイントおよびアクセス権を設定するときは、
「 Server Admin」の「共有」モ
ジュールを使用します。
参考:「QuickTime Streaming Server」および Web サービスでは、独自のアクセス権の設定
を使用します。「QuickTime Streaming Server」について詳しくは、第 9 章を参照してくだ
さい。Web のアクセス権については、 134 ページの「Web サイトのアクセスの設定」を
参照してください。

アクセス権を割り当てる前に
アクセ ス権を割り当 てる前に、共有項 目のアクセス 権について理 解する必要が ありま
す。また、共有項目に対するアクセス権が必要なユーザと、それらのユーザに割り当て
るアクセス権のタイプについても考慮する必要があります。

73

アクセス権の維持
共有ポイントおよび共有項目(ファイルを含む)では、それぞれ独自のアクセス権を設
定します。項目を別のフォルダに移動した場合は、移動元での項目のアクセス権が維持
され、移動先のフォルダのアクセス権が自動的に適用されるわけではありません。次の
図では、2 番目のフォルダ(「デザイン」
)と 3 番目の共有フォルダ(
「書類」)に、これ
らの上位層フォルダとは異なるアクセス権が割り当てられています。
読み出し/書き込み

エンジニア
リング

読み出し専用

デザイン

読み出し/書き込み

書類

アクセス権のタイプ
共有ポイント、フォルダ、またはファイルに割り当てることができるアクセス権のタイ
プは、次の 4 つです。「読み出し/書き込み」
、「読み出し専用」
、「書き込み専用」
、「な
し」の 4 つです。次の表に、さまざまなタイプの共有項目(ファイル、フォルダ、共有
ポイント)へのユーザアクセスが、権限によってどのような影響を受けるかを示します。
ユーザの操作

読み出し/ 読み出し
書き込み
専用

書き込み
専用

なし

共有ファイルを開く

可能

可能

不可

不可

共有ファイルをコピーする

可能

可能

不可

不可

共有ファイルの内容を編集する

可能

不可

不可

不可

共有フォルダまたは共有ポイントを開く

可能

可能

不可

不可

共有フォルダまたは共有ポイントをコピーする

可能

可能

不可

不可

項目を共有フォルダまたは共有ポイント内に
移動する

可能

不可

可能

不可

項目を共有フォルダまたは共有ポイント外に
移動する

可能

不可

不可

不可

フォルダに書き込み専用のアクセス権を割り当てることにより、ドロップボックスを作
成でき ます。フォルダの 所有者はドロ ップボックス の内容を表示 および変更で きます
が、ほかのすべてのユーザはその内容を表示することはできず、その中にコピーするこ
とだけが可能です。

ユーザの分類
アクセス権は、以下の 3 種類のユーザの分類に対して個別に割り当てることができます。
74

第 4章

オーナー
ファイルサーバ上に新しい項目(ファイルまたはフォルダ)を作成したユーザが、その
項目のオーナーです。オーナーには、そのフォルダの読み出し/書き込みのアクセス権
が自動的に割り当てられます。項目のアクセス権を変更できるユーザは、そのオーナー
とサー バ管理者だけ です。管理者ま たは項目のオ ーナーは、共有 項目の所有権 を別の
ユーザに譲ることができます。
グループ
ファイルとフォルダに対して同じアクセス権が必要なユーザは、グループアカウントに
まとめることができます。1 つの共有項目に対するアクセス権は、 1 つのグループにの
み割り当てるこ とができます。グループの作成につ いて詳しくは、57 ページの第 3 章
「ユーザとグループ」を参照してください。
全員
全員とは、ファイルサーバにロ グインできるすべてのユーザのことです。登録ユーザ、
ゲスト、anonymous FTP ユーザ、Web サイト利用者などがそうです。
アクセス権の階層構造

1 人のユーザが複数のユーザの分類に含まれていて、各分類に異なるアクセス権が割り
当てられている場合は、以下の規則が適用されます。

m グループのアクセス権の方が全員のアクセス権よりも優先されます。
m オーナーのアクセス権の方がグループのアクセス権よりも優先されます。
たとえば、ユーザが共有項目のオーナーであると同時に、その共有項目に割り当てられ
たグループのメンバーである場合、そのユーザのアクセス権は、オーナーに割り当てら
れたアクセス権になります。

クライアントユーザとアクセス権
ユーザは、サーバ上に、または自分のデスクトップ上の共有フォルダに自分で作成した
ファイルまた はフォルダのアクセス 権を設定できます。「AppleShare Client 」ソフトウェ
アのユーザは、所有するフォルダのアクセス権を設定できます。Windows のファイル共
有のユーザは、フォルダのプロパティを設定することはできますが、アクセス権を設定
することはできません。

セキュリティの問題
データおよびネットワークのセキュリティの問題は重要です。ネットワークを保護する
最も効果的な方法は、ファイル、フォルダ、および共有ポイントの作成時に適切なアク
セス権を割り当てることです。
特にインターネットに接続している場合は、共有ポイントを作成してそのアクセス権を
与えるときに注意してください。全員またはワールド(NFS サービスの場合)のアクセ
ス権を与えると、インターネット上の全ユーザにデータが公開される可能性があります。

共有

75

未登録ユーザ(ゲスト)によるアクセスを制限する
どのファイルサービスを設定するときも、ゲストアクセスを許可するかどうかを選ぶこ
とができます。ゲストとは、有効なユーザ名やパスワードを入力しなくても匿名でサー
バに接続できるユーザのことです。匿名で接続しているユーザによるアクセスは、全員
のアクセス権が設定されたファイルおよびフォルダに制限されます。
不正なアクセスから情報を保護したり、情報や機器に損害を与える可能性のあるソフト
ウェアが導入されないようにするときは、
「 Server Admin」の「共有」モジュールを使っ
て以下の防止策をとってください。

m ボリューム全 体ではなくフォルダを個 別に共有します。フォルダ には、共有したい
項目だけを保存します。

m ゲストにアクセスさせたくないフォルダに対して、全員に「なし」のアクセス権を割
り当てます。項目のアクセス権をこのように設定した場合、これらの項目にアクセス
できるのは、項目のオーナーまたはグループだけです。

m ゲストが利用できるファイルはすべて、1 つのフォルダまたはフォルダのセットに保
存します。そのフ ォルダおよび内部の各フ ァイルに対して全員の 分類に「読み出し
専用」のアクセス権を割り当てます。

m ゲストがフォ ルダの項目を変更したり追 加したりする必要がある 場合にのみ、その
フォルダに対 して、全員の分類に「読み出し /書き込み」のアクセス権 を割り当て
ます。このフォル ダの中にある情報のバック アップコピーを保存して いることを確
認してくださ い。また、このフォルダに変更 や追加が行われたかど うか、頻繁に確
認してくださ い。さらに、ウイルス防止プロ グラムを使って、サーバが ウイルスに
感染していないかどうかも定期的に確認してください。

m フォルダに変 更や追加が行われたか どうか、頻繁に確認してく ださい。また、ウイ
ルス防止プロ グラムを使って、サーバがウイ ルスに感染していないか どうかも定期
的に確認してください。

m 「Server Admin」で「FTP」モジュールを使って、anonymous FTP アクセスを禁止します。
m NFS ボリュームをワールドに書き出さないでください。エクスポートは、特定の範囲
のコンピュータのみに制限してください。

共有を初めて設定する
共 有ポ イン ト およ び共 有項 目 を作 成し て、そ れら のア ク セス 権を 設 定す ると きは、
「Server Admin」の「共有」モジュールを使用します。アクセス権を設定するときは、グ
ループ を探すために「 Server Admin」の「ユーザ とグループ」モジ ュールも使用 する必
要があります。
共有を初めて設定するための手順について、以下に説明します。これらの手順を実行す
るときにさらに情報が必要な場合は、
「Server Admin」で「共有」をクリックし、
「ヘルプ」
を選びます。

76

第 4章

手順 1 : ファイルサービスを開始する
サーバを 遠隔地から管 理する場合、共 有ポイントを選 んでアクセス権 を設定すると き
は、Apple ファイルサービスが動作中でなければなりません。動作中かどうかが分から
ない場合は、簡単にチェックできます。「Server Admin」で「ファイルとプリント」タブ
をクリックします。動作中のサービス のアイコンには、地球のマークが表示されます 。
目的のファイルサービスに地球のマークが表示されない場合、サービスのアイコンをク
リックし、
「開始」メニュー項目を選びます。

手順 2 : 共有ポイントを作成する
共有したい項目を作成していない場合は、作成します。ディスクを複数のボリュームに
分割して、各ボリュームに異な るアクセス権を与えたり、複数のフォルダを作成して、
それぞれ異なるアクセスのレベルを設定したりすることができます。
新しいフォルダを作成するときは、そのフォルダを置きたいディスクまたはフォルダを
開きます。「ファイル」メニューから「新規フォルダ」を選び、新 しいフォルダの名前
を入力します。

手順 3 : 共有ポイントのアクセス権を設定する
「一般」タブをクリックし、
「共 有」をクリックしてから、
「ア クセス権を設定」を選び
ます。共有したい項目を 選び、
「選択」をクリックし ます。共有ポイントの「共有」ウ
インドウが表示され、目的のアクセスレベルを設定できます。
共有ポイントのアクセス権をユーザおよびグループに割り当てるときは 、
「U&G」をク
リックし、
「ユーザとグループのリストを表示」または「ユーザとグループを検索」を選
びます。
「検索」を選んだ場合、目的のユーザまたはグループを検索します。目的のユー
ザまたはグループの名前を、共有ウインドウの適切なフィールドにドラッグします。
オーナー、グループ、および全員のアクセス権を、各フィールドの横のポップアップメ
ニューから選びます。割り当てたアクセス権は、Apple ファイルサービス、Windows サー
ビス、および FTP サービスで使用されます。

共有

77

共有の設定
共有ポイントのアクセス権は、共有ウインドウで設定します。共有ウインドウを表示す
るときは、
「 Server Admin」で「共有」をクリックします。その後、次のいずれかの操作
を行います。

m 「アクセス権を設定」を選び、項目を選んでから、「選択」をクリックします。
m 「ディスクと共有ポイン トを表示」を選び、項目を選 んでから、「ア クセス権」をク
リックします。
ポップアップメニューから「一般」、「自動マウント」、または「NFS アクセス制御」を
選んで、共有項目のアクセス権を設定します。以下のセクションでは、各パネルで使用
できる設定について個別に説明します。

一般設定
共有ポイントおよび共有項 目のアクセス権を設定するときは、「一般」パネルを使用し
ます。

この項目とその内容を共有する

AFP、Windows、および FTP アクセス用の共有ポイントを設定するときは、このオプショ
ンを選びます。NFS アクセス用の共有ポイントの設定方法については、81 ページの「NFS
アクセス制御の設定」を参照してください。これらのアクセス方法のどちらかまたは両
方の項目を共有できます。
オーナー
「Server Admin」の「ユ ーザと グルー プのリ スト」か ら、このフ ィール ドに ユーザ をド
ラッグします。項目のデフォルトのオーナーは、その作成者です。
78

第 4章

グループ
「Server Admin」の「ユーザとグループのリスト」から、グループをドラッグします。グ
ループにアクセス権を与えたくない場合は、グループのアクセス権を「なし」に設定し
ます。
全員
全員とは、ファイルサーバにロ グインできるすべてのユーザのことです。登録ユーザ、
ゲスト、anonymous FTP ユーザ、Web サイト利用者などがそうです。全員にアクセス権
を与えたくない場合は、全員のアクセス権を「なし」に設定します。
アクセス権
オーナー、グループ、および全員のアクセス権のレベルは、各ユーザの分類の右側に表
示されるポップアップメニューで選びます。

コピー
この共 有ポイントの アクセス権 を、共有ポイント 内のすべて の項目(ファイル および
フォルダ)にコピーするときは、このボタンをクリックします。この設定によって、ほ
かのユーザが設定したアクセス権が上書きされます。

共有

79

自動マウントの設定
Apple ファイルサービスまたは NFS サービスで自動マウントする共有ポイント(ファイ
ルでは ない)を設定す るときは、「自動マウ ント」パネル を使用しま す。
「自動 マウン
ト」パネルを表示するには、
「ディスクと共有ポイント」ウインドウで共有項目を選び、
「アクセス権」をクリックします。次に、共有ポイント名の下 のポップアップメニュー
から「自動マウント」を選びます。

この項目を次のドメインのクライアントに自動マウントする
この共有項目を公開(または自動マウント)したい NetInfo の共有ドメインを選びます。
この共有ドメインを使用するように設定したコンピュータでは、共有ポイントが自動的
にマウントされます。
このドメインの変更権限を持つユーザの、ユーザ名とパスワードを要求されます。認証
が終了したら、
「この項目を次のドメインのクライアントに自動マウントする」をクリッ
クします。

/Network/Servers/ に動的にマウントする
クラ イアン トユー ザが、各自の コンピ ュータ の「 /Network/Servers」フォ ルダ内 の共有
ポイン トを見え るように したい場合 は、このオ プションを 選びます。ユーザ がフォル
ダ内 の共 有ポ イン トを ダブ ルク リッ クす ると、そ の共 有ポ イン トが ユー ザの デス ク
トッ プまたは「Finder」
( ユーザの「シス テム環境 設定」の設定に よりま す)に マウン
トされます 。

80

第 4章

静的にマウントする
クライア ントコンピュ ータの起動時 に共有ポイン トが自動的に マウントされ るように
したい場合は、このオプションを選びます。項目を表示したい場所を選びます。ホーム
ディレクトリでは静的なマウントを使用しないでください。
自動マウントオプション

AFP および NFS アクセス用に共有ポイントを設定した場合は、いずれかのラジオボタン
をクリックして、共有ポイントのマウントに使用したいプロトコルを指定します。

NFS アクセス制御の設定
NFS(Network File System)共有 ポイントのエクスポー トとそのアクセス権を 設定すると
きは、
「NFS アクセス制御」パネルを使用します。NFS では、ほかのファイルサービスと
は異なる方法で認証を行います。つまり、ユーザ名とパスワードではなく IP アドレス
を使ってアクセスを許可します。NFS 共有ポイントは、有効なクライアントコンピュー
タにエクスポートされます。これらのエクスポートは、指定した場所でボリュームとし
てマウントされます。NFS エクスポートを Apple ファイルサービスや Windows サービス
の共有ポイントにできますが、必ずしもそうする必要はありません。
「NFS アクセス制御」設定を表示するとき は、
「共有」をクリックし、「アクセス権を設
定」を選びます。共有したい項目を選び、
「選択」をクリックします。項目名の下のポッ
プアップメニューで、「NFS アクセス制御」を選 びます。これらの設定について詳しく
は、102 ページを参照してください。

共有

81

共有に関する問題を解決する
ユーザが共有項目を見つけることができない場合:
その項目のアクセス権をチェックします。項目のある共有ポイントとその項目に至るま
でのそれぞれのフォルダに対して、ユーザは、少なくとも読み出しのアクセス権を持っ
ている必要があります。
参考:サーバ管理者とユーザとでは、共有ポイントの見えかたが異なります。管理者は、
サーバ上のすべての共有ポイントを見ることができます。ユーザが見ることのできる共
有ポイントを確認するときは、ユーザの名前とパスワードを使ってログインします。
ユーザが CD-ROM ディスクにアクセスできない場合:

m CD-ROM ディスクを共有ポイントに設定してあることを確認します。
m 複数の CD を共有している場合は、それぞれに固有の名前があることを確認します。

82

第 4章

5
5

ファイルサービス
ファイルサービスとは ?
ファイルサービスによって、クライアントユーザは、ネットワーク上のファイル、アプ
リケー ション、およびそ の他のリソ ースにアクセ スできます。フ ァイルサービ スの設
定、開始 と停 止、および 状況 の確認 を行 うとき は、
「 Server Admin」を使 用し ます。各
サービスのゲスト(未登録ユーザ)アクセスを許可するときは、そのサービスのモジュー
ルを 使用し ますが、共 有する 項目へ のアク セスを 制御す るとき は、
「 Server Admin」の
「共有」モジュールを使用します。共有について詳し くは、第 4 章「共有」を参照して
ください。
「Mac OS X Server 」には 4 つのファイルサービスが含まれます。

m Apple ファイルサービスは、 AFP(Apple Filing Protocol)を使って、Macintosh または
Macintosh 互換のオペレーティングシステムを使用するクライアントとのリソースの
共有を提供します。

m Windows サービスは、SMB(Server Message Block)プロトコルを使って、Windows また
は Windows 互換のオペレーティングシステムを使用するクライアントとのリソース
の共有、および Windows クライアントの名前解決サービスを提供します。

m NFS(Network File System)サービスによって、 NFS クライアントソフトウェアを持つ
ユーザに対して、ディレクトリ(フォルダ)を利用可能にすることができます。

m FTP( File Transfer Protocol)サービスによって、FTP を使用しているすべてのユーザと
ファイルを共有できます。

ファイルサービスを設定する前に
データとネットワークのセキュリティは、ファイルサービスを設定するときに考慮する
必要がある最も重要な問題です。

ファイルとフォルダのアクセス権を設定する
個々のファイル の権限の設定は、サーバを保護す る上で最も重要なことです。「Mac OS
X」では、ファイルごとに独自のアクセス 権の設定を使用します。これらの設定は、そ
の上位層フォルダのアクセス権の設定には依存しません。ユーザは、サーバ上にユーザ
自身で保存したファイルまたはフォルダのアクセス権を設定できます。また、サーバ管
理者は、共有ポイントに対して同様の操作を行うことができます。共有ポイントの設定
およびアクセス権の割り当てについて詳しくは、第 4 章「共有」を参照してください。
83

ゲストアクセスを制限する
どのファイルサービスを設定するときも、ゲストアクセスを許可するかどうかを選ぶこ
とができます。ゲストとは、有効なユーザ名やパスワードを入力しなくても匿名でサー
バに接続できるユーザのことです。匿名で接続しているユーザによるアクセスは、全員
のアクセス権が設定されたファイルおよびフォルダに制限されます。
不正なアクセスから情報を保護したり、情報や機器に損害を与える可能性のあるソフト
ウェアが導入されないようにするときは、
「 Server Admin」の「共有」モジュールを使っ
て以下の防止策をとってください。

m ボリューム全 体ではなくフォルダを個 別に共有します。フォルダ には、共有したい
項目だけを保存します。

m ゲストにアクセスさせたくないフォルダに対して、全員に「なし」のアクセス権を割
り当てます。項目のアクセス権をこのように設定した場合、これらの項目にアクセス
できるのは、項目のオーナーまたはグループだけです。

m ゲストが利用できるファイルはすべて、1 つのフォルダまたはフォルダのセットに保
存します。そのフ ォルダおよび内部の各フ ァイルに対して全員の 分類に「読み出し
専用」のアクセス権を割り当てます。

m ゲストがフォ ルダの項目を変更したり追 加したりする必要がある 場合にのみ、その
フォルダに対 して、全員の分類に「読み出し /書き込み」のアクセス権 を割り当て
ます。このフォル ダの中にある情報のバック アップコピーを保存して いることを確
認してくださ い。また、このフォルダに変更 や追加が行われたかど うか、頻繁に確
認してくださ い。さらに、ウイルス防止プロ グラムを使って、サーバが ウイルスに
感染していないかどうかも定期的に確認してください。

m フォルダに変 更や追加が行われたか どうか、頻繁に確認してく ださい。また、ウイ
ルス防止プロ グラムを使って、サーバがウイ ルスに感染していないか どうかも定期
的に確認してください。

m 「Server Admin」で「FTP」モジュールを使用して、anonymous FTP によるアクセスを禁
止します。

m NFS ボリュームをワールドに書き出さないでください。エクスポートは、特定の範囲
のコンピュータのみに制限してください。

登録ユーザにのみアクセスを許可する
ゲストがサーバにアクセスできないようにしたい場合は、各ファイルサービスでゲスト
アクセスが許可されていないことを確認します。サービスのモジュールで「ゲストアク
セスを許可する」の隣にチェックマークが付いている場合は、ゲストアクセスが許可さ
れています。チェックボックスをクリックしてチェックマークを外し、ゲストアクセス
を禁止します。

84

第 5章

Apple ファイルサービス
Apple ファイルサービスによって、Macintosh クライアントユーザはサーバに接続し、ユー
ザ自身のコンピュータ上にフォルダやファイルがあるかのように、これらにアクセスす
ることができます。「AppleShare IP 6.3」を熟知している方は、「Mac OS X Server 」の Apple
ファ イルサー ビスが同 じように 機能する ことを理 解できる でしょう。 Apple ファ イル
サービスでは、Unicode ファイル名や 64 ビットのファイルサイズなどの新しい機能に対
応している、AFP(Apple Filing Protocol)のバージョン 3.0 を使用しています。
ただし、新しい Apple ファイルサービスは、接続方法として AppleTalk をサポートしてい
ない点が異なります。AppleTalk を使用するクライアントは、「セレクタ」を使ってネッ
トワーク上のサーバを探すことはできますが、接続するときは TCP/IP を使用します。

Apple ファイルサービスは、Unicode ファイル名に対応しています。この規格では、言語
や、言語を表示するために使用されるオペレーティングシステムにかかわらず、各文字
に一意な数値が割り当てられます。

Apple ファイルサービスを設定する前に
「Mac OS X Server 」の設定アシスタントで Apple ファイルサービスを開始すると、サーバ
は即座にネットワーク上で使用できるようになります。ただし、適切なアクセス権が設
定された共有ポイントを作成し、権限を与えられたユーザを作成するまでは、どのユー
ザもサーバに接続することはできません。これらのトピックについて詳しくは、第 4 章
「共有」および第 3 章「ユーザとグループ」を参照してください。
互換性のある AppleShare のバージョンを確認する

Apple ファイルサーバにアクセスするためには、クライアントコンピュータに、
「AppleShare」のバージョン 3.7 以降がインストールされている必要があります。クライ
アントで使用されている Mac OS のバージョンをサポートする、「AppleShare」クライア
ントソフトウェアの最新バージョンは、アップル社のサポート用 Web サイト
(www.apple.co.jp/support)で確認できます。
クライアントコンピュータで AppleTalk を使用可能にする

AppleTalk 経由で(「セレクタ」を使って)Apple ファイルサーバを検索するには、クライ
アントユーザが AppleTalk を使用できる必要があります。「Mac OS X」でこの操作を行う
ときは、「システム環境設定」を 開いて、
「ネット ワーク」をクリックします。「Mac OS
9」以前では、「AppleTalk 」コントロールパネルを使用します。

Apple ファイルサービスを初めて設定する
「Mac OS X Server 」のインストール時に、設定アシスタントで Apple ファイルサービスを
設定した場合は、Apple ファイルサービスを使うために追加の操作を行う必要はありま
せん。ただし、デフォルトの設定が目的に合っているかどうかを確認してください。
「Mac OS X Server 」のインストール時に Apple ファイルサービスを設定しなかった場合は、
ここで設定することができます。
手順 1: Apple ファイルサービスを設定する
「Server Admin 」で「ファイルとプリント」タブをクリックしてから、
「 Apple」をクリック
し、
「 Apple ファイルサービスを設定」を選びます。「Apple ファイルサービスの設定」ウ
インドウの 4 つのタブをそれぞれクリックして、必要な設定を行います。設定可能な内
容について詳しくは、86 ページの「Apple ファイルサービスの設定」を参照してください。
ファイルサービス

85

手順 2: Apple ファイルサービスを開始する
「Apple」をクリックし、「Apple ファイルサービスを開始」を選びます。サービスが開始
すると、サービスのアイコンに地球のマークが表示されます。
手順 3: 共有ポイント、およびユーザとグループを作成する
サーバ上で利用できるようにしたい共有ポイント(共有フォルダとディスク)にアクセ
ス権を 設定する必要 があります。情報 にアクセスで きるように設 定したいユー ザとグ
ループにも、アクセス権を割り当てる必要があります。これらの作業を行う方法につい
ては、第 4 章「共有」および第 3 章「ユーザとグループ」を参照してください。

Apple ファイルサービスの設定
Apple ファイルサービ スの設定にアクセ スするには、「ファイルとプリン ト」タブをク
リックしてから「Apple」をクリックし、メニューから「Apple ファイルサービスを設定」
を選びます。4 つのタブをそれぞれクリックして、パネルの設定を表示します。以下の
セクションでは、各パネルで使用できる設定について個別に説明します。
一般設定
サーバの識別情報の設定、自動起動の設定、およびログインメッセージの作成を行うと
きは、
「一般」パネルを使用します。「一般」パネルにアクセスするには、
「Apple」をク
リックしてから「Apple ファイルサービスを設定」を選びます。

コンピュータ名
「セレクタ」または「ネットワークブラウザ」を使用するとき にユーザに示したい名前
を入力します。ここに入力する名前は、ネットワークに接続したすべてのコンピュータ
間で一意で なければなりません。こ のフィールドを空白 にしておくと、IP アドレスが
サーバ名としてネットワークに登録され、このフィールドにはサーバの DNS 名が表示
されます。
86

第 5章

システム起動時に Apple ファイルサービスを開始する
電源が切れたり、その他の不測の事態が発生した後でサーバを再起動したときに、ファ
イルサービスを利用可能にする場合は、このオプションを選びます。通常は、このオプ
ションを選択しておくことをお勧めします。

Network Service Locator に登録する
ユーザがこのサーバを、
「 Mac OS X 」の「サーバへ接続」パネル、または「Mac OS 9」の
「ネットワークブラウザ」で見ることができるようにした い場合は、このオプションを
選びます。このオプションは、
「Mac OS 9」以降がインストールされたクライアントコン
ピュータで利用できます。
このオプションをオンにする場合は、ネットワークルータ上の IP マルチキャスティン
グも使用可能にする必要があります。SLP(Service Location Protocol)および IP マルチキャ
ストについて詳しくは、第 12 章「ネットワークサービス」を参照してください。クライ
アントおよびルータの機能について詳しくは、265 ページを参照してください。
初期メッセージ
ユーザが接続したときに表示したいメッセージを入力します。
参考: ログインメッセージが表示されない場合は、ユーザのコンピュータのソフトウェ
アをアップグレードしてください。クライアントコンピュータは、
「AppleShare Client」ソ
フトウェアのバージョン 3.7 以降を使用する必要があります。
同じユーザに同じメッセージを 2 回送らない
ログインメッセージを 1 回だけ表示する場合は、このオプションを選びます。メッセー
ジを変更した場合は、ユーザが次回サーバに接続したときに、その新しいメッセージが
表示されます。
アクセスの設定
クライアント接続およびゲ ストアクセスを設定するときは、「アクセス」パネルを使用
します。
「アクセス」パネルを表示するには、「Apple」をクリックして「Apple ファイル
サービスを設定」を選び、「アクセス」タブをクリックします。

ファイルサービス

87

ゲストアクセスを許可する
未登録ユーザがファイルサーバにアクセスできるようにしたい場合は、このオプション
を選びます。ゲストアクセスは、適切なアクセス権が設定されたファイルやその他の項
目に、ユーザが一時的にアクセスできるようにするときに便利な方法です。
クライアントの最大接続数(ゲストを含む)
サーバ に同時に接続 できるユー ザ数を制限 したくない場 合は、
「無 制限」を選びます。
サーバでたくさんのサービスを提供している場合は、クライアント接続の数を制限する
ことで サーバの性能 を向上させ ることがで きます。この操作 を行うとき は、
「無制限」
の下のボタンをクリックし、制限値として設定したい接続数を入力します。
ゲストの最大接続数
ゲストアクセスを許可していて、サーバに同時に接続できるゲストユーザ数を制限した
くない場合は、「無制限」を選びます。最大クライアント接 続数のうち、ゲストが使用
できる数を指定したい場 合は、
「無制限」の下のボタンを クリックし、許可したい接続
数を入力します。

AppleTalk を使用するブラウズをクライアントに許可する
クライアントユーザが「セレクタ」を使ってファイルサーバを検索できるようにしたい
場合は、このオプションを選 びます。
「セレクタ」を使ったサ ーバ検索を可能にするに
は、クライアントコンピュータとサーバの両方で AppleTalk を使用可能にする必要があ
ります。
古いクライアント用にエンコードする
クライア ントユーザが 使用している 文字セットと 一致する文字 セットをサー バ用に選
びます。
「Mac OS 9」以前のクライアントが接続すると、サーバは、ファイル名をシステ
ムの UTF-8 から指定された文字セットに変換します。

88

第 5章

ログの設定

Apple ファイルサービスのログを設定および管理するときは、
「ログ」パネルを使用しま
す。
「ログ」パネルを表示するには、「Apple」をクリックして「Apple ファイルサービス
を設定」を選び、「ログ」タブをクリックします。

アクセスログを許可する
アクセスログを作成したい場合は、このオプションを選びます。アクセスログには、指
定した イベントに関 する情報が 保存されます。ロ グファイル のサイズは、使用 可能な
ディスク容量によってのみ制限されます。もちろん、指定するイベントの数が多くなる
ほど、ログファイルは大きくなります。記録するイベントを選ぶときは、サーバのディ
スク容量も考慮してください。

_ 日ごとにアーカイブを作成する
ログファイルの内容をアーカイブに保存する頻度を指定したい場合は、このオプション
を選びます。指定した日数を経過すると、サーバはログファイルを閉じ、現在の日付を
含む名 前に変更して、新 しいログフ ァイルを開き ます。アーカイ ブに保存され たログ
は、記録のために保存することができます。または、不要になったら削除して、ディス
ク領域を開放することもできます。デフォルトの設定は 7 日間です。
アクセスログに含めるイベントを選択する

Apple ファイルサービスで記録したいイベントを選びます。ここで指定した操作をユー
ザが実行するたびに、項目が記録されます。

ファイルサービス

89

エラーログ:_ 日ごとにアーカイブを作成する
エラーログファイルの内容をアーカイブに保存する頻度を指定したい場合は、このオプ
ションを選びます。指定した日数を経過すると、サーバはログファイルを閉じ、現在の
日付を含む名前に変更して、新しいログファイルを開きます。アーカイブに保存された
ログ は、記録の ために 保存す るこ とがで きます。ま たは、不要 になっ たら削 除して、
ディスク領域を開放することもできます。デフォルトの設定は 7 日間です。
アイドル状態のユーザの設定
アイド ル状態のユー ザの設定を構 成および管 理するときは、「アイドル 状態のユーザ」
パネルを使用します。「アイドル状態のユーザ」とは、サー バに接続しているが、サー
バのボリュームを一定時間使用しなかったユーザのことです。
「アイドル状態のユーザ」
パネルを表示するときは、
「 Apple」をクリックして「Apple ファイルサービスを設定」を
選んでから、「アイドル状態のユーザ」タブをクリックします。

( この間 アイドル 状態と して表示 されま
クラ イアント に _ 時 間スリー プを許 可する。
せん 。
)
スリープ モードにある クライアント コンピュータ の接続をサー バが解除しな いように
する場合は、このオプションを選びます。スリープとは、クライアントコンピュータが
ほとんど電力を消費しない状態のことです。
「省エネルギー」ソフトウェアがインストー
ルされたコンピュータでは、ユーザは一定時間使用されなかったコンピュータをスリー
プするように設定できます。
接続解除するまでのアイドル時間
一定時間の経過後に、アイドル状態のユーザの接続を解除したい場合は、このオプショ
ンを選びます。こうすることで、現在のユーザがサーバリソースを利用できるようにな
ります。さ らに、権限のな いユーザが、だ れも使用して いないコン ピュータを 使って
ネットワーク上の情報にアクセスすることを防止できる場合があります。
90

第 5章

除くユーザ
接続を解除しないユーザを選択します。

m
m
m
m

ゲスト
登録ユーザ(管理者やゲストではない任意のユーザ)
管理者
ファイルを開いているアイドル状態のユーザ

重要 最後のオプションを選ばなかった場合は、ファイルを開いているすべてのアイド
ル状態のユーザ(ゲスト、登録ユーザ、または管理者)が接続を解除され、保存してい
ない変更内容を失います。
解除を知らせるメッセージ
ユーザが接続を解除されたときに表示したいメッセージを入力します。メッセージを入
力しなかった場合は、接続が一定時間アイドル状態だったために接続が解除されたこと
を通知する、デフォルトのメッセージが表示されます。
すべての クライアント コンピュータ が接続解除の メッセージを 表示できるわ けではあ
りません。

Apple ファイルサービスに関する問題を解決する
ユーザがファイルサーバを見つけることができない場合:

m ユーザのコンピュータと、Apple ファイルサービスを実行しているコンピュータで、
ネットワーク が正しく設定されているこ とを確認します。ユーザのコ ンピュータか
らほかのネッ トワークリソースに接続で きない場合は、ネットワーク 接続が機能し
ていない可能性があります。

m ファイルサー バが動作中であることを確 認します。サーバが動作中か どうかを調べ
るときは、「PING」ユーティリティを使用できます。

m ユーザが AppleTalk を介して(「セレクタ」で)サーバを検索している場合は、「Apple
ファイルサービスの設定」ウインドウの「アクセス」パネルで AppleTalk を介したブ
ラウズが使用可能になっ ているかどうかを確認し、AppleTalk がサーバとユーザのコ
ンピュータの両方で動作中であることを確認します。

m ファイルサー バに割り当てられている名 前をチェックして、ユーザが 見ている名前
が正しい名前かどうか確認します。

ファイルサービス

91

ユーザがファイルサーバに接続できない場合:

m ユーザが正し い名前とパスワードを入力 していることを確認しま す。ユーザ名の大
文字と小文字は区別されませんが、パスワードは大文字と小文字が区別されます。

m 「Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールで、そのユーザのログインが有効
になっていることを確認します。

m 「Apple ファイルサービスの状況」ウインドウでクライアント接続が最大数に達したか
どうかを確認 します。最大数に達している 場合、ほかのユーザは後で 接続を試みる
必要があります。

m ユーザとグループを管理するサーバが動作中であることを確認します。
m ユーザのコンピュータに「AppleShare 3.7」以降がインストールされているかどうかを
確認します。

m ユーザが遠隔地からサーバに接続しようとしている場合は、IP フィルタサービスの設
定で 548 番のポートへのアクセスが許可されていることを確認します。IP フィルタ
リングについて詳しくは、285 ページの「IP フィルタサービス」を参照してください。

Apple ファイルサービスの仕様

92

第 5章

使用許諾契約に応じた最大接続ユーザ数

無制限(ハードウェアに依存)

最大ボリュームサイズ

2 テラバイト

TCP ポート番号

548

ログファイルの場所

/Library/Logs(「AppleFileService」フォルダの中
にあります)

Windows サービス
「Mac OS X Server 」の Windows サービスは、Windows クライアントに 4 つのサービスを提
供します。追加のソフトウェアは必要ありません。各サービスは、次のとおりです。

m ファイルサービスによって、Windows クライアントは、TCP/IP経由で SMB(Server Message
Block)プロトコルを使って、「Mac OS X Server」に接続できます。

m プリントサービスによって、Windows クライアントは、ネットワーク上の PostScript プ
リンタを使ってプリントできます。プリントサービスも SMB を使用しています。

m WINS(Windows Internet Naming Service)によって、ユーザは、複数のサブネット間で
名前とアドレスの解決を行うことができます。

m ブラウズによ って、クライアントは利用可能 なサーバを複数のサブネ ット間でブラ
ウズすることができます。

Windows サービスは、Unicode(すべての文字表現に 16 ビット識別子を使用する標準規
格)を使ってクライアントに適した言語を表示します。古いクライアントコンピュータ
は Unicode を使用していないため、 Windows サービスは、Samba コードページに対応し
ています。このコードページは、ネイティブ Unicode からユーザが指定した言語への変
換を行います。

Windows サービスを設定する前に
「Mac OS X Server」で Windows サービスを提供する場合は、以下のセクションを参照して、
考慮すべき点について確認してください。また、お使いの「Windows」のバージョンに関
する Microsoft 社のマニュアルも確認して、クライアントソフトウェアの機能について詳
しく調べてください。

Windows クライアントをサポートするための要件
Windows クライアントをサポートするために必要なのは、
「Mac OS X Server」ソフトウェア
だけです。アップル社の従来のサーバ製品とは異なり、「Mac OS X Server」には、Windows
クライアントコンピュータ用に組み込みのブラウズサービスおよび名前解決サービスが
付属しています。お使いのサーバで WINS を使用するか、または既存の WINS サーバに登
録できます。
また、
「Mac OS X Server」の Windows サービスは、Windows マスターブラウザサービスおよ
びドメインマスターブラウザサービスも提供します。つまり、Windows コンピュータの
「ネットワークコンピュータ」ウインドウにサーバを表示するために、ネットワーク上に
Windows サー バやプライ マリドメ インコント ローラを 置く必要は ありませ ん 。ま た、
Windowsクライアントは、サーバのサブネット以外のサブネットにあってもかまいません。
最適なクロスプラットフォームの環境を整える
「Mac OS」と「Windows 」のコンピュータでは、ファイルの保存と管理の方法が異なりま
す。最適なクロスプラットフォームの環境を整えるためには、Windows ユーザだけが使
用する共有ポイントを少なくとも 1 つ設定する必要があります。さらに、以下のガイド
ラインに従うことによって、ユーザの環境を改善することができます。

m 両方のプラッ トフォームで、適合するバージ ョンのアプリケーション ソフトウェア
を使用します。

m ファイルを変更するときは、作成元のアプリケーションだけを使用します。
ファイルサービス

93

m ファイル名は半角英数文字で 31 文字以内にします。
m アクセント記号の付いた記号や文字を共有項目の名前に使用しないでください。
Windows のユーザパスワードの確認
「Mac OS X Server 」は、Windows のユーザパスワードを照合する 2 つの方法を提供します。

m 暗号化パスワードによる照合。最も安全であり、Windows コンピュータがローカル
ネットワーク(LAN)上でサポートしているデフォルトの技術であるため、これが望
ましい方法です。この方法では、暗号化されたパスワードが Windows コンピュータ
と「Mac OS X Server」間で送信されます。
暗号化パスワードによる照合を使用するときは、NetInfo 階層構造内のすべてのドメ
インで「Authentication Manager」を 使用可能にし、ドメインごとに暗 号化キーを定義
します。「Authentication Manager」が使用可 能なときは、NetInfo のユーザレ コードに
「tim_passwd」プロパティが保存されます。このプ ロパティは、暗号化キーを使って
クリア ーテキス トパスワ ードを入 手すると きに、復号化 されます。暗 号化キーは、
ルートだけが読み出すことができる、サーバ上のファイルに保存されています。

m クリアーテ キストパスワード による照合。この方法は、重要度の低いユーザ認 証情
報だけに使用してください。クリアーテキストパスワードによる照合を使用するとき
は、Windows コンピュータを個別に設定する必要があります。クリアーテキストパス
ワードによる照合の設定方法については、Windowsのマニュアルを参照してください。
クリアーテキ ストパスワードによる照合 を使用すると、パスワードは 復元できない
形式で保管されます。 NetInfo パスワードの値が「 passwd 」プロパティに関連付けら
れている場合、一 方向ハッシュが使用さ れるため、簡単には解読で きません。一方
向ハッシュは、同じパスワードに対して使用すると、結果は常に同じになります。
暗号 化パスワ ードに よる照合 を設定 するに は、階層構 造内のす べての Mac OS X コン
ピュータ上で「Authentication Manager」を使用可能にします。
「Authentication Manager」の
設定につい て詳しくは、「NetInfo 活用 ガイド」
( www.apple.co.jp/macosxserver/ にありま
す)を参照してください。

Windows サービスを初めて設定する
Windows サービスは、開始するだけで設定できます。ほとんどの場合は、デフォルトの
設定で正しく動作しますが、設定を確認して、自分のネットワークに合わない設定は変
更してください。設定できる 内容の説明については、次の「Windows サービスの設定」
を参照してください。
Windows サービスを初めて設定するときは、次の手順に従って行います。これらの手順
について詳しい説明が必要な場合はオンスクリーンヘルプを参照してください。
手順 1: Windows サービスを設定する

Windows サービスにアクセ スするには、「ファイルとプリ ント」タブをクリックしてか
ら「 Windows」をクリックし、
「Windows サービスを設定」を選びます。
「Windows サービ
スの設定」ウインドウの 4 つのタブをそれぞれクリックして設定を確認し、必要に応じ
て変更を行います。使用可能な設定の説明については、次のセクション「Windows サー
ビスの設定」を参照してください。

94

第 5章

手順 2: Windows サービスを開始する
動作中でない場合は、
「Windows サービスを開始」を選びます。サービスが開始すると、
サービスのアイコンに地球のマークが表示されます。
手順 3: クライアントの設定を確認する

Windows サービスを設定したら、Windows クライアントコンピュータが TCP/IP 経由で接
続するように適切に設定されているかどうかを確認してください。この設定について詳
しい情報が必要な場合は、
「Windows 」のネットワークに関するマニュアルを参照してく
ださい。

Windows サービスの設定
Windows サービスにアクセ スするには、「ファイルとプリ ント」タブをクリックしてか
ら「Windows 」をクリックし、
「Windows サービスを設定」を選びます。4 つのタブをそ
れぞれクリックして、パネルの設定を表示します。以下のセクションでは、各パネルで
使用できる設定について個別に説明します。
一般設定

Windows サーバの識別情 報の設定、および自動起動の設定を行うときは、「一般」パネ
ルを使用します。「一般」パネルにアクセスするには、「Windows 」をクリックしてから
「Windows サービスを設定」を選びます。

サーバ名
ユーザが接続したときに表示するサーバ名を入力します。デフォルトの名前は、Windows
ファイルサーバの NetBIOS 名です。名前は半角英数文字で 15 文字以内にしてください。
特殊文字や、コンマ、ピリオドを含めることはできません。
実際には、サーバ名とその省略した DNS ホスト名を一致させます。たとえば、サーバ
のエントリが「server.apple.com」として DNS サーバに登録されている場合、サーバの名
前を「server」とします。
ファイルサービス

95

ワークグループ
「ネットワークコンピュータ」ウインドウに表示したいワー クグループの名前を入力し
ます。サブネットに Windows のドメインがある場合は、そのドメインの 1 つをワークグ
ループの名前として使って、ク ライアントがサブネット間でアクセスしやすくします。
ドメインがない場合は、正しいグループ名を Windows ネットワーク管理者に問い合わせ
てください。ワークグループ名は、半角英数文字で 15 文字以内にする必要があります。
説明
自分やユーザにとって役立つ説明を半角英数文字で 43 文字以内で入力します。この説
明はクライアントコンピュータの「ネットワークコンピュータ」ウインドウに表示され
ます。省略することもできます。
コードページ
クライアントコンピュータが使用する言語のコードページを選びます。
システム起動時に Windows サービスを開始する
電源が切れたり、その他の不測の事態が発生した後でファイルサーバを再起動したい場
合は、このオプションを選びます。通常は、このオプションを選ぶことをお勧めします。
アクセスの設定
ゲストアクセスを許可し、最 大クライアント接続数を設定するときは、「アクセス」パ
ネルを使用します。「アクセス」パネルにアクセスす るには、
「Windows」をクリックし
てから「Windows サービスを設定」を選び、
「アクセス」タブをクリックします。

ゲストアクセスを許可する
未登録ユーザが Windows ファイル共有を使用できるよ うにする場合にのみ、このオプ
ション を選びます。これ は、適切なアク セス権が設定 されたファ イルやその他 の項目
に、ユーザが一時的にアクセスできるようにするときに便利な方法です。

96

第 5章

クライアントの最大接続数
許可したい最大同時接続数を入力します。この数は、所有するソフトウェアのライセン
スによって制限されます。サーバでたくさんのサービスを提供している場合は、最大接
続数を、サーバで許可されているライセンスよりも小さい値に設定することで、サーバ
の性能を向上させることができます。
ログの設定
ログの詳細のレベルを選ぶときは、
「ログ」パネルを使用します。
「ログ」パネルにアク
セスするには、
「 Windows」をクリックしてから「Windows サービスを設定」を選び、
「ロ
グ」タブをクリックします。

詳細なレベル
記録したい詳細レベルを選びます。記録が詳細になればなるほど、ログファイルは大き
くなります。下の表は、それぞれのオプションに対する詳細のレベルを示しています。
記録されるイベント

なし

最小限の情報

詳しい情報

サーバの開始と停止

なし

あり

あり

ユーザのログインの失敗

なし

あり

あり

警告とエラー

あり

あり

あり

ブラウザ名登録のイベント

なし

あり

あり

アクセスイベント(ファイルが開か
れたり、変更されたり、読み込まれ
たりするごと)

なし

なし

あり

ファイルサービス

97

識別情報の設定
名前解決を設定して、サブネ ット間のブラウズを許可するときは、「識別情報」パネル
を使用します。「識別情報」パネルにアクセスすると きは、
「Windows 」をクリックして
「Windows サービスを設定」を選び、「識別情報」タブをクリックします。

WINS

WINS サーバに登録したいかどうかを選びます。ローカルまたは外部のサーバを選ぶこ
とができます。次の選択肢があります。

m 「切」
: サーバは、
外部の WINS サーバまたはローカルの名前解決サーバのどちらにも
登録しません。

m 「WINS サーバを使用する」: ファイルサーバが、ローカルの名前解決サービスを提
供します。これに よって、ユーザは、複数のサブ ネット間で名前とアド レスの解決
を行うことができます。

m 「WINS サーバに登録する」
: Windows クライアントと Windows サーバがすべて同じサ
ブネット上にないときに、ネットワーク上に WINS サーバがある場合は、この設定を
選びます。次に、WINS サーバの IP アドレスまたは DNS 名を入力します。
ワークグループ/ドメイン
マスター ブラウザまた はドメインマ スターブラウ ザによるドメ インブラウズ サービス
を使用するかどうかを選びます。次の選択肢があります。

m 「マスターブラウザ」: 1 つのサブネット内でサーバをブラウズおよび検索すること
ができます。

m 「ドメインマスターブラウザ」
: 複数のサブネット間でサーバをブラウズおよび検索
することができます。

98

第 5章

Windows サービスに関する問題を解決する
ユーザのコンピュータで、「ネットワークコンピュータ」に Windows サーバが表示さ
れない場合は、以下のことを確認してください。

m ユーザのコンピュータで TCP/IP が正しく設定されていることと、適切な Windows ネッ
トワークソフトウェアがインストールされていることを確かめます。

m Windows ユーザのゲストアクセスを許可します。
m クライアントコンピュータの「DOS プロンプト」で、
「ping [IP アドレス ]」と入力しま
す。ここで「IP アドレス」は、自分サーバのアドレ スです。PING に失敗した場合、
TCP/IP に問題があります。

m ユーザのコン ピュータがサーバとは別の サブネット上にある場合 は、ネットワーク
上に WINS サーバがある必要があります。
参考: Windows コンピュータのネットワーク機能が正しく設定され、ネットワークに正
しく接続されていれば、「ネットワークコンピュータ」ウイン ドウにサーバのアイコン
が表示されていない場合でも、クライアントユーザはファイルサーバに接続することが
できま す。詳しくは、「Server Admin ヘルプ」の「ネッ トワークの 識別情報を使 用して
Windows サーバに接続する」を参照してください。

Windows ユーザがログインできない場合:

m ユーザのレコードがあるNetInfo ドメインと、NetInfo 階層構造のほかのすべてのNetInfo
ドメインに対して「Authentication Manager」が使用可能であることを確認します。

m ユーザのパスワードを設定し直して、もう一度実行してみます。
m クリアーテキストパスワード確認を使用した Windows ユーザの認証を有効にします。

Windows サービスの仕様
使用許諾契約に応じた最大接続ユーザ数

1000

最大ボリュームサイズ

2 テラバイト

TCP ポート番号

139

UDP ポート番号

137、 138

ログファイルの場所

/Library/Logs(「WindowsFileServices」フォルダ
の中にあります)

ファイルサービス

99

NFS(Network File System)サービス
Apple ファイルサービス、Windows ファイル共有、および FTP サービスは、ユーザ名と
パスワードに基づいてユーザの共有 項目への接続を許可します。NFS の場合は異なり、
コンピュータの IP アドレスに基づいて、情報にアクセスできるかどうかを判断します。
つまり、だれが使用しているかにかかわらず、特定のクライアントコンピュータから特
定の共有ポイントにアクセスすることができます。そのコンピュータを起動すれば、い
くつかのボリュームまたはフォルダが自動的にマウントされ(または利用可能になり)
、
コンピュ ータを使用す る任意のユー ザがそれらの ボリュームま たはフォルダ にアクセ
スすることができます。
NFS では、項目を「共有」するのではなく、「エクスポート」します。エクスポートは、
共有ポイントを特定の場所に公開することと似ています。NFS サービスを設定および管
理する ときは、
「 Server Admin」の「NFS」モジュ ールを使用し ます。エクスポー トした
い共有ポイントまたはフォル ダのアクセス権およびアクセスレベルを設定するときは、
「Server Admin」の「共有」モジュールも使用します。

NFS サービスを使用する状況
NFS は、
「Mac OS X Server」のほかのファイルサービスとは異なり、高精度なアクセスレベ
ル設定を提供しません。共有項目は、クライアントコンピュータの 1 つのセット、また
は「ワールド」にエクスポートすることができます。NFS ボリュームをワールドにエク
スポートするということは、サーバにアクセスできるユーザ(anonymous FTP ユーザを含
む)はだれでも、そのボリュームにもアクセスできるようになるので注意が必要です。
信頼できるクライアントコンピュータがあるローカルエリアネットワーク( LAN)を使
用している場合、または Apple ファイル共有や Windows ファイル共有を使用できない環
境で操作している場合にのみ、NFS サービスを使用することをお勧めします。インター
ネッ トにア クセス でき、「ワール ド」にエク スポー トする 場合 は、サーバ にファ イア
ウォールが必要です。

NFS サービスを設定する前に
NFS でエクスポートする場合は、セキュリティの問題について考慮する必要があります。
NFS はセキュリティで保護されたネットワーク環境用に作られたものであり、クライア
ントコンピュータとクライアントを管理するユーザを信用しています。

NFS では、ユーザが別のユーザのファイルの所有権を獲得することができます。たとえ
ば、ユーザ ID が 1234 のユーザが所有するファイルがサーバ上にあり、そのファイルが
含まれるフォルダをエクスポートしたとします。リモートコンピュータのユーザは、そ
のコンピュータ上でローカルユーザを作成して、1234 というユーザ ID を割り当てるこ
とができます。このユーザは、そのフォルダをマウントすることができ、ファイルの元
のオーナーと同じアクセス権を持つことになります。
一意なユーザ ID を作成し、ユーザ情報を保護することによって、このような状況を防
止することができます。

100

第 5章

NFS を初めて設定する
手順 1: NFS サービスを設定する
「NFS」をクリックしてか
「Server Admin」で「ファイルとプリント」タブをクリックし、
ら「NFS を設定」を選び ます。同時に許 可するデー モン(クライア ントの要求 を扱う
サーバプロセス)の最大数を設定し、クライアントにデータを送信するために TCP を使
うか、UDP を使うかを選びます。これらのオプションについて詳しくは、
「NFS サービ
スの設定」を参照してください。
手順 2: フォルダをエクスポートし、NFS サービスを起動する

NFS を初めて設定するときは、少なくとも 1 つのフォルダを共有する必要があります。
これを 実行する には、
「Server Admin」の「一般」タブ をクリック し、
「共有」を クリッ
クしてから「アクセス権を 設定」を選びます。共有するフォルダを選び、「選択」をク
リックします。ポップアップメニューから「一般」、「自動マウント」、および「NFS ア
クセス制御」を選んで、希望する 設定を行います。設定できるオプションについては、
102 ページの「NFS アクセス制御の設定」を参照してください。

NFS サービスを開始または停止する必要はありません。エクスポートする共有ポイント
を定義すると、サービスは自動 的に開始します。すべてのエクスポートを削除すると、
サービス は停止します。「Server Admin 」の「NFS 」アイコンに地 球のマークが あるかど
うかを見ることで、NFS サービスが実行中かどうかを知ることができます。

NFS サービスの設定
NFS サービスは、
「 NFS を設定」ウインドウを使って設定します。このウインドウにアク
セスするときは、「ファイルとプリント」タブをクリックしてから、「NFS」をクリック
し、「NFS を設定」を選びます。

サーバのデーモン数
同時に許可したい nfsd デーモンの最大数を入力します。nfsd デーモンとは、バックグラ
ウンドで継続的に実行されるサーバプロセスで、マウントされた共有ポイントに対する
読み出しと書き込みを処理します。利用可能なデーモンの数が多くなるほど、同時に処
理で きるクラ イアン トの数 は多くな ります。「Mac OS X Server」の場 合は、サーバ 上の
デーモンの最大数を 4 〜 6 の範囲に設定します。

ファイルサービス

101

サービスの経由先
クライアントコンピュータにデータを提供する方法を選びます。

m 「tcp」: TCP( Transmission Control Protocol)は、データをパケット(IP を使ってネット
ワーク経由で 送信されるデータの小さ な集まり)に分割し、エラー訂 正を使って情
報が正しく転送されたかどうかを確認します。

m 「udp」: UDP(User Datagram Protocol)はデータをパケットに分割しないので、シス
テムリソース の消費が少なくなります。 TCP よりも拡張性が高い ので、負荷の高い
サーバに適しています。

m 「tcp とudp」
: 特定のパフォーマンス上の問題がない限り、
TCPと UDP の両方を選択し
てください。TCP はクライアントのパフォーマンスを向上させ、UDP はサーバにかか
る負荷を少なくします。

NFS アクセス制御の設定
「NFS アクセス制御」パネルを使って、エクスポー トの作成およびアクセス権の設定を
行います。
「NFS アクセス制御」パネルを表示するには、
「Server Admin」の「一般」タブ
をクリックします。
「共有」をクリックして、
「ディスクと共有ポイントを表示」を選び
ます。共有項目を選択して「アクセス権」をクリックしてから、共有項目名の下にある
ポップアップメニューから「NFS アクセス制御」を選びます。

102

第 5章

この項目とその内容のエクスポート先
項目をエクスポートしてユーザが利用できるようにするときは、このオプションを選び
ます。この情報を利用可能にするユーザを選びます。ポップアップメニューから、また
は「クライアント」
「ワールド」を選べます。
「ワールド」へのエクスポートを選んだ場
合、セキュリティが危険にさらされる可能性があります。
デフォルト設定では、NFS はクライアントアドレス 127.0.0.1(サーバコンピュータへの
ループ バック)にエク スポートさ れます。これ により、不注意 でフォルダ を「ワール
ド」にエクスポートしてしまうことを防げます。
「追加」と「取り除く」
「追加」をクリック して、このエク スポートを受 信可能なク ライアント を指定します。
表示されたテキストボックスに、IP アドレスまたはホスト名を入力して、「コンピュー
タまたはネットグループ」リストに追加します。リストから IP アドレスを選んで「取
り除く」をクリックして、エクスポートのリストからクライアントを削除します。

NFS エクスポートオプション
「ルートユーザをマップしない」: リモートクライアントシス テムで「ルート」として
識別されるユーザに、最小限 の読み出し、書き込み、コマンド実行権限を与える場合、
このオプションを選びます。
「すべてのユーザをマップしない」
: すべてのユーザに、最小限の読み出し、書き込み、
コマンド実行権限を与える場合、このオプションを選びます。
「読み出し専用」
: 共有項目の内容変更を いかなる方法によってもクライアントユーザ
に許可しない場合、このオプションを選びます。これにより、共有項目に設定されたほ
かのすべての権限は上書きされます。たとえば、
「全員」の分類に Apple ファイルサービ
スの項目の読み出し/書き込み権限を許可しているとき 、この項目を「読み出し専用 」
権限を持つ「ワールド」への NFS エクスポートとして定義することもできます。

ファイルサービス

103

FTP(File Transfer Protocol )サービス
FTP によって、コンピュータは、インターネット上でファイルを転送できます。FTP に
対応したオペレーティングシステムを使用しているクライアントであれば、設定したア
クセス権に応じて、ファイルサーバに接続してファイルをダウンロードできます。ほと
んどのインターネットブラウ ザおよび多数のフリーウェアアプリケーションを使って、
FTP サーバにアクセスできます。

FTP サービスを設定する前に
FTP サービスを提供するかどうかを判断するときは、共有する必要がある情報のタイプ
とクライアントについて考慮しなければなりません。 FTP は、アプリケーションやデー
タベースなど、サイズの大きいファイルを転送する場合に適しています。さらに、ゲス
ト(anonymous )ユーザがファイルをダウンロードできるようにしたい場合にも、FTP を
使って安全にこのサービスを提供することができます。
anonymous FTP ユーザ(ゲスト)の制限

anonymous FTP を使用可能にすると、未知のユーザにサーバを公開することになるため、
サーバをセキュリティ上の危険にさらすことになります。サーバのファイルおよびフォ
ルダに設定するアクセス権は、情報のセキュリティを保つ上で最も重要です。

anonymous FTP ユーザには、
「uploads」という共有ポイントにファイルをアップロードす
ることだけが許可されます。共有ポイント「uploads」が存在しない場合、anonymous ユー
ザはファイルを一切アップロードすることができません。
FTP サーバのセキュリティを保護するために、デフォルトの設定では、anonymous ユー
ザは次の操作を行うことができません。

m
m
m
m

ファイルを削除する
ファイルの名前を変更する
ファイルを上書きする
ファイルのアクセス権を変更する

FTP サービスを初めて設定する
手順 1: 共有ポイントを作成する

FTP を介して利用可能にしたい共有ポイントを設定するときは、「 Server Admin」の「共
有」モジュールを使用します。共有ポイントの作成方法については、76 ページの「共有
を初めて設定する」を参照してください。
手順 2: FTP サービスを設定する

FTP サービスのほとんどの設定は、サービスの開始時にバックグラウンドで行われます。
ただし、ゲストアクセスの許可や、同時にログインできるゲストおよび登録ユーザの最
大数の設定など、いくつかの設定を変更できます。
FTP サービ スの設定に アクセスする ときは、「 Server Admin」で「ファイ ルとプリント」
タブをクリックし てから、
「FTP 」をクリックし、
「 FTP を設 定」を選びます。使用可能
な設定の説明については、次のセクション「FTP サービスの設定」を参照してください。

104

第 5章

手順 3: FTP サービスを開始する
「FTP」をクリックしてから、「FTP サービスを開始」を選びま す。サービスが開始する
と、サービスのアイコンに地球のマークが表示されます。
手順 4: anonymous FTP サービスを設定する(省略できます)
ゲストアクセスを 許可した場合、anonymous ユーザは「ftp 」または「anonymous」とい
うユーザ名を使ってログインできます。anonymous ユーザは、ログインするためのパス
ワードは必要ありませんが、メールアドレスを入力するように促されます。
ゲストアクセスを許 可するときは、
「 FTP」をクリックしてから、「FTP を設定」を選び
ます。次に、「anonymous(匿名)でのアクセスを有効にする」を選びます。
ゲストユーザにファイルのア ップロードを許可する場合、
「 uploads」という名前のフォ
ルダを作成し、
「 Server Admin」の「共有」モジュールを使って適切なアクセス権限を割
り当てます。

FTP サービスの設定
FTP サ ービ スの設 定に アクセ スす るとき は、「 Server Admin」で「FTP」を クリ ックし、
「FTP を設定」を選びます。

最大数 _ の実際のユーザを許可
このフィールドに値を入力して、同時にサーバに接続できる登録ユーザの最大数を設定
します。実際のユーザとは、
「 Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールで追加
されたユーザのことです。

anonymous (匿名)でのアクセスを有効にする

anonymous ユーザ がサーバに 接続してフ ァイルを転 送できるよ うにする場 合は、この
チェックボックスにチェックマークを付けます。共有ポイントに割り当てられたアクセ
ス権をよく調べて、セキュリティホールがないことを確認します。情報のセキュリティ
の保護について詳しくは、第 4 章「共有」を参照してください。
最大数 _ の anonymous(匿名)のユーザを許可
このフィールドに値を入力して、同時にサーバに接続できる anonymous ユーザの最大数
を設定します。

ファイルサービス

105

FTP サービスに関する上手な使いかたとヒント
ユーザにメッセージを表示する
「Mac OS X Server」の FTP サービスを使用すると、実際のユーザおよび anonymous FTP ユー
ザがサーバにログインしたときに、それらのユーザに送信する特定のメッセージを作成
できます。FTP クライアントによっては、メッセージが分かりにくい場所に表示された
り、まったく表示されなかったりする場合があります。たとえば、FTP クライアントの
「Fetch」では、バナーメッセージが「RemoteHostname Messages」ウインドウに表示されます。
バナーメッセージ
ユーザが最初に FTP サーバへの接続を試みると、ログインプロンプトの表示前にメッ
セージが表示されます。このメッセージは 、
「TextEdit」などのテキストエディタを使っ
というファイルを検索してください。
て変更できます。
次のディレクトリ内の「banner.txt 」

/Library/FTPServer/Messages/banner.txt
ウェルカムメッセージ

FTP サー バへのログイ ンに成功す ると、ウェルカ ムメッセージ が表示され ます。この
メッセージは、「TextEdit」などのテ キストエディタを使って変更できます。次のディレ
クトリ内の「welcome.txt」というファイルを検索してください。
/Library/FTPServer/Messages/welcome.txt
メッセージ
ユーザが「message.txt」という名前の ファイルを含むディレクトリに移動すると 、この
ファイルの内容がメッセージとして表示されます 。このメッセージが表示されるのは 、
FTP セッションの間、ユーザがこのディレクトリに最初に接続したときだけです。この
メッセージを使って、重要事項や注意する必要がある変更などをユーザに通知できます。

README メッセージ
「README」と いう 名 前の ファ イル をデ ィレ クト リ に置 くこ とも でき ます。ユ ーザ が
「README」ファイ ルを含むディレクトリに移動す ると、このファイルが存在すること、
およびこのファイルの最終 更新日時を通知するメッセージが表示されます。ユーザは、
そのファイルを開いて読むかどうかを選ぶことができます。

FTP サービスの内側
「Mac OS X Server」の FTP サービスは、
「 wu-FTPd」として知られる、ワシントン大学の FTP
サーバのソースコードに基づいています。ただし、ユーザの環境を改善するために、元
のソースコードにいくつかの変更が加えられています 。これらの違いの一部について 、
このセクションで説明します。

106

第 5章

セキュリティで保護された FTP 環境
ほとんどの FTP サーバは、制限されたディレクトリ環境を提供して、FTP ユーザがサー
バ内の特定の領域のみを利用できるようにします。ユーザに表示されるのはこの領域内
のボリュームだけであるた め、サーバのセキュリティが十分に確保されます。ただし、
ユーザが、この限定された領域外でマウントされたボリュームにアクセスすることはで
きません。シンボリックリンクやエイリアスを使って、サーバ内に設定された境界を越
えることはできません。
「Mac OS X Server 」の FTP サービスでは、セキュリティの確保された FTP 環境を確保しつ
つ、新たな方法が採用されています。FTP ユーザは、ボリュームに設定されたアクセス
権が許 す限り、サーバ上 の任意の場所 にマウントさ れたボリュー ムにアクセス できま
す。FTP ユーザは、
「 Server Admin」の「共有」モジュールで設定した任意の共有ポイン
トを見ることができます。データのセキュリティを制御するためには、共有ポイントに
対して適切なアクセス権を設定します。共有ポイントの作成について詳しくは、第 4 章
「共有」を参照してください。
実際のユーザのホームディレクトリ
標準の FTP サーバは、実際のユーザ(登録されたユーザ名とパスワードを使ってログイ
ンするユーザ)が信頼でき、サーバに対するすべてのアクセス権を持たせるに値するこ
とを想定しています。現在では、管 理者の知らない登録ユーザが何千も存在するため、
インター ネットの初期 に採用されて いたこの方法 はもはや有効 な方法ではな くなって
います。一方、
「Mac OS X Server」の FTP サービスでは、実際のおよび anonymous ユーザ
を常に制限された FTP 環境に配置します。ただし、実際のユーザのホームディレクトリ
が制限された環境の中で利用可能な場合は、実際のユーザをそのディレクトリに接続し
ます。たとえば、ユーザのホームディレクトリが共有ポイントの中にあり、アクセス権
によってユーザが自分のホームディレクトリにアクセスできる場合、ユーザはログイン
後にホームディレクトリに移動します。
重要なのは、実際のユーザと anonymous ユーザの両方が、共有ポイント内のホームディ
レクトリを表示できる点です。ただし、適切なアクセス権が設定されていない限り、ど
ちらのユーザもこれらのディレクトリにアクセスすることはできません。
重要 ホームディレクトリを持たない、またはホームディレクトリがアクセス権を持つ
共有ポイント内にない実際のユーザは、制限された FTP 環境のルートレベルに配置され
ます。
自動ファイル変換
「Mac OS X Server 」の FTP サービスでは、ユーザは、圧縮または圧縮解除されたサーバ上
の情報を 要求できます。「.z」や「 .gz」などの ファイル名の 拡張子は、ファイ ルが圧縮
されていることを示します。ユーザが「Hamlet.txt」という名前のファイルを要求したと
きに、サーバに「Hamlet.txt.Z」という名前のファイルだけがある場合、ユーザが圧縮解
除されたバージョンを要求していることが分かるので、サーバはファイルを圧縮解除さ
れたフォーマットで提供します。

ファイルサービス

107

標準のファイル圧縮フォーマットに加え、
「Mac OS X Server」
は HFS または非 HFS ボリュー
ムからファイルを読み出 して、MacBinary(.bin)フォーマッ トに変換することができま
す。これは、Macintosh オペレーティングシステムで最も一般的に使用されているファイ
ル圧縮フォーマットの 1 つです。
次の表に、一般的なファイル拡張子、および各拡張子が示す圧縮タイプを示します。
ファイル拡張子

意味

.Z

UNIX compress で圧縮されたファイル

.bin

MacBinary エンコード

.tar

UNIX tar アーカイブ

.tZ

UNIX compress で圧縮された tar アーカイブ

.tar.Z

UNIX compress で圧縮された tar アーカイブ

.crc

UNIX チェックサムファイル

FTP サービスに関する問題を解決する
anonymous FTP ユーザが接続できない場合:
m ゲストアクセスが許可されていることを確認します。

m anonymous ユーザの接続が最大数に達したかどうかを確認します。これを行うとき
は、
「Server Admin 」の「ネットワーク」タブをクリックし、
「FTP 」をクリックしてか
ら、「FTP を設定」を選びます。
クライアントが FTP サーバに接続できない場合:
クライアントが FTP 受動(passive)モードを使用しているかどうかを確認し、使用して
いる場合は無効にします。受動(passive )モードでは、FTP サーバは、動的に決定され
るポートでクライアントに対して接続を開きます。このポートが、IP フィルタサービス
で設定されたポートフィルタと競合する可能性があります。

FTP 接続が拒否される場合:
ユーザが入力したサーバの DNS 名または IP アドレスが正しいことを確認します。

m
m
m
m

FTP サービスを開始していることを確認します。
共有ボリュームに対してユーザが適切なアクセス権を持っていることを確認します。
接続の数が最大値に達していないかどうかを確認します。これを行うときは、
「Server
Admin 」の「ネットワーク」タブをクリックし、「FTP」をクリックしてから、「FTP を
設定」を選びます。

m ユーザのコンピュータで TCP/IPが正しく設定されていることを確認します。TCP/IP設定
に問題がないと思われる場合は、「PING」ユーティリティを使ってネットワーク接続
を確認します。

m FTP サーバのDNS 名の代わりにIP アドレスを使って接続してみて、DNSに問題があるか
どうかを確認します。IP アドレスで接続できる場合は、DNS サーバに問題がある可
能性があります。
108

第 5章

m ユーザが自分 のユーザ名を正しく入力し ていることと、正しいパスワ ードを入力し
ていることを確認します。特殊文字または 2 バイト文字を含むユーザ名とパスワー
ドは、無効です。ユーザ名を表示するには、
「ユーザとグループのリスト」でユーザ
の名前をダブルクリックします。

m ディレクトリ サービスに問題があるかど うか、およびディレクトリサ ービスサーバ
が動 作中で ネッ トワー クに接 続され てい るかど うかを 確認し ます。デ ィレク トリ
サービスに 関するヘルプについて は、第 2 章「ディレクトリサービ ス」を参照して
ください。

m IP フィルタサービスが適切なポートにアクセスできるように設定されているかどう
かを確認します。それでもクライアントが接続できない場合、クライアントが FTP 受
動(passive )モードを使っていればそれがオフになっているかどうか確認します。受
動(passive)モードでは、FTP サーバは、動的に決定されるポートでクライアントに
対して接続を開きます。このポートが、IP フィルタサービスで設定されたポートフィ
ルタと競合する可能性があります。一般的な TCP および UDP ポートのリストについ
ては、301 ページの「Mac OS X コンピュータが使用するポート」を参照してください。

FTP サービスの仕様
使用許諾契約に応じた、最大接続ユーザ数(デフォ
ルトの設定では、実際のユーザが 50 で、 anonymous
ユーザが 50 です )。

1000

FTP ポート番号

21

ユーザの接続を解除するまでに許可されるログイン
の失敗の数

3

ファイルサービスに関するその他の情報
「Mac OS X Server 」のファイルサービスで使用されるプロトコルについて詳しくは、次の
参考資料を参照してください。

m AFP( Apple Filing Protocol): developer.apple.com/ja/index.html
m SMB( Server Message Block)プロトコル(Windows ファイルサービス):
www.samba.gr.jp

m FTP: FTP に関する RFC(Request for Comments)の書類は、次の Web サイトで見つける
ことができます。 www.faqs.org/rfcs/rfc959.html

RFC の書類には、プロトコルやサービスの概要が記載されていて、サーバの管理を始
めたばかりの 方にとって参考になりま す。また、詳細な技術情報も記 載されている
ので、経験豊富な管理者にとっても参考になります。RFC ドキュメントは、次の Web
サイトで番号で検索することができます。 www.faqs.org/rfcs

FTP に関する UNIX のマニュアルを入手するときは、「Mac OS X」で「Terminal」アプ
リケーションを開きます。プロンプトに「 man ftp」と入力し、return キーを押します。
「 Mac OS X」で「Terminal」ア
m NFS: NFS に関する UNIX のマニュアルを入手するときは、
プリケーションを開きます。プロンプトに「man nfs」と入力し、return キーを押します。
ファイルサービス

109

6
6

プリントサービス
プリントサービスとは ?
プリントサービスを使用すると、業界標準の LPR プリントプロトコルまたは Windows SMB
(Server Message Block)プロトコルを使ってプリントジョブを送信するクライアントユー
ザ間で、PostScript 互換のプリンタを共有することができます。
プリントサービスを管理するときは、次のアプリケーションが役立ちます。

m 「Print Center」アプリケーションを使って、共有したいプリンタを選びます。
m 「Mac OS X Server」の「プリント」モジュールを使って、プリントサービスの一般的
な設定および プリントキューの共有方法 を設定し、共有プリンタに送 信されたプリ
ントジョブを管理します。

m 「Server Admin」の「ログビューア」を使って、プリントジョブのアカウントに関する
情報を参照します。
この章では、まずこれらの作業の概要を説明してから、プリントサービスの設定方法お
よびトラブルへの対処法について説明します。

プリンタをサーバに接続する
「Mac OS X 」の「Print Center」アプリケーション(「Applications/Utilities」内)を使ってプ
リンタをサーバに「追加」し、共有し たい各プリンタのプリントキューを作成します。
「Print Center」を使って追加できる PostScript 互換プリンタであれば、任意のプリンタを
共有できます。
直接サーバに接続された PostScript 互換プリンタも共有することができます。この場合
は、プリンタにキューを追加する必要はありません。キューは、
「Print Center」を開いた
ときに自動的に作成されます。

111

ネットワークインタフェースを備えた共有 PostScript 互換プリンタは、 AppleTalk または
業界標準の(TCP/IP に基づいた)LPR プロトコルを使ってネットワークに接続すること
ができます。直接接続されたプリンタは、USB (Universal Serial Bus)接続を使用します。
Mac OS X Server

Ethernet

USB

LPR PostScript
プリンタ

AppleTalk
PostScriptプリンタ

PostScript
プリンタ

ネットワーク上でキューを共有する
LPR プロトコルまたは SMB プロトコルを使ってプリントジョブを送信するユーザが、共
有プリンタをネットワーク上で使用することができます。
Mac OS X Server

LPR

Mac OS Xユーザ
Mac OS 9ユーザ
UNIXユーザ
(「Print Center」を
(「デスクトップ・
使ってプリンタを選択) プリンタUtility」を
使ってプリンタを選択)

112

第 6章

SMB

Windows NT
およびWindows
2000ユーザ

Windows 95、
98、および
MEユーザ

Macintosh 、UNIX、および特定の Windows コンピュータ(「 Windows NT」や「Windows 2000」
など)はすべて LPR に対応しています。追加のソフトウェアをインストールする必要は
ありません。Windows コンピュータ(
「 Windows 95」、
「Windows 98」、および「Windows ME」
を含む)はすべて SMB に対応しています。
参考: LPR サポートが組み込まれていない Windows コンピュータでは、他社製の LPR ド
ライバを使用できます。

プリントキューとプリントジョブを管理する
ユーザが共有プリンタに送信したプリントジョブは、プリンタのキューに自動的に送ら
れます。これらのプリントジョブは、プリンタが利用可能になるか、または設定した基
準が 満た され るま で、保留に なり ます。た とえ ば、
「Server Admin 」の「プリ ント」モ
ジュールでは次の基準を設定することができます。

m キュー内のプ リントジョブの優先順 位を設定できます。優先順 位が「至急」に設定
されたジョ ブは、優先順位が「通常」または「低」に 設定されたジョブ より先にプ
リントされます。

m ジョブが指定 した時間にプリントされる ようにスケジュールを設 定できます。たと
えば、時間がかか るジョブは、深夜や早朝な ど、プリンタがあまり使用 されない時
間に自動的に開始するようにスケジュールを設定できます。

m プリントジ ョブを保留(無期延期)にする ことができます。たとえ ば、特定のジョ
ブの保留を解 除してプリントする前に、そ のユーザが、プリントの枚 数の上限や予
算を超えていないかどうかを確認する必要がある場合が考えられます。

プリントジョブを監視する
「Server Admin」の「プリント」モジュールの「プリントモニタ」を使用すると、プリン
タとそのジョブの最新状況を確認できます。特定のプリンタに、プリント待ちのジョブ
がたくさんあるかどうか、またはプリンタに問題が発生していないかどうかをひと目で
確認することができます。
「プリント」モジュールには「キューモニタ」もあります。こ れを使用すると、プリン
トキュ ーのジョブの 詳細を確認 できます。各ジョ ブについて、ジ ョブを送信し たユー
ザ、ページ数、および優先順位が表示されます。また、キュー内のジョブを保留または
削除したり、ジョブに優先順位を設定したりすることができます。
また、
「 Server Admin」の「ログビューア」を使って、プリントログを表示して、プリン
ト状況を追跡することもできます。プリントサービスログには、プリントサービスの開
始および停止やプリントキューの保留などのイベントが記録されます。プリントキュー
ごと のログ には、特定の プリン タにジ ョブを 送信した ユーザ やジョ ブのサ イズなど、
個々のプリントジョブに関する情報が記録されます。

プリントサービスを設定する前に
プリントサービスを設定する前に、特定のプリンタを次のユーザが使用するかどうかを
判断します。

m LPR プロトコルを使ってプリントジョブを送信するユーザ
m SMB プロトコルを使ってプリントジョブを送信するユーザ
プリントサービス

113

プリントサービスを初めて設定する
プリントサービスを設定するときは、キューを管理および共有したいプリンタを「Print
Center」を 使って追加し、「Server Admin 」の「プリント」モジュ ールを使って 各キュー
を設定 します。プリンタ を追加した後 は、キューまたは ジョブの管理 に「Print Center」
は使 用し ない でく ださ い。
「Print Center」では なく、「Server Admin 」の「プリ ント」モ
ジュールを使用します。
プリントサービスを設定するときは、次のように操作します。

手順 1 : プリンタを追加する
「Print Center」を使って、
「Mac OS X Server」で管理したい、USB 接続ではないプリンタを
それぞれ追加します。その方法については、
「Print Center」のオンスクリーンヘルプを参
照してください。プリンタを追加すると、そのプリントキューが自動的に定義されます。

手順 2 : プリントサービスを設定する
「Server Admin」の「プ リ ント」モ ジ ュ ー ルを 使 っ て、プリ ン ト サ ービ ス を 設定 し ま
す。利用可 能な設定の説 明について は、115 ページの「プ リントサービ スの一般設定」
を参照してください。

手順 3 : プリントキューを設定する
「Server Admin」の「プリント」モジュールを使って、追加したプリンタごとにキューを
設定します。プリントキューの設定の説明については、 116 ページの「プリントキュー
の設定」を参照してください。

手順 4 : プリントサービスを開始する
プリントサービスが動作中でない場合は、
「プリント」をクリックし、
「プリントサービ
スを開始」を選びます。
「 Mac OS X Server 」の起動時にプリントサービスが自動的に開始
するように設定することができます。その手順については、115 ページの「プリントサー
ビスの一般設定」を参照してください。

手順 5 : Windows サービスを開始する(省略できます)
SMB を使ってプリントジョブを送信する Windows ユーザがプリントできるようにすると
きは、Windows サービスが動作中で、1 つ以上のプリントキューで SMB が使用可能であ
ることを確認します。Windows サービスについて詳しくは、93 ページの「Windows サー
ビス」を参照し てください。SMB ユー ザ用にプリントキ ューを共有する方 法について
は、116 ページの「プリントキュ ーの設定」を参照してください。新規キューを作成し
たときに、自動的にそのキューで SMB を使ってプリントできるようにする方法につい
ては、115 ページの「プリントサービスの一般設定」を参照してください。
手順 6 : クライアントコンピュータからプリントを設定する
手順 3 で設定したキューに対して Mac OS 8、Mac OS 9、および Mac OS X コンピュータか
らプリント設定を行う手順については、プリントサービスに関するオンスクリーンヘル
プを参照してください。
114

第 6章

プリントサービスの設定
プリントサービスの設定にアクセスするときは、
「 Server Admin」で「ファイルとプリン
ト」タブをクリックし、「プリント」をクリックして、適切なコマンドを選びます。

プリントサービスの一般設定
プリン トサービスの 一般的な動作 を制御する 設定にアクセ スするときは、「プリント」
をクリックし、「プリントサービスを設定」を選びます。

システム起動時にプリントサービスを開始する
サーバの起動時にプリントサービスを自動的に開始したい場合は、このオプションを選
びます。

Windows プリント用に新規キューを自動的に共有する
「 Print Center」を使って作成さ
SMB プロトコルを使ってプリントする Windows ユーザが、
れた新規プリントキューを自動的に使用できるようにしたい場合は、このオプションを
選びます。このオプションを選ぶ場合は、Windows サービスが動作中であることを確認
してください。Windows サービスについて詳しくは、93 ページの「 Windows サービス」
を参照してください。
LPR のデフォルトキュー
キュー名が指定されていない LPR プリントジョブが送信された場合に使用したいキュー
を選びます。ユーザがプリンタ名を指定せずに、サーバのドメイン名または IP アドレ
スを使 ってジョブを 送信した場 合、そのジョブに キュー名は ありません。デフ ォルト
キューを使用すれば、クライアントコンピュータでは、キュー名を指定する必要がない
ため、プリント設定を簡略化できます。
サーバのログ
プリント サービスのロ グをアーカイ ブに保存して 新しいログを 開始する頻度 を指定す
るときは、このオプションを選び、日数を入力します。
キューのログ
各プリン トキューのロ グをアーカイ ブに保存して 新しいログを 開始する頻度 を指定す
るときは、このオプションを選び、日数を入力します。
プリントサービス

115

プリントキューの設定
キューの共有方法を管理し、キュー内の新規ジョブをプリントするデフォルトの時刻を
指定するときは、
「プリントモニタ」ウインドウでキュー名を選び、
「編集」ボタンをク
リックします。
(「プリントモニタ」のウインドウを開くときは、
「ファイルとプリント」
タブで「プリント」をクリックし、「プリントモニタを表示」を選びます。
)

キュー名
「Print Center」でプリンタを追加すると、そのプリンタ名と同じ名前のキューが作成され
ます。「キュー名」フィールドに名前を入力することによ って、共有に使用するキュー
名を必要に応じて変更できます(たとえば、ユーザには別のキュー名を表示したい場合
など)。キュー名を入力しても、
「Print Center」でのキュー名は変更されません。
キューを使ってプリントを行うユーザにプリンタ名の制限がある場合は、キュー名を変
更した方がよいこともあります。たとえば、Windows クライアントによっては名前が半
角英数文字で 12 文字までに制限されている場合があり、LPR クライアントによっては空
白が含まれる名前に対応していない場合があります。
プリンタ
これは「Print Center」でのキュー名です。
キューの共有

LPR プロトコルを使ってジョブを送信するユーザがキューを利用できるようにする場合
は、
「LPR」を選びます。デフォルトの設定では、すべての新規プリントキューで LPR が
選択されます。

116

第 6章

SMB プロトコルを使ってジョブを送信する Windows ユーザがキューを利用できるように
す る場 合は、「Windows printing(SMB)」を 選び ます。こ のオ プシ ョン を選 ぶ場 合は、
Windows サービスが動作中であることを確認してください。 Windows サービスについて
詳しくは、93 ページの「Windows サービス」を参照してください。新規のキューに対し
て、自動的にそ のキューで SMB を使ってプリ ントできるように する方法については、
115 ページの「プリントサービスの一般設定」を参照してください。
PostScript 互換ではないプリンタの場合、これらのチェックボックスは使用できません。
ドメインの中の LPR キューの共有

NetInfo の共有ドメインにプリントキューを追加すると、そのドメインにアクセスするよ
うに設定された Mac OS X コンピュータのユーザは、
「Print Center」のディレクトリサー
ビス一覧からキューを選ぶことによって、そのキューを使ってプリントを行うことがで
きるようになります。
共有ドメインにプリントキューを追加するときは、ポップアップメニューから共有ドメ
インを選び、ドメインが置かれているサーバの管理者のユーザ名とパスワードを入力し
ます。NetInfo の共有ドメインにキューを追加したくない場合は、
「なし」を選びます。

NetInfo ドメインでの LPR キューの共有を設定した後は、サーバで「 Print Center」を使っ
て、ディレクトリサービスの一覧からキューを選んでキューを追加しないでください。
ジョブの優先順位
このキュ ー内の新規の プリントジョ ブに割り当て たいデフォル トの優先順位 を選びま
す。ジョブは優先順位に従っ てプリントされます。
「至急」の ジョブが最初にプリント
され、次に「通常」のジョブ、「低」のジョブの順にプリント されます。プリントジョ
ブの設 定を使って、個別 のジョブのデ フォルトの優 先順位を上書 きすることが できま
す。その方法については、以下の「プリントジョブの設定」を参照してください。
保留
キューに送信されるすべて の新規ジョブのプリントを延期するときは、「保留」を選び
ます。ジョブをプリントする時刻を指定するか、またはプリントを無期延期にすること
ができます。

プリントジョブの設定
特定のジョブをプリントする時刻を設定するときは、
「キューモニタ」ウインドウでその
名前を選び、
「優先順位」ボタンをクリックします。
(
「キューモニタ」を開くときは、
「プ
リントモニタ」ウインドウでキューを選び、
「キューモニタを表示」をクリックします。)

プリントサービス

117

ジョブの優先順位
ジョブ に割り当てた い優先順位 を選びます。「至急」のジョ ブが最初に プリントされ、
次に「通常」のジョブ、「低」のジョブの順にプリントされま す。キュー内で同じ優先
順位が割り当てられている場合は、ジョブは古い順にプリントされます。
保留
ジョブのプリントを延期 するときは、
「保留」を選びます。ジ ョブをプリントする日時
を指定するか、またはプリントを無期延期にすることができます。ジョブの保留を解除
するときは、
「保留」の選択を解除するか、
「キューモニタ」ウインドウで「解除」をク
リックします。ジョブは、キュー内で同じ優先順位が割り当てられた、保留になってい
ないその他のジョブの後でプリントされます。保留になっていないジョブがプリントさ
れるのは、そのキューが保留になっていない場合だけです。

プリントサービスに関する問題を解決する
プリントに関する問題を解決または回避するときは、次の方法を試してください。
プリントサービスが開始しない場合:

m サーバの起動時にプリントサービスが自動的に開始するように設定したい場合は、
「プリントサービスを設定」ウインドウで「システム起動時にプリントサービスを開
始する」チェックボックスにチェックマークが付いていることを確認します。

m サーバのシリ アル番号が正しく入力され ていて、有効期限が過ぎてい ないことを確
認するときは、
「一般」タブをクリックし、
「サーバ情報」をクリックして、
「サーバ
情報を表示」を選びます。

m プリントサービスログで追加情報を確認するときは、
「一般」タブをクリックし、
「ロ
グビューア」をクリックして、
「プリントサービス」を選びます。
「ログビューア」ウ
インドウでサーバのログを選びます。
ユーザがプリントできない場合:

m プリントサービスが動作中であることを確認します。
m 「プリントモニタ」ウインドウを開いて、ユーザがプリントしているキューがあるこ
とを確認します。Mac OS 8 または Mac OS 9 コンピュータの場合は、
「デスクトップ・
プリンタ Utility」を使ってプリンタ設定が正しいことを確認します。

m ユーザがプリントしているキューが、正しく共有されていることを確認します。SMB
を使用するのは、Windows ユーザだけです。LPR は標準のプロトコルで、Macintosh や
UNIX などのコンピュータだけでなく、
(一部の)Windows コンピュータのユーザがプ
リントするために使用できます。

m 「Mac OS 8」と「 Mac OS 9 」のクライアントの場合は、TCP/IP が正しく設定されている
ことを確認します。

m Windows NT 4.x のクライアントがサーバに対してプリントできない場合は、キュー名
が、プリンタまたはサーバの TCP/IP アドレスになっていないことを確認します。プ
リンタまたはサーバのアドレスではなく DNS ホスト名を使用するか、DNS ホスト名
がない場合は、英数字のみを含むキュー名を入力します。
118

第 6章

プリントジョブが受け付けられ、エラーメッセージも表示されないが、プリントされな
い場合:

m 「プリントモニタ」ウインドウをチェックして、キューが保留になっていないことを
確認します。

m プリンタが、サー バ、またはサーバが接続され ているネットワークに 接続されてい
ることを確認します。

m プリンタの電 源が入っていることと、プ リンタ自体に問題(用紙切 れ、紙詰まりな
ど)がないことを確認します。

m プリントログ で詳しい情報を確認しま す。「一般」タブ をクリックし、「ログビュー
ア」をクリック して、
「プリン トサービス」を選びま す。
「ログビュー ア」ウインド
ウで、サ ーバの ログ を選ん でプリ ント サービ スのロ グ全 般を確 認す るか、ま たは
キュー名を選んで特定のプリンタのログを確認します。

プリントサービス

119

7
7

Web サービス
Web サービスとは ?
「Mac OS X Server 」の Web サービスは、統合されたインターネットサーバソリューション
を提供します。Web サービスは簡単に設定して管理できるので、経験豊富な Web 管理者
でなくても複数の Web サイトを設定し、Web サーバの設定と監視を行うことができます。
「Mac OS X Server 」
の Web サービスでは、
オープンソースの HTTP Web サーバである Apache
を使用しています。
「AppleShare IP」をお使いの方、および初めて Web 管理者になった方
でも、
「Server Admin」を使って Web サービスを管理できるので、高度な設定や設定ファ
イルについての知識は必要ありません。Apache を熟知している Web 管理者の方であれ
ば、Apache の高度な機能を使って Web サービスを管理することができます。
さらに、Mac OS X Server「Mac OS X Server」の Web サービスには高性能のフロントエンド
キャッシュが含まれており、更新されない HTML ページを扱う Web サイトの性能を向上
させる ことができま す。このキャッ シュによって、サ ーバは要求 されるたびに 静的な
データにアクセスする必要がなくなります。

Web サービスには、WebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning)のサポートも
含まれています。WebDAV 機能を使用すると、クライアントユーザはサイトが稼働中に
Web ページをチェックアウトし、変更を加え、チェックインして戻すことができます。
また、WebDAV には豊富なコマンドセットが用意されています。これによって、
「Mac OS
X」がインストールされているクライアントコンピュータは、WebDAV 対応の Web サーバ
をファイルサーバであるかのように使用できます。

Web サービスを設定する前に
このセクションには、初めて Web サービスを設定する前に知っておく必要のある情報が
記載されています。経験豊富な Web 管理者の方も、これまでと違った機能や動作が説明
されている可能性がありますので、このセクションをお読みください。

121

Web サービスを設定する
「Server Admin」を使って、使用頻度の高い Web サービスの機能のセットアップと設定を
行うことができます。Apache を熟知していて、「Server Admin」にはない Apache の Web
サーバの機能を使用する必要がある場合は、適宜設定ファイルを変更することができま
す。ただし、アップル社では Apache の設定ファイルの変更に関する技術サポートは提
供していません。ファイルを変更する場合は、必ず最初にバックアップコピーを作成し
てください。このようにすると、問題が発生したときにそのコピーを使って元に戻すこ
とができます。

Apache モジュールについて詳しくは、Japan Apache User Group の Web サイト
(www.apache.or.jp)を参照してください。

セキュリティで保護されたトランザクションを提供する
サ ーバ 上の トラ ンザ クシ ョン をセ キュ リテ ィで 保護 する と きは、SSL( Secure Sockets
Layer )保護を設定します。SSL を使うと、暗号化された認証済みの情報をインターネッ
ト経由で送信できます。たとえば、Web サイトでクレジットカードのトランザクション
を行う場合に、サイトで送受信される情報を SSL を使って保護することができます。
セキュリティで保護されたトランザクションの設定方 法について詳しくは、142 ページ
の「SSL(Secure Sockets Layer )サービスを設定する」を参照してください。

Web サイトを設定する
Web サイトを開設する前に、次の作業を行う必要があります。

m ドメイン名をドメイン名管理機関に登録します
m サーバに Web サイト用のフォルダを作成します
m 作成したフォ ルダに、ユーザが接続したとき に表示されるデフォルト のページを作
成します

m インターネットに接続する場合は、DNS サービスを適切に設定します(イントラネッ
ト上のサイトの場合は DNS は必要はありません)
サイ トの準 備が できた ら、
「Server Admin」を使 って公 開(使用可 能に)しま す。
「 Web
サービスを設定」ウインドウの「サイト」パネルでは、新しいサイトを追加したり、開
設した各サイトのさまざまな設定を選んだりすることができます。サイトの設定につい
て詳しくは、130 ページ以降の 説明をお読みください。また、サイトの設定時に行う作
業のいくつかについては、「Server Admin ヘルプ」も参照してください。

複数の Web サイトを運用する
Web サーバ上で複数の Web サイトを同時に運用することができます。サイトの設定に
よって、各サイトのドメイン名、IP アドレス、またはポートを同じにすることもできま
す。ただし、ドメイン名、IP アドレス、およびポートの組み合わせは一意に割り当てる
必要があり ます。使用するドメイン 名は、ドメイン名管理機 関(InterNIC )に登録する
必要があります。登録していないと、そのドメイン名に関連付けられている Web サイト
をインターネットで見ることはできません。(追加登録名ごとに登録料がかかります。
)
122

第 7章

複数のドメイン名と 1 つの IP アドレスを使って Web サイトを設定する場合、HTTP1.1 以
上に対応していない古いブラウザでは、そのサイトにアクセスできません(ブラウザで
「Host」リクエストヘッダが無視されます)
。この問題を避けたい場合は、1 つの IP アド
レスにつき 1 つのドメイン名を使ってサイトを設定してください。

WebDAV のセキュリティを理解する
WebDAV を使用すると、ユーザはサイトが稼働中でも Web サイトのファイルを更新でき
ます。WebDAV を使用する場合は、ユーザが更新するサイト内のファイルとフォルダに
対して、Web サーバが書き込みのアクセス権を持っている必要があります。このように
アクセス権を設定すると、サイトの管理者がほかのサイトを変更できる可能性があるた
め、そのサーバでほかのサービスを実行している場合、セキュリティ上の重要な問題に
なる可能性があります。
この問題は、
「 Server Admin」の「共有」モジュールを使ってサイトのファイルに適切な
アクセス権を設定することで回避できます。
「Mac OS X Server」では、Apache プロセスが
属する「www」というグループが「ユーザとグループのリスト」に追加されます。この
www グループには、Web サイト内のファイルへの「読み出し/書き込み」のアクセス権
を与える必要があります。また、Web サイト管理者(オーナー)に「読み出し/書き込
み」のアクセス権を与え、「全員」には「なし」を与えます。

Web サイトのセキュリティに不安がある場合は、WebDAV の代わりに Apple ファイルサー
ビスまたは FTP サービスを使って Web サイトのコンテンツを変更するようにします。
WebDAV のアクセス権について詳しくは、149 ページの「WebDAV の保護領域とアクセス
権を理解する」を参照してください。

Web サービスを初めて設定する
Web サービスを初めて設定するときは、次の手順に従って行います。これらの作業の実
行について詳しくは、Web サービスのヘルプを参照してください。

手順 1 :「Documents」フォルダを設定する
サーバソフトウェアをインストールすると、
「Documents」というフォルダが自動的に作
成されます。
「Documents」フォルダには、Web サイトを通じて利用できるようにする項
目を保存します。情報を整理したいときは、
「Documents」フォルダの中にフォルダを作
成できます。このフォルダは、次のディレクトリにあります。

/Library/WebServer/Documents
また、登録ユー ザのホームディレク トリにはそれぞれ、「Sites」フォルダが 作成されま
す。このフォルダに保存した画像や HTML ページは、次の URL で提供されます。

http://server.example.com/~username/

Web サービス

123

手順 2 : デフォルトのページを作成する
ユーザが Web サイトに接続すると、必ずデフォルトのページが表示されます。ソフト
ウェ アを イン ストー ルし た初 期の状 態で は、
「Documents」フ ォル ダ内の「 index.html」
ファイルがデフォルトのページになります。このファイルを自分の Web サイトの最初の
ページと置き換えて、「index.html」という名前を付けます。別のファイル名を使用した
い場合は、必ずサイトの設定ウインドウの「一般」パネルでデフォルトの書類名を変更
してください。

Web サイトの設定について詳しくは、 130 ページの「Web サイトの設定」を参照してく
ださい。

手順 3 : Web サイトにアクセス権を割り当てる
サーバで実行する Apache のプロセスには、Web サイトのファイルとフォルダへのアク
セス権が 与えられている 必要があります。こ のアクセス権を 与えるために、「Mac OS X
Server」によって、Apache プロセスが属する「www」というグループがサーバの「ユー
ザとグループ」データベースにイン ストールされます。この www グループには、 Web
サイトのファイルへの「読み出し専用」のアクセス権を与える必要があります。これに
よって、ユーザがサイトに接続したときに、www グループが Web サイトのファイルを
ブ ラウ ザに 転 送で きる よう に なり ます。ア ク セス 権の 割 り当 てに つ いて 詳し くは、
第 4 章「共有」を参照してください。

手順 4 : Web サービスを設定する
デフォルトの設定は、1 つの Web サイトを運用するほとんどの Web サーバで、そのまま
使用することができます。Web サービスと Web サイトの基本的な機能はすべて「Server
Admin 」で設定で きます。詳しい 設定オプシ ョンについ ては、147 ペ ージの「Apache
の詳しい設定」を参照してください。
ユーザの Web サイトを運用するときは、少なくとも 1 つの Web サイトを設定する必要
があります。その Web サイトの設定を、サーバ上のすべてのユーザ Web サイトに適用
したい場合は、デフォルトのサイトを「/Users」に設定する必要があります。
「 Web サービスを設定」を選び
設定を表示するときは、
「 Web サービス」をクリックし、
ます。必要に応じてサーバと Web サイトの設定を選びます。これらの設定について詳し
くは、125 ページの「 Web サービスの設定」を参照してください。

手順 5 : Web サービスを開始する
「Web サービス」をクリックし、
「 Web サービスを開始」を選びます。サービスが稼働中
のときは、「Web サービス」のアイコンに地球のマークが表示されます。
重要 Web サーバを開始および停止するときは、常に「Server Admin」を使用してくださ
い。コマンドラインから Web サーバを開始しても、
「Server Admin」は Web サーバを停止
できず、Web サーバの稼動状態も認識しません。

手順 6 : Web サイトに接続する
Web サイトが正常に稼動していることを確かめるときは、ブラウザを開いて、インター
ネット経由で自分の Web サイトに接続してみます。Web サイトが正常に稼動していない
場合は、149 ページの「 Web サービスに関する問題を解決する」を参照してください。
124

第 7章

Web サービスの設定
「Web サービスを設定」ウインドウでは、Web サーバと Web サイトのすべてのオプション
を設定および変更することができます。
「 Web サービスを設定」ウインドウを表示すると
きは、
「 Server Admin」の「Web サービス」ボタンをクリックし、「Web サービスを設定」
を選びます。5 つのタブのいずれかをクリックして、そのタブのパネルの設定を表示し
ます。以下のセクションでは、各パネルで使用できる設定について個別に説明します。

Web サービスの一般設定
自動 的に開 始するオ プショ ンなど、サ ーバの 一般的な オプシ ョンを 設定す るときは、
「Web サービスを設定」ウインドウの「一般」パネルを使います。

システム起動時に Web サービスを開始する
サーバの起動時に Web サービスを開始するときは、このオプションを選びます。通常
は、このオプションを選択しておくことをお勧めします。選択されていれば、電源が切
れたり、その他の不測の事態が発生してサーバが再起動した場合でも、Web サービスを
利用できます。
フォルダの詳細リストを表示する

Web サイトのフォルダの内容に関するフォーマット済みのリストを表示するときは、こ
のオプションを選びます。ユーザがサイトの URL に接続すると、通常はデフォルトの
Web ページ(「index.html 」など)が表示されます。デフォルトの Web ページが存在しな
い場合、Web サイトでフォルダのインデックス作成が許可されていると、フォルダの内
容のリストがユーザに表示されます。サイトのフォルダのリスト表示を許可する方法に
ついては、131 ページの「 Web サイトの一般設定」を参照してください。

Web サービス

125

SSL サポートを有効にする

Web サイトに安全に接続するには、このオプションを選びます。SSL を使用可能にする
場合は、各サイトのポート番号を 443 に変更する必要があります。
SSL を使用可能にするには、あらかじめ認証プロバイダから証明ファイルを入手し、SSL
サービスを設定しておく必要があります。詳しくは、142 ページの「SSL( Secure Sockets
Layer )サービスを設定する」を参照してください。
WebDAV サポートを開始する
ユーザが WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)を使用できるようにした
いときは、このオプションを選びます。WebDAV を許可する場合は、各 Web サイトに「保
護領域」を設 定して、サイトを変 更できるユーザ を管理する必 要もあります。WebDAV
の使用について詳しくは、149 ページの「 WebDAV の保護領域とアクセス権を理解する」
を参照してください。
同時接続の最大数
サーバの 1 つの Web サイトで同時に受け付けられる接続の最大数を入力します。デフォ
ルトの最大値は 500 です。サーバでの同時接続が最大数に達すると、その後の接続要求
に対しては、サーバがビジー状態であることを示すメッセージが表示されます。
持続的な接続の最大数
クライアントコンピュータが 1 つの接続で作成できる接続要求の最大数を入力します。
固定接続を使用すると、サーバが、1 つの接続で複数のトランザクションを処理できる
ようになります。これによって、サーバの性能を向上させることができます。1 つの接
続に許可する要求数を制限したくない場合は、ゼロに設定します。しかし、デフォルト
設定の 500 を使うと、性能が向上します。
参考: このオプションを使用する場合は、パフォーマンスキャッシュを無効にする必要
があります。
接続タイムアウト

Web サーバによってセッションが切断されるまでの秒数を入力します。この時間を経過
しても要求 がない場合はセッシ ョンが切断されます 。このオプション を使用する場合
は、パフォーマンスキャッシュを無効にする必要があります。

126

第 7章

Web サービスのサイトの設定
「サイト」パネルには、Web サイトの一覧と、それぞれのサイトに関するいくつかの基
本的な情報が表示され ます。
「サイト」パネルは、新しいサ イトを追加、または既存の
サイトの設定を変更する場合に使用します。「サイト」パネルを表示するときは、
「 Web
サービス」をクリックし、
「Webサービスを設定」を選び、
「サイト」
タブをクリックします。

有効
サイトを有効または無効にするときは、このチェックボックスを使用します。デフォル
トでは、新しいサイトを作成したときに、このチェックボックスにチェックマークが付
けられます。サイトを無効にした場合、設定はそのまま保持されますが、サイトに送信
された要求は無視されます。
追加と複製
新しい Web サイトをリストに追加し、そのサイトの設定を行うときは、「追加」ボタン
をクリックします。または、新しいサイトで必要な設定がほとんど指定されている Web
サイトを選び、「複製」をクリックして複製サイトを作 成します。その後、複製サイト
の設定を変更して、新しいサイトとして保存することができます。
編集
サイトを変更するときは、Web サイトを選び、
「編集」をクリックします。Web サイト
の設定について詳しくは、130 ページの「 Web サイトの設定」を参照してください。
削除
リストから Web サイトを取り除きたいときは、Web サイトを選び、「削除」をクリック
します。この操作によって「Web サービスを設定」リストから目的の Web サイトの名前
と設定が削除されますが、サーバから Web サイトとその内容が取り除かれることはあり
ません。
Web サービス

127

Web サービスの MIME タイプの設定
MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)とは、ファイルの内容を記 述するためのイン
ターネットの規格です。
「MIME タイプ」パネルでは、ブラウザが特定のファイルタイプ
Web
サーバがどのように応答するかを設定できます。 MIME タイプ
を要求したときに、
と MIME タイプマッピングについて詳しくは、141 ページの「MIME( Multipurpose Internet
Mail Extension)を理解する」を参照してください。
「MIME タイプ」パネルを表示するときは、
「Web サービス」をクリックし、
「Web サービ
スを設定」を選び、「MIME タイプ」タブをクリックします。

拡張子
「拡張子」
は、オーディオ、テキスト、ビデオなど、
ファイル内のデータの種類を表します。

Web サーバの動作
「Web サーバの動作」は、Web サーバが特定の拡張子を持つファイルの要求を受信した
ときに、どのように動作するかを指定します。動作、応答、またはその両方を指定でき
ます。
追加、編集、複製、および削除
新しい MIME タイプを作成するとき、または既存の MIME タイプを変更するときは、こ
れらのボタンをクリックします。

128

第 7章

Web サービスのプロキシの設定
Web サーバをユーザのプロキシとして使用すると、アクセス頻度の高い Web サイトを
キャッシュに保存してサー バの性能を向上させることができます。「プロキシ」パネル
「Web サービスを設定」を選び、
「プ
を表示するときは、
「 Web サービス」をクリックし、
ロキシ」タブをクリックします。

プロキシを使用する
サーバ をユーザのプ ロキシとして 使用するとき は、このチェック ボックスを使 用しま
す。サーバをプロキシとして使用すると、たとえば、授業の課題で生徒全員が同じ Web
サイトにアクセスするような場合に役に立ちます。生徒全員が同時に接続しようとする
と、サーバは、接続要求を統合し接続先のサイトをキャッシュするので、性能が向上し
ます。プロキシサービスを使用するときは、クライアントユーザの Web ブラウザの環境
設定で、使用する Web サーバをプロキシサーバとして指定する必要があります。
最大キャッシュサイズ
クライアントコンピュータが要求したほかのWebサイトをキャッシュするために使用す
るディスク容量の最大値を入力します。キャッシュは、低速のインターネット接続での
性能を 最適化するた めに役立ち ます。キャッシュ が最大のサ イズに達する と、キャッ
シュフォルダから最も古いファイルが削除されます。
キャッシュフォルダ
キャッシュの保存場所として使用するフォルダのパスとフォルダ名を入力します。ファ
イルサービスが稼動中の場合、またはサーバで「Server Admin 」を使用している場合は、
「選択」ボタンをクリックして目的のフォルダを検索することができます。

Web サービス

129

下に表示したホストへのアクセスをブロック
「追加」ボタンをクリックし、キャッシュしたくない Web サイトのドメイン名または IP
アドレスを入力します。サーバがクライアントユーザの Web ブラウザでプロキシサーバ
として指定されている限り、このリストに追加したサイトはキャッシュされません。好
ましくない Web サイトをここに指定することをお勧めします。
読み込み
キャッシュしたくない Web サイトのリストを読み込むときは、このボタンをクリックし
ます。リストはテキストファイルでなければなりません。また、ホスト名が余白(ライ
ン、スペース、またはタブ)で区切られている必要があります。
書き出し
ブロッ クするホスト のリストをテ キストファイ ルに書き出す ときは、このボタ ンをク
リックします。

Web サイトの設定
Web サイトの設定には、サイトの設定ウインドウを使用します。このウインドウを開く
ときは、「Web サービス」をクリックし、「Web サービスを設定」を選び、「サイト」タ
ブをクリックします。新しい サイト用のウインドウを開くときは、「追加」をクリック
します。既存のサイト用のウインドウを開くときは、リストで目的のサイトを選び「編
集」または「複製」をクリックします。
設定のウインドウには、次の 4 つのパネルがあります。「一般」
、「ログ」
、「アクセス」
、
および「セキュリティ」です。このウインドウで設定した内容は、Web サイトに個別に
適用されます。Web サービス全体に適用されることはありません。ただし、一部の設定
は、Web サービスの設定に依存します。たとえば、ある Web サイトで SSL を使用可能に
する場合は、Web サービスでも SSL を使用可能にする必要があります。これらの 3 つの
パネルの設定について、次に説明します。

130

第 7章

Web サイトの一般設定
名前やポート番号などの一般的なオプションをサイトごとに設定するときは、サイトの
設定ウインドウの「一般」パネルを使用します。Web サイトの「一般」パネルを表示す
「Web サービスを設定」を選び、
「サイト」タ
るときは、
「Web サービス」をクリックし、
ブをクリックします。
「追加」をクリックするか、あるいはサイトを選んでから「編集」
または「複製」をクリックします。

名前
サイトの省略しないドメイン名を入力します。ホスト名のみを入力するのではありませ
ん。たとえば、server.apple.com が省略していない完全なドメイン名です。

IP アドレス
サイトの IP アドレスを入力します。運用する Web サイトごとに、 IP アドレスとポート
番号の一意の組み合わせか、ま たはサーバの別のホスト名を指定する必要があります。
異なる IP アドレスを設定した場合は、複数の IP アドレスの IP パケットを受け付けるよ
うにサーバコンピュータを設定しなければなりません。複数の IP アドレスの割り当て
について詳しくは、305 ページの「ポートに複数の IP アドレスを設定する」を参照して
ください。

Web サービス

131

ポート
このサイトへの接続に使用するポートを選びます。サーバのデフォルトでは、サーバの
Web サイトへの接続にはすべてポート 80 が使用されますが、Web サイトごとに使用す
るポートを変更することができます。最大 8999 までの任意のポート番号を選ぶことが
できます。ただし、ほかのサービス(FTP、 Apple ファイル共有、SMTP 接続など)が使
用していないポートを選ぶようにします。
このサイトで SSL を使用可能にする場合は、SSL のデフォルトの HTTPS ポートであるポー
ト 443 を使用してください。TCP ポートと UDP ポートの番号のリスト、およびそれらの
ポートを使用するサービスについては、301 ページの「 Mac OS X コンピュータが使用す
るポート」を参照してください。

Web フォルダ
このサ イトのルート として使用し たいディレク トリへのパス を入力します。フ ァイル
サービスが稼動中の場合、またはサーバで「Server Admin 」を使用している場合は、
「選
択」をクリックして目的のフォルダを参照することができます。
デフォルトの書類名
ユーザが ファイル名で はなくドメイ ン名またはデ ィレクトリ名 でサイトに接 続したと
きに、表示するファイルの名前を入力します。ソフトウェアをインストールした初期の
状態では、デフォルトの書類名は「index.html」です。デフォルトの書類がない場合は、
ディレクトリのリストが表示されます(ディレクトリのリスト表示が許可されている場
合)。詳しくは、125 ページの「フォルダの詳細リストを表示する」、および以下の「パ
フォーマンスキャッシュを使用する」オプションの説明を参照してください。
参考:「デフォルトの書類名」フ ィールドには、複数のファイル名を指定できます。ス
ペースを含むファイル名は、引用符で囲む必要があります。各ファイル名はスペースで
区切ります。
パフォーマンスキャッシュを使用する

Web サイトに更新されない HTML ファイルがあり、そのページの利用率が高いことが予
想される場合は、このオプションを選びます。Web ページのほとんどが動的に更新され
る場合は、キャッシュを使用可能にしないでください。パフォーマンスキャッシュにつ
いて詳しくは、148 ページの「動的な Web ページのキャッシュを無効にする」を参照し
てください。
フォルダのリスト表示を許可する
ユーザがこのサイトに接続したときに、デフォルトの書類の代わりに Web フォルダの内
容のリストを表示したい場合は、このオプションを選びます。リスト表示を許可してい
ない場合で、デフォルトの Web ページが存在しないときは、アクセスが拒否されたこと
を知らせるメッセージが表示されます。

WebDAV を許可する
「Web サービスを
このサイトで WebDAV を使用するときは、このオプションを選びます。
設定」ウインドウの「一般」パネルでも、WebDAV を使用可能にする必要があります。
132

第 7章

CGI の実行を許可する

Web フォルダに保存されている CGI (Common Gateway Interface)プログラムを実行した
いときは、このオプションを選びます。 CGI プログラム について詳しくは、140 ページ
の「CGI (Common Gateway Interface)スクリプトを使用する」を参照してください。
管理者のメールアドレス
クライアントに送信されるすべてのエラーメッセージで、返信用メールアドレスとして
使用するアドレスを入力します。Apache のデフォルトのエラーページには、指定するア
ドレスへのリンクが含まれます。クライアントユーザは、Web サイトに関する問題が発
生したときに、このリンクを使ってフィードバックを返すことができます。

Web サイトのログの設定
サイトの設定ウインドウの「ログ」パネルでは、サイトごとにログを設定し、記録を許
可することができます。
「ログ」パネルを表示するときは、
「Web サービス」をクリック
し、
「 Web サービスを設定」を選び、
「サイト」タブをクリックします。
「追加」をクリッ
クするか、あるいはサイトを選んでから「編集」または「複製」をクリックします。次
に、「ログ」タブをクリックします。

アクセスログを許可する

Web サイトにア クセスがあ るたびにロ グ項目を作 成するとき は、この欄を クリックし
ます。

_ 日ごとにアーカイブを作成する
各ログファイルにイベントを記録する期間を日数で入力します。指定した期間が過ぎる
と、現在のログが保存され、そのファイル名に日付が追加されます。また、新しいログ
ファイルでの記録が開始されます。
Web サービス

133

場所
ログファイルを保存したい場所のパスとファイル名を入力します。ファイルサービスが
稼動 中の 場合、また はサ ーバで「 Server Admin」を使 用し ている 場合 は、
「選 択」をク
リック して目的の場 所を参照する ことができま す。ログファイル のデフォルト の場所
は、「/var/log/httpd/」です。
エラーログを許可する
この Web サイトで発生したエラーをログに記録するときは、この欄をクリックします。

Web サイトのアクセスの設定
サイトの設定ウインドウの「アクセス」パネルでは、
「保護領域」、つまりサイト内の場
所を設定できます。WebDAV を許可しているときは、サイトが稼動中でも、ユーザはこ
れらの「保護領域」に対して表示または変更を行うことができます。保護領域の作成と
アクセス権の割り当てについて詳しくは、149 ページの「WebDAV の保護領域とアクセス
権を理解する」を参照してください。
「アクセス」パネルを表示するときは、
「Web サービス」をクリックし、
「Web サービス
を設定」を選び、
「サイト」タブをクリックします。
「追加」をクリックするか、あるい
はサイ トを選ん でから「編集」ま たは「複製」をク リックし ます。次に、「アクセス」
タブをクリックします。

134

第 7章

保護 領域を選 んで「編集」また は「複製」をクリ ックする か、あるいは「追 加」をク
リックし、次の図に表示されたパネルを使って新しい保護領域を定義します。

保護領域名
ユーザがログインしたときに表示される名前を入力します。デフォルトの保護領域名は
Web サイトの名前です。保護領域には、固有の名前を使用することをお勧めします。
フォルダ
アクセスを制限したい Web サイト内の場所へのパスを入力します。ファイルサービスが
稼動 中の 場合、また はサ ーバで「 Server Admin」を使 用し ている 場合 は、
「選 択」をク
リックして目的の場所を参照することができます。
全員
このチェックボックスをクリックし、全員に設定したいアクセスレベルを選びます(全
員とは、Web サイトにアクセスできる任意のユーザです ) 。
「ブラウズ可能」または「ブ
ラウズ とオーサリン グ可能」のいず れかを選びま す。選択したア クセスレベル に応じ
て、その他の設定を選びます。

m このチェック ボックスにチェックマ ークを付け、「ブ ラウズ可能」を選んだ場合は、
「オーサリングもできるユーザとグループ」リストが下に表示されます。このリスト
を使って、特定のユーザにオーサリングの許可を設定します。

m このチェックボックスにチェックマークを付け、「ブラウズとオーサリング可能」を
選んだ場合は、追加設定するアクセス権がないため、
「ユーザとグループ」リストが
隠されます。

m このチェック ボックスにチェックマーク を付けない場合は、ポップア ップメニュー
が使用できなくなり、
「ブラウズとオーサリングができるユーザとグループ」リスト
が下に表示さ れます。このリストを使って、特 定のユーザにブラウズ またはオーサ
リングの許可を設定します。
Web サービス

135

ユーザとグループ
このリストを使用して、特定のユーザにブラウズとオーサリングの許可を与えることが
できます。このリストは、全員にブラウズの許可を設定したときか、または全員にアク
セス権を設定しなかったときに表示されます。
「Mac OS X Server」の「ユーザとグループ
のリスト」からこのリストにユーザまたはグループの名前をドラッグしない限り、リス
トには何も表示されません。
オーサリングを許可
ユーザまたはグループに保護領域に対するオーサリングの許可を与えるときは、このオ
プションを選びます。
削除
この保護領域への特定のユ ーザまたはグループのアクセスを拒否するときは、「ユーザ
とグループ」リストから該当する名前を選び、このボタンをクリックします。

Web サイトのセキュリティの設定
サイトの設定ウインドウの「セキュリティ」パネルでは、各 Web サイトに対して安全な
トランザクションを設定 し、使用可能にすることができます。「セキュリティ」パネル
を表示するときは、
「 Web サービス」をクリックし、
「Web サービスを設定」を選び、
「サ
イト」タブをクリックしま す。
「追加」をクリックするか、ある いはサイトを選んでか
ら「編集」または「複製」をクリッ クします。次に、
「セキュリ ティ」タブをクリック
します。SSL(Secure Sockets Layer)サービスの設定について詳しくは、142 ページの「SSL
(Secure Sockets Layer)サービスを設定する」を参照してください。

Secure Socket Layer (SSL) を使用する
各 Web サイトで SSL を使用するときは、このオプションを選びます。「Web サービスを
設定」ウインドウの「一般」パネルで、 Web サービス全体で SSL サポートが有効になっ
ていることを確認してください。
136

第 7章

証明書ファイルを編集
このボタンをクリックし、証明 書ファイルの内容を入力します。証明書ファイルとは、
認証局から与えら れたセキュアサーバ ID が記載されている「server.crt 」という名前の
ファイルです。次のディレクトリにあります。

/etc/httpd/ssl.crt/
キーファイルを編集
このボタンをクリックし、キーファイルの内容を入力します。キーファイルとは、証明
書署名要求(CSR:Certificate Signing Request)を生成したときに設定した「key.pem」とい
う名前のファイルです。

CA 証明書ファイルを編集
このボタンをクリックして、認証局から受け取った CA 証明書ファイルの内容を入力し
ます。
(このファイルは必要に応じて認証局から受け取ります。詳しくは、142 ページの
「SSL(Secure Sockets Layer)サービスを設定する」を参照してください。)
パスフレーズ

CSR の作成時に設定した SSL パスフレーズを入力するときは、このボタンをクリックし
ます。パスフレーズは、サーバの証明書キーのロックを解除します。
SSL ログファイル

SSL イベントを記録するログファイルの場所と名前を入力します。ファイルサービスが
「選 択」をク
稼動 中の 場合、また はサ ーバで「 Server Admin」を使 用し ている 場合 は、
リックして目的のファイルを検索することができます。

Web サービスに関する上手な使いかたとヒント
Web サービスの性能を最適化したり、セキュリティホールを回避したり、Web サービス
の管理方法をカスタマイズしたりする場合、さまざまな方法があります。このセクショ
ンでは、Web サービスを始めるにあたって役立つ情報を提供し、基本操作よりもさらに
詳しい操作について説明します。

固定接続を使ってサーバの性能を向上させる
通常、HTTP 要求と応答では、それぞれ別の TCP 接続が使用されます。クライアントコ
ンピュータがサーバに要求 を送信すると、サーバは接続を開き、要求を受信してから、
接続を閉じます。要求に応答するために、サーバは別の接続を開き、応答してから、接
続を閉 じます。このよう に繰り返し 接続を開いた り閉じたり するのは、効率的 でない
上、性能が低下します。

Web サービス

137

固定接続を使用すると、サーバが、1 つの接続で複数のトランザクションを処理できる
ようになります。サーバとクライアントコンピュータの両方が固定接続に対応している
必要があります。
(一般的なブラウザは固定接続に対応しています。
)固定接続が機能す
るためには、送信されている情 報のサイズが分かっている必要があります。たとえば、
画像ファイルおよび更新されない HTML ページの長さは事前に分かります。CGI(Common
Gateway Interface)スクリプトおよび動的に生成される HTML ページの場合は、その長さ
を事前に知ることはできません。
固定接続で発生可能な要求の数を制限できます。ゼロを設定すると、1 つの接続あたり
に許可される要求の数は制限されなくなります。しかし、デフォルト設定の 500 を使う
と、性能が向上します。

Web モジュールを使用する
モジュールは、Apache の Web サーバソフトウェア用の「プラグイン」で、Web サイトに
機能を追加 します。Apache には標準的なモジュ ールが付属しています。そ のほかのモ
ジュールは、ソフトウェアメーカーから購入したり、インターネットからダウンロード
することができます。利用可能な Apache モジュールについては、次の Web サイトを参
照してください。

m www.apache.or.jp/jdocs/mod/
サーバにインストール済みの Web モジュールのリストを表示するときは、
「Server Admin」
で「Web サービス」をクリックし、
「 Web サービスの状況を表示」を選びます。
モジュ ールをイン ストール するときは、モジュー ルソフトウ ェアに付属 のマニュ アル
の指示に従っ て操作します。Web サーバは次のデ ィレクトリからモジュー ルをロードし
ます。

/usr/libexec/httpd/
また、新しいモジュールをロ ードして追加するためには、「httpd.conf」ファイルを変更
する必要があります。

Macintosh 固有のモジュール
「Mac OS X Server 」の Web サービスでは、Macintosh に固有のモジュールがインストール
されます。このセクションでは、これらのモジュールについて説明します。

mod_macbinary_apple
このモジュールによって、ファイルが MacBinary フォーマットでパッケージ化されます。
このフォーマットを使うと、Macintosh ファイルを Web サイトから直接ダウンロードす
ることができます。ユーザは、ファイルのアクセスに使用する URL に「.bin」を追加す
ることによって、通常の Web ブラウザで MacBinary ファイルをダウンロードできます。

mod_sherlock_apple
このモジュールによって、Apache は、
「Sherlock」を使った関連性のランキングに基づく
Web サイトの検索を実行できます。「Sherlock」を使ってサイトのインデックスを作成す
ると、Web サイトを検索するためのフィールドをユーザに提供できます。サイトの URL
には「.sherlock」を追加する必要があります。

138

第 7章

mod_auth_apple
このモジュールによって、Web サイトでは、サーバの検索ポリシーにあるディレクトリ
サービスドメインでユーザを検索して、そのユーザを認証できるようになります。認証
を使用している場合、Web サイト利用者は、サイト内の情報にアクセスするときにユー
ザ名とパスワードを要求されます。
mod_redirectacgi_apple
このモジュールを「ACGI Enabler」アプリケーションと共に使用することによって、ユー
ザは、ACGI プログラム( Mac OS CGI)を実行できるようになります。ACGI を使用可能に
するには、管理者としてログインし、「ACGI Enabler」アプリケーションを開きます。ア
プリケーションからログアウトしないでください 。ACGI を使用するためにはこのアプ
リケーションを稼動させておく必要があります。
mod_hfs_apple
このモジュールを使用すると、ユーザは、HFS ボリュームの URL を入力するときに大文
字と小文字を正しく区別しなければならなくなります。このモジュールによって、大文
字と小文字が区別されないボリュームのセキュリティを高めることができます。この制
限をボリュームに適用すると、大文字と小文字を間違えてボリュームの URL を指定した
ユーザには、URL が見つからなかったことを示すメッセージが表示されます。
オープンソースのモジュール
「Mac OS X Server 」には、一般的なオープンソースモジュールが付属しています。付属し
ているモジュールには、Tomcat 、PHP: Hypertext Preprocessor、mod_perl、および MySQL が
あります。

Tomcat
Java によく似たスクリプト機能を使用する「Tomcat」モジュールは、Java Community Process
で開発された、相互に補足的な次の 2 つのテクノロジーの公式なリファレンスインプリ
メンテーションです。

m Java Servlet 2.2。 Java Servlet API の仕様については、次のサイトを参照してください。
java.sun.com/products/servlets

m JavaServer Pages 1.1。 このAPIの仕様については、次のサイトを参照してください。
java.sun.com/products/jsp
「Tomcat」を 使用したい場合は、ま ずこれを起動する 必要があります。次の ように操作
します。

1 「/private/etc/httpd/httpd.conf」を開きます。
2 「Tomcat」サ ーバの設定に関する 行のコメントを解 除するか、ファイルの最 後に次の行
を追加します:
LoadModule jserv_module /usr/libexec/httpd/mod_jserv.so
AddModule mod_jserv.c
Include /private/etc/httpd/tomcat.conf

3 「Server Admin」を使って、「/usr/webapps/ROOT」を指す仮想ホストサイトを作成します。
4 「Terminal」アプリケーションを開き、次を入力して、「Tomcat」を起動します。
/usr/bin/tomcat.sh start
Web サービス

139

5

Web ブラウザを使ってサイトの URL を入力し、
「Tomcat」
が予期する通りに動作するかどう
かを確認します。(URL は次のようになります。「example.com」はサイトのドメイン名に
なります。)
http://www.example.com/
「/etc/httpd/tomcat.conf」
を参照してください。
「Tomcat」の説明といくつかの例については、

PHP: Hypertext Preprocessor
PHP を使用すると、C によく似た HTML 埋め込み型のスクリプト言語をサーバ側で使用
することによって、動的な Web コンテンツを処理することができます。Web 開発者は、
PHP コードを HTML コードに埋め込みます。この方法によって、プログラマは、HTML
を生成するプログラムを作成するのではなく、HTML スクリプトに動的なロジックを直
接統合することができます。

PHP は CGI 機能を備えており、広い範囲にわたるデータベースをサポートします。クラ
イアントサイドの JavaScript とは異なり、PHP コードはサーバ上で実行されます。
このモジュールについて詳しくは、www.php.gr.jp を参照してください。

mod_perl
このモジュールによって完全な Perl インタプリタが「Mac OS X Server」に統合されるの
で、既存の Perl CGI スクリプトを変更せずに実行できます。この統合によって、スクリ
プトは高速に実行され、使用するシステムリソースは少なくて済みます。このモジュー
ルについて詳しくは、perl.apache.org を参照してください。
MySQL
MySQL は、Web サーバのリレーショナルデータベース管理のソリューションを提供しま
す。このモジュールを使用すると、異なるテーブルまたはデータベース内のデータを連
結し、Web サイトに情報として提供することができます。このモジュールについて詳し
くは、www.mysql.com を参照してください。

CGI (Common Gateway Interface )スクリプトを使用する
ユーザが Web サイトに接続すると、通常は、更新されない html ページまたは画像を受
信します。CGI (Common Gateway Interface)スクリプト、つまり CGI プログラムを使用
すると、Web サイトにサービスを提供するアプリケーションと Web サイトとの間で情報
をやり取りすることによって、Web サイトに動的な機能を追加できます。たとえば、ユー
ザがサイトのフォームに必要事項を記入した場合に、CGI を使ってそのデータを処理す
るアプリケーションにメッ セージを送信し、ユーザに応答を送り返すことができます。
「Mac OS 」の CGI は、通常は AppleScript にしますが、アプリケーションにすることもで
きます。
また、CGI は単独でカスタム機能を実行することもできます。たとえば、ユーザが Web
サイトにアクセスするたびに利用者数を生成し、動的に生成した数を Web ページに挿入
できます。

CGI を使用するときは、次のように操作します。
手順 1: CGI をインストールする
以下の場所のいずれかに CGI をインストールします。
140

第 7章

1 つのサイト用: Web サイトの「Documents」フォルダに CGI をインストールします。
CGI の名前の末尾に「.cgi」を付けます。「Documents」フォルダに CGI をインストールす
る場合は、サイトで CGI の実行を許可する必要があります。
すべてのサイト用:「/Library/WebServer/CGI-Executables」フォルダに CGI をインストール
します。サイトで CGI を実行できるようにするには、サイトの URL に /cgi-bin/ を含める
必要があります。CGI の実行を許可する必要はありません。インストールされていれば、
実行されます。
手順 2: サイトの CGI の実行を許可する
「Server Admin」で「Web サービス」をクリックし、
「Web サービスを設定」を選び、
「サイ
ト」タブをクリックします。リストから Web サイトを選択し、
「編集」をクリックしま
す。
次に、サイトの設定ウインドウの
「一般」
パネルで
「 CGIの実行を許可する」
を選びます。
手順 3: Web サービスを再起動する
変更を適用するために、Web サービスを停止してから、再び開始する必要があります。

MIME(Multipurpose Internet Mail Extension )を理解する
MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)とは、Web ブラウザが特定の特性を持つファ
イルを要求したときに、どのように動作するかを指定するためのインターネットの規格
です。Web サーバの応答は、ファイルの拡張子に基づいて選ぶことができます。選ぶこ
とのできる応答は、Webサーバにインストールしたモジュールによって異なります。ファ
イル拡張子とそれに関連付けられている応答との各組み合わせを、MIME タイプマッピ
ングと呼びます。
MIME の拡張子
拡張子は、ファイル内のデータの種類を表します。以下に例を示します。

m
m
m
m
m

txt は、テキストファイルです
cgi は、CGI (Common Gateway Interface)ファイルです
gif は、GIF(画像)ファイルです
au は、サウンドファイルです
tiff は、 TIFF(画像)ファイルです

「Mac OS X Server 」では、MIME タイプの拡張子 のデフォルトのリストがインストールさ
れます。必要な拡張子がリストにない場合は、
「 Server Admin」を使って拡張子をリスト
に追加できます。

Web サーバの応答
ファイルが要求されると、Web サーバはファイルの拡張子に指定されている応答を使用
してファイルを処理します。応答は、動作または MIME タイプのいずれかになります。
可能な応答には、以下のものがあります。

m
m
m
m
m

MIME タイプでファイルを返す(返したいマッピングを入力します)
send-as-is(ファイルをそのままの状態で送信します)
cgi-script(指定した CGI スクリプトを実行します)
imap-file(IMAP メールメッセージを生成します)
mac-binary(MacBinary フォーマットで圧縮されたファイルをダウンロードします)
Web サービス

141

MIME タイプマッピングは、「text/plain」のように、スラッシュで 2 つのサブフィールド
に分けて示します。「Mac OS X Server 」には、デフォルトの MIME タイプマッピングのリ
ストが付属しています。これらの MIME タイプマッピングを編集したり、ほかの MIME
タイプマッピングを追加したりできます。
応答として MIME タイプを指定すると、サーバは、要求されたデータのタイプを識別し、
指定され た応答を送りま す。たとえば、拡張子 に「jpg」の付 いたファイルを ブラウザ
が要求し、
「 jpg」に関連付けられた MIME タイプマッピングが「 image/jpeg 」である場合、
サーバは、画像ファイルを送る必要があり、画像フォーマットが JPEG であることを知
ることができます。サーバは、要求されたデータを提供する以外は何もする必要があり
ません。
動作は、別の方法で処理されます。拡張子に動作をマップすると、サーバは、プログラ
ムまたはスクリプトを実行し 、その結果を要求元のブラウザに提供します。たとえば 、
拡張子に「cgi 」の付いたファイルをブラウザが要求し 、
「cgi」に関連付けられた応答が
「cgi-script」という動作である場合、サーバは、スクリプトを実行し、その結果のデータ
を要求元のブラウザに送り返します。

MIME タイプエディタ
「MIME
「Server Admin」で MIME タイプを作成し、それをサーバの応答にマップできます。
MIME
タイプエディタ」を表示するときは、
「
タイプ」パネルの「追加」をクリックする
か、または既存の MIME タイプを選んで「編集」をクリックします。このエディタの図
を次に示します。

SSL(Secure Sockets Layer)サービスを設定する
ユーザが Web サイトから商品を購入できるようにする場合などに、サーバでのトランザ
クションを セキュリティで保護す るときは、SSL(Secure Sockets Layer)保護 を設定しま
す。SSL を使うと、暗号化された認証済みの情報をインターネット経由で送信できます。
たとえば、Web サイトでクレジットカードのトランザクションを実行可能にしたいとき
に、サイトで送受信される情報を保護することができます。
証明書署名要求(CSR:Certificate Signing Request)を生成すると、認証局から証明書が送
られてきます。この証明書はサーバにインストールします。また、CA 証明書(ca.crt)が
送られてくることもあります。このファイルは、任意でインストールします。通常、CA
証明書は、
「Internet Explorer」などのクライアントアプリケーション側に置かれ、サーバ
の証明書が正しい機関から 発行されたものであることの確認に使用されます。ただし、
CA 証明書の期限が切れた り、更新されたために、一部のクライアントアプリケーショ
ンで最新の状態になっていない可能性があります。
142

第 7章

SSL を設定するときは、以下の手順に従って操作します。
手順 1: サーバ用の証明書署名要求(CSR)を生成する
証明書署名要求(CSR:Certificate Signing Request)とは、サーバの証明書の作成に必要な
情報が含まれているファイルです。
サーバ用の CSR を生成するときは、次のように操作します。

1

ルートパスワードを使ってサーバにログインし、
「Terminal」
アプリケーションを開きます。

2

プロンプトで以下のコマンドを入力し、各コマンドの最後で return キーを押します。
cd
openssl md5 * > rand.dat
openssl genrsa -rand rand.dat -des 1024 > key.pem

3

次に表示されるプロンプトでパスフレーズを入力し、return キーを押します。
作成する パスフレーズ は、サーバの証明書 キーのロックを 解除します。Web サーバで
SSL を使用可能にするときに、このパスフレーズを使用します。

4

次の名前のフォルダがサーバにない場合は作成します。

/etc/httpd/ssl.key/
手順 2 で作成した「key.pem 」ファイルのコピーを作成し、"server.key" に名前を変更しま
す。その後、「server.key 」をこのフォルダにコピーします。

5

プロンプトで次のコマンドを入力し、return キーを押します。
openssl req -new -key key.pem -out csr.pem

6

入力を求められたら、以下の情報を入力します。

m
m
m
m
m
m
m

国: 組織の所在地の国名です。
都道府県: 都道府県名を完全表記で入力します。
地域名: 組織の所在地の市区町村名です。
組織名: ドメイン名が登録されている組織の名前でなければなりません。
部門: 通常、部署などの名前です。

Web サーバのコモンネーム: server.apple.com などの DNS 名です。
メールアドレス: 証明書を受信するメールアドレスです。

「csr.pem」ファイルは、提供 した情報に基づいて生成されます。プロ ンプトで次のコマ
ンドを入力し、return キーを押します。
cat csr.pem
「cat」コマンドによって、手順 5 で作成したファイル(「csr.pem」)の内容が一覧表示さ
れま す。
「 Begin Certificate Request」と いう言 葉の 後に暗 号メ ッセー ジが 表示さ れます。
メッセージは「End Certificate Request」で終わります。この部分が証明書署名要求(CSR:
Certificate Signing Request )です。
Web サービス

143

手順 2: Web サイト証明書を入手する
各 Web サイトの証明書を、発行機関から購入する必要があります。
証明書を購入するときは、以下の点に注意してください。

m 自分の所属する組織が登録者として InterNIC に登録しているドメイン名を提供する必
要があります。

m ソフトウェア メーカーの選択を求めら れたら、
「 Apache Freeware with SSLeay」を選び
ます。

m すでに証明書署名要求(CSR:Certificate Signing Request)を生成済みなので、CSR を求
められたときに、テキストエディタで CSR を開き、 CSR ファイルの内容をコピーし
て発行機関の Web サイトの適切なテキストフィールドにペーストします。
処理が完了すると、セキュアサーバ ID が含まれているメッセージを受信します。この
メッセージがサーバ証明書です。証明書を受信したら、
「 server.crt」という名前のファイ
ルとして Web サーバのハードディスクに保存します。
手順 3: サーバに証明書をインストールする

1

サーバにルートとしてログインします。

2

次の名前のフォルダがサーバにない場合は作成します。

/etc/httpd/ssl.crt/
3 「server.crt」(セキュアサーバ ID を含むファイル)をフォルダにコピーします。
手順 4: サイトで SSL を使用可能にする

1 「Server Admin」で「Web サービス」をクリックし、「Web サービスを設定」を選びます。
2

サイト全体に対して「SSL を使用する」が選択されていることを確認します。

3 「サイト」をクリックし、証明書を使用するサイトを選んで、
「編集」をクリックします。
4 「Secure Socket Layer (SSL) を使用する」を選びます。

144

第 7章

5 「証明書ファイルを編集」をクリックし、証明書ファイル(発 行機関から入手した証明
書)のテキストをテキスト フィールドにペーストします。次に、「保存」をクリックし
ます。

6 「キーファイルを編集」をクリックし、キーファイル(前に作成した「key.pem」ファイ
ル)のテキストをテキスト フィールドにペーストします。次に、「保存」をクリックし
ます。

Web サービス

145

7 「CA証明書ファイルを編集」をクリックし、
「ca.crt」ファイルのテキストをテキストフィー
ルドにペーストします。(「 ca.cert」ファイルは、認証局から必要に応じて受け取るファ
イルです。)
「保存」をクリックします。

8

tab キーを押して「パスフレーズ」フィールドに移動し、CSR のパスフレーズを入力して、
「保存」をクリックします。

9

SSL トランザク ションを記録す るログファイル の場所を設定し 、
「保 存」をクリック し
ます。

10

Web サービスを停止してから開始します。

サービスの状況と性能を監視する
Web サービスでは、サーバの状況を監視し、効率的に稼動させるために利用できる便利
なツールが 3 つ用意されています。アクセスログ、エラーログ、および状況ウインドウ
です。
アクセスログとエラーログ

Web サービスのアクセスログとエラーログは「Server Admin」を使用して遠隔地から表示
できます。
「ログビューア」をクリックし、
「Web サービス」を選んで、ポップアップメ
ニューから「 access.log」または「error.log」を選びます。Web サイトのサイズおよび目的
によ っては、ログ に大量 の項目 が記録さ れる可 能性があ ります。「Mac OS X Server」の
Web サービスでは、標準の Apache ログフォーマットが使用されているので、他社製の
どのログ分析ツールを使用してもこのログデータを解釈できます。サイトの設定ウイン
ドウの「ログ」パネルで、ログファイルの保存場所を指定できます。ログファイルのデ
フォルトの場所は、「/var/log/httpd/」です。
状況ウインドウ
また、サーバの状況は、「Server Admin」の「Web サービスの状況」ウインドウでも監視
できます。このウインドウを開くときは、
「Web サービス」をクリックし、
「Web サービ
スの 状況を 表示」を選 びます。「Web サ ービ スの状 況」ウイン ドウに は、サーバ とパ
フォーマンスキャッシュの現在の状態が表示されます。Web サービスが稼動していない
場合は、ウインドウに「状況:停止中」というメッセージと、サーバが停止した日時が
表示されます。
146

第 7章

Web サービスが稼働中の場合、下のようなウインドウが表示されます。サーバの状況に
関するメッセージが、「開始/停止状況メッセージ」フィ ールドに表示されます。メッ
セージの意味については、Apache の Web サイトを参照してください。
現在の要求と 現在のスループットに は、Apache と パフォーマンスキャッ シュの両方の
データ が含まれてい ます。パフォー マンスキャッ シュの要求 とスループッ トには、パ
フォーマンスキャッシュのデータのみが含まれています。

Apache の詳しい設定
熟練した Apache Web 管理者の場合は、Apache の設定ファイル「httpd.conf」を変更する
ことで Web サービスを設定できます。変更点が多い場合は、「Server Admin」ではなく、
Apache の設定ファイルだけを使って Web サービスを設定してください。
「Server Admin」で行う設定(命令)は、「Server Admin」の設定ファイル
「httpd_macosxserver.conf」に書き込まれます。重複または矛盾した設定をしないように、
「Server Admin」で指定できる命令および設定の先頭にシャー
Apache の設定ファイルでは、
プ記号(#)が付いています。Apache は、先頭にシャープ記号が付いている命令を無視
します。
たとえば、固定接続( KeepAlive )の命令が、Apache の設定ファイル(「httpd.conf」
)で次
のように示されているとします。
#KeepAlive Off
しかし、
「Server Admin 」で固定接続を使用可能にすると、
「httpd_macosxserver.conf」ファ
イルには、次の命令が示されます。

Web サービス

147

KeepAlive On

Apache の設定ファイ ルでは「使用不可」の指示の先 頭にシャープ記号が付 いているの
で、矛盾は起こりません。Apache は、「Server Admin」の設定ファイルに示されている指
示だけを読み取ります。
重要 「Server Admin」で使 用される設定は、す べて「httpd.conf」ファイル に記述されて
おり、その 先頭にシ ャープ記号(#)が 付いていま す。これらは 変更しない でくださ
い。変更すると Web サービスで予期しない結果が生じることがあります。
警告 どの ような場合 でも、
「 httpd_macosxserver.conf 」ファイルは 変更しない でくだ
さい。

Apache およびその使いかたについて詳しくは、Apache の Web サイト(www.apache.or.jp)
を参照してください。

動的な Web ページのキャッシュを無効にする
サイトに動的な Web ページ(CGI スクリプトで生成されたページや、頻繁に更新される
データベースなど)がある場合は、これらのページがキャッシュに保持されないように
する必要があります。キャッシュに保持されていると、サイトで古い情報や誤った情報
を提供してしまう可能性があります。

Web サーバは、サーバ上のどの HTML ファイルにも、キャッシュ内での有効期限を示す
タグが自動的に追加されるように設定されています。デフォルトでは、キャッシュ内に
おいて、HTML ページは 1 秒で、GIF ファイルは 1 時間で期限切れになります。
サイトで古い情報や誤った情報が提供されているときは、次のいずれかの対策を実行し
ます。

m 「Server Admin」の「Web サービスを設定」ウインドウでパフォーマンスキャッシュが
有効になっていないことを確認します。

m CGI スクリプト(または動的な HTML ページを生成するプログラム)を変更して、動的
な HTML ページのそれぞれのソースに「 Cache-Control: no-cache」タグが追加されるよ
うにします。

m 「httpd.conf」ファイルで、GIF ファイルがキャッシュされていなかどうかを確認します。
GIF ファイ ルがキャッシュされている場合 は、「httpd.conf」ファイルを 変更してキャッ
シュを中止できます。そのためには、次のように操作します。

1

テキストエディタで「httpd.conf」ファイルを開きます。

2

次の行を見つけます。
ExpiresByType image/gif A3600
このコマンドは、GIF ファイルに 1 時間( 3600 秒)のキャッシュ期間を割り当てるよう
に Web サーバに指示します。

148

第 7章

3

次に示すように、行の先頭にシャープ記号(#)を挿入します。
#ExpiresByType image/gif A3600
シャープ記号を挿入すると、「Server Admin」では GIF ファイルをキャッシュする指示が
無視されるため、GIF ファイルはキャッシュされなくなります。

4

Web サービスを再起動します。

WebDAV の保護領域とアクセス権を理解する
WebDAV を使って Web サイトでライブオーサリングを提供する場合は、保護領域を作成
し、ユーザのアクセス権を設定する必要があります。運用している各サイトは、多数の
保護領域に分割し、それぞれにブラウズまたはオーサリングのアクセス権を持つユーザ
とグループを設定できます。Web サイトをインターネット上に公開する場合は、保護領
域は必要ないかもしれません。
保護領域を定義する
保護領域(通常はフォルダ、つまりディレクトリ)を定義すると、保護領域に設定した
アクセス権はそのディレクトリの内容すべてに適用されます。既存の保護領域内のフォ
ルダのいずれかに新しい保護領域を定義した場合、新しい保護領域のアクセス権はその
フォルダおよび内容のみに適用されます。保護領域の作成とアクセス権の設定について
詳しくは、134 ページの「 Web サイトのアクセスの設定」を参照してください。

WebDAV のアクセス権を設定する
サーバで実行する Apache のプロセスでは、Web サイトのファイルとフォルダにアクセ
スする必要があります。このために、
「 Mac OS X Server 」によって、Apache プロセスが属
する「 www 」というグループがサーバの「ユーザとグループのリスト」にインストール
されます。この www グループには、Web サイトのファイルへの読み出しのアクセス権
を与える必要があります。これよって、ユーザがサイトに接続したときに、www グルー
プが Web サイトのファイルをブラウザに転送できるようになります。WebDAV を使用す
る場合、www グループには Web サイト内のファイルおよびフォルダへの書き込みのア
クセス権も必要になります。

Web サービスに関する問題を解決する
ユーザがサーバ上の Web サイトに接続できない場合:

m Web サービスが開始しており、サイトが使用可能であることを確認します。
m 「Web サービスの状況」ウインドウの「開始/停止状況メッセージ」フィールドでメッ
セージを確認します。メッセージの意味については、Apache の Web サイト
(www.apache.or.jp)を参照してください。

m ユーザが正しい URL を入力して Web サーバに接続していることを確認します。
m デフォルトの Web フォルダとして正しいフォルダが選択されていることを確認しま
す。デフォルトの書類のページとして正しい HTML ファイルが選択されていること
を確認します。

m Web サイトが特定のユーザに制限されている場合は、このユーザが Web サイトへのア
クセス権を持っていることを確認します。
Web サービス

149

m ユーザのコンピュータで TCP/IP が正しく設定されていることを確認します。TCP/IP 設
定に問題がないと思われる場合は、ネットワーク接続を確認できる「PING」ユーティ
リティを使用してください。

m DNS に問題がないことを確認します。DNS 名の代わりにサーバの IP アドレスを使って
接続してみます。

m Web サイトの IP アドレスとドメイン名が DNS サーバに正しく登録されていることを確
認します。

Web モジュールが予想通りに動作しない場合:

m モジュールが正しく動作しない原因について、「ログビューア」のエラーログを確認
します。

m モジュールが Web サーバに付属していた場合は、そのモジュールについて Apache の説
明書を確認し、モジュールの動作仕様が自分の予想と同じであることを確認します。

m モジュールを自分でインストールした場合は、Web モジュールに付属していた説明書
を確認し、モジュ ールが正しくインストー ルされており、使用してい るサーバソフ
トウェアとの互換性があることを確認します。
「Mac OS X Server 」でサポートされる Apache のモジュールについて詳しくは、次の Web
サイトを参照してください。www.apache.or.jp/jdocs/mod/

CGI が動作しない場合:
m CGI のコードを調べて、CGI が実行可能ファイルとして指定されていることを確認し
ます。これが指定されていない場合は、
「 Server Admin」で CGI の実行が可能になって
いても、CGI はサーバで実行されません。

m CGI のコードを調べて、適切なアクセス権が与えられていることを確認します。
「Mac OS X Server 」では、Apache プロセスが属す る「www」というグルー プがサーバ
の「ユーザとグループ」リストにインストールされます。CGI に対する適切なアクセ
ス権(読み出し専用、または読み出し/書き込み)を www グループに与える必要が
あります。

Web サービスの仕様

150

第 7章

同時接続の最大数

技術的な制限はありません。最大数は、お使いのハードウェ
アの処理能力およびサーバソフトウェアの設定によって異な
ります。

サポートする規格

HTTP1.1 以前の規格に完全に対応しています。

ネットワークサービスの
サーバ名の長さの最大値

NSL(Network Service Locator)によって決まります。

アイドル状態接続のタイム
アウト

60 秒(再設定できます)

CGI のタイムアウト

60 秒

Web サービスのポート番号

80(再設定できます)

Web サービスに関するその他の情報
設定ファイルおよび Apache Web サービスのその他の要素については、次の参考文献を
参照してください。

m 「Apache: The Definitive Guide」第 2 版、Ben Laurie、Peter Laurie 共著(O’Reilly and
Associates 社発行、1999 年)

m 「Writing Apache Modules with Perl and C 」、Lincoln Stein、Doug MacEachern 共著
(O’Reilly and Associates 社発行、 1999 年)

m 「Web Performance Tuning」、Patrick Killelea 著( O’Reilly and Associates 社発行、1998 年)
m 「Web Security & Commerce」、Simson Garfinkel、Gene Spafford 共著(O’Reilly and
Associates 社発行、1997 年)

m Apache について詳しくは、Apache の Web サイトを参照してください。 www.apache.or.jp
m WebDAV クライアントで使用するメソッドの包括的なリストについては、「RFC 2518」
を参照してください。RFC ドキュメントには、プロトコルやサービスの概要が記載さ
れていて、サーバ の管理を始めたばかり の方にとって参考にな ります。また、詳細
な技術 情報も記 載されてい るので、経験 豊富な管 理者にとっ ても参考 になります。
RFC ドキュメントは、次の Web サイトで番号で検索することができます。

www.faqs.org/rfcs

Web サービス

151

8
8

メールサービス
メールサービスとは ?
「Mac OS X Server 」のメールサービスによって、ネットワークやインターネットを経由す
るメー ルサービスを、ユ ーザに提供 することがで きます。インタ ーネットを経 由して
ユーザがメールを送受信できるようにしたい場合、すべての標準規格のインターネット
メー ルプ ロトコ ルを 使っ て、メール サー ビスを 設定 できま す。IMAP(Internet Message
Access Protocol)、POP(Post Office Protocol)、および SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が、
そのプロトコルです。
標準的なメールの設定では、ローカルサーバにおいて SMTP を使ってメールを送信し、
POP と IMAP を使ってメッセージを受信します。この 3 つのプロトコルについて、以下
に説明します。

POP(Post Office Protocol )
POP (Post Office Protocol)はメール の受信時に使 用されるプロ トコルです。メー ルの送
POPは共有サーバにメールを配送します。ユーザのコンピュー
信時には使用されません。
タは定期的にサーバに接続し、待機中のすべてのメールをダウンロードします。ユーザ
がメールをダウンロードす ると、メールはユーザのコンピュータにだけ保存されます。
ユーザはサーバとの接続を解除して、メールを読んだり、整理したり、返信したり、ま
たは新しいメールを作成したりできます。POP は、メールを保管し、特定のアドレスに
メールを配送するという点で、郵便局に似ています。
ユーザがメールをダウンロードすると、そのメールを保存する必要がないことが、 POP
の 1 つの利点です。このためサーバは、 IMAP プロトコルを使用するときほど多くの保
管場所を必要としません。ただし、メールはサーバから取り除かれてしまうため、クラ
イアントコンピュータのハードディスクが壊れて、メールファイルを失ってしまった場
合には、データのバックアップを使用しない限り、これらのファイルを回復する手段は
ありません。
クライアントユーザが、自宅、会社、携帯機器で外出先からなど、異なる場所からメー
ルにアクセスする場合、POP は必ずしも最適な手段ではありません。ユーザがメールを
読むと、そ のメールはサ ーバからダ ウンロードさ れ、完全にサー バから取り除 かれま
す。ユーザが後で別のコンピュータからログインしても、以前に読んだメールを読むこ
とはできません。
153

IMAP(Internet Message Access Protocol)
IMAP(Internet Message Access Protocol)はクライアント/サーバ対応のメールプロトコル
で、ユーザはインターネット上のどの位置からでも自分のメールにアクセスすることが
できま す。ユーザは、さまざ まな業界標 準のインター ネットメー ルアプリケー ション
や、IMAP 準拠のメールクライアントを使って、メールを送受信することができます。
IMAP の場合、クライアントユーザのメールはサーバ上のリ モートメールボックスに保
存さ れます。メ ールは、ま るでユ ーザの ローカ ルコン ピュー タ上に あるか のように、
ユーザに対して表示されます。IMAP は、POP と同じようにメールをサーバに配送しま
す。ただし、ユーザがメールを削除するまで、サーバからメールが取り除かれることは
ありません。
IMAP は、一般的なクライアント/サーバモデルによく 似ています。つまり、ユーザの
コンピュータは、サーバに対して、指定のメッセージのヘッダや本文を要求したり、特
定の条件を満たすメッセージを検索したりできます。これらのメッセージは、ユーザが
メッセージを開くとダウンロードされます。

SMTP (Simple Mail Transfer Protocol )
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)は、メー ルを送信および転 送するときに使 用される
TCP/IP プロトコルです。受信メッセージをキューに保存する能力に限界があるため、通
常はメールを送信するときだけ使用され、メールを受信するときには POP または IMAP
が使用されます。

メールサービスを設定する前に
メール サービスを管 理する方法 は、メールサーバ の構成によ って異なりま す。ネット
ワーク上でのメールサービ スの使用については、このセクションを参照してください。
「Mac OS X 」のメールサービスは、1 台または複数のサーバにインストールして実行する
ことができます。

サーバが 1 台の場合のメールサービス
1 台の サーバがメールサービス を提供する場合、すべて のユーザは同じメールサー バに
メッセ ージを送 ります。ユーザのメ ールアプ リケーショ ンが、ユ ーザのコン ピュータ
にメッ セージをダ ウンロー ドすること を要求する まで、メッセ ージはサー バに保管さ
れます。

複数のドメインが対象のメールサービス
「Mac OS X Server」を使用して、複数のドメインを対象にメールサービスを設定すること
もできます。たとえば、メールサービスをビル内の、それぞれ独自のドメイン名を持つ
複数の会社に提供している場合、それぞれのドメインにメールサービスを設定できます。
つまり、組織内のユーザ数がメールサーバの同時ユーザ接続制限(接続の種類 —POP ま
たは IMAP— サーバの利用状況によって異なります)より多い場合、あるいはメッセー
ジの保管容量が制限より多い場合は、複数のサーバにメールサービスを分散することが
望まれます。
154

第 8章

サーバ間でメールサービスを共有すると、パフォーマンス(メールシステムで処理でき
る接続とメッセージ数を含みます)を改善することができますが、
「ユーザとグループ」
データベース、DNS エントリ、およびメールサービスの管理により注意を払う必要があ
ります。
複数のサーバ間でメールサービスを共有する場合、各サーバは、保管と転送の処理に関
わります。各メールサーバは、接続してくるユーザ宛の受信メッセージを保管し、別の
サーバに接続するユーザ宛の受信メッセージを転送します。

インターネットベースのメールサービスの MX レコード
メールサービスを設定すると、受信メールはコンピュータ(またはメールホスト)に配
送され、ユーザがホストに接続して取り出すまでこのコンピュータに保存されます。ま
た、メールホストが使用できない場合にメールを受信する代替コンピュータを設定して
おく必要もあります。送信メールはユーザのコンピュータから送信メールホストに送信
され、インターネット上の別のメールホストに送信されます。メールは、宛先のユーザ
のメールを保持するメールホストに到達するまで転送されます。
イン ター ネット を経 由する メー ルサー ビス を提供 する には、ネ ットワ ーク 上に DNS
(Domain Name System)サービスを定義するか、インターネットサービスプロバイダから
提供される DNS サービスを利用します。メールサーバは、DNS から、ほかのメールサー
バの IP アドレスを取得します。インターネットを経由するメールサービスを提供する
場合、メールサービスを提供するドメインごとに、適切な MX( Mail Exchange)レコード
で DNS サービスを設定する必要があります。MX レコードは DNS テーブル内のエントリ
で、ドメイ ンがメールを 処理する方 法を指定しま す。あるドメイ ンに対してイ ンター
ネット上の別のメールサーバがメールを配送してくる場合、メールサーバではドメイン
の MX レコードを要求します。そして、MX レコードに指定されているメールサーバ宛
に、メールが送られます。

MX レコードの作成について詳しくは、282 ページの「DNS をメールサービスとともに使
用する」を参照してください。

メールサービスを初めて設定する
手順 1 : MX レコードを設定する
ユーザがインターネットを介してメールを送受信できるようにしたい場合は、DNS サー
ビスがサーバの適切な MX レコードで設定されている必要があります。インターネット
サービスプロバイダ( ISP:Internet service provider)がネットワークに対して DNS サービ
スを提供する場合は、ISP に連絡し、自分の MX レコードを設定してもらいます。DNS に
280 ページの「DNS(Domain Name System)サービス」を参照してください。
ついて詳しくは、

手順 2 : メールサービスを開始する
サーバコンピュータが、
「日付と時刻」環境設定において正しい日付、時刻、時間帯、お
よび夏時間の設定を示していることを確認します。メールサービスでは、この情報を元
に各メッセージのタイムスタンプを設定します。タイムスタンプが正しくないと、ほか
のメールサーバがメッセージを正しく処理できないことがあります。
メールサービス

155

この情報を確認したら、
「メールサービス」をクリックし、
「メールサービスを開始」を
選びます。「設定アシスタント」を使用してメールサービ スを開始した場合は、これを
いったん停止し、再び起動して、加えた変更を反映します。

手順 3 : メールサービスを設定する
メールの処理方法、使用するプロトコル、メールをサーバから削除する頻度など、メー
ルサービ スのいくつかの 設定を選択す る必要がありま す 。
「Server Admin」で、「メール
サービス」をクリックし、「メールサービスを設定」を選びます。「メールサービスを設
定」ウインドウ(以下を参照してください)には、4 つのパネルがあります。「一般」、
「メッセージ」、
「フィルタ」
、および「プロトコル」です。各パネルをクリックし、必要
な設定を選びます。これらの設定について詳しくは、158 ページの「メールサービスの設
定」を参照してください。

156

第 8章

手順 4 : デフォルトのホスト設定を選ぶ
ホストとは、ユーザがメールを受信したり送信したりするドメインのことです。メール
サービスがほかのホストに対してどのように動作するかについて、デフォルトの設定を
選ぶ必要があります。そうするには、
「 Server Admin」で「メールサービス」をクリック
し、「ホストを設定」を選びます。以下に示すデフォルト の「ホストを設定」ウインド
ウには、3 つのパネルがあります。「受信メール」
、「送信メール」
、および「ネットワー
クの設定」です。各パネルをクリックし、目的の設定を選びます。これらの設定につい
て詳しくは、166 ページの「ホストの設定」を参照してください。

手順 5: ユーザのメールを有効にして postmaster アカウントを作成する
メールサーバは、「ユーザとグループ」の情報を使って、ユーザのメー ルを処理する方
法を判断します。ユーザレコードを作成するときに、1 人のユーザに対してメールを設
定できます。または、既存のユーザに対していつでもメール サービスを許可できます 。
各ユーザのメール属性を定義する方法について詳しくは 、「ユーザとグループ」の章の
65 ページの「メールサービスの設定」を参照してください。
「postmaster」という名前のユーザアカウントを作成する必要もあります。メールサーバ
は、特定の動作を行うときにこのユーザを探します。postmaster に対してメールを許可
し、postmaster 宛のメールを別のメールアカウントに転送できます。
「postmaster」という語は 10 文字ですが、ユーザ名には 8 文字までしか使用できないこと
に注意してください。メールサ ーバを設定するときは、ユーザの長い名前を使用でき、
8 文字のユーザ名に制限されません。ユーザを「postmaster」という長い名前で作成し、
そのユーザ名に「postmstr 」といった短い名前を設定します。

メールサービス

157

メールサービスの設定
メールサービスの設定によって、サーバがメールを処理する方法を設定します。ローカ
ルメールサーバ名、サーバによる保管メッセージおよびエラーログの処理方法、および
使用するメールプロトコルやジャンクメール対策を指定できます。
メールの設定にアクセスするときは、
「メールサービス」をクリックし、「メールサービ
スを設定」を選びます。タブをクリックして、該当するパネルの設定を確認します。以
下のセクションでは、各パネルで使用できる設定について個別に説明します。

一般設定
一般設定を使用すると、自動起動を有効にし、ローカルメールサーバ名を登録すること
ができます。

システム起動時にメールサーバを開始する
サーバの起動時にメールサービスを開始するときは、このオプションを選びます。この
オプションを選ぶと、停電やその他の不測の事態が発生しても、ユーザは引き続きメー
ルサービスを利用することができます。
ローカルメールサーバ名
このリストには、メールサーバが担当するすべてのドメイン名が含まれます。サーバ宛
のメールアドレスで、「@ 」の後に指定されると思われる名前をすべて入力する必要が
あります。たとえば、リストは、ドメイン名や会社名などを表すスペルのバリエーショ
ンを含 めたりします。メ ール設定は、こ のリスト内の ドメイン名 に対して適用 されま
す。MX レコードが設定されている場合は、このリストに項目を追加する必要はありま
せん。メールサーバが通常に動作する中で検出する名前が追加されます。

158

第 8章

このリスト内に、MX レコードを含まないドメイン名が存在する場合、そのドメイン名
はこのメールサーバによってのみ認識されます。このドメイン名に送信される外部から
のメールは、送り返されます。このリストに MX レコードのないドメイン名を含める場
合は、ローカル(内部)メール用としてのみ使用してください。ローカルメールとして
使用する場合、時間の短縮になります。
「追加」と「取り除く」
「追加」をクリックして、メールサーバに管理させたいドメイ ン名をテキストフィール
ドに入力します。リストから 名前を取り除きたい場合は、目的の名前を選び、「取り除
く」をクリックします。

メッセージの設定
「メッセージ」パネルにアクセスするには、
「メールサービス」をクリックして「メール
サービスを設定」を選んで から、
「メッセージ」タブをクリ ックします。このパネルで
は、メッセージサイズの制限の指定、BCC と転送の設定、およびメール削除のスケジュー
ル設定を行います。

メッセージサイズ
受信メ ッセージのサ イズの上限 を設定したい 場合は、このオ プションを選 びます。次
に、「受信メッセージの最大サイズ」欄にキロバイトの単位で値を入力します。

Blind Carbon Copies (BCC )
サーバが受信するすべてのメッセージの Bcc を指定したユーザまたはグループに送信し
たい場合は、このオプションを選択して、そのユーザまたはグループの名前をテキスト
フィールドに入力します(ユーザまたはグループの名前は、
「Mac OS X Server」の「ユー
ザとグループ」リストからドラッグすることもできます)。グループに送信するメッセー
ジの監視が必要な場合は、このオプションを選択します。このオプションを選ぶと、組
織の規模によっては大量のメールが発生するので注意してください。
メールサービス

159

メールの自動削除
指定の時間が経過するとサー バからメールが自動的に削除されるようにしたい場合は、
このオプションを選びます。次に、未読メールと既読メールのフィールドに日数を入力
します。
(この設定を使用しない場合は、日数を入力しないでください。)ディスク容量
が問題になる場合に、このオプションを設定することをお勧めします。メールの自動削
除によって、IMAP フォルダ内のメッセージを含めて、サーバ からメールが永久に取り
除かれます。
不明のローカルユーザ宛のメールを転送する
不明なローカルユーザ宛のメールを受信した場合に、これを組織内の別のユーザまたは
グループに転送する場合は、このオプションを選びます。テキストフィールドにユーザ
名またはグループ名を入力します。このユーザまたはグループが、宛先が間違っている
すべてのメールを受信します。
このオプションは、アドレスが間違っているメールを確実に配送する手段として使用す
ることができます。サーバに送 られてきたメールのユーザ名にスペルミスがある場合、
これを送信者に送り返すのではなく、ユーザのメールボックスに手動で配送することが
できま す。
「support@examle.com」などのように、ユ ーザアカウン トが指定され ていな
い部門宛のメールを、その部門の通信担当者に転送することもできます。

フィルタの設定
メールサービスのフィルタ設定を設定することによって、一方的に送りつけられてくる
メールの量を減らすことができます。これらのオプションのいくつかを使用可能にする
と、サーバは、DNS エントリをチェックしてメッセージの送信者の IP アドレスと名前
が一致するかどうかを確認するか、ORBS(Open Relay Behaviour-modification System)サー
バをチェックして、メッセージが既知の「ジャンクメール」送信者から送信されたもの
かどうかを確認します。
これらの処理には DNS へのアクセスが含まれるので、メールサーバの性能が低下する
可能性があります。

160

第 8章

「フ ィルタ」パネル にアクセスす るには 、
「メール サービス」をク リックして 「メール
サービスを設定」を選択し、次に「フィルタ」タブをクリックします。

受信 SMTP 接続をチェックする
受信接続を許可したり拒否したりする前に、接続要求を調べたい場合は、このオプショ
ンを選びます。このオプションを選んだ場合は、メールを拒否するのに使いたいメール
サーバを指定する必要もあります。デフォルトの ORBS サーバを選ぶか、「SPAM メール
の拒否にカスタムサーバを使用する」を選んでテキストフィールドにサーバ名を入力す
ることで、別の ORBS サーバを選ぶことができます。

SMTP 名が IP アドレスと一致しない場合に接続のログを記録する
受信メッセージに IP アドレスと一致しない SMTP 名があるときは常にログ項目を作成し
たい場合は、このオプションを選びます。その後もメールは受信されますが、後で処理
方法を決定できるように、ログに項目が書き込まれます。
名前がアドレスと一致しない場合は拒否する
一致しないメールを、ログに記録すると同時に拒否したい場合は、このオプションを選
びます。
ユーザとグループ内のローカル

差出人

アドレスを必要とする

ローカルの「ユーザとグループ」リストに指定されていないアドレスからの受信メール
を 拒 否す る 場 合 は、この オ プ シ ョン を 選 び ます。た と え ば、ユ ーザ「 Someone」が
someone@example.com からメールを送信する場合、
「Someone」がお使いの「ユーザとグ
ループ」リストに指定されていなければ、メールサーバはメッセージを拒否します。こ
の設定を使用することで、サーバがジャンクメールのリレーポイントとして利用される
ことを防ぐことができます。リレーポイントとは、知らないうちにジャンクメッセージ
を受信し、別のサーバにただちに転送してしまうサーバのことです。
メールサービス

161

SMTP サーバからのメッセージを拒否する
メールを受信しない SMTP サーバのリストを作成する場合、
このオプションを選びます。
次に「サーバを編集」をクリックして、ドメイン名を「SMTP サーバ拒否リスト」に追
加します。

プロトコルの設定
「プロトコル」パネルで、サーバで使用したいメールプロトコ ルを選択して設定するこ
とができます。
「プロトコル」パネルにアクセスするには、
「メールサービス」をクリッ
クして「メールサービスを設定」を選んでから、
「プロトコル」タブをクリックします。

メッセージ転送に _ を使用する
、「Sendmail」
、または「なし」を選ぶこ
送信メッセージの処理方法を選びます。
「 SMTP」
とができます。「SMTP」を選ぶと「SMTP オプション」ボタンが使用可能になります。
「Sendmail」を選んだ場合、「Mac OS X」メールサーバではなく「 Sendmail」が、すべての
受信および送信 SMTP メールを処理します。ローカルメールサーバに送信されるすべて
のメー ルは「Sendmail 」アプリケーシ ョンが処理 し、配信のために「 Mac OS X 」メール
サーバに転送されます。POP と IMAP はそのまま通常どおり機能しますが、SMTP メール
は「Sendmail」アプリケーションのルールと設定に従うようになります。
新しい 送信メールが 送信されな いようにす る必要がある 場合は、「なし」を選びます。
これは、問題のある部分を隔離したり、同じコンピュータ上で実行しているほかのメー
ルサービスソフトウェアとの衝突を防ぐために行うこともできます。

162

第 8章

受信メールのオプション

IMAP、POP3 、NotifyMail を使用するときは、「許可」ボタンを選択します。次に、各プロ
トコル で使用したい ポートを選 びます。それぞ れのデフォル トのポート は、
「ポート」
フィールドの隣に表示されています。独自のポートを選ぶこともできますが、注意して
行ってください。ほかのホストにメールを送信しても、そのメールが、送信先で予測し
ている ポート以外の ポートからの ものであれば、メ ールを配送で きないことが ありま
す。また、別のサービスが使用しているポートは使用しないでください。一般的なポー
トの利用状況の一覧については、301 ページの「 Mac OS X コンピュータが使用するポー
ト」を参照してください。
各プロトコルには独自の「オプション」ボタンがあり、さらに設定を選ぶことができま
す。これらのオプションパネルについては次のセクションで説明します。

NotifyMail を許可する
待機中のメールがあることをサーバからメールクライアントに通知させたい場合は、こ
のオプションを選びます。次に、この機能で使用するポートを選びます。

SMTP のオプション設定

受信応答名

SMTP を使ったネットワーク操作が発生したときに、送信元のサーバに送り返したいドメ
イン名を入力します。この設定のデフォルト値は、プライマリメールサーバの名前です。
この名前を変更すると、メールサーバの本当の身元を隠すことができるので、一方的に
送りつけられてくるメールを制限できる場合があります。
送信応答名
外部のホストに対して示すドメイン名を入力します。この名前は、送信するメールメッ
セージに付加されます。この名前の変更には、長所と短所があります。ネットワーク上
に NAT (Network Address Translation )ファイアウォールがある場合は、その変更が要求さ
れることがあります。ただし、この操作を行うと、メールサーバが送信元のアドレスを
認識しないため、メールの受信がメールサーバにより拒否される場合があります。

メールサービス

163

ホストが送信先のバックアップの場合は SMTP リレーを許可する
ほかのメールサーバのバックアップとして動作させているとき、自分のジャンクメール
フィルタ設定をそのホストのメールには適用しない場合は、このオプションを選びます。
配信できないメールの未配信レポートを postmaster に送信する
メールを配送することができず、かつ送信者に通知できないときに、postmaster にこの
ことを 通知したい 場合は、このオ プションを選 びます。通常は、メ ールを配送 できな
かったことを伝えるレポートは送信者に返されます。何らかの理由でレポートを配送で
きない場合は、このオプションを選ぶことによって、レポートを postmaster のアカウン
トに送信できます。
「postmaster」という名前のユーザアカウントが「ユーザとグループ」
で設定されている必要があります。
バルクメールの未配信レポートを許可する
バルクメ ールの送信者 が配送できな かったことを 伝えるレポー トを受け取る ように設
定する場合は、このオプションを選びます。通常、バルクメールに設定されているメー
ルは、配送できなかったことを伝えるレポートを生成しません。

IMAP のオプション設定

受信応答名

IMAP を使ったネットワーク操作が発生したときに、接続元の IMAP クライアントに送り
返したいドメイン名を入力します。
IMAP 管理者アクセスを許可する
メールサ ーバの管理者 がメールデー タベースの内 容を表示およ び変更するこ とを許可
したい場合は、このオプションを選びます。

164

第 8章

ポート
管理者が IMAP メッセージを表示するときに使用するポート番号を入力します。デフォ
ルト以 外のポートを 選ぶ場合は、別の サービスやプ ロトコルです でに使用され ている
ポートを選ばないように注意してください。このポートに対して IP フィルタサービス
を設定することによって、セキュリティを強化することもできます。一般的なポートの
利用状況 の一覧については、 301 ページの「Mac OS X コンピュータ が使用するポート」
を参照してください。

IMAP フォルダ名の大文字/小文字を区別する
同じ名前でも大文字と小文字を区別して IMAP フォルダを作成することをユーザに許可
したい場合は、このオプションを選びます。たとえば、「Urgent」と「 urgent」は、それ
ぞれ異なる 2 つのフォルダとして作成することができます。
単一 IP アドレスでのユーザごとの接続数
各ユーザが 1 つの IP アドレスで確立できる IMAP 接続の数を入力します。デフォルトの
設定は 32 です。1 〜 999 までの範囲で設定可能です。

_ 分後、接続を終了する
接続にアイドル状態を許可する時間を分単位で入力します。この時間に達すると、接続
が解除されます。デフォルト値は 30 分です。1 〜 999 までの範囲で設定可能です。アイ
ドル状態の接続を解除すると、メールサービスのパフォーマンスが向上します。

POP3 のオプション設定

受信応答名

POP を使ったネットワーク操作が発生したときに、接続元の POP クライアントに送り返
したいドメイン名を入力します。

メールサービス

165

ホストの設定
デフォルトの「ホストを設定」ウインドウで、メールホストのデフォルト設定を作成で
きます。デフォルトの「ホスト を設定」ウインドウにアクセスするには、「メールサー
ビス」をクリックしてから「ホストを設定」を選びます。
「受信メール」、
「送信メール」
、
および「ネットワークの設定」という 3 つのパネルについて、次のセクションで説明し
ています。

受信メールの設定
このパネルでは、ホストが受 信メールを処理する方法を設定します。「受信メール」パ
ネルにアクセスするに は、
「メールサービス」をクリッ クしてから「ホストを設定」を
選び、「受信メール」タブをクリックします。

ローカルのアドレスのみにメールを配信する(SMTP リレーなし)
メールサーバによるメールの配送を、このメールサーバ上の有効なアドレスのみに限定
したい場合は、このオプションを選びます。このオプションは、このホストがメールの
エンドポイント、つまり最終的な配送ポイントである場合にのみ選んでください。
重要 このメ ールサーバが別の ホストのバック アップサーバと して指定されてい たり、
別のサーバの SMTP リレーサーバとして指定されていたりする場合、このオプションを
選ぶと別のホストにメールを送信できないことがあります。

166

第 8章

受信拒否をエラーログに記録する
メールが拒否されたときにエラーログに項目を作成したい場合は、このオプションを選
びます。
すべてのメッセージの Bcc を送信する宛先
すべての受信メッセージの Bcc(blind carbon copy)を、指定する 1 つのアドレスまたは
グルー プに送信した い場合は、この オプションを 選びます。入力 欄にユーザま たはグ
ループの名前を入力します。

送信メールの設定
このパネルでは、ホストが送 信メールを処理する方法を設定します。「送信メール」パ
ネルにアクセスするに は、
「メールサービス」をクリッ クしてから「ホストを設定」を
選び、「送信メール」タブをクリックします。

送信メールを許可
ホストのドメインの外部へメールを送信することを許可したい場合は、ポップアップメ
ニューからこのオプションを選びます。
ローカルユーザに限定
メールの送信をホストのドメインに限定したい場合は、ポップアップメニューからこの
オプションを選びます。このオプションを選ぶと、このパネルのほかの部分は利用でき
なくなります。ローカルエリアネットワーク(LAN)上のユーザの場合はこのオプショ
ンを選ぶことができますが、別の SMTP サーバの場合はこのオプションを選ばないでく
ださい。

メールサービス

167

メッセージを _ 時間保持したら期限切れにする
サーバ がメッセージ 配信の試行 を停止するま での時間を、時 間単位で入力 します。デ
フォルト値は 72 時間です。指定した時間内にメールを配信できない場合、ユーザに未
配信レポートが送られ、メッセージは削除されます。
接続に失敗したら _ 分ごとに再試行する
サーバが別の SMTP サーバへの接続を試みる間隔を、分単位で入力します。最小時間は
1 分、デフォルトは 20 分です。
メールが配信されないことを _ 時間後に送信者に通知する
メッセージが配送されていないことを送信者に通知する場合は、このオプションを選び
ます。次に、送信者への通知を 試みる制限時間を、時間単位で入力します。サーバは、
「メッセージを _ 時間保持したら期限切れにする」で設定した制限時間になるまで、メー
ルの配送を試みます。デフォルトは 4 時間です。
メールが配信されないことを postmaster に通知する
メールが配信できなかったときに postmaster に通知したい場合は、このオプションを選
びます。通常は、メールを配送できなかったことを伝えるレポートは送信者に返されま
す。何らかの理由でレポートを配送できない場合は、このオプションを選ぶことによっ
て、レポートを postmaster のアカウントに送信できます。
「postmaster 」という名前のユー
ザアカウントが「ユーザとグループ」で設定されている必要があります。
すべての SMTP メールをリレーする経由先
すべての送信メールが別のサーバを経由するように設定したい場合は、このオプション
を選びます。テキストフィールドにサーバの DNS 名を入力します。サーバは送信メー
ルをまとめて別のサーバに送信します。この別のサーバは、メールを配送するプロキシ
として動作します。接続速度が遅い場合や接続する回数ごとに課金される場合は、この
設定が便利です。場合によっては、この設定を使って、特定のファイアウォール制限に
対処する必要があります。

168

第 8章

ネットワークの設定
このパネルでは、送信用の SMTP ポートを選び、 DNS、キャッシュ、およびタイムアウ
トのオプションを設定します。
「ネットワークの設定」パネルにアクセスするには、
「メー
ルサービス」をクリックし てから「ホストを設定」を選び、「ネットワークの設定」タ
ブをクリックします。

DNS リクエスト
「MX リスト」
、
「A レコード」、
サービスに対して要求する DNS レコードの種類を選びます。
またはその両方を選ぶことができます。 A レコードは、ホスト名を IP アドレスに一致さ
せます。MX レコードは、メールの転送先であるコンピュータをドメイン内で指定する、
DNS テーブル内のエントリです。 MX レコードについて詳しくは、155 ページを参照して
ください。
キャッシュ設定
サーバでは、確認済みのドメイン名をキャッシュに保存し、特に指定されない限り、情
報を再び確認することはありません。この機能によって、メールサーバがメッセージご
とに DNS サーバにアクセスする必要がないので、性能が向上します。キャッシュに対
して、次の設定を選ぶことができます。
「DNS の TTL(Time to Live)設定を適用する」
: デフォルトの DNS 設定を使用したい
場合は、この設定を選びます。通常、メールは、接続が確立されるまで繰り返し再送さ
れます。TTL によって、サーバが情報を求めて DNS にアクセスする頻度が制限されま
す。この制限を超えると送信の試行が停止され、配送できなかったことを伝えるレポー
トが作成されます。
「DNS 情報をキャッシュする _ 分」
: キャッシュ内の DNS 情報を定期的にアップデート
したい場合は、このオプションを選びます。次に、情報をキャッシュに保存したい時間
を分単位で入力します。この値は、デフォルトの TTL DNS 設定を上書きします。
メールサービス

169

タイムアウト
指定した時間を超える場合は常に、接続試行が停止し、接続が「タイムアウト」になっ
たことが通知されます。接続が遅い場合や断続的な場合にタイムアウトが頻繁に発生す
るときは、この時間を長めに設定します。
「接続」
: 接続が確立されるまでの時間を、秒単位で入力します。
「読み出し/書き込み」: メッセ ージの読み出しおよび書き込み を行う時間を、秒単位
で入力します。この時間を過ぎると「タイムアウト」となり、接続が切断されます。
送信用 SMTP ポート
送信用の SMTP パケットで使用したいポート番号を入力します。デフォルト以外のポー
トを選ぶ場合は、別のサービスやプロトコルですでに使用されているポートを選ばない
ように注意してください。

メールサービスに関するその他の情報
メールプロトコルおよびその他のテクノロジーに関する一般的な情報については、次の
参考書籍を参照してください。

m メールサービスの全般的な入門書としては、「Internet Messaging」(David Strom、
Marshall T. Rose 共著、Prentice Hall 社発行、1998 年)が適しています。

m MX レコードについて詳しくは、
「DNS and BIND 」
(第 3 版、Paul Albitz / Cricket Liu /
Mike Loukides 共著、 O’Reilly and Associates 社発行、1998 年)の中の「DNS and Electronic
Mail」を参照してください。

m 「Removing the Spam:Email Processing and Filtering」
(Geoff Mulligan 著、AddisonWesley Networking Basics Series、1999 年)も参考になります。

m メールの標準については、「Essential E-Mail Standards:RFCs and Protocols
Made Practical」(Pete Loshin 著、John Wiley & Sons、1999 年)を参照してください。
各種のメールプロトコル、DNS、およびその他の関連トピックに関して、大量の情報が
インターネット上にあります。

RFC(Request for Comments)ドキ ュメントには、プロト コルやサービスの 概要と、プロ
トコルの動作に関する詳しい情報が記載されています。サーバの管理を始めたばかりの
方にとって、RFC の背景の情報は参考になることでしょう。経験豊富なサーバ管理者の
場合、RFC ドキュメントによって、プロトコルに関する詳細な技術情報をすべて確認で
きま す。RFC ドキ ュメ ント は、次の Web サ イト で番 号で 検索 する こと がで きます。

www.faqs.org/rfcs

170

第 8章

メールプロトコルの動作の技術的な内容について詳しくは、次の RFC ドキュメントを参
照してください。

m POP:「RFC 1725」
m IMAP:「 RFC 2060」
m SMTP:「RFC 821」および「RFC 822」
メールサービスに関する簡単な説明については、次の Web サイトを参照してください。

m www.whatis.com
技術用語を検索すると、その用語に関する簡単な説明を見つけることができます。こ
の Web サイトでは、特定のテクノロジーの動作に関するより詳しい情報へのリンク
集も用意されています。

メールサービス

171

9
9

QuickTime Streaming Server
QuickTime Streaming Server とは ?
QuickTime Streaming Server(QTSS)は、メ ディアをインター ネット経由でリア ルタイム
に配信できるテクノロジーです。ストリーミングによって、ユーザはライブメディアま
たは記録済みメディアのブロードキャストを視聴したり、記録済みメディアをオンデマ
ンドで 視聴したりす ることがで きます。ユーザは コンピュー タで受信され 次第、スト
リーミングメディアを見ることができ、ファイルがダウンロードされるのを待つ必要が
ありません。
次に示すのは、QuickTime Streaming Server の主な機能です。

m 「スキッププロテクション」機能によって、インターネットでの通信障害や混雑から
ストリーミン グを保護し、品質を向上さ せます。この機能は、ストリー ミングのク
ライアントが QuickTime 5 を使用しているときに使用できます。

m 2 つの認証方式「ダイジェスト」と「ベーシック」によって、保護されたメディアへ
のアクセスを柔軟に制御できます。

m 「プレイリスト」機能によって、一連のメディアファイルをライブブロードキャスト
であるかのよ うに簡単にストリーミン グできます。この機能を利 用して、仮想的な
ラジオ局を開設および管理することなどができます。

m Web ベースの管理によって、ローカルとリモートのどちらでもストリーミングサーバ
を簡単に設定および監視できます。

m リレーによっ て、サーバの階層を何層かに 設定し、事実上無限のクラ イアントにス
トリーミングをブロードキャストできます。

ストリーミングメディアを視聴する方
「QuickTime Streaming Server」からのストリーミングは、Macintosh と Windows のどちらの
ユーザでも、
「QuickTime Player」または QuickTime 対応のアプリケーションを使って視聴
できます。
「QuickTime Player」は、アップル社の Web サイトで無償で配布されています。
また、QuickTime プラグインがインストールされていれば、ストリーミングを Web ブラ
ウザから視聴できるように設定することもできます。
ユーザが Web ページを介してストリーミングメディアの再生を開始する場合は、
QuickTime プラグインがサーバに要求を送信します。

173

ユーザが「 QuickTime Player」を 使ってオンデ マンドでマルチ メディアを視 聴する場
合、クライアントコンピュータがサーバにマルチメディアファイルの再生要求を送信し
ます。サー バはヒントム ービーファ イルを探し、見つ かった場合 にクライアン トコン
ピュータにメディアを送信します。
ユーザがライブブロードキャストを視聴する場合、QuickTime ストリーミングのクライ
アント(たとえば「QuickTime Player」)が QuickTime Streaming Server に要求を送信します。
この サーバは SDP(Session Description Protocol)フ ァイルを 探し、見つか った場合 にメ
ディアを クライアント コンピュータ に送信し始め ます。SDP ファイルに は、ライブブ
ロードキャストのフォーマット、タイミング、および著作者に関する情報が含まれてい
ます。SDP ファイルは、ブロードキャスト用ソフトウェアによって、ライブメディアの
取り込 みに使用され るコンピュ ータ上に作成 されます。しか し、メディアをブ ロード
キャストするときは、あらかじめこの SDP ファイルをストリーミングサーバにコピーし
ておく必要があります。
ユーザ が記録済みの ブロードキャ ストを視聴す る場合も、同様の プロセスが発 生しま
す。つまり、サーバが SDP ファイルを探します。この場合は、プレイリストのブロード
キャスト を開始すると、 SDP ファイ ルが自動的に 作成されます。SDP ファイ ルがスト
リーミングサーバ上に作成されていない場合は、記録済みのメディアをブロードキャス
トする前に、ストリーミングサーバに SDP ファイルをコピーする必要があります。

QuickTime Streaming Server を使用する状況
音声や映 像をインター ネット経由で リアルタイム に配信するこ とに興味のあ る人なら
だれでも、QuickTime Streaming Server を使用することができます。たとえば QuickTime ス
トリーミングを次のような目的で使用できます。

m 1 日 24 時間放送できるインターネットラジオ局の開設
m コンサート、会社での会議、学校での集会など、ライブイベントのブロードキャスト
m 要望に応じて視聴できる講義ビデオを使った、遠隔学習 Web サイトの創設

QuickTime Streaming Server を設定する前に
QuickTime Streaming Server を設定する前に、次のストリーミング サーバの要件を確かめ
てください。
クライアントコンピュータの要件

m QuickTime 4 以降をインストールしたコンピュータであれば、QuickTime Streaming
Server からストリーミン グされたメディア を視聴することがで きます。必須ではあ
りませんが、推奨は QuickTime 5 です。
クライアントソフトウェアは、
「QuickTime」の Web サイト(www.apple.co.jp/
「QuickTime」
quicktime)からダウンロードできます。
サーバの要件

m 「QuickTime Streaming Server」ソフトウェアは、Power Mac G4 、Macintosh Server G4、Power
Mac G4 Cube、Power Macintosh G3、Macintosh Server G3、および iMac で使用できます。

m 最新バージョンの「Mac OS X Server」をインストールする必要があります。
174

第 9章

m 128 MB(メガバイト)以上の RAM が必要です。サーバ上の通信量が多くなると予想さ
れる場合は、512 MB 以上の RAM および 500 MHz 以上のプロセッサを使用することを
お勧めします。
ライブブロードキャストの要件
ライブ音声またはライブ映像をストリーミングするためには、以下の機器を用意する必
要があります。

m 音声、映像、またはその両方を記録できる機器。
m ブロードキャ スト用ソフトウェアがイン ストールされ、ビデオキャプ チャカードま
たはオーディオキャプチャカードが搭載されているコンピュータ。FireWire 接続のあ
るコンピュー タを使用することもできま す。このコンピュータでライ ブ音声または
ライブ映像を取り込み、エンコードしてから、ストリーミングサーバにブロードキャ
ストします。

ライブ映像用の設定例
下の図は、ライブ映像とライブ 音声をストリーミングするための設定を示しています。
(ほとんどのビデオカメラにはマイクロフォンが内蔵されています。)マイクロフォン、
ミキサー、およびその他の適切な音声機器を使うと、音声だけをストリーミングするこ
とができます。
Mac OSコンピュータで映像と音声を
取り込んで、エンコードします。エン
コードされた信号はIPネットワークを
経由して、QuickTime Streaming
Serverに送信されます。

QuickTime Streaming Server
ソフトウェアをインストールした
Mac OS X Serverは、
「QuickTime
Player」を使って視聴するクライアント
に信号を送信します。

QuickTime Streaming Server を初めて設定する
「QuickTime Streaming Server」の設定と管理を行うときは、Web ベースの「Streaming Server
Admin 」プログラムを使用します。「Streaming Server Admin」を 使用するには、バージョ
ン 4.5 以降の「Netscape Navigator 」、
「 Netscape Communicator」、または「Microsoft Internet
Explorer」を実行できるコンピュータが必要です。
QuickTime Streaming Server

175

手順 1 :「Streaming Server Admin 」を開く
「Streaming Server Admin」を開くときは、次のように操作します。
1

Web ブラウザを開きます。

2

サーバ上の「Streaming Server Admin」の URL を入力します(必ずコロンとポート番号 1220
を追加します)。
たとえば、次の情報が使用されます。
http://www.myserver.com:1220
「www.myserver.com」の部分をお使いのサーバの名前に置き換えてください。

3

ログインとパスワードのテキストフィールドにストリーミングサーバの管理者 ID とパ
スワードを入力し、
「送信」をクリックします。ID は「streamingadmin」で、デフォルト
のパスワードは「default」です。
「Streaming Server Admin」の Web ページが表示され、サーバの動作状況が表示されます。
ページの上部にある「状況」、「設定」、または「ログ」をクリックしてこれらの領域を
管理します。
参考:「QuickTime Streaming Server」が正し くインス トールさ れた場 合は、
「 Dock」から
「Streaming Server Admin」を開くこともできます。
「?」マークをクリックし
「Streaming Server Admin」の使用中にヘルプを表示する ときは、
ます。

手順 2 : ストリーミングサーバの設定を選ぶ
ストリーミングサーバの設定を変更するときは、次のように操作します。

1 「設定」をクリックします。
2 「一般設定」
、「ログ設定」
、または「プレイリスト設定」をクリックします。
3

必要な変更を行って「送信」をクリックします。
利用可能な設定について詳しくは、 177 ページの「ストリーミングサーバの設定」を参
照してください。

手順 3 : ストリーミングメディアを表示するための Web ページを作成す
る(省略できます)
ストリーミングメディアは、Web ページに埋め込むことができます。このようにしてお
くと、視聴者はその Web サイトの URL を入力することによって、任意の Web ブラウザ
でメディアを視聴できます。
たとえば、ユーザは次のような URL を入力できます。
http://www.mywebpage.com/
この場合、
「www.mywebpage.com」の部分をお使いの Web サイトの DNS 名に置き換えます。
ストリーミングメディアを埋め込んだ Web ページを作成する

Web ページにストリーミングメディアを埋め込むときは、HTML の「 EMBED」タグを使
用します。
「EMBED」タグの機能と使用方法について詳しくは、www.apple.co.jp/quicktime/
authoring を参照してください。
176

第 9章

次のサンプルコードは、Web ページ上でムービー「 sample.mov」にグラフィックのリン
クを指定しています。(QuickTime に付属の「Sample Movie」の名前を変更して、試しに
使うこと ができます。)ユーザ がリンクをク リックすると、「QuickTime Player」でムー
ビーのストリーミングが開始します。


This is a sample use of the EMBED tag.
「SRC」属性で指定されている URL は、静止画像「linkimage.mov」へのリンクです。この 画像が、ス トリーミン グムービー へのリン クになりま す。 「width」および「 height」 属性はそれぞれ、画像領域の幅と高さを指定します。 「HREF」属性は、画像がクリック されたときに再生を開始するストリーミングムービーの URL を指定します。 また、ストリーミングサーバ上のメディアを指す RTSP URL を使用し、ストリーミング トラックを含むリファレンスムービーを作成することによって、ユーザが Web ページ上 でストリーミングメディアを視聴できるようにすることも可能です。作成したリファレ ンスムービーを Web サイトと同じディレクトリに保存し、Web ページにリファレンス ムービーへのリンクを作成します。リファレンスムービーの作成について詳しくは、 developer.apple.com/quicktime/quicktimeintro/tools/index.html で「WebMaster Tools」の 「MakeRefMovie 」ツールを参照してください。 リファレンスムービーは、テキ ストファイルのようにシンプルにすることができます。 ファイル名には拡張子「.mov」を付けます(「ref.mov」など) 。ファイルのコンテンツの フォーマットは、次のようになります。 rtsptext rtsp://my.streamingserver.com/sample.mov ストリーミングサーバの設定 一般設定 ムービーディレクトリ 指定した「ムービーディレクトリ」内のヒントされたメディアはすべてストリーミング に使用できます。以下のものを使用できます。 m 個々のファイル m ファイルを含んでいるディレクトリ m ほかの場所にあるメディアへのリンク 「ムービーディレクトリ」のデフォルトの場所は「/Library/QuickTimeStreaming/Movies/」で す。別のボリュームの別のディレクトリを選ぶことができます。 QuickTime Streaming Server 177 認証方式 「ベーシック」または「ダイジェスト」を選びます。デフォル トでは、より安全性の高 い「ダイジェスト」認証がサーバで使用されます。ただし、 「ダイジェスト」認証では、 ユーザがバージョン 5 以降の「Quicktime」を使って接続する必要があります。 「ベーシッ ク」認証を使用すると、「ダイジェスト」認証に比べてセキュ リティ保護は強力でなく なりますが、「QuickTime」の以前のバージョンと互換性があります。 ポート 80 のストリーミング HTTP ポート 80 を経由して QuickTime ストリーミングを提供するかどうかを選択します。 ファイア ウォールで保 護されたクラ イアントにス トリーミング を提供する必 要がある 場合は、ポート 80 経由のストリーミングを有効にする必要があります。ポート 80 の HTTP ストリーミングを使用しても、ほかのポートでの HTTP ストリーミングは使用で きます。ただし、同じサーバ上で Web サービスも提供する場合は、 QuickTime ストリー ミングがポート 80 の HTTP トラフィックを妨げる可能性があります (詳しくは、188 ペー 80 。 ジの「ポート のストリーミング」を参照してください) 最大接続数 最大接続数に達すると、接続しようとしたユーザには、サーバにアクセスが集中してい ることを示すメッセージ(エラー 453)が表示されます。使用可能な帯域幅、提供する メディアファイルのサイズ、およびブロードキャストの対象とするクライアント数のバ ランスをうまくとるようにしてください。 最大スループット これは、サーバの最大スループットです。最大スループットに達すると、ほかのユーザ は接続できません。接続しようとしたユーザには、サーバにアクセスが集中しているこ とを 示す メッ セージ(エ ラー 453)が表 示され ます。「 QuickTime Streaming Server」は、 ネットワ ーク上でほか のデバイスと スループット を共有するこ とがあること に注意し てください。 システム起動時にサーバを開始 コンピュータを再起動したときに、常にサーバを開始し直します。 「Streaming Server」の管理者のパスワード ストリーミングサーバの管理者のログインパスワードを入力します。次の行にもう一度 ログインパスワードを入力して確認します。デフォルトのパスワードは「default」です が、パスワードを変更することができます。 ログの設定 フィールド内の情報を変更したり、必要なボタンをクリックしたりして設定を調整しま す。一定の日数または一定のサイズ(KB 単位)に達したら、ログがリセットされるよ うに指定することができます。「送信」をクリックすると、変更が反映されます。 エラーログ エラーログでは、エラーと情報メッセージが示されます。この情報は、サーバのトラブ ルに対 処するときに 利用できます。完 全なエラー ログは、 「 /Library/QuickTimeStreaming/ Logs/Error.log」ディレクトリにあります。 178 第 9章 アクセスログ 「アクセスログ」には、記録がリセットされて以降、各メディ アファイルがアクセスさ れた回数、アクセスされた日時、およびそのメディアファイルにアクセスしたユーザが 示されます。アクセスエラーもこのログに記録されます。完全なアクセスログは、 「/Library/QuickTimeStreaming/Logs/StreamingServer.log」ディレクトリにあります。 接続中のユーザ このパネルには、ストリーミングサーバに接続しているクライアントのリストが表示さ れます。また、クライアントが視聴しているムービーやクライアントの IP アドレスな どの追加情報も表示されます。以下に説明する画面コントロールを使用すると、この情 報をさまざまな形式で表示できます。 表示する数 ポップアップメニューから数値を選んで、表示するユーザの数を 4 変更します。 このページのアップデートの間隔 ポップアップメニューから数値を選んで、リストが更新される頻度を変更します。 並べ替えの順序を選択する ポップアップメニューから「昇順」または「降順」を選んで、並び順を選択します。 並べ替えの列を選択する 列ラベルをクリックして、接続中のユーザのリストを並べ替える基準を選びます。 ストリーミングサーバの上手な使いかたとヒント ストリーミングするライブメディアを用意する ライブ音声またはライブ映像をストリーミングするときは、以下の操作を行う必要があ ります。 1 ブロードキャスト用ソフトウェアに付属のマニュアルの指示に従って、ブロードキャス ト用ソフトウェアを設定します。 2 音声機器または映像機器を、信号の取り込みとエンコードに使用するコンピュータに接 続します。 3 ブロードキャスト用ソフトウェアを使って、ライブ信号の取り込みとエンコードに使用 するコンピュータで SDP (Session Description Protocol)ファイルを作成します。 詳しくは、お使いのブロードキャスト用ソフトウェアに付属のマニュアルを参照してく ださい。 4 SDP ファイルを「QuickTime Streaming Server」コンピュータにコピーします。 SDP ファイルは、必ずストリーミングに使用するディレクトリにコピーしてください。 5 ストリーミングメディアを Web ページで表示したい場合は、 「 EMBED」タグを使用するか QuickTime リファレンスムービーを別に作成して Web ページを作成します(176 ページの 「ストリーミングメディアを埋め込んだ Web ページを作成する」を参照してください) 。 QuickTime Streaming Server 179 6 ストリーミングサーバが開始していることを確認します。 7 ブロードキャスト用ソフトウェアに付属のマニュアルの指示に従って、ブロードキャス ト用ソフトウェアを開始します。 8 ユーザに、SDP ファイルへの RTSP URL、 または Web サーバに保存した QuickTime リファレ ンスムービーへの HTTP URL を提供して、ストリーミングメディアの視聴方法を知らせ ます。 ストリーミングする保存済みメディアを用意する ストリーミングする保存済みメディアを用意するときは、次のように操作します。 手順 1: メディアにヒントトラックを追加する ヒントトラックには、ストリーミングサーバがメディアを正しくストリーミングするた めに必要な情報が含まれて います。ほとんどのオーサリング用アプリケーションでは、 「QuickTime メディアをヒントされた QuickTime ムービーとして書き出すことができます。 Pro」があれば、「QuickTime Player」を使ってムービーをヒントすることもできます。 「QuickTime Pro 」は「 Mac OS 」コンピュータと「 Windows」コンピュータで使用すること ができます。システム要件とインストールの手順については、QuickTime の Web サイト で確認してください。 メディアファイル内のトラックは、それぞれ独自のヒントトラックを持ちます。たとえ ば、1 個の音声トラックと 1 個の映像トラックがあるムービーの場合は、2 つのヒント トラックがあります。1 つは音声トラック用で、もう 1 つは映像トラック用です。 「QuickTime Player」を使ってムービーをヒントムービーとして書き出すと、QuickTime に よって自動的に適切な数のヒントトラックが追加されます。 QuickTime ムービーをヒントムービーとして書き出すときは、次のように操作します。 1 「Mac OS 」コンピュータまたは「Windows」コンピュータで「QuickTime Player」を開きま す。(この操作には「QuickTime Pro 」が必要です。 ) 2 ヒントしたいメディアファイルを開きます。 3 「ファイル」メニューから「書き出し」を選びます。 4 ポップアップメニューから「ムービーからヒントムービーへ」を選び、新しいファイル 名を入力します。 5 「書き出し」ダイアログボックスで「オプション」をクリックします。 6 「サーバ用にヒントを最適化」を選びます。この手順は省 略できます。このオプション を選ぶと、サーバの能力が向上し、より多くのクライアントにストリーミングできるよ うになりますが、ファイルのサイズが 2 倍になることがあります。 7 「OK 」をクリックします。 8 「保存」をクリックします。 手順 2: メディアファイルを QuickTime Streaming Server にコピーする SDP ファイルは、必ずストリーミングに使用するディレクトリにコピーしてください。 180 第 9章 複数のソースを持つメディアファイルをストリーミングする 多くの場合、QuickTime ムービーは、複数のメディアファイルのコンテンツで構成され ます。たとえば、1 つの映像クリップを 1 つ以上の CD トラックの音楽と組み合わせる ことがあります。QuickTime ムービーを書き出すときは、すべてのソースメディアが含 まれるように「独立再生形式」のファイルにしてください。これによってサーバの性能 が向上します。 独立再生形式ではないムービーをストリーミングするときは、ヒントするほかに、次の 操作を行う必要があります。 m ムービーで必要なファイルをすべて同じフォルダまたはディレクトリにコピーします。 m すべてのファイルを「QuickTime Streaming Admin」で「ムービーディレクトリ」に指 定したサーバ上のディレクトリに保存します。 プレイリストを使って記録済みの音声または映像をブロードキャストする 記録済みの QuickTime メディアファイルが特定の順番(プレイリスト)で再生されるよ うに設定しておくと、仮想の「ラジオ局」やビデオ放送を実現できます。一連のプレイ リス トを設 定し、それ ぞれの「再 生」ボタ ンをク リック すると、「QuickTime Streaming Server」にメディアがブロードキャストされ、設定した順番(ランダムまたは順序通り) で視聴者にメディアが配信されます。メディアはあらかじめ記録されたものですが、視 聴者にはライブブロードキャストのように見えます。ブロードキャストを視聴しようと するすべての人が、同じメディアを視聴します。 メディアをブロードキャストするときは、以下の操作を行う必要があります。 手順 1: QuickTime メディアとリファレンスムービーファイルを用意する 「QuickTime Streaming Server」がストリーミング可能なメディア であれば、どのようなメ ディアでもブロードキャストできます。 メディアを用意するときは、次のように操作します。 m プレイリストのムービーでは、それぞれ同じトラック数および同じ種類のトラックを 使用します。 すべてのメディアファイルが互換性のある種類のメディアを含んでいる ことを確認します。たとえば、すべての音声トラックで同じエンコード方式、圧縮方 法、およびビットレートを使用する必要があります。また、すべての映像トラックで も同じエンコード方式、圧縮方法、およびビットレートを使用する必要があります。 m 各ファイル内 のメディアを同じ方法で フォーマットします。たと えば、映像トラッ クが含まれるそれぞれのファイルで、同じフレームサイズを使用します。 m 各項目がヒントされた QuickTime ムービーであることを確認します。 QuickTime メディアとリファレンスムービーファイルを用意するときは、次のように操 作します。 m 通常、プレイリス トの最初のメディアファイ ルをリファレンスムービ ーとして指定 します。ただし、リファレンスムービーを別にオーサリングすることができます。 m リファレンスムービーを別にオーサリングする場合、このリファレンスムービーは、 実際のメディ アファイルと同じトラ ック数、トラックの種類、エン コード方式、圧 縮方法、およびビットレートが使用された、ヒントされた QuickTime ムービーである 必要があります。 QuickTime Streaming Server 181 手順 2: プレイリストを作成する プレイリストを作成するときは、次のように操作します。 1 「Streaming Server Admin」の「設定」をクリックし、さらに「プレイリスト設定」をク リックします。 2 「新しいプレイリストを作成」をクリックします。 3 プレイリストの名前を入力します。 4 ポップアップメニューを使って再生モードを設定します。 m 「シーケンシャル」: メディアはプレイリストファイルの順にブロードキャストされ ます。 最後のメディアファイルの再生が完了すると、 ブロードキャストが停止します。 : メディアはプレイリストファイルの順にブロー m 「シーケンシャル(繰り返しあり)」 ドキャストさ れます。最後のメディアファ イルの再生が完了する と、同じ順番でプ レイリストが繰り返されます。 m 「ランダム(重み付けあり)」: メディアは、項目の再生頻度を決めるために、7 で指 定する重み付けに従ってランダムにブロードキャストされます。メディアは、ブロー ドキャストを停止するまで、ランダムに再生され続けます。 5 エラーメッセージなど、ブロードキャストに関する情報をサーバでログファイルに記録 したいときは、「ログを作成する」をクリックします。 6 「項目を追加/削除」をクリックして、ムービーファイルをプレイリストに追加します。 7 メディアファイルの順序と重み付けを設定します。 プレイリスト内のメディアは、指定した順番またはランダムにブロードキャストできま す。また、リストを 1 回だけブロードキャストすることも、繰り返しブロードキャスト することもできます。 メディアをランダムにブロードキャストする場合は、リスト内の各メディアファイルに 「重み付け」を指定できます。重み付けは 1 〜 10 の数値で、この数値によって項目を再 生する頻度が決まります。10 の重み付けが指定されたメディアファイルは、10 未満の 重み付けが指定されたメデ ィアファイルよりも再生頻度が高くなります。(重み付けは ムービー名の後に指定します。)メディアファイルのデフォルトの重み付けは 10 です。 重み付 けを使用する ほかに、ほかのメ ディアファイ ルが指定した 数だけ再生さ れるま で、メディアファイルが再び再生されないようにすることもできます。 8 リストにあるほかの項目を繰り返す前に再生する項目の数を設定します(重み付けを使 用する場合)。 9 「送信」をクリックしてプレイリストを保存します。 参考: ヒントされたメディアファイルとプレイリストは、サーバの任意の場所に保管で きます。指定した「ムービーディレクトリ」以外の場所でもかまいません。ヒントされ たメディアファイルを「ムービーディレクトリ」以外の場所に保管した場合、このファ イルをプレイリストの一部としてブロードキャストできますが、QuickTime クライアン トからこれらのファイルに直接アクセスすることはできません。 手順 3: ブロードキャストサービスを開始する ブロ ードキ ャスト サービ スを開 始およ び停止 すると きは、 「 Streaming Server Admin」の 「プレイリスト設定」パネルに戻ります。プレイリストのブロ ードキャストを開始する ときは、「操作」列の「再生」ボタンをクリックし、停止す るときは「停止」ボタンを クリックします。 182 第 9章 手順 4: ブロードキャストへの接続方法をユーザに知らせる ユーザがブロードキャストに接続するためには、 「QuickTime Player」など、QuickTime メ ディアを再生できるソフトウェアが必要です。 最適の結果を得るためには、最新バージョンの「 QuickTime」ソフトウェアをインストー ルする必要があります。 ストリーミングメディアを表示する Web ページを作成すると、ユーザは QuickTime プラ グインがインストールされたWebブラウザを使ってブロードキャストに接続することが できます。Web ページの URL をユーザに提供し、クリックしたときにメディアが再生す るようにリンクを正しく埋め込む必要があります(176 ページの「ストリーミングメディ アを埋め込んだ Web ページを作成する」を参照してください)。 ユーザが「 QuickTime Player」を使ってブロードキャストを視聴する場合は、プレイリスト のブロードキャストに接続する SDP ファイルの URL をユーザに提供する必要があります。 プレイリストに関する問題を解決する ログを許可すると、ブロードキャスト中に発生したトラブルの対処にログファイルを利 用できます。 プレイリスト内のメディアがブロードキャストされていない場合: m 「Streaming Server Admin」をチェックして、ストリーミングサーバが動作していること を確認します。 m ストリーミングサーバが動作している場合、サーバコンピュータにある 「ProcessViewer」を使って、 「 PlaylistBroadcaster」というプロセスが実行されていること を確認します。 「PlaylistBroadcaster」プロセスが実行されていてもメディアがブロード キャストされ ていない場合は、いったんブ ロードキャストを停止 し、ブロードキャ ストの SDP ファイルを「QuickTime Streaming Server」の「ムービーディレクトリ」か ら削除した後、ブロードキャストを再開します。ブロードキャストを再開すると、新 しい SDP ファイルが生成されます。 プレイリスト内のメディアがランダムにブロードキャストされていない場合: 「ランダム(重み付けあり) 」再生モードが指定されていることを確認します。 メディアが一度再生されて停止する場合: 再生モードが「シーケンシャル(繰り返しあり)」または「ランダム(重み付けあり)」 に設定されていることを確認します。 プレイリストを「ランダム(重み付けあり)」でブロードキャストし、繰り返す項目に ゼロ以外の数値を設定している場合は、その数値がプレイリストのメディアファイルの 数よりも小さい数値であることを確認します。 プレイリスト内の一部のメディアが再生されない場合: プレイリスト内の各メディアファイルに割り当てた重み付けを確認します。プレイリス トを変更した場合は、変更が反映されるようにブロードキャストをいったん停止してか ら再び開始する必要があります。 メディアが正しくストリーミングされていない場合: プレイリスト内のすべてのファイルについて、メディアのコンテンツ、フォーマット、お よびエンコード方式が同じであることを確認します。また、ユーザが各自のコンピュータ に最新バージョンの「QuickTime」 ソフトウェアをインストールしていることを確認します。 QuickTime Streaming Server 183 ストリーミング速度が遅い場合: 各メディアファイルがサーバ用に最適化されたヒントムービーであることを確認します。 QuickTime Streaming Server の内側 互換性のあるファイルフォーマット 以下に示すメディアファイルは、ヒントされたメディアである限り、 「QuickTime Streaming Server」を使ってストリーミングし、「QuickTime Player 」で再生することができます。 分類 フォーマット ビデオ AVI オーディオ AIFF/AIFC SoundDesigner II System 7 Sound µLaw (AU) WAV MIDI Karaoke MIDI Standard MIDI メディアファイルは、次の方式で圧縮できます。 分類 圧縮/解凍方式(CODEC) 推奨するビデオ形式 Sorenson Video H.263 Motion JPEG A H.261 サポートするビデオ形式 Animation Cinepak Graphics Motion JPEG B MPEG-1 Photo JPEG Video None 184 第 9章 分類 圧縮/解凍方式(CODEC) 推奨するオーディオ形式 MP3 QDesign Music codec QUALCOMM Pure Voice DVI 4:1 ALaw 2:1 ALaw 2:1 16-bit raw サポートするオーディオ形式 IMA 4:1 MACE 3:1 MACE 6:1 ストリーミングメディアへのアクセスを制御する 「QuickTime Streaming Server」には認証モジュール「QTSSAccessModule」が付属しており、 これを使ってストリーミングメディアファイルへのアクセスを制御できます。サポート されている認証方式は 2 種類あります。 「ベーシック」と「ダイジェスト」です。デフォ ルトでは、より安全性の高い「ダイジェスト」認証がサーバで使用されます。 「QTSSAccessModule 」では、ストリーミングメディアへのアクセス制御だけではなく、ス トリーミングサーバに対するプレイリストおよび管理者のアクセスも制御できます。リ レーサーバからストリーミングされるメディアへのアクセスは制御できません。リレー されるメディアの認証は、リレーサーバの管理者が設定する必要があります。 「QTSSAccessModule」 は 「 QuickTime Streaming Server」 に内蔵しているため、常に使用できます。 保護されたメディアにアクセスするためのクライアントの要件 「ダイジェスト」認 証が有効にな っているメデ ィアファイ ルにアクセス するためには、 ユー ザは「QuickTime 5」以降 を使用す る必要が あります。「 QuickTime Streaming Server」 で「ベーシッ ク」認証を使用する ように設定され ている場合は、ユー ザは「QuickTime 4.1」以降を使用する必要があります。ユーザがメディアファイルを視聴するためには、 自分のユーザ名とパスワードを入力する必要があります。それよりも古いバージョンの 「QuickTime」を使用しているユーザがメディアファイルにアクセスしようとすると、 「401:認証されませんでした」というエラーメッセージが表示されます。 アクセス制御を設定する アクセス制御を機能させる には、 「ムービーディレクトリ」に 指定したディレクトリに アク セス ファイ ルを 置く必 要があ りま す。「QuickTime Streaming Server」の「ムー ビー ディレクトリ」にアクセスファイルがないと、すべてのクライアントがこのディレクト リのメディアにアクセスすることができます。 アクセス制御を設定するには、以下の操作を行う必要があります。 m アクセスファイルを作成します m ユーザファイルを作成します m ユーザファイルにユーザを追加します 必要に応じて、グループファイルも作成できます。 QuickTime Streaming Server 185 手順 1: アクセスファイルを作成する アクセスファイルは、ユーザとグループに関する情報が記述されている、 「 qtaccess」と 呼ばれ るテキストフ ァイルです。この ファイルに記 述されている ユーザとグル ープに は、アクセスファイルが保存されているディレクトリ内にあるメディアを視聴する権限 が与えられます。ストリーミングメディアを保存するディレクトリは、ほかのディレク トリを含むことが可能であり、それぞれのディレクトリはそれぞれのアクセスファイル を持つことができます。ユーザ がメディアファイルを視聴しようとすると、サーバが、 メディアを視聴する権限がユーザにあるかどうかを確認します。サーバは、まずメディ アファイルがあるディレクトリ内でアクセスファイルを探します。アクセスファイルが 見つからない場合は、そのディレクトリ内にあるディレクトリでアクセスファイルを探 します。最初に見つかったアクセスファイルを使って、ユーザにメディアファイルを視 聴する権限が与えられているかどうかを判断します。 参考: 「QuickTime Streaming Server」のアクセス ファイルは、Apache Web サーバのアク セスファイルと同様に機能します。 アクセスファイルは任意のテキストエディタで作成できます。ファイル名は「qtaccess」 とする必要があります。また、次の形式で記述する必要があります。 AuthName AuthUserFile AuthGroupFile require user require group 山かっこで囲まれていない文字列は、キーワードです。山かっこ内には、必要な情報を 記述します。 m 「message」は、ログインウインドウが表示されたときにユーザに示すテキストです。 省略してもかまいません。 メッセージに 空白文字(単語間のスペー スなど)を入れる場合は、メッ セージ全体 を引用符で囲んでください。 m 「user filename」は、ユーザファイルのパスとファイル名です。デフォルト設定は 「/etc/streaming/qtusers」です。 m 「group filename」は、グループファイルのパスとファイル名です。デフォルト設定は 「/etc/streaming/qtgroups」です。グループファイルは省略してもかまいません。多数の ユーザがい る場合は、1 つ 以上のグループを設定 してからグループ名を 入力した方 が、ユーザを個別に記述するよりも簡単な場合があります。 m 「username」は、ログインとメディアファイルを視聴する権限が与えられているユー ザです。このユー ザ名は、指定したユーザファ イルに記述されている 必要がありま す。 「 valid-user 」を指定することもできます。「valid-user」はすべての有効なユーザを 示します。 m 「groupname」は、ロ グインとメディア ファイルの視聴の 権限が与えられて いるメン バーで構成されるグループです。グループとそのメンバーは、指定したグループファ イルに記述されている必要があります。 追加のユーザタグ このセクションでは、「qtaccess」ファイルに追加できるタグについて説明します。 186 第 9章 m valid-user 「valid-user 」は、 「qtusers」ファイルに定義されたすべてのユーザを示します。 「 qtusers 」ファイルで認 証されて ステート メント「require valid-user」を指定 すると、 いるす べてのユー ザにメデ ィアファイ ルへのアク セス権を 与えること ができます。 このタグを使 用すると、サーバは、メディアを 視聴するためのユーザ 名とパスワー ドをユーザに求めます。 m any-user 「any-user」は、ユーザがメディアを視聴する際に認証を行わないことを示します。ス テートメント「require any-user」を指定すると、すべての ユーザにアクセス権が与え られます。アクセスする際に、名前とパスワードは要求されません。 手順 2: ユーザファイルを作成する ユーザがメディアファイルにアクセスできるようにするためには、そのユーザをユーザ ファイルに追加する必要があります。 ユーザファイルを作成するときは、 「Terminal」ウインドウを開き、次のように入力します。 qtpasswd -c 「authentication realm」は、認証ウインドウ でクライアントユーザに表示 するメッセージ です。「ベーシック」認証の場合、アクセスファイルに「 AuthName 」キーワードが指定 され ている ときは、アク セスフ ァイル に示さ れた保護 領域が ユーザ に表示 されます。 「AuthName」キーワードが指定されていないときは、ユ ーザファイルに示されている保 護領域がユーザに表示さ れます。 「ダイジェスト」認証の 場合は、アクセスファイルの 「AuthName」キーワードは無視され、ユーザファイルに 示されている認証の保護領域が 常にクライアントユーザに表示されます。 「ダイジェスト」認証を使用する場合は、ユー ザファイルを作成した後で保護領域を変更することはできません。保護領域を変更する 必要がある場合は、ユーザファイルを作成し直す必要があります。 そのユーザのパスワードを入力するように求められます。指定したユーザを含むファイ ルが作成されます。 参考: -c オプションは、ファイルの作成を指定します。このオプションは 1 回しか使 用できません。既存のファイルにこのオプションを使用すると、ファイルを上書きする かどうかのメッセージが表示されます。 手順 3: ユーザファイルにユーザを追加する ユーザファイルにユーザを追加するには、 「Terminal」ウインドウを開き、次のように入 力します。 qtpasswd そのユーザのパスワードを入力するように求められます。要求されたら、もう一度同じ パスワードを入力します。 手順 4: グループを追加する/削除する グループファイルは任意のテキストエディタで作成できます。ただし、次の形式で作成 する必要があります。 : QuickTime Streaming Server 187 グループを追加または削除するときは、作成したグループファイルを編集します。 ユーザファイルまたはグループファイルを変更する ユーザファイルまたはグループファイルからユーザを削除するときは、次のように操作 します。 m テキ スト エデ ィタ を使 って ユー ザフ ァイ ルま たは グル ープ ファ イル を開 きます。 ユー ザファ イル からは ユーザ 名と暗 号化 された パスワ ードの 行を 削除し ます。グ ループファイルからはユーザ名を削除します。 ユーザのパスワードを変更するときは、次の操作を行います。 m 「Terminal」ウインドウを開き、次のように入力します。 qtpasswd そのユーザのパスワードを入力するように求められます。入力したパスワードが、ファ イルに記述されているパスワードと置き換わります。 ファイアウォールまたはアドレス変換を使用するネットワークを介してメ ディアを視聴する 「QuickTime Streaming Server」は UDP( User Datagram Protocol)パケットを使ってデータ を送信します。ネットワーク上の情報を保護するように設計されているファイアウォー ルでは、多くの場合、UDP パケットがブロックされます。UDP パケットをブロックする ファイアウォールで保護されたクライアントコンピュータは、ストリーミングメディア を受信できません。ただし、 「QuickTime Streaming Server」では、HTTP 接続を介してスト リーミングすることもできます。この方法を使えば、非常に厳しく設定されたファイア ウォールを経由した場合でもストリーミングメディアを視聴できます。 アド レス変換 を使用 するネッ トワー ク上に ある一部 のクラ イアント コンピ ュータも、 UDP パケットを受信できないことがあります。ただし、HTTP 接続を介してストリーミ ングされるメディアを受信することはできます。 ユーザが ファイアウォ ール経由また はアドレス変 換を使用する ネットワーク 経由でメ ディアを 視聴するときに問 題が発生した場 合は、ユーザの「QuickTime」ソフ トウェア を最 新バー ジョンに アップ グレー ドして ください。そ れでも 問題が 解決し ない場合、 ネットワーク管理者はユーザに「QuickTime 設定」コントロールパネルの「ストリーミ ングプロキシ」パネルと「ストリーミング・トランスポート」パネルの適切な設定を知 らせる必要があります。 また、ネットワーク管理者は、RTP と RTSP スループットが許可されるようにファイア ウォールソフトウェアを設定することもできます。 ポート 80 のストリーミング インターネット上でストリーミングサーバを設定していて、一部のユーザは Web での通 信のみ許可するファイアウォールの背後にあると思われる場合、ポート 80 のストリー ミングを使用する必要があります。そのように設定すると、 「 QuickTime Streaming Server」 は、Web での 通 信の デ フォ ル ト設 定で あ るポ ー ト 80 で の 接続 を 受け 入 れる ため、 「QuickTime」のクライアントは、Web での通信のみ許可するファイアウォールの背後で あっても、ストリーミングサーバに接続することが可能になります。 ポート 80 のストリーミングを許可すると、ストリーミングサーバと同じコンピュータ で Web サーバを実行することができなくなります。ただし、次の方法のいずれかを行え ば、Web サーバを実行できます。 188 第 9章 m サーバに複数のIPアドレスを設定します。 これらのIPアドレスは、同じネットワーク インタフェース カードまたは複数のインタ フェースカードのどちらに でも割り当て ることができます。Web サーバとストリーミングサーバが異なる IP アドレスで接続 を受け付けるように設定します。 m Web サーバがポート 80 以外の接続を受け付けるように設定します。 この場合は、 Web サーバを指すすべての URL を、変更先のポート番号を指定するように変更する 必要があります。 リレーを設定する メディアストリーミングは、基本的に次の 2 つの方法のいずれかでサーバからクライア ントコンピュータに送信されます。 m ユニキャストは、1 対 1 で転送されます。ストリーミングを視聴するクライアントコ ンピュータは、それぞれ独自のストリーミングを受信します。 m マルチキャス トストリーミングは、グル ープアドレスに送信さ れます。つまり、複 数のクライアントコンピュータが同じストリーミングを視聴できます。 リレーとは、外部からのブロードキャスト(ユニキャストまたはマルチキャスト)を受 信し、そのブロードキャストを 1 つ以上の送信先アドレスに転送、あるいはリレーする ことです(ブロードキャストをリレーするときも、ユニキャストおよびマルチキャスト が可能です) 。複数のブロードキャストを同時にリレーするようにサーバを設定すること ができます。リレーはマルチキャストの利点を活かし、データを複数の送信先に同時に ストリーミングすることができます。これは、同じデータを必要とするユーザが多数い る場合に、マルチメディアなどの広帯域幅のデータを送信する方法として効率的です。 リレー は、複数の層で構 成されたスト リーミングサ ーバを使用し て大規模なブ ロード キャストを行うときにも使用でき ます。たとえば、3,000 人のクライアントがライブブ ロードキャストを視聴すると予想され、ブロードキャストの処理に 5 つのサーバを使用 する場合は、リレーとして動作するストリーミングサーバにブロードキャストを送るよ うにブ ロードキャ スト用アプ リケーション を設定しま す。次に、リレーに よって、ブ ロードキャストのコピーを 5 つのストリーミングサーバにそれぞれ転送します。 また、リレーによって、IP マルチキャストを利用することもできます。マルチキャスト とは、1 つのストリーミングを複数のクライアントが視聴できるようにするためのイン ターネット技術です。これによって、帯域幅を節約することができます。ただし、クラ イアントとサーバの間にあるすべてのルータで IP マルチキャストが使用可能になって いる必要があります。また、一部のインターネットルータでは、マルチキャストを使用 できないようになっています。 企業や大学のイントラネットなど、ブロードキャストを行うネットワークでマルチキャ ストが使用可能である場合は、リレーを使用することによって、受信ユニキャストを受 け取り、それをマルチキャストとしてリレーすることができます。リレーされたマルチ キャス トは、ストリーミ ングを受信し ようとするす べてのクライ アントが視聴 できま す。また、リレーを使用して、受信マルチキャストを受け取り、それをユニキャストと してリレーすることもできます。これは、マルチキャストをネットワーク全体には配信 したくない場合に便利です。 QuickTime Streaming Server 189 ライブブロードキャストのリレーの設定例 他社のブロードキャストソフトウェアを使用して、 Mac OSコンピュータで映像と音声を取り込んで、 エンコードします。エンコードされた信号は IP ネットワークを経由して、QuickTime Streaming Serverに送信されます。 ソース (192.168.1.1) 送信先のコンピュータはリレーされた 信号を受け取り、クライアント コンピュータに送信します。 送信先 (192.168.1.3) リレー (192.168.1.2) QuickTime Streaming Serverをインストールした Mac OS X Serverは、複数の送信先に信号をリレー します(下記のサンプルファイルのように、指定した IPアドレスとポートを使用します) 。 送信先 (192.168.1.4) ブロードキャストを視聴する クライアントコンピュータ。 リレー設定ファイルを設定する リレー 設定ファイ ルを作成 し、 「/etc/streaming」ディレ クトリに コピーする ことで、リ レーを設定します。リレー設定ファイルを作成する最も簡単な方法は、ストリーミング サーバソフトウェアに付属のサンプルファイルを編集することです。サンプルファイル のパスとファイル名は、「/etc/streaming/streamingrelay.conf 」です。 1 つのリレー設定単位は、リレーソースと 1 つ以上のリレー送信先から成ります。リレー 送信先 の情報は、リレ ーソースの 情報の直後 に記述する必 要がありま す。1 つ の設定 ファイルに複数のリレー設定単位を記述することができます。 次の例には、1 つのソースと 2 つの送信先が含まれています。 重要 「 relay_source」と「relay_destination」を記述するときは、異なる行に分けて記述す る必要があります。また、それぞれが必ず 1 行になるようにします。 リレー設定ファイルの例: relay_source "in_addr=192.168.1.1 src_addr=192.168.1.2 in_ports=5000 5002 5004 ttl=15" relay_destination "dest_addr=192.168.1.3 out_addr=192.168.1.2 dest_ports=6980 6982 6984" relay_destination "dest_addr=192.168.1.4 out_addr=192.168.1.2 dest_ports=10010 10012 10014 ttl=15" 190 第 9章 リレー設定ファイルで使用できるキーワードと値を、以下に示します。 キーワード 値 relay_source このキーワードに続けて、キーワード in_addr 、src_addr、 in_ports、ttl 、および各キーワードの適切な値を記述します。 in_addr 入力元の IP アドレス。ソースのブロードキャストがマルチ キャストの場合は、マルチキャストの IP アドレスです。ソー スのブロードキャストがユニキャストの場合は、ソースコン ピュータの IP アドレスのいずれかである必要があります。 src_addr ソースの IP アドレス(省略できます)。 in_ports ソースのブロードキャストの RTP ストリーミングのポート番号 です。この番号は、偶数である必要があります。入力ポートの 番号は、出力ポートの番号と一致する必要があります。ポート 番号が一意で、重複していないことを確認してください。 ttl Time-to-live 値です( マルチキャストソースの場合)。Time-to-live 値は、メディアストリーミングがあるルータから別のルータに 通過できる回数を指定するために、マルチキャストとともに使 用されます。指定した回数を超えると、ストリーミングは転送 されなくなります。 0 〜 255 の任意の数値を指定できます。値が 1 の場合は、ロー カルエリアネットワークのクライアントコンピュータまで到達 します。数値が大きくなるほど、マルチキャストのパケットが 送信される距離も長くなります。 relay_destination このキーワードに続けて、キーワード dest_addr 、out_addr 、 dest_ports、ttl 、および各キーワードの適切な値を記述します。 dest_addr リレーの送信先 IP アドレス(ユニキャストまたはマルチキャ スト)です。 out_addr マルチキャストのパケットを送信するインタフェースの IP ア ドレスです(省略できます)。明示的に設定しない場合、出力 インタフェースが自動的に選択されます。 dest_ports 送信先のリレーの RTP ストリーミングのポート番号です。この 番号は、偶数である必要があります。出力ポートの番号は、入 力ポートの番号と一致する必要があります。ポート番号が一意 で、重複していないことを確認してください。5000 以上で始ま る空きポート番号を使用してください。 include このキーワードに続けて、リレー設定ファイルのパスとファイ ル名を記述します。 設定ファイルでは、スペースを含む文字列を入力する場合、文字列を引用符で囲む必要 があります。たとえば、「My Streaming Server 」ではなく「 My Streaming Server 」と入力 します。 QuickTime Streaming Server 191 リレーを開始する/停止する リレーを停止するときは、 「/etc/streaming」ディレクトリにあるリレー設定ファイルを削 除するか、名前を変更します。その後「QuickTime Streaming Server」をいったん停止して から再開します。 リレーを開始するときは、リレー設定 ファイルを「/etc/streaming」ディレクトリに作成 するか、またはコピーします。その後「QuickTime Streaming Server」をいったん停止して から再開します。 QuickTime Streaming Server に関する問題を解決する Streaming Server Admin が応答しない場合: 「streamingadminserver.pl」スクリプトが実行されていることを確認します。実行されてい ない場合 は、 「/Applications/Utilities」にある「Terminal」アプリケー ションを起動 し、 「su root 」と入 力し、管 理者 のパ スワ ード を入 力し て、ルー ト管 理者 とな りま す。次 に、 「Terminal」ア プリケ ーショ ンに「 streamingadminserver.pl 」と 入力 して、「Streaming Server Admin 」プロセスを開始します。 サーバが開始しない場合、または突然終了してしまう場合: m エラーログを確認します。 m 「QuickTimeStreamingServer 」ファイル が「/usr/local/sbin/」ディ レクトリ にあるか を確 かめます。 ストリーミングサーバコンピュータがクラッシュ、または再起動した場合: m コンピュータが起動したら、プレイリストが再生中であることが「Streaming Server Admin」に示されていても、すべてのプレイリストを再開する必要があります。 m プレイリストを再開する前に、「QuickTime Streaming Server」が動作していることを確 かめます。 メディアファイルが正しくストリーミングされない場合: m エラーログを確認します。 m ムービーファイルが「QuickTime Streaming Server」に対応していることを確かめます。 184 ページの互換性のあるファイルフォーマットのリストを確認します。 m サンプルムー ビーをストリーミングして みて、サーバがそれをストリ ーミングでき るかどうかを確認します。サンプルムービーは、サーバに付属しています。 サンプルムー ビーがストリーミングされ る場合は、ムービーファイル の作成方法に 問題があると考えられます。ムービーを作成し直してください。 サン プルム ービ ーがス トリー ミング され ない場 合は、サー バコン ピュ ータま たは ネットワークに問題があると考えられます。 192 第 9章 m 「サーバ用にヒントを最適化」オプションを選んで、ムービーをヒントし直してみて ください。 m ストリーミングサーバの状況を確認し、必要であれば、最大接続数または最大スルー プットを減らします。 m 「Mac OS 」クライアントコンピュータで問題が発生する場合は、クライアントコン ピュータの「TCP/IP 」コントロールパネルを開き、 「MacIP」が選択されていないこと を確認します。 m クライアントコンピュータで問題が発生する場合は、ユーザの「QuickTime 設定」コ ントロール パネルの「ストリーミング プロキシ」パネルと「ストリ ーミング・トラ ンスポート」パネ ルが適切に設定されてい ることを確認します。クラ イアントコン ピュータのネットワークの管理者は、正しい設定を提供することができます。 m 複数のライブ ストリーミングをリフレク トしている場合、それぞれの ストリーミン グで異なる UDP ポートが使用されていることを確認します。そうでない場合、クラ イアントコンピュ ータにエラー 500 のメッセージが表示され ます。ポートはリレー 設定ファイルで指定します。 m ブロードキャス トするファイルフォーマッ トをクライアントソフトウ ェアがサポー トしていることを確認します。 m URL が正しいかどうかを確認します。 ストリーミングサービスの速度が遅い場合: m QuickTime ムービーをストリーミングしている場合、オーサリングアプリケーション を使ってムー ビーを独立再生形式にし ます。また、ストリーミングサ ービス用にヒ ントを最適化していることを確認します。 m 接続数の最大値またはスループットの最大値を減らします。 m ほかのサービスを停止します。 m サーバの性能 を向上させるため、メディアフ ァイルを別のハードディ スクに保存し ます。 「QuickTime Streaming Server」で使用できる「ムービーディレクトリ」は 1 つだけなの で、「Streaming Server Admin」で選 択した「ムー ビーディ レクトリ」か ら別のハ ード ディスクのメディアファイルへのリンクを作成する必要があります。そのためには、 次のように操作します。 m 「QuickTime Streaming Server」が動作しているコンピュータで、メディアが含まれ ているフォルダを、別のディスクから「ムービーディレクトリ」として選択して いるフォルダに control キーを押しながらドラッグします。 ユーザがライブストリーミングメディアを視聴することができない場合: m 音声機器また は映像機器から、信号の取り込 みとエンコードに使用す るコンピュー タに信号を取り込んでいることを確認します。 m SDP ファイルが、ストリーミングサーバの「ムービーディレクトリ」に保存されてい ることを確認します。 QuickTime Streaming Server 193 QuickTime Streaming Server に関するその他の情報 「QuickTime Streaming Server」について詳しくは、以下を参照してください。 m 「QuickTime Streaming Server」の Web サイト: www.apple.co.jp/quicktime/authoring/qtss/ m IP Multicast Initiative の Web サイト www.iijnet.or.jp/ipmulticast/ m ディスカッションメーリングリスト lists.apple.com 「QuickTime Streaming Server」の開発者の方 は、Streaming-Server-Developers リ ストを探 してください。 「QuickTime Streaming Server」のユーザの方は、Streaming-Server-Users リストを探してく ださい。 194 第 9章 10 Macintosh マネージメントサービス 10 Macintosh マネージメントサービスとは ? Macintosh マ ネー ジメン トサー ビス によっ て、アプリ ケー ション、フ ァイル サー バボ リューム、およびプリンタへのユーザアクセスを制御するためのネットワーク全体のポ リシーを設定することができます。ユーザがログインしたときに表示される環境を定義 することもできます。「Macintosh マネージャ」は、 「NetBoot」クライアントコンピュー タに認証および初期設定管理を提供する場合、特に役に立ちます。 Macintosh マネージメントサービスを使用する状況 次の状況に当てはま る場合は、Macintosh マネージメントサービス の使用を検討してく ださい。 m Macintoshコンピュータで構成されるネットワークの管理にかかるコストを削減したい m ユーザがどのコ ンピュータからでも自分の 書類にアクセスできるよう にすると同時 に、一貫性のある制御されたインタフェースを提供したい m 管理部門、教室、人の 出入りが自由な研究室 など、重要な場所でのコン ピュータ使 用に対してセキュリティを設定する必要がある 例: Macintosh マネージャを使ってコンピュータへのアクセスを制御する ムービーを制作および編集するために、多数の Macintosh コンピュータを新しく購入し たとします。場所に余裕がないので、新しいコンピュータを、普段使っているほかのコ ンピ ュータと 一緒に、人 の出入 りが自由 な研究 室に設置 しなけれ なりま せんでし た 。 「Macintosh マネージャ」を使用すると、ビデオの制作作業に関わるユーザだけに新しい コンピュータを確保することができます。このためには、特定のユーザを「ビデオ制作」 ワークグループに割り当て 、ビデオ制作用コンピュータの特別な「リスト」を作成し 、 ビデオ制作ワークグループにのみ、そのコンピュータへのアクセスを許可します。 195 Macintosh マネージャを設定する前に 「Macintosh マネージャ」を設定する前に、以下のシステム要件が満たされていることを 確認します。 クライアントコンピュータの要件 m 「Mac OS 8.1」〜「Mac OS 9.x」 m 使用可能な RAM が 1 MB 以上 m 「パネル」環境を使用する場合は 16 ビットモニタを推奨 管理コンピュータの要件 m 「Mac OS 9」以降、または「Mac OS X」 m 使用可能な RAM が 2 MB 以上 m 800 × 600 以上の解像度を持つモニタ Macintosh マネージャを初めて設定する 「Macintosh マネージャ」の基本的な初期設定を行うときは、次のように操作します。 手順 1 : ホームディレクトリを持つユーザが、 「ユーザとグループ」に存 在することを確認する 「Macintosh マネージャ」に読み込まれたユーザは、最初に「Mac OS X Server」の「ユーザ とグループ」データベースに存在している必要があります。読み込みを行う予定のユー ザには、ホームディレクトリも必要です。詳しくは、59 ページの「ユーザとグループを 初めて設定する」を参照してください。 手順 2 : Macintosh マネージメントサービスが稼動中であることを確認す る 「Server Admin」の「Macintosh マネージャ」モジュールを使って、サービスが稼動してい るかどうかを確認します。サービスが稼動している場合は、サービスのアイコンに地球 のマークが表示され、最初のメニュー項目が「Macintosh マネージャサービスを停止」に なります。メニュー 項目が「Macintosh マネージャサービスを 開始」の場合は、それを 選んで「Macintosh マネージャ」を開始します。 手順 3 : 管理者としてログインする 「Server Admin」の「Macintosh Mgr」モ ジュール を使用す るか、 「 Dock」の「Macintosh マ ネージ ャ」アイコン をクリック して、 「 Macintosh マネージャ」を 開きます。「Mac OS X Server」の管理者アカウントを使って、サーバにログインします。(これ以降は、このア カウントを使って、または設定したほかの管理者アカウントを使って、ログインするこ とができます。) 196 第 10 章 手順 4 : ユーザアカウントを追加する 「Macintosh マネージャ」の「ユーザ」パネルで、 「Mac OS X Server」からユーザを読み込みま す。ユーザアカウントと共に、名前やメールアドレスなどの必須のユーザ情報が、 「Macintosh マネージャ」に読み込まれます。ユーザをすぐに読み込まない場合は、 「その他 のユーザ」アカウントを設定して、 「Mac OS X Server」名とパスワードを使用したアクセス をただちにユーザに許可できます(228 ページの「読み込まれていないユーザにすばやい アクセスを提供する」を参照してください )。ユーザを追加したら、 「Macintosh マネージャ」 固有のオプション(ユーザのタイプや所属グループなど)を設定することもできます。 手順 5 : Macintosh マネージャの管理者を作成する 「Macintosh マネージャ」の管理者アカウントを少なくとも 1 つ作成し、ほかのユーザが セキュリティを省略できないようにする必要があります。 「 Macintosh マネージャ」の管 理者は、すべての「 Macintosh マネージャ」設定を管理します。ま た、各ユーザのパス ワードを使って そのユーザ(ほかの「Macintosh マネージャ」管理 者を除く)としてロ グインできます。 ユーザア カウントやワ ークグループ を追加したり 変更したりす る権限が必要 なほかの 人(教師や技術的なコーディネータなど)に対して、ワークグループ管理者のアカウン トを設定することもできます。提出フォルダにアクセスすることもできます。ワークグ ループの管理者は、Macintosh マネージャの管理者がアクセスするための「Macintosh マ ネージャ」機能のすべてを使用します。 手順 6 : ワークグループを作成する ユーザのワークグループを少なくとも 1 つ作成する必要があります。ワークグループに よって、アクセス権、およびソフトウェア、プリンタ、コンピュータなどの共有リソー スに基づいてユーザをグループ化できます。たとえば、特定のタイプのユーザを対象に 1 つのワークグループを作成し、あるプロジェクトで特定のプリンタを使用する必要が あるユーザを対象に別のワークグループを作成できます。 ユーザは、ワークグループに割り当てられるまで、 「 Macintosh マネージャ」ネットワー クにログインできません。(ユーザは複数のワークグループに所属できます。 ) 詳しくは、229 ページの「ネットワ ークの要望を満たすワークグループを作成する」を 参照してください。 手順 7 : セキュリティオプションを設定する 「グローバル」パネ ルでいくつか のセキュリテ ィオプショ ンを設定する ことによって、 情報を保護し、ネットワークへのアクセスを制御する必要があります。 ネットワークに「Mac OS 9」より以前のク ライアントコンピュータが含まれている場合 は、 「グローバル」パネル内の「セキュリティ」パネルを使って、ユーザの初期設定(デ スクトップのピクチャや Web ブラウザの設定とよく使う項目など)をどのように取り扱 い、 「Mac OS 9」より以前のクライアントユーザに対してどのように保存するかを指定し ます。次のいずれかを選びます。 m 初期設定 フォルダ全体をコピーする: ユーザの「初期設定」フォルダ内のすべて の項目が、その内容や大きさにかかわらず、ログイン時にサーバからコピーされ、ロ グアウト時にはサーバにコピーされます。不要な項目や大きな項目をコピーすると、 ログイン時間とログアウト時間が増える可能性があるので注意してください。 Macintosh マネージメントサービス 197 m イ ンタ ーネ ッ トま たは 管 理者 が 定義 した 初 期設 定だ け をコ ピー す る:「Managed Preferences」を使用している場合は、「Preserved Preferences」フォルダ内の初期設定が コピーされます(232 ページの「Macintosh マネージャが初期設定に従って動作する仕 組み」 )。 「Managed Preferences」フォルダを使用していない場合は、ユーザのログイン 時 に、次 の ファ イ ル と フ ォ ル ダが サ ー バ か ら コ ピー さ れ ま す。「StuffIt Expander Preferences」、「RealAudio™ Player Preferences」、「Internet Preferences」、「NCSA Telnet Preferences」、「Fetch Prefs」、「NewsWatcher Prefs」、「 JPEGView Preferences」、「 Netscape」、 および「Explorer」(「Netscape」フォルダと「Explorer」フォルダ内のキャッシュフォ ルダは削除されます) 。 Macintosh マネージャの設定 Macintosh マネージメントサービスの設定にアクセスするには、「Macintosh マネージャ」 を開いて、サーバにログインし、変更する設定のタブをクリックします。 ユーザの基本設定 「ユーザ」パネル内の「基本設定」パネル では、 「Macintosh マネージ ャ」ユーザの基本 オプションを設定できます。 198 第 10 章 名前、ユーザ名、および ID これらの要素は、「ユーザとグループ」データベースから 読み込まれます。ここで変更 することはできません。 「ユーザ名」は、「Server Admin 」アプリケーションで設定したユーザ名です。ユーザは、 フルネームの代わ りにユーザ名を使って「Macintosh マネージャ」や ほかのネットワー クサービスにログインします。ユーザがメールアドレスを持っていない場合、 「 Macintosh マネージャ」はユーザ名および「コンピュータ」パネル内の「コントロール」パネルで 指定したドメインに基づいて、アドレスを割り当てることができます。 ユーザの種類 「ユーザの種類」ポップアップメニューを使用すると、次の 3 種類のユーザアカウント のいずれかをユーザに割り当てることができます。 m 「ユーザ」アカウントは、日常業務でコンピュータを使用する人々(通常は学生や従 業員)が使用 します。この種類の ユーザには、「Macintosh マネージャ」管 理アプリ ケーションを使用する権限がありません。 m 「ワークグループ管理者」アカウントは、ユーザアカウントやワークグループを追加 ま た は 変 更す る 権 限 を 必 要 とす る 人 々(通 常 は 教 師や 管 理 者)が 使 用 し ます。 「Macintosh マ ネ ー ジ ャ」の管 理 者 は、ワ ー クグ ル ー プ 管 理者 に 使 用 を 許可 す る 「Macintosh マネージャ」の機能を決定します。ワークグループ管理者は、管理する各 ワークグループのメンバーであることが必要です。 m 「Macintosh マネージャ管理者」アカウントは、ネットワークを管理する人々、およ びすべてのユー ザやワークグループに影響 を与えるオプションを設定 する人々が使 用します。「Macintosh マネージャ」管理者は、有効な「Macintosh マネージャ」の機 能すべてを使用できます。ワークグループ管理者や「Macintosh マネージャ」管理者 のアカウントを設定できるのは、このタイプのユーザだけです。 各ユーザおよびワークグルー プ管理者をワークグループに割り当てる必要があります。 そうしないと、ユーザはログインできません。 コメント ユーザの識別に役立つ任意の情報を入力できます(半角 63 文字、全角 31 文字まで)。 ユーザのログイン m 「ユーザにログインを許可する」を選ぶと、「Macintosh マネージャ」を使って管理す るすべ てのコン ピュータに ログイン できます。こ の設定を使 用不可に することで、 ユーザアカウントをただちに取り除くことができます。 m 「ログインの失効日」を選ぶと、指定した日付に「Macintosh マネージャ」内のユーザ アカウントが無効になります。 Macintosh マネージメントサービス 199 ユーザの詳細設定 「ユーザ」パネル内の「詳細設定」パネル では、 「Macintosh マネージ ャ」ユーザの詳細 オプションを設定できます。ユーザの種類(「基本設定」パネルで設定)により、表示 されるオプションは異なります。 「 Macintosh マネージャ」管理者用の「詳細設定」パネル 200 第 10 章 アクセス m 「ユーザが 1 度にログインできるコンピュータは 1 台」を選ぶと、ユーザが一度に許可 される接続は、この「Macintosh Management Server」に接続されたコンピュータのうち の 1 台のみになります。この制限を適用されたユーザは、使用しているコンピュー タからログア ウトしてからでないと、別のコ ンピュータにログインま たはチェック アウトできません。 ユーザ用の「詳細設定」パネル m 「ユーザにシステムアクセスを許可する」を選ぶと、ユーザは、「Finder 」および「シ ステムフォル ダ」を含む、クライアントコンピ ュータのすべての項目 にアクセスで きます。システム アクセスが可能なユーザが クライアントコンピュー タにログイン すると、ログインダイアログに「システムアクセス」が選択肢の 1 つとして表示さ れます。「Macintosh マネージャ」管理者は、常にシステムアクセスできます。 メール 「Internet Preferences にユーザメール情報を保管する」を選ぶと、ユーザのログイン時に 「Macintosh マネージャ」がメールサーバをチェックしてメッセージを確認します。ユー ザは、POP( Post Office Protocol)または IMAP メールアカウントを持っている必要があり ます。 「 Macintosh マネージャ」にユーザを最初に読み込む際、各ユーザのメールアカウ ント名およびメールサーバのデータが、ほかのユーザデータとともに「 Mac OS X Server」 ユーザデータベースから読み込まれます。ユーザのメール情報が「Mac OS X Server」デー タベースに存在しない場合、 「コンピュータ」パネル内の「コントロール」パネルにメー ルサーバのデータを入力できます。 Macintosh マネージメントサービス 201 「Macintosh マネージャ」でメールの自動チェックを設定するには、 「ワークグループ」パ ネル内の「オプション」パネルで、ログイン時のメールチェックを有効にする必要があ ります。また、ユーザがメールソフトウェアにアクセスする必要もあります。 割り当て m 「ユーザのディスク割り当てを _K に設定する」を選び、フィールドに値を入力する と、ユーザがホームディレクトリで使用可能なディスク容量を制限できます。 「この 制限を超えた 場合にのみユーザに警告 する」を選ぶと、ディスク容量 の制限を超え た場合、 「Macintosh マネージャ」からユーザに警告が表示されます。ただし、ユーザ が追加文書を保存できなくなることはありません。 m 「ユーザ がプリ ンタ の割り 当て 数を超 える ことを 許可 する」を選 ぶと、ユ ーザは、 「ワークグループ」パネル内の「プリンタ」パネルで設定されたプリンタの割り当て を超過できるようになります。 参考:「その他のユーザ」を選んだ場合、 「詳細設定」パネルには「ユーザがプリンタの 割り当て数を超えることを許可する」だけが表示されます。 このワークグループ管理者に次のことを許可する 「ユーザ(管理者を除く)の読み込み、編集、および削除」お よび「ワークグループの 作成、編集、削除(メンバーの場合)」を選択すると、ユーザが該当するタスクを実行 できるようになります。これらの設定は、ユーザがワークグループ管理者である場合に のみ表示されます。 ワークグループ用の「詳細設定」パネル 202 第 10 章 次の編集を許可 ユーザにワークグループの作成、編集、および削除を許可する場合、ワークグループ管 理者 が変更 できるよ うにす るワー クグル ープの設 定パネ ルを選 択しま す。たとえば、 ユーザをワークグループに追加、またはワークグループから削除できるようにあるユー ザを設定するときワークグ ループのほかの設定は変更できないようにしたい場合、「メ ンバー」オプションだけを選択することもできます。 ワークグループのメンバー設定 「ワークグループ」パネル内の「メンバー」パネルで、環境の選 択およびワークグルー プへのメンバーの追加を実行できます。各ユーザまたはワークグループ管理者は、ログ インす るために少な くとも 1 つの ワークグル ープに割り当 てられる必 要があります。 ユーザは、最大 42 までのワークグループのメンバーになれます。 ワークグループ名 ワークグループ名には、ピリオド、アンダースコア、ダッシュ、空白など、キーボード 。ただし、半 から入力可能な文字の大半を含めることができます(コロン(:)を除く) 角で 31 文字、全角で 15 文字を超えてはなりません。 Macintosh マネージメントサービス 203 環境 「環 境」で、ワ ークグループ内のユーザに表示されるインタフェース 、およびワークグ ループのメンバーが持つネットワークリソースへ のアクセス権のタイプが決まります 。 設定可能な環境は、次の 3 タイプです。 m 「Finder」は、「Mac OS」の標準デスクトップです。ユーザには、ほとんど制限が課 されません。 m 「制限付き Finder」は、「Mac OS」の標準デスクトップに似ていますが、ユーザが実 行可能な操作を制限することにより、ワークステーションの不正操作を防ぎます。 m 「パネル」は、初心者(特に子供たち)が コンピュータを容易 に利用できるように、 大きなアイコンを使用した単純なインタフェースを提供します。 「パネル」環境では、 ユーザが起動 ボリュームに直接アクセス しないため、最大限のセキュ リティが維持 されます。サーバボリュームやリムーバブルメディアへのアクセスを許可すると、各 ボリュームやメディアが、マウント時にパネルとして表示されます。 「コンピュータ」 パネル内の「ログ イン」パネルで、ワークグルー プおよびユーザ書類パ ネルの名前 を指定できます。 使用可能なユーザ このリストで、 「その他のユーザ」アカウントを含む、読み込まれたすべての「 Macintosh マネージャ」ユーザの名前が表示されます。リスト内でユーザをクリックしてから、 「追 加」をクリ ックし、ワーク グループに ユーザを追加 します。このリ ストでユー ザをク リックして、「ワークグループメンバー」リストにドラッグすることもできます。 ワークグループメンバー 「ワー ク グ ル ー プメ ン バ ー」の ユ ー ザの 種 類 は、ユ ー ザ、ワ ーク グ ル ー プ 管 理者、 「Macintosh マネージャ」管理者のいずれかになります。ワークグループは、最大 1500 ま でのメンバーを保持できます。ワークグループからユーザを削除するときは、リストで ユーザを選び、「取り除く」をクリックします。 204 第 10 章 ワークグループの項目設定 「ワークグループ」パネル内の「項目」パネルを使用すると、ク ライアントコンピュー タのファイルおよびアプリケーションを、ワークグループメンバーから利用可能にでき ます。 メンバーはローカルボリュームのすべての項目を開くことができる このオプションを選ぶと、メンバーはローカルボリューム上の任意のファイルを開くこ とができます。このオプショ ンを選ぶと、 「ショートカッ ト項目」リストも設定できま す。ワークグループメンバーは、ここで設定する一群のアプリケーションにすばやくア クセスできます。 次の項目のみを開くことをメンバーに許可する このオプションを選ぶと、ワークグループメンバーからのアクセスが、選択した項目の みに制限されます。このオプションを選ぶ場合、下の「許可された項目」リストを設定 する必要があります。 ボリューム ショートカット項目または 許可された項目を設定する場合、「ボリューム」ポップアッ プメニューで、項目が存在するボリュームを選びます。選択したボリュームに存在する 項目が、下のフィールドに表示されます。該当する項目を選択してドラッグするか、 「追 加」をクリックして、右のリストに追加します。 Macintosh マネージメントサービス 205 ショートカット項目 ワー クグル ープの メンバ ーにす べての 項目へ のアク セスを 許可し ている か、 「Finder」 ワークグループの場合に、このリストが表示されます。メンバーは、リストに追加され た項目にすばやくア クセスできます。これらのアイテムは、「制限付き Finder」ワーク グループのフォルダ内、および「パネル」ワークグループのパネル上にまとめて表示さ れます。ショートカット項目のリストは、必要な場合に設定してください。 「ショートカット項目」リストだけが表示されます。リストに 参考:「Finder」環境では、 項目を追加すると、追加した項目のエイリアスがユーザのデスクトップに表示されます。 許可された項目 ワークグループのメンバーに、選択した項目だけを開く許可を与えている場合、このリ ストが 表示されます。ユ ーザにアク セスを許可 する項目をす べて、 「許 可された項目」 リストに追加する必 要があります。これらのアイテムは、「制限付き Finder」ワークグ ループのフォルダ内、および「パネル」ワークグループのパネル上にまとめて表示され ます。 選択した項目の検索方法 アプリケーションまたは書類を「許可された項目」とした場合、その項目は元のアプリ ケーションまたは書類のエイリアスとして保存されます。ユーザのログイン時に、コン ピュータは許可された項目の元のファイルをそれぞれ検索し、そのエイリアスをクライ アントコンピュータにダウンロードします。 「選択した項目 の検索方法」ポッ プアップメニ ューで次の いずれかを選 ぶことにより、 コンピュータがワークグループ項目を検索する場所を指定できます。 m 「項目 のオ リジ ナル ボリ ュ ーム 上の み」を選 ぶと、項 目が 最 初に 存在 して いた ボ リューム上(サーバボリュームまたはローカルボリューム)で検索を実行します。コ ンピュータが検索できるのは、マウントされたボリュームだけです。 m 「まずローカルボリューム上から」を選ぶと、クライアントコンピュータから利用可 能なローカル ボリュームだけで検索を 実行します。項目が見つか らず、かつ元の項 目がサーバ上 に存在していた場合、コンピ ュータは、マウントされた ボリュームを すべて検索します。 m 「まずワークグループサーバのボリューム上から」を選ぶと、ワークグループが保存 されたボリュ ームで検索を実行します。項 目が見つからない場合、コ ンピュータは 起動ボリュームおよびほかのローカルボリューム上で項目を検索します。 m 「ローカルボリューム上のみ」を選ぶと、ローカルにマウントされたボリューム(起 動ボリューム、追加パーティション、および直接接続されたハードディスクを含む) で項目が検索されます。 m 「ワークグループサーバのボリューム上のみ」を選ぶと、コンピュータは、そのワー クグループ用にマウントされたすべての AFP( Apple Filing Protocol)ボリュームで、項 目を検索しま す。これらのボリューム内で 項目が見つからない場 合、その項目を開 くことはできません。 206 第 10 章 「NetBoot」クライアントコンピュータの場合、ローカルボリュームは、コンピュータ内 のハードディスク、またはコンピュータに直接接続されたすべての外部ハードディスク になることに注意してください。 「 NetBoot」クライアントコンピュータの起動ボリュー ムは、リモートボリュームですが、ローカルボリュームのように扱われます。 重要 個人ファイルの共有が有効になっているか、 AFP ファイルサービスを実行中のコ ンピュータで「 Macintosh マ ネージャ」アプリケーションを 使用している場合、ワーク ステーションの項目を承認すると、予期しない結果になることがあります。問題が発生 し た 場 合 は、フ ァ イ ル サ ー ビ ス が イ ン ス ト ー ル さ れ て い な い コ ン ピ ュ ー タ で、 「Macintosh マネージャ」を使用してくだ さい。 「選択した 項目の検索方法」で「ローカ ルボリューム上のみ」を選択した状態ですべての項目を承認する場合、予期しない結果 にはならず、ファイルサービスが稼動しているコンピュータで「Macintosh マネージャ」 を使用できます。 ワークグループの権限設定 「ワークグループ」パネル内の「アクセス権」パネルでは、各ワ ークグループのさまざ まなの設定を選ぶことができます。 ワークグループに設定可能な権限は、ワークグループのデスクトップ環境によって異な ります。「Finder」ワークグループの権 限の大半は制限できません。一方、「パネル」お よび「制限付き Finder」ワークグループには、 設定可能な多数のオプションが存在します。 「 Finder 」ワークグループの「アクセス権」パネル Macintosh マネージメントサービス 207 保護 アプリケ ーションから クライアント コンピュータ の特定の領域 を変更できる かどうか を制御することにより、ワークステーションのセキュリティを強化できます。 m 「起動ボリューム上のユーザのデスクトップをロックする」を選ぶと、ユーザまたは アプリケーショ ンがデスクトップに対して 変更または書き込みを行う ことができな くなります。 m 「Mac OS 9 ワークステーションのファイルレベルのセキュリティを強化する」を選ぶ と、厳密なセキュ リティ保護を設定できま す。ファイルレベルのセキ ュリティを強 化すると、アプリ ケーションから制限された 領域に書き込むことがで きなくなりま す。ただし、以前のアプリケーションの中には適正に起動しないか、ディスクエラー を表示するも のもあります。ファイルレベ ルのセキュリティを設 定しない場合、ア プリケーションは任意の場所に情報を書き込むことができます。 m 「システムフォルダ」および「 アプリケーション フォルダ」を選択すると、「シス テムフォルダ」、 「アプリケーション」フォルダのいずれかまたは両方( 「Finder」ワー クグループ の場合)を保護できます。前も って「アプリケーション」フ ォルダを作 成して、起動ディスクのトップレベルに配置しておく必要があります。 「制限付き Finder」ワークグループの「アクセス権」パネル 208 第 10 章 グループメンバーが実行可能な操作 m 「パネル」および「制限付き Finder」ワークグループのメンバーにコンピュータでの 「オーディオ CD を使用」を選びます。オー オーディオ CD の再生を許可する場合は、 ディオ CD とは、最初のトラックにオーディオデータが格納された CD のことです。 クライアントコンピュータは、オーディオ CD を個別に識別することができません。 このため、指定できるのは、すべてのオーディオ CD へのアクセスを許可するか、ま たは制限するかになります。 m 「パネル」および「制限付き Finder」ワークグループのメンバーにスクリーンショッ トの撮影を許可する場合は、 「スクリーンショットを撮る」を選びます。スクリーン ショットは、ユ ーザの「書類」フォルダに自動 的に保存されます。ディ スク領域が 不足する恐れ がある場合、ユーザによるスク リーンショットの撮影を 制限してくだ さい。 m 「パネル」および「制限付き Finder」ワークグループのメンバーに対し、リムーバブ ルメディア(CD 以外)上の任意のアプリケーションを開くことを許可する場合、 「リ ムーバブルメディア上の許可された項目を開く」を選びます。 「グローバル」パネル 内の「CD-ROM」パネルで、CD および DVD に対するオプションを設定できます。リ ムーバブルメデ ィア上の承認されたアプリ ケーションを開くことをユ ーザに許可す る場合、クライア ントコンピュータがウイル スの影響を受けやすくな ることに注意 してください。ウ イルスに感染する危険を 減らすため、使用する前に リムーバブル メディアのウイルスチェックを行わない限り、この設定を無効にしてください。 アクセス権 次の場所に対して、「読み出し専用」、 「書き込み専用」 、「読み出し/書き込み」 、または アクセス権なしのいずれかを選ぶことができます。 m ワー クグ ルー プ共有 フォ ルダ:「オ プシ ョン」パネ ルで ワー クグル ープ デー タボ リュームを選 ぶと、このフォルダがワーク グループ用に作成され ます。このフォル ダを使用できるのは、ワークグループのメンバーだけです。 m グローバル 共有フォルダ:「オ プション」パネルでワ ークグループデー タボリュー ムを選ぶと、このフォルダが作成されます。ワークグループフォルダを同じボリュー ム上に保持す るすべてのワークグループ のメンバーは、そのフォルダ にアクセスで きます。 m ワー クグ ルー プ提 出フ ォル ダ:「オプシ ョン」パ ネルで ワーク グル ープデ ータボ リュームを選ぶと、ワークグループの受け渡し用フォルダを設定できます。この機能 を利用するには、少なくとも 1 人のワークグループ管理者または「Macintosh マネー ジャ」管理者がワークグループのメンバーであることが必要です。フォルダを表示で きるのは、管理者だけです。ワークグループのメンバーは、 「パネル」環境で「ファ イル」メニューの「提出」を選ぶか、 「制限付き Finder」環境で項目を「提出」フォ ルダにドラッグすることにより、項目をフォルダに含めます。 m リムーバブルメディア(CD は除く): これには、フロッピーディスク、Zip ディス ク、および着脱可能なその他のすべてのメディアが含まれます(CD を除く) 。CD お よび DVD に対するオプションは、 「グローバル」パネル内の「CD-ROM」パネルで設 定できます。 Macintosh マネージメントサービス 209 m 起動ディスクにある次の名前のフォルダ:「Macintosh マネージャ」管理者は、クライ アントコンピュータの起動ディスクに、役割の異なる 2 つのタイプのフォルダを作 成できます。最初のタイプは、任意の名前(Scratch など)を付けることのできる標 準フォルダで、 「読み出し専用」または「読み出し/書き込み」を設定することがで きます。このタイプのフォルダは、クリップアートの保存用、または Web ブラウザ のダウンロー ド用に使用できます。また、ビデ オおよびオーディオキ ャプチャアプ リケ ーシ ョンの 作業フ ァイ ルは、リモ ート ボリュ ーム に保存 したり、リ モー トボ リュームから コピーする必要がないため、こ のタイプのフォルダに保 存するのに適 しています。もう 1 つのタイプのフォルダでは、フォルダに黒丸( option + 8)で始 まる名前(•Special Apps など)を付けることにより、フォルダのコンテンツに特別な アクセス権を 設定できます。フォルダ名が 黒丸で始まる場合、ユーザ はそのフォル ダ内の 任意のア プリケーシ ョンを開 くことが できます。その アプリケ ーションが、 ユーザのワーク グループの承認された項目 のリストに含まれているか どうかには影 響されません。たとえば、高度なグラフィックス環境を実装する研究室では、 「iMovie」 ではなく、 「Final Cut Pro 」がインストールされたコンピュータが数台存在することが あります。管理者 は、これら数台のコンピュー タ用に別のワークグル ープを作成す る代わりに、名前 が黒丸で始まる特別なフ ォルダをコンピュータ に作成し、その内 部に「 Final Cut Pro」を 格納 でき ます。同 じワ ーク グル ープ に所 属す るほ かのコ ン ピュータのユーザには、保存場所として使用可能な空のフォルダが表示されます。特 別なフォ ルダに「Final Cut Pro」がイ ンストールされ たコンピュータの ユーザは、使 用す るコン ピュー タ上の「Final Cut Pro」だけを 開くこ とがで きます。こ の機能は、 「制限付き Finder」および「パネル」ワークグループの両方で有効です。特別なフォ ルダを使用す る場合、特別な注意が必要で す。このフォルダにコピー されたアプリ ケーションは すべて、開くことが可能に なります。このため、開いては ならないア プリケーショ ンがローカルハードディス ク上に存在する場合、そのア プリケーショ ンをコンピュータから取り除く必要があります。 アップルメニュー 「セレクタとネットワークブラウザ」 、「コントロールパネル」、および「(ほかの項目も 表示する)」のうち、「パネル」および「制限付き Finder」ワークグループのメンバーの アップルメニューに表示する項目を選びます。 「パネル」ワークグループの場合、 「ファ イル」および「特別」メニューに表示される項目を制限することもできます。チェック された項目がメニューに表示されます。3 タイプのワークグループのいずれの場合でも、 使用が禁止されたコントロ ールパネルが存在します。これらのコントロールパネルは、 「AppleTalk 」、「日付と時刻」、「機能拡張マネージャ」、「ファイル共有」、「キーチェーン アクセス」、「作業環境マネージャ」、「マルチユーザ」、「起動ディスク」、および「 TCP/ IP」です。 210 第 10 章 ワークグループのボリューム設定 「ワークグループ」パネル内の「ボリューム」パネルを使っ て、各ワークグループのさ まざまなボリューム設定を選ぶことができます。 ボリューム このリストには、使用可能なすべてのボリュームが表示されます。 「Server Admin 」を使っ て設定されたすべての共有ポイントも、このリストに含まれます。ワークグループのメ ンバーのログイン時にボリュームがマウントされるようにするには、ボリュームを選ん で右のリストにドラッグするか、ボリュームを選んでから「追加」をクリックします。 ログイン時にマウント このリストには、ワークグループのユーザがクライアントコンピュータにログインする ときに、マウントするように選択したすべてのボリュームが表示されます。リストから ボリュームを取り除くには、目的の名前を選び、「取り除く」をクリックします。 Macintosh マネージメントサービス 211 マウント時 ボリュ ームのマウン ト時に、ログイ ン名およびパ スワードが 要求されます。次 のオプ ションのいずれかを選ぶことにより、必要な情報を提供できます。 m 「Macintosh マネージャ」で使用するユーザ名およびパスワードを使用しないボリュー ムを マウント する場合、「ユー ザにログ インを促 す」を選び ます。ユーザ には、ボ リュームに対する有効な名前とパスワードの入力が求められます。 m 「この AFP ユーザとして自動的にログイン」を選ぶと、すべてのユーザに同じユーザ名 でのログインが許可されます。この場合、アクセス権を個別に制御することも、サー バにログインしたユーザを追跡することもできないため、各ユーザにユーザ名の入力 を求める場合と同じセキュリティを確保することはできません。 常にユーザの名前およびパスワードを使用した自動ログインを最初に試みる このオプションを選ぶと、自動ログインが失敗した場合にのみ、マウントオプションと して選 択した設定が 使用されま す。自動ログイン を選択しな い場合、使用され るオプ ションは、選択したマウントオプションだけです。 AFP のアクセス権を使用する このオプションを選ぶと、すでに確立された AFP( Apple Filing Protocol)権限を使ってボ リュームへのアクセスが制御されます。このオプションを使用できるのは、 「パネル」お よび「制限付き Finder」環境だけです。 マウントを解除するのに管理者のパスワードを要求する このオプションを選ぶと、ボリュームのマウント解除に、ワークグループ管理者または 「Macintosh マネージャ」管理者のパスワードが必要になります。 パネルにボリュームを表示する このオプションを選ぶと、「パネル」環境のパネルにボリュームが表示されます。 212 第 10 章 ワークグループのプリンタ設定 「ワークグループ」パネル内の「プリンタ」パネルを使って、各 ワークグループのさま ざまなプリンタ設定を選ぶことができます。 メンバーはシステムアクセスで選択されたプリンタを使用する ユーザがプリントするとき、「システムアクセス」ワークグル ープを使ってログインし たユーザによって、ま たは「Macintosh マネージャ」の起動前に別のユ ーザによってク ライアン トコンピュー タのデフォル トプリンタに 割り当てられ たプリンタを 使用する ように設定する場合、このオプションを選びます。このプリンタをデスクトップ・プリ ンタにすることはできますが、必ずしもそうする必要はありません。使用するプリンタ がデスクトップ・プリントに対応していない場合、このオプションを使ってユーザに印 刷を許可する必要があります。 「システムアクセス」プリンタを設定する場合、管理者 は「システムアクセス」ワーク グループを使用して各クラ イアントコンピュータにログインし、「セレクタ」を使って プリンタを選ぶ必要があります。ワークグループで「システムアクセス」プリンタの使 用を指定し、クライアントコンピュータからプリンタを選ばないとき、コンピュータに ログインするユーザは、「セレクタ」へのアクセス権がな い場合、プリントできなくな ります。「セレクタ」を表示可能なユーザは、表示された中か らプリンタを選ぶことが できます。 「Mac OS X」で「Macintosh マネージャ」を使用する場合、 「システムアクセス」 プリンタとして選べるのは、PostScript™ 互換のプリンタだけです。 ユーザがクライアントコンピュータからログアウトする際、管理者が「システムアクセ ス」プリンタとして選択したプリンタが、再びデフォルトのプリンタになります。 Macintosh マネージメントサービス 213 次のデスクトッププリンタの使用だけをメンバーに許可する このオプションを選ぶと、1 台以上のデスクトップ・プリンタをワークグループで使用 できるようになります。「使用可能なプリンタ」リスト から「選択されたプリンタ」に 各プリンタをドラッグしてから、使用するプリンタをクリックし、設定を行います。デ スクトップ・プリンタが「Macintosh マネージャ」で適正に動作するには、 「システムア クセス」ワークグループでログインしたユーザが各クライアントコンピュータ上でその プリンタの設定を行う必要 があります。 「システムアクセ ス」で設定されていないプリ ンタは、使用できない可能性があるか、安定した動作を期待できません。 使用可能なプリンタ このリストには、ワークグループで使用可能なすべてのデスクトップ・プリンタが表示 されます。プリンタを「選択されたプリンタ」リストに追加するには、プリンタを選択 してから「追加」をクリックします。目的のデスクトップ・プリンタが表示されない場 合、「新規作成」をクリックして設定できます。 選択されたプリンタ このリストには、ワークグループで使用可能なすべてのデスクトップ・プリンタが表示 されます。あるプリンタをワークグループのデフォルトプリンタにする場合、プリンタ を選択してから「デフォルトプリンタに設定」をクリックします。 このプリンタを使用するのに管理者のパスワードを要求する このオプションを選ぶと、選択したデスクトップ・プリンタを使用するために、ワークグ ループ管 理者または 「Macintosh マネージャ 」管理者のパスワー ドが必要になりま す 。 ユーザに管理者パスワードを知らせることは決してしないでください。管理者アカウント のセキュリティを確保するために、管理者権限を保持しないワークグループ管理者アカウ ントを設定し、このアカウントのパスワードを使ってプリントを行うことができます。 プリント可能な総ページ数を _ 日につき _ ページに制限する このオ プションを選 んで、ページ数 および日数を 入力すると、ワ ークグループ のメン バーが指定した日数内にプ リント可能なページ数が制限されます。「ユーザ」パネル内 の「詳細設定」パネルで、この割り当てをユーザごとに上書きできます。割り当てを設 定できるのは、デスクトップ・プリンタの割り当てだけです。 ページ数は、紙の枚数のことではなく、書類のページ数を指します。ユーザが 1 枚の紙 に 2 ページプリントすると、ページ数は紙の枚数の 2 倍になります。プリントジョブが 適正に終了したかどうかに関係なく(たとえば、紙詰まりがあっても)、ページ数は数 えられます。 プリンタを使用するのに管理者のパスワードを要求する このオプションを選ぶと、任意のデスクトップ・プリンタまたは特定のデスクトップ・ プリンタを使用す るために、ワークグループ管理者ま たは「Macintosh マネージャ」管 理者のパスワードが必要になります。ユーザに管理者パスワードを知らせることは決し てしないでください。管理者アカウントのセキュリティを確保するために、管理者権限 を保持しないワークグループ管理者アカウントを設定し、このアカウントのパスワード を使ってプリントを行うことができます。 214 第 10 章 各ページにユーザ情報をプリントする このオプションを選ぶと、各ページの一番上または一番下にユーザ名、ワークグループ 名、プリント時刻がプリントされます。この情報により、ページ上のほかの情報が上書 きされる場合があります。 ワークグループのオプション設定 「ワ ーク グルー プ」パネル 内の「オ プショ ン」パネル を使っ て、共有 グルー プ書類 ボ リュームや、ログイン時に発生するイベントなど、各ワークグループのさまざまな設定 を選ぶことができます。 保存するボリューム ワークグ ループに共有 書類の保存お よびアクセス を可能にする ボリュームを 選択しま す。このボリュームは、ワークグループ共有ボリュームまたはワークグループデータボ リュームと呼ばれます。 マウント時 ユーザがワークグループ共有ボリュームにログインする方法を選びます。 m 「ログインのダイアログを表示して情報を入力させる」は、ボリュームの有効な名前 とパス ワードの入力 をユーザに 要求します。この 設定は、 「 Mac OS X Server 」データ ベースからイン ポートしたユーザ名とパス ワードを使用しないボリュ ームをマウン トする場合に有用です。 Macintosh マネージメントサービス 215 m 「デフォルトの名前とパスワードを使って自動的にログインする」は、ワークグルー プボリュームとして「指定された Macintosh Management Server」を選んだ場合に設定 できます。このオプションを選ぶと、コンピュータは、一般ユーザ名およびパスワー ドを使ってワ ークグループボリューム にログインします。一般ユ ーザは、自動的に 設定されます。こ の場合、アクセス権を個別 に制御することも、サーバ にログイン したユーザを 追跡することもできないた め、各ユーザにユーザ名の入 力を求める場 合と同じセキュリティを確保することはできません。 m 「次の AFP ユーザとして自動的にログインする」は、すべてのユーザを同じユーザ名 でログインし ます。この場合、アクセス権を 個別に制御することも、サ ーバにログ インしたユー ザを追跡することもできな いため、各ユーザにユーザ名 の入力を求め る場合と同じセキュリティを確保することはできません。 参考:「Macintosh マネージャ 2.0」では、ワークグループデータボリュームは、ユーザ書 類の保存用ボリュームとは別のボリュームになります。ワークグループデータボリュー ムに は、グロ ーバ ル共有 フォ ルダ、ワー クグ ルー プ共有 フォ ルダ、およ び「Managed Preferences」フォ ルダが含まれ ます。一方ユーザ 書類は、「 Mac OS X Server 」の「ユーザ とグループ」で定義されたホームディレクトリボリュームに保存されます。 常にユーザの名前およびパスワードを使用したログインを最初に試みる このオプションを選ぶと、コンピュータは、ユーザの「 Macintosh マネージャ」名および パスワード(「Mac OS X Server 」データベースから読み込まれた)を使ってワークグルー プボリュームへのログインを試みます。 グループへのメッセージ ユーザがワークグループにログインするときに表示するメッセージを入力します。 起動とログイン m 「 起動項目 フォルダにある項目を開く」を選ぶと、「起動項目」フォルダ内の項目 がユーザのログイン時に自動的に開きます。 「Mac OS 9」以降のコンピュータでは、該 当するフォルダは、 「Macintosh Management Server」の「/Library/Startup Items」ディレク トリです。「Mac OS 9」より前のコン ピュータでは、該当するフォ ルダは、クライア ントのハードディスクの「システムフォルダ」内の「起動項目」フォルダです。 m 「メンバーのログイン時にメールを確認する」を選ぶと、ユーザが POP メールアカウ ントを持っている場合に、ログイン時にメールチェックが行われます。ユーザがメー ルアドレスを持っていない場合、 「コンピュータ」パネル内の「コントロール」パネ ル でメ ール サー バの 設定 を行 う必 要が あり ます。メ ール サー バの 設定 を行 うと、 「Macintosh マネージャ」がアドレスを生成します。 m 「ワークグル ープのメ ンバーがロ グインし たときに初 期設定を コピーす る」を選ぶ と、ログイン時 に「グローバル」パネル内の「セ キュリティ」パネルで 設定した初 期設定がコピ ーされます(「Mac OS 9」より前のクラ イアントコンピュータのみ)。 「Mac OS 9」以降のクライアントコン ピュータでは、初期設定はサー バ上に保管され ており、コピーする必要はないため、この設定は不要です。 CD-ROM ディスクを取り出す 「CD-ROM を取り出すのに管理者のパスワードを要求する」を選ぶと、CD-ROM ディスク を取り出すときに、ワークグループ管理者または「Macintosh マネージャ」管理者の名前 とパスワードが必要になります(これは「Finder」ワークグループには適用されません)。 216 第 10 章 コンピュータのリスト設定 「リスト 」パ ネルの設定内容は、選択中のコンピュータリストのすべてのコンピュータ に適用されます。コンピュータリストを使用すると、コンピュータおよびワークグルー プにアクセス可能なユーザをさらに細かく設定できます。たとえば、職員で構成される ワークグループに、特定のコンピュータのセットを使用するように割り当てることがで きます。ネットワーク上のほかのコンピュータにログインするユーザは、職員を含めだ れも「職員」ワークグループにアクセスすることはできなくなります。これにより、管 理者はソフトウェアおよびハードウェアへのアクセスをより柔軟に制御できます。 リスト名 「リスト名」には、ピリオド、アンダースコア、ダッシュ、空 白など、キーボードから 入力可能な文字の大半を含めることができます(コロン(:)を除く) 。ただし、半角で 31 文字、全角で 15 文字を超えてはなりません。 ログイン 「ログイン」ポップアップメニューには、4 つのオプションがあります。 m 「利用可能」を選ぶと、ユーザのログインが可能になります。コンピュータのメンテ ナンス作業(ソフ トウェアのインストールや ハードディスク整備用ソ フトウェアの 実行など)を行う場合を除き、通常はこれを選びます。 m 「利用不可 - ユーザが選択」を選ぶと、「システム終了」を選んで「Finder」を表示す るか(管理者のパスワードが要求されます)、 「Macintosh マネージャ」サーバを選ぶ か、ユーザに選択させます。 m 「利用不可 - Finder に切り替える」を選ぶと、ユーザの自動ログインを実行して、 「Finder」を表示します。 Macintosh マネージメントサービス 217 m 「利用不可 - 別のサーバを選択」を選ぶと、ユーザは、別の「Macintosh Management Server」を選ぶよう促されます。 リストに定義されるコンピュータ このフィールドには、選択したリスト内のすべてのコンピュータが表示されます。リス トにコンピュータを追加 するには、 「追加」をクリックし ます。コンピュータを削除す るには、削除するコンピュータを選んで、「取り除く」をクリックします。 コンピュータのワークグループ設定 「コンピ ュータ」パ ネル内 の「ワー クグル ープ」パネ ルを 使用し て、リスト 内の コン ピュータの使用を、特定のワークグループに制限できます。たとえば、学校では、職員 室に設置されたコンピュータへのログインを、 「Teachers」ワークグループのユーザにの み許可することができます。 すべてのワークグループにコンピュータの使用を許可する このオプションを選ぶと、すべてのワークグループのユーザが、選択したコンピュータ リスト内のコンピュータの使用を許可されます。 次のワークグループだけにコンピュータの使用を許可する このオプションを選ぶと、選択したリスト内のコンピュータを使用できるワークグルー プが指定されます。 218 第 10 章 使用可能なワークグループ このリストには、 「 Macintosh マネージャ」のワークグループがすべて表示されます。こ のリストを設定できるのは、上に表示された「次のワークグループだけにコンピュータ の使 用を 許可 する」を 選ん だ場 合だ けです。選 択し たコ ンピ ュー タリ スト 内の コン ピュータへのアクセスをワークグループに許可するには、ワークグループを選んで「追 加」をクリックします。 許可されたワークグループ このリストには、選択したコンピュータリスト内のコンピュータへのアクセスが許可さ れたワークグループが表示されます。 コンピュータの制御設定 「コントロール」パネルで設定する内容は、選択中のコンピュ ータリスト内のすべての コンピュータに適用されます。 ログインしているユーザがいない場合、サーバとの接続を _ 分後に切断 このオプションを選んだ場合、指定した時間(分)が経過するとコンピュータはサーバ への問い合 わせを中止します 。コンピュ ータにログイン画面 が表示された状態で 、メ ニューバーのサーバアイコンに緑色の X が表示されます。コンピュータは、ユーザが再 びログインするまで、サーバに対して更新やほかのトラフィックを確認することはあり ません。この設定を使用すると、ネットワークのトラフィックを最小限に抑えることが できますが、ユーザが再びログインおよびログアウトするまで自動更新は行われません。 Macintosh マネージメントサービス 219 コンピュータの時計をサーバに合わせる このオプションを選ぶと、ネットワークの Network Time Protocol サーバにアクセスでき ない場合、コンピュータの時計をサーバの時計に同期させます。 ハードディスク名を次のように設定する このオ プション を選んで名 前を入力す ると 、「Macintosh マネー ジャ」により 、ク ライ アントハードディスクの名前が指定した名前に変更されます。このオプションは、主に 「NetBoot」クライアントでの使 用を意図しています 。「NetBoot」クライアン トでは、起 動 ボリ ュ ー ムの デ フ ォル ト 名 は 「NetBoot HD」です。た と え ば、名前 を「Macintosh HD」に変更することで、これらのクラ イアントで使用されるすべてのアプリケーショ ンのパス名を、 「NetBoot 」ではないコンピュータのパス名と同じにできます。 「NetBoot 」 ではないコンピュータ環境では、この設定は必要な場合にのみ設定するだけでかまいま せん。 省エネルギー 「省エネルギー」では、省電力機能をサポートするクライアントコンピュータでの、シス テムの自動起動および終了時間を設定できます。この設定を使用できるかどうかは、コ ンピュータの「コントロールパネル」フォルダに「省エネルギー」コントロールパネル (バージョン 2.0 以降)が存在するかどうかで見分けることができます。コンピュータに よっては、選んだ設定によって、システム終了ではなくスリープすることがあります。 ユーザのメールアドレス 「Macintosh マネージャ」は、 「デフ ォルトのドメイン名」フィールドで 指定したユーザ のエイリアスおよびドメイン名を使って、メールアドレスを持たないユーザのメールア ドレスを作成できます。POP(受信メール)および SMTP(送信メール)サーバのアドレ スも入力する必要 があります。ユーザが「Macintosh マネージャ」ネッ トワークに接続 する際、インポートされたすべてのメール設定で、 「 Macintosh マネージャ」のメール設 定が上書きされます。 ユーザのログイン時にメ ッセージをチェックするには、「ワークグループ」タブの「オ プション」パネルで、「メンバーのログイン時にメールを確認する」を選びます。 220 第 10 章 コンピュータのセキュリティ設定 「セキュリティ」パネルで設定する内容は、選択中のコンピュ ータリスト内のすべての コンピュータに適用されます。 ユーザが実行できる操作 m 「機能拡張の読み込みを無効にして起動する」を選ぶと、ユーザは起動時に shift キー を押して、機能拡張を無効 にできます。shift キーを押す と、ほかの機能拡張は無効 になりますが、「Macintosh マネージャ」機能拡張は無効になりません。 m 「アプリケーションを強制終了する」を選ぶと、コマンド + option + esc キーを押し てアプリケー ションを強制終了できる ようになります。これには、セ キュリティ上 の危険があります。 m 「Macintosh Management Serverが使用できないときはオフラインで作業する」を選ぶと、 サーバボリュー ムを使用できない場合でも ユーザがコンピュータを使 用できるよう になります。 m 「ユーザのホームディレクトリが使用できない場合、オフラインで作業する」を選ぶ と、ホームディレ クトリの保存先ボリュー ムを使用できない場合、ユ ーザがオフラ インで作業できるようになります。 m 「認証なしで別のサーバに切り替える」は、クライアントコンピュータに対し、管理 パスワードがなくても別の「Macintosh Management Server」へ切り替えます。この設定 により、セキ ュリティが低下す る場合があります。以 前のバージョンの「 Macintosh Management Server 」ソフトウェアの稼動するサーバが存在する場合、この設定には注 意が必要です。ク ライアントコンピュータ を以前のサーバに切り 替えたときに、古 いクライアントソフトウェアがインストールされる可能性があります。 Macintosh マネージメントサービス 221 コンピュータで可能な操作 m 「すべての CD-ROM にアクセスする」を選ぶと、ユーザは、すべての CD-ROM および DVD-ROM ディスクへのアクセスを許可されます。 m 「許可された CD-ROM のみアクセスする」を選ぶと、承認されたディスクのリストに アクセスが制限されます。この設定を選ぶ場合、 「グローバル」パネル内の「CD-ROM」 パネルで、承認されたディスクのリストを設定する必要があります。 m 「挿入された CD-ROM のパネルを表示する」を選ぶと、CD-ROM のセット時にパネルが 表示されます(「パネル」環境の場合) 。 アプリケーションで可能な操作 m 「ヘルパーアプリケーションのようなほかのアプリケーションを開く」を選ぶと、必 要に応じてアプ リケーションからヘルパー アプリケーションを開ける ようになりま す。この設定を有 効にしない場合、アプリケ ーションから、特定機能を ユーザに提 供するほかのアプリ ケーションを開くことはできません。たと えば、Web ブラウザ から、 PictureViewerなどのヘルパーアプリケーションを開くことはできなくなります。 この設定を有効にすると、セキュリティが低下する場合があります。 m 「Finder の終了」を選ぶと、インストーラなどのアプリケーションから Mac OS 9 コン ピュ ータの「Finder」の 終了が 可能にな ります。こ のオプ ションを 選ぶと、ア プリ ケーションがセ キュリティを無視してしま うことがあります。このオ プションを選 ばない場合、「Finder」を終了さ せる必要のあるアプリ ケーションが正しく動 作しな い場合があります。 アイドル状態のログアウトを有効にする このオプションを選んで時間(分)を入力すると、ユーザがワークグループからログア ウトされるか、画面がロックさ れるまでのアイドル状態の時間が設定されます。「ユー ザをログアウトする」を選ぶと、ユ ーザに未保存の書類を保存する機会を与えてから、 ログイン画面に戻ります。ユ ーザは、 「保存」ダイアログを終 了して操作を継続するこ とはできません。「画面をロックする」を選ぶと、画面の表 示が消え、ログアウトする か、パスワードを入力して作業を継続するかを選択するダイアログが表示されます。 222 第 10 章 コンピュータのログイン設定 「ログイン」パネルで設定する内容は、選択中のコンピュータ リスト内のすべてのコン ピュータに適用されます。 ログイン設定 ユーザによるコンピュータへのログイン方法について、次の 2 つのオプションのいずれ かを選択できます。 m 「ユーザは自分の名前を入力する」を選ぶと、ユーザは、ログインダイアログにユー ザ名を自分で 入力することを求めら れます。 「ユーザ は自分の名前を入力する」は、 通常、リストから 名前を選ぶ場合よりも 高速で、セキュリティも向 上します。ただ し、ユーザは自分の名前を知っている必要があります。 m 「ユーザはリストから名前を選択する( 1 〜 2000 ユーザまで)」を選ぶと、ユーザはリ ストをスクロールして自分の名前を選ぶことができます。100 以上のユーザが登録さ れてい る場合、リストの 表示に時間が かかるため、通常、速 度が低下しま す。2000 以上の「Macintosh マネージャ」アカウントを保持している場合、このオプションは 使用できません。 ログイン時のメッセージ 作成可能なログインメッセージには、次の 2 つのタイプがあります(半角で 127 文字、 全角で 63 文字以内) 。 m 「ログインメッセージ」は、選択したコンピュータリストのログインダイアログに表 示されます。 m 「サーバメッセージ」は、選択したリスト内のコンピュータにユーザがログインした 後に表示されます。 Macintosh マネージメントサービス 223 パネルの名前 「パネル」環境で表示されるワークグループおよびユーザ書 類パネルの名前を変更でき ます。 m 「ワークグループ名を表示する」を選ぶと、ワークグループ書類パネルに各ワークグ ループの名前 が表示されます。または、下のボ タンをクリックしてフ ィールドに別 の名前を入力します。 m 「ユーザの名前を表示する」を選ぶと、ユーザ書類パネルに各ユーザの名前が表示さ れます。または、下のボタンをクリックしてフィールドに別の名前を入力します。 コンピュータのチェックアウト設定 「コンピュータ」パネルの「チェックアウト」パネルを使用 して、ユーザにコンピュー タからのチェックアウトを許可できます。たとえば、ユーザはポータブルコンピュータ をチェックアウトして自宅に持ち返り、放課後にも作業を継続することができます。コ ンピュータがチェックアウトされた後でも、 「 Macintosh マネージャ」のセキュリティ機 能は引き続き有効です。 コンピュータをチェックアウトすることができる このオプションを選ぶと、ユーザはこのコンピュータリスト内のコンピュータをチェッ クアウトできるようになります。 m 「コンピュータのチェックアウトをすべてのユーザに許可する」を選ぶと、すべてのユー ザが、このリスト内の任意のコンピュータをチェックアウトできるようになります。 m 「コンピュータのチェックアウトを次のユーザだけに許可する」を選ぶと、チェック アウトの実行が、選択したユーザだけに制限されます。 224 第 10 章 グローバルなセキュリティ設定 「グローバル」パネル内の「セキュリティ」パネルのオプションを使って、 「Macintosh マ ネージャ」ネットワークの完成度を保ち、ユーザの書類を不正操作から防ぐことができ ます。 ログインできる人数の最大数 サー バの状 況ログ に含め るロ グ項目 の最大 数を入 力しま す。ログは、「レポ ート」メ ニューを使って表示できます。 ゲストアクセスを許可する このオ プションを選 ぶと、ゲストユ ーザにログイ ンが許可さ れます(ゲストユ ーザが ワークグループに追加されている場合)。 その他のユーザ を許可する このオプションを選ぶと、 「Macintosh マネージャ」にユーザが読み込まれていなくても、 「ユーザとグループ」に名前とパスワードが存在するユーザ にクライアントコンピュー タへのアクセスが許可されます。 次の時間アイドル状態が続いたら管理プログラムを終了する 「Macintosh マネージ ャ」管理プロ グラムが自 動的に終 了するまで の、動作のな い時間 (分)を設定するときに選択します。 クライアントは Kerberos を使って認証する必要がある Kerberos ネットワーク認証プロトコルを使用して、クライアントログイン情報を検証す る場合、このオプションを選びます。 Macintosh マネージメントサービス 225 ユーザはパスワードを変更できる これを選ぶと、すべてのユーザが自分のパスワードを変更できるようになります。この アクセス権を無効にすると、ユーザのログインダイアログに表示されるパスワード変更 オプションは利用できなくなります。 ユーザはサーバ管理者のパスワードを使ってログインできる このオプションを選ぶと、システム管理者は、任意のユーザアカウントで(ユーザの名 前と管理者のパスワードを使って)ログインできるようになります。 ユーザの初期設定をコピーするとき 次の 2 つの設定は、 「 Mac OS 9 」より前のクライアントコンピュータにユーザの初期設定 をコピーする方法を制御します。 「Mac OS 9」より前のクライアントコンピュータにログ インしている間、ユーザはデスクトップピクチャなどの初期設定を変更できます。ただ し、ログアウト時に初期設定が保存されるのは、初期設定を保存する許可を与えた場合 だけです。 m 「 初期設定 フォルダ全体をコピーする」は、「Macintosh マネージャ」に対し、項目 の種類やサイズに関係なく、 「初期設定」フォルダ内のすべての項目のコピーを強制 します。不必要な、ま たはサイズの大きい項 目をコピーすると、ログイ ンおよびロ グアウトにかかる時間が長くなることに注意してください。 m 「インタ ーネッ トまた は管 理者が 定義し た初 期設定 だけを コピ ーする」を 選ぶと、 「Macintosh マネージャ」は、次のファイルおよびフォルダをユーザのログイン時に常 にコピーします。 m m m m m m m m m StuffIt Expander Preferences RealAudio™ Player Preferences Internet Preferences NCSA Telnet Preferences Fetch Prefs NewsWatcher Prefs JPEGView Preferences Netscape Explorer 「Netscape」および「Explorer」の場合、フォルダはコピーされますが、内部のキャッシュ フォルダは削除されます。 226 第 10 章 グローバル CD-ROM 設定 「グローバル」パネル内の「CD-ROM」パネルを使って、すべての CD-ROM および DVD -ROM ディスクへのアクセスを許可することも、リストに含まれるディスクにアクセスを制限 することもできます。使用可能なディスクのリストにディスクを追加すると、その内容 を表示できます。ディスク上のすべての項目へのアクセスを許可することも、選択した アイテムのみにアクセスを制限することもできます。 「ワークグループ」パネル内の「アクセス権」パ オーディオ CD の使用を許可する場合、 ネルを使用します。 Macintosh マネージメントサービス 227 Macintosh マネージャの上手な使いかたとヒント このセクションでは、 「 Macintosh マネージャ」を効率的に使用するためのヒントとアド バイスを示します。 読み込まれていないユーザにすばやいアクセスを提供する ユーザに認証されたアクセスを提供し、カスタマイズ環境を設定する、最も簡単で便利 な方法は、「読み込まれたユーザ」リストの「その他のユー ザ」アカウントを利用する ことです。 「その他のユーザ」アカウントにログインを許可すると、 「 Mac OS X Server 」の 「ユーザとグループ」 データベースにアカウントを持つユーザは、 「Macintosh マネージャ」 にユーザが読み込まれていなくても、クライアントコンピュータにログインできるよう になります。これらのユーザは、 「 Macintosh マネージャ」の「その他のユーザ」アカウ ントで設定したアクセス権限および環境を保持し、自分用のホームディレクトリ、初期 設定、および書類にアクセスできます。 ( 「その他のユーザ」機能は、ゲストアクセスと は異なります。ゲストは、パスワード認証を取得せず、ファイルや初期設定を保存する こともできません。) たとえば、集中ユーザデータベースのある大学では、コンピュータ室の Macintosh マネー ジメントサービスは、「その他のユーザ」アカウントを使用す る場合にのみ設定できま す。 「Mac OS X Server」アカウントを持つキャンパスのユーザはすべて、コンピュータ室 に行き、ホ ームディレ クトリ、初期設 定、および書 類にアクセ スできます。こ れらの ユーザを、最初に個別に「Macintosh マネージャ」にインポートする必要はありません。 参考:「その他のユーザ」アカウントを使って、コンピュータをチェックアウトしたり、 オフラインのコンピュータ で作業を行うことはできません。「その他のユーザ」アカウ ントを使ってログインしたユーザには、ディスクの割り当ては適用されません。 「その他のユーザ」の設定 「その他のユーザ」アカウントを設定する場合、次のように操作します。 1 「その他のユーザ」アカウントが「 Macintosh マネージャ」の「読み込まれたユーザ」リ ストに表示されない場 合、 「グローバル」パネルの「セキュ リティ」タブをクリックし てから「 その他のユーザ を許可する」をクリックします。 2 「ユーザ」タブをクリックして、 「読み込まれたユーザ」リストの「その他のユーザ」を 選びます。 3 「ユーザ」パネル内の「基本設定」および「詳細設定」パネルで、必要な変更を行います。 4 「ワークグループ」タブをクリックして、 「その他のユーザ」アカウントをワークグルー プに追加します。 5 「その他のユーザ」アカウントに合わせて、ワークグループの設定を変更します。 6 228 第 10 章 コンピュータが、「コンピュータ」パネルのワークグループか ら利用可能になっている ことを確認します。 ログイン時の「その他のユーザ」の表示方法 ログイン 時に名前とパ スワードを入 力するようク ライアントコ ンピュータを 設定して いる場合、ユーザは「Macintosh マネージャ」のログインダイアログで、 「 Mac OS X Server」 のユーザ名とパスワードを入力するだけです。ログイン時にユーザがリストから名前を 選ぶ場合は、リストの一番上、 「ゲスト」のすぐ下に、 「その他のユーザ」が表示されま す。ユーザが「その他のユーザ」アカウントを選ぶと、ログインダイアログが表示され て、「Mac OS X Server 」名およびパスワードを入力できます。 大規模なネットワークまたは拡張するネットワーク上で Macintosh マ ネージャを設定する 多数のユーザが利用する大規模なネットワークの場合、複数のサーバボリュームが必要 になる場合があります。また、ネットワークに別のサーバまたはパーティションが必要 になる場合もあります。そのような場合、簡単に移行できるように、設定を行うことが 期待されます。解決策としては、共有グループファイル、ホームディレクトリ、クリッ プアートフォルダ、部門またはクラスの Web サイト、共有する CD、および特別なネッ トワークアプリケーションなどを保管するサーバを追加設定します。このように設定す ると、 「 Macintosh マネージャ」にログインしたユーザは、ほかのボリューム上にあるも のを含めて、ほかの共有ポイントにあるコンテンツにアクセスすることができます。共 有グループファイルの 保管場所は、 「ワークグルー プ」パネルの「オプション」パネル で選びます。 複数の共有ポイントを設定する利点は、関連するファイルを管理可能なグループにまと めておくことができることです。そして、ハードディスクのパーティションや別のサー バを追加する必要がある場合に、この新しいボリュームに共有ポイントを簡単に移動で きます。 ネットワークの要望を満たすワークグループを作成する 「Macintosh マネージャ」で行う設定の多くは、個別のユーザが対象ではなく、ユーザの ワークグループが対象です。ユーザの設定を指定するときは、目的のユーザをワークグ ループに追加する必要があります。 ワークグループを設定するときは、共通プロジェクトと、そのプロジェクトの必要性に ついて考慮します。たとえば、次の点を検討してください。 m 一部のユーザ(ゲ ストユーザなど)に、制限付き のデスクトップ環境を 許可します か ? 制限付きのデスクトップ環境には、特定のメニュー項目や、ローカルフォルダお よびローカルアプリケーションなどへのアクセスの制限が含まれます。 該当する場合、こ れらのユーザ用のワーク グループを作成して、デス クトップ環境 を割り当てます。詳しくは、230 ページの「ワークグループのデスクトップ環境を選 ぶ」を参照してください。 m 一部のユーザ に、特定のアプリケーションと ファイルに簡単にアクセ スすることを 許可しますか ? 該当する場合、アクセス権を許可するユーザのワークグループを作成します。 m 書類に対して 共同作業を行うために、共有フ ォルダへのアクセスを必 要とするユー ザがいますか ? 該当する場合、こ れらのユーザだけで構成さ れるワークグループが存 在することを 確認し、共有ワークグループフォルダを設定します。 Macintosh マネージメントサービス 229 m 一部のユーザに、管理者だけ(教師やスーパーバイザなど)が開くことができるフォ ルダにチェックインすることを許可しますか ? 該当する場合、こ のようなユーザだけで構 成されるワークグルー プを作成し、その ワークグループに対して提出フォルダを設定します。 m 一部のユーザに特定のプリンタへの特別アクセスを許可しますか ? 該当する場合、こ のようなユーザだけで構成 されるワークグループが あることを確 認し、そのプリンタへのアクセス権を許可します。 m 特定のユーザグループに対し、指定したコンピュータの使用を制限しますか ? 該当する場合、このようなユーザだけで構成されるワークグループを作成し、 「コン ピュータ」パネ ルを使って、目的のコン ピュータを含む「リス ト」を作成し、目的 のワークグループをそのリストに割り当てます。 1 人のユー ザを複数 のワークグ ループに 割り当て ることがで きること に注意して くだ さい。 ワークグループのデスクトップ環境を選ぶ ワークグループのデスクトップ環境によって、ワークグループ内のユーザに表示される インタフェースと、ワークグループのメンバーがネットワークリソースに対して許可さ れるアクセス権のタイプが決まります。 「ワークグループ」パネルの「メンバー」パネルで、以下のいず れかの環境タイプを選 びます。 230 第 10 章 環境 説明 使用する状況 Finder m 標準の「Mac OS」デスクトップ と同様の外観で、同じように動 作します。 ユーザに最大限の柔軟性を許可したい 場合、かつ、管理者による制御が必ず しも優先されない場合。 m ユーザは、ローカルハードディ スク上のすべてのアプリケー ションについて、制限を受けず にアクセスできます。 m ユーザのホームディレクトリは ログイン時にマウントされ、特 定のコントロールパネルの使用 が制限されます。 環境 説明 制限付き Finder m m 使用する状況 標準の「Mac OS」デスクトップ ユーザに標準の「Mac OS」デスクトッ と外観は同様ですが、ユーザが プへのアクセスを許可する一方で、ク 実行できる操作が制限されます。 ライアントコンピュータで開くことが できるものを制限する場合。 ユーザはローカルハードディス クを参照することはできますが、 自分のコンピュータ上で開くこ とができるものが、管理者に よって決められています。 パネル m 大きなアイコンの単純なインタ フェースで、初心者のユーザが コンピュータを簡単に使用でき ることを目的とします。ワーク グループに割り当てられている 項目のみが表示され、ユーザが アクセスできます。 m サーバボリュームやリムーバブ ルメディアへのアクセスを許可 すると、各ボリュームやメディ アが、マウント時にパネルとし て表示されます。 m パネル名を指定できます(「コン ピュータ」パネルの「ログイン」 パネルにおいて)。 ユーザに最も単純な環境を提供したい 場合。または、ユーザがコンピュータ で実行できる操作について、管理者に 最大限に制御させたい場合。あるい は、その両方が該当する場合。 セキュリティを最大限に強化する 「Macintosh マネージャ」を使ってセキュリティを最大限に強化するには、多くの方法が あります。その方法について詳しくは、 「 Macintosh マネージャ」のヘルプを参照してく ださい。 m m m m m m 登録されていないユーザによるアクセスを禁止する 起動環境、システム設定、およびその他の管理オプションへの変更を禁止する アプリケーションがセキュリティを省略することを禁止する アプリケーションが別のアプリケーションを開くことを禁止する CD へのアクセスを制限する リムーバブルメディア上でのアプリケーションの使用を制限する オンスクリーンヘルプにアクセスするには、 「ヘルプ」メニューから「Macintosh マネー ジャヘルプ」を選ぶか、 「 Macintosh マネージャ」ウインドウの任意のパネルの左下に表 示される「? 」マークをクリックします。 Macintosh マネージメントサービス 231 Macintosh マネージャの内側 このセクション では、 「Macintosh マネージ ャ」がどのように動作するか、「内側」の情 報について説明します。問題が発生してトラブルを解決するときに、この情報は特に役 に立ちます。 Macintosh マネージャが起動する仕組み クライアントコンピュータが起動し、ユーザがログインすると、次の動作が起こります。 「Macintosh マネージャ」の設定方法に応じ m ログイン用のダイアログが表示されます。 て、ユーザは名前を入力するか、リストから名前を選びます。 m 「Macintosh マネージャ」は、 「 Mac OS X Server 」ディレクトリを使ってユーザ名とパス ワードを検証します。次に、 「Macintosh マネージャ」は、自分のデータベースを調べ て、ユーザにアカウントがあるかどうかを確認します。 m ユーザが複数 のワークグループに所属し ている場合は、所属している ワークグルー プのリストから目的のワークグループを選びます。 m 「Macintosh マネージャ」が、ユーザ、ワークグループ、およびコンピュータのデータ ベースを検索し、開きます。 m ワークグループの環境とその他の設定が有効になります。 m ユーザに対し て、サーバとワークグルー プのログインメッセー ジ(ある場合)が表 示されます。 m ユーザのデス クトップに書類フォルダ のエイリアスが表示さ れます(ユーザが「パ ネル」環境にある場合を除く)。 Macintosh マネージャが初期設定に従って動作する仕組み このセクションでは、ユーザ固有の初期設定(Web ブラウザの「お気に入り」やデスク トップの背景など)が「Macintosh マネージャ」の環境にどのように保管されるかについ て説明し、管理者が「Managed Preferences」フォルダを使って初期設定を制御する方法に ついて説明します。 「Mac OS 9」のコンピュータと「Mac OS 9」より前のコンピュータとで は、初期設定の処理方法に違いがあります。これらの違いについては、随時説明します。 初期設定の保管場所 デフォルトでは、初期設定の保存およびアクセスは、次の方法で行われます。 m クライアントがログインしていない場合:「Mac OS 9」のクライアントコンピュータ も「Mac OS 9」より前のクライアントコンピュータも、個別の初期設定の大半はサー バに保管されます。 m クライアントユーザが「Macintosh マネージャ」にログインする場合:「Macintosh マ ネージャ」により ユーザ固有の初期設定が 検索され、ユーザのログイ ン期間中有効 になります。ログイン中の初期設定の保管場所は、クライアントコンピュータが「Mac OS 9」か、それ以前の「 Mac OS」かによって異なります。 m Mac OS 9 より前のクライアント: 初期設定は、クライアントコンピュータの ハードディスクに存在する「システムフォルダ」内の「初期設定」フォルダに保 管されます。 m Mac OS 9 クライアント: 初期設定は、ユーザのホームディレクトリの「 /Library/ Preferences」フォルダに保存されます。 232 第 10 章 Mac OS 9 ユーザの初期設定が、クライアントのハードディスク上に存在する「ユーザ」 フォルダ内の「初期設定」フォル ダに保存される場合もありますが、「システムフォル ダ」内の「初期設定」フォルダに保存されることはありません。 「Managed Preferences」を使用する 「Managed Preferences」を使用すると、特定の要件や目的に合わせて初期設定の処理方法 を変更できます。たとえば、ユーザがあらかじめ定義された初期設定のセットを常に最 初に使用するか、またはユーザが設定した初期設定の中には決して上書きされないもの があるかどうかを設定できます。 「Managed Preferences」は、 「 Initial Preferences」、「Forced Preferences」、および「Preserved Preferences」の 3 つにグループ化できます。これらのカテゴリを使用できるかどうかは、 クライアントコンピュータ上の「Mac OS」のバージョンに依存します。 Mac OS 9 クライアント Mac OS 9 より前の クライアント: Initial Preferences 可能 可能 Forced Preferences 可能 可能 Preserved Preferences 不可 可能 「Initial Preferences」フォルダ、 「 Forced Preferences」フォルダ、および「Preserved Preferences」 フォルダを含む「Managed Preferences」フォルダが、ワークグループのメンバーが最初に ログインするときに作成されます。 「Managed Preferences」を使用するには、次のように操作します。 1 「ワークグループ」パネル内の「ボリューム」パネルで、ワークグループデータボリュー ムを設定します。 2 クライアントコンピュータから、ワークグループのデータボリュームにログインします。 「Forced Preferences」フ ォ ル ダ、お よ び「Preserved 空 の「Initial Preferences」フ ォ ル ダ、 Preferences」フォルダを含む「 Managed Preferences」フォルダが、ワークグループのデー タボリューム上に自動的に作成されます。 3 「Initial Preferences」フォルダまたは「Forced Preferences」フォルダに保存する初期設定を 作成します。 4 作成した初期設定を、ワークグループのデータボリューム上にある「Initial Preferences」 フォルダまたは「Forced Preferences」にコピーします。 5 「Mac OS 9」より以前のクライアントコンピュータを対象に「 Preserved Preferences」を作 成する場合は、目的の初期設定と同じ名前のファイルまたはフォルダ、あるいはその両 方を、「Preserved Preferences」フォルダに設定します。 実際の初期設定がファイル形式の場合、 「Preserved Preferences」フォルダに設定する同じ 名前の項目は、ファイルでなければなりません。同様に、実際の初期設定がフォルダの 場合は、同じ名前の項目はフォルダでなければなりません。 6 ワークグループのデータボリュームごとに、手順 1 〜 5 を繰り返します。 各「Managed Preferences」の使用方法について詳しくは、次のセクションを参照してくだ さい。 Macintosh マネージメントサービス 233 Initial Preferences 「Initial Preferences」フォ ルダは、ログインのたびに 各ユーザに特定の初期設 定ファイル を提供します。ユーザが「Initial Preferences 」フォルダにすでに初期設定を保持している 場合、 「 Macintosh マネージャ」はユーザの初期設定を置き換えることはしません。ユー ザが ログイ ンするた びにこ の処理 が繰り 返される ため、ソフ トウェ アを追 加すると、 「Initial Preferences」フォルダに追加の初期設定ファイルを保管できます。新規インストー ルしたソフトウェアをユーザが最初に使用する際、新規ソフトウェアの初期設定ファイ ルのコピーが、ユーザの「初期設定」フォルダに保管されます。 ユーザが最初 にログインすると、「Initial Preferences 」フォルダを使用してい るかどうか に関係なく、いくつかの初期設定が作成されます。次の項目を「Initial Preferences」フォ ルダに保管すると、これらの項目はユーザのフォルダにはコピーされません。 m m m m m m m m m Apple Menu Options Prefs AppSwitcher 初期設定 Internet Preferences キーボード初期設定 キーチェーン 作業環境マネージャ初期設定 Mac OS 初期設定 TSM Preferences ユーザの初期設定 例:「Initial Preferences」フォルダを使用する場合 たと えば、す べて のユ ーザ の最 初の ログ イン 時に、あ らか じめ 設定 され た「Internet Explorer」のブックマークおよび初期設定を提供する場合を考えましょう。この場合、次 の手順を実行します。 1 2 管理用コンピュータで、ブックマークおよび初期設定を設定します。 管理用コンピュータの「システムフォルダ」内の「初期設定」フォルダを開き、 「Explorer」 フォルダを見つけます。「Explorer」フォルダ全体を、 「 Macintosh マネージャ」サーバの 「Initial Preferences」フォルダにコピーします。 クライアントのログイン時の処理は、次のようになります。 m Mac OS 9 クライアントのログイン時:「Macintosh マネージャ」は、ユーザのホーム ディレクトリの「/Library/Preferences」フォルダで、 「Explorer」という名前のフォルダ を検索します。「Macintosh マネージャ」がユーザのフォルダ内に「 Explorer」フォル ダを見つけられない場合、 「Initial Preferences」フォルダから「Explorer」フォルダ(お よびその内容)をユーザのフォルダに新たにコピーします。 234 第 10 章 ユーザのフォルダ内に「Explorer 」フォルダがすでに存在する場合、 「Macintosh マネー ジャ」によって既 存のフォルダが更新さ れます。つまり、同じ名前の古 いファイル が新し いファイル に置き換え られ、クライ アントが前 回ログイン した後で「Forced Preferences」フォルダに置いたファイルが追加されます。ユーザの「初期設定」フォ ルダおよび「Forced Preferences」フォルダ内に、一意名が一致しないファイルまたは フォルダが存在する場合、 「 Macintosh マネージャ」による更新は行われません。一意 名が一致しな いファイルが増えてディス ク領域が不足するのを防 ぐには、必要に応 じてユーザの「初期設定」フォルダを確認してください。 m 「Mac OS 9 」より前のクライアントのログイン時:「Macintosh マネージャ」は、 「Explorer」という名前のフォルダを 2 つの場所で検索します。1 つの場所は、ユーザ のホームディレクトリ内の「初期設定」フォルダで、もう 1 つは、クライアントコ ンピュータ の「システムフォルダ」内 の「初期設定」フォルダで す。ユーザの「初 期設定」フォルダ内に目的のフォルダが見つからない場合、「Macintosh マネージャ」 は、 「Explorer」フォルダのコピーをユーザの「初期設定」フォルダ、およびクライア ントコンピュータの「初期設定」フォルダにコピーします。クライアントコンピュー タの「初期設定」フォルダに「Explorer 」フォルダがすでに存在する場合には、新た にコピーされ るフォルダで上書きさ れます。ユーザの「初期設定」フォ ルダに目的 のフォルダが存在する場合、コピーは行われません。 参考:「Mac OS 9」より前のコンピュータの場合、「Macintosh マネージャ」は、2 つの場 所のいずれかで「Explorer 」フォルダを見つけることができない場合、 「 Explorer」フォル ダをその場所にだけコピーします。このため、ユーザが使用するコンピュータを別のク ライアントコンピュータに変えると、ユーザの環境が一貫性のないものになります。 Forced Preferences 「Forced Preferences 」フォルダを使用すると、ユーザがログインするたびに、指定した初 期設定 セットを使っ て初期環境が 設定されます。ユ ーザが自分の 初期設定を変 更する と、ユーザの 次回のログイン時 に、これらの初期設定 が「Forced Preferences」フォルダ の初期設定と置き換わります。 例:「Forced Preferences」フォルダを使用する場合 たと えば、ログ インす るたび に、すべて のユ ーザに、あ らかじ め設定 された Internet Explorer のブックマークおよび初期設定を提供する場合を考えましょう。この場合、次 の手順を実行します。 1 2 管理用コンピュータで、ブックマークおよび初期設定を設定します。 管理用コンピュータの「システムフォルダ」内の「初期設定」フォルダを開き、 「Explorer」 フォルダを見つけます。「Explorer」フォルダ全体を、 「 Macintosh マネージャ」サーバの 「Forced Preferences 」フォルダにコピーします。 クライアントのログイン時の処理は、次のようになります。 m Mac OS 9 クライアントのログイン時:「Macintosh マネージャ」は、ユーザのホーム ディレクトリの「/Library/Preferences」フォルダで、 「Explorer」という名前のフォルダ を検索します。「Macintosh マネージャ」がユーザのフォルダ内に「 Explorer」フォル ダを見つけられない場合、 「Forced Preferences」フォルダから「 Explorer」フォルダ(お よびその内容)を ユーザのフォルダに新た にコピーします。ユーザの フォルダ内に 「Explorer」フォルダがすでに存在する場合、 「Macintosh マネージャ」は既存のフォル ダを削除して、 「Forced Preferences」フォルダの「Explorer」フォルダと置き換えます。 Macintosh マネージメントサービス 235 m 「Mac OS 9 」より前のクライアントのログイン時:「Macintosh マネージャ」は、ほ か の コ ピ ー が 存 在 す る か ど う か に 関 係 な く、「Explorer」フ ォ ル ダ を、 「Forced Preferences」フ ォルダか らクラ イアン トコンピ ュータ の「システ ムフォル ダ」内の 「初期設定」にコピーします。ユーザのホームディレクトリ内の「初期設定」フォル ダにコピーされるファイルやフォルダはありません。 Preserved Preferences 「Preserved Preferences」フォルダは、 「Mac OS 9」より前のクライアントコンピュータでの み機能します。「Preserved Preferences」フォルダに保 管したファイルおよびフォルダは、 決してコピーされません。 「 Macintosh マネージャ」は、「Preserved Preferences」フォルダ 内のファイルおよびフォルダをスキャンして、中に含まれるすべての項目のリストを作 成します。 「 Macintosh マネージャ」はこのリストを使って、ログインおよびログアウト 時に、サーバとクライアントコンピュータ間でコピーする必要のある初期設定を判断し ます。 「Preserved Preferences」フォルダを使ってコピーする初期設定を制限することによ り、ログインおよびログアウトにかかる時間を短縮できます。 「Preserved Preferences」フォルダ内に存在するかどうかに関係なく常にコピーされる初期 設定もあれば、 「Preserved Preferences」フォルダ内に存在しても決してコピーされない初 期設定もあります。 常にコピーされる初期設定 コピーされない初期設定 コントロールバー初期設定 AppleTalk 初期設定 日付 & 時刻初期設定 Client Prefs Finder 設定 ColorSync プロファイル Mac OS 初期設定 デスクトップピクチャ初期設定 パネル設定 省エネルギー初期設定 機能拡張マネージャ設定 Multi-User 項目 Multi-User 設定 Open Transport 初期設定 リモートアクセス TCP/IP 初期設定 Users & Groups Data File Users & Groups Data File Backup 236 第 10 章 m ユーザが「Mac OS 9」より前のクライアントコンピュータにログインする場合: 「Macintosh マネージャ」は「Preserved Preferences」フォルダをスキャンして、ファイ ル名およびフォルダ名を含むリストを作成します。「Macintosh マネージャ」は、 「常 にコピ ーする」リス トの項目 名を追加 して、組み合 わされた リストを 作成します。 「Macintosh マネージャ」は、組み合わせたリストに含まれるすべてのファイルおよび フォルダを、サー バに存在するユーザ固 有の「初期設定」フォルダから クライアン トコンピュ ータの「初期設定」フォルダに コピーします。クライア ントの「初期設 定」フォルダに存 在する、組み合わされたリス ト内の名前と同じ名前 を持つすべて のファイルお よびフォルダは、削除され ます。リスト内の項目が、サー バに存在す るユーザの「初期設定」フォルダにも、クライアントコンピュータ上の「初期設定」 フォルダにも存在しない場合、その項目はスキップされます。 m ユーザのログアウト時:「Macintosh マネージャ」は、同じ手順を使って、クライアン トコンピュ ータの「初期設定」フォルダか ら、サーバに存在するユ ーザの「初期設 定」フォルダにコ ピーする初期設定を決定 します。組み合わされたリ スト内の項目 と一致するす べての項目が、クライアン トコンピュータの「初期設 定」フォルダか ら削除されます。 参考: 「システムアクセス」ワークグループを使ってログインするユーザは、あるア プリケーショ ンを使用できない場合が あります。これは、最後のユー ザのログアウ ト後に、アプリケ ーションの初期設定が「初 期設定」フォルダから削除 されてしま うためです。 Macintosh マネージャでセキュリティを保護する仕組み 「Macintosh マネージャ」は、クライアントコンピュータのユーザが、 shift キーを押した ままコンピュータを起動しても、システム機能拡張の使用を停止できないように設計さ れて います。ユー ザは、 「機 能拡張マ ネージャ」コ ントロー ルパネル で「Macintosh マ ネージャ」を停止 できません。また、 「 Macintosh マネージャ」の機能拡張を、「システ ムフォルダ」内の「機能拡張」フォルダから移動することもできません。 「Macintosh マネージャ」には、このほかにも、セキュリティを保護する多くの方法があり ます。次の方法は、すべてのデスクトップ環境で動作します。その多くはデフォルトで有 効になっていますが、 いくつかの方法は「Macintosh マネージャ」の管理者が無効にできます。 m どの環境においても、ユーザは、特定のシステム設定の変更が制限されています。こ れには、ネットワーク の設定(「AppleTalk」コントロールパネルと「 TCP/IP」コント ロールパネル)、 「省エネルギー」の設定、および「マルチユーザ」の設定が含まれます。 m ユーザは、ワーク グループに含まれるかど うかにかかわらず、ほかの ユーザのホー ムディレクトリへのアクセスを拒否されます。 m ユーザは、「Macintosh マネージャ」のファイルの名前を変更したり、ファイルタイプ やファイルクリエータを変更したりすることはできません。 m ユーザがコン ピュータをシステム終了し たり再起動したりすると きに、ユーザの変 更は保存されます。 m ユーザは、「Macintosh マネージャ」のセキュリティを回避するために、アプリケー ションを強制的に終了することはできません。(「コンピュータ」パネルの「セキュ リティ」パネルで、このオプションを有効にする必要があります。) m ユーザは、管理者 のパスワードを指定せず に、リムーバブルメディア を取り出した り、サーバボリュームのマウントを解除したりできません。(「ワークグループ」パ ネルの「オプション」パネル、または「コンピュータ」パネルの「セキュリティ」パ ネルで、これらのオプションを有効にする必要があります。) Macintosh マネージメントサービス 237 サーバからクライアントコンピュータをアップデートする仕組み 「Macintosh マネージャ」の設定情報が含まれる「Multi-User 項目」フォルダのコピーが、各 クライアントコンピュータの「システムフォルダ」に自動的に保管されます( 「Multi-User 項目」フォルダについて詳しくは、239 ページの「Macintosh マネージャの共有ポイント について」を参照してください) 。このフォルダによってユーザはオフラインで操作する ことが可能となり、 「Macintosh マネージャ」はクライアントコンピュータ上でよりすば やく情報を検索できるので、パフォーマンスが最適化されます。 「Multi-User 項目」フォ ルダには、 「 Macintosh Management Server」の場所に関する情報が含まれているため、通常、 ユーザはログインするときにサーバを選ぶ必要がありません。 「初期設定」フォルダにあ る「Multi-User 項目」フォルダの中に、 「 Multi-User 項目キャッシュ」フォルダも作成され ます。このキャッシュフォルダには、ログインを高速化する項目が含まれています。 クライアントの「 Multi-User 項目」フォルダが削除されると、ク ライアントは、サーバ から新しいコピーを新規にダウンロードします。 「 Macintosh マネージャ」で変更を加え ると、クライアントの「 Multi-User 項目」フォルダもアップデー トされます。クライア ン トコ ンピ ュ ータ がサ ーバ に 接続 して い るが、ユ ーザ は ログ イン し てい ない 場合、 「Macintosh マネージャ」は、アップデートが必要な項目がないかどうかを定期的に調べ ます。ユーザがコンピュータにログインしている場合は、 「 Macintosh マネージャ」が変 更され た情報がない かどうかを調 べることはあ りません。ユーザ がログアウト するま で、アップデートは行われません。コンピュータが一定時間アイドル状態にあったため にサーバから自動的に切断される場合、ユーザがワークステーションに対しログインお よびログアウトを実行するまで、アップデートのチェックは行われません。 Macintosh マネージャがユーザ、ワークグループ、およびコンピュータの リストを追跡する仕組み ユーザ、ワ ークグルー プ、およびコ ンピュータ に関する情 報は、 「ユ ーザ」フォルダ、 「グループ」フォルダ、および「コンピュータ」フォルダにある データベースファイル に保管されます。 (これらのフォルダは、次のセクションで説明する「Macintosh マネー ジャ」の共有ポイント内の「Multi-User 項目」フォルダにあります。)各フォルダには、 2 つのデータ ベースファ イルがあり ます。一方のファ イルにはデ ータベース内 の各レ コードの索引(ワークグループの名前など)が含まれ、他方のファイルには各レコード の固有の情報(ワークグループのメンバー、アクセス権、環境など)が含まれています。 ユーザデータベース、グループデータベース、およびコンピュータデータベースは、大 きなリ レーショナル データベース の一部ではあ りませんが、各デ ータベースは ほかの データベースに保存されている情報を相互に参照します。たとえば、ユーザデータベー スには、ユーザが所属するワークグループのリストが含まれます。データベース間の一 貫性を維持するために、 「Macintosh マネージャ」は、データベースの参照を次々に調べ、 必要に応じてデータベースをアップデートします。データベースが正しく動作するため に、データベースに対して各自で操作を実行する必要はありません。データベースを直 接変更することを試みると、不一致が発生し、データベースに保存されている情報が失 われることがあります。このような事態が発生した場合は、 「 Macintosh マネージャ」管 理プログラムを使って、または バックアップコピーから情報を復元することによって、 ユーザ、ワークグループ、およびコンピュータの情報を再作成する必要があります。 238 第 10 章 Macintosh マネージャの共有ポイントについて 「Macintosh Management Server 」ソフトウェアをインストールすると、 「 Macintosh Manager」 という名前の共有ポイントがサーバ上に作成されます。 「 Macintosh マネージャ」が共有 ポイントにアクセスできるよう、適切なアクセス権が設定されます。 「Macintosh マネー ジャ」の共有ポイントは、主にデータベースによって利用されます。ユーザは共有ポイ ントの内容を表示することはできませんし、直接やり取りすることもありません。 「Macintosh マネージャ」の共有ポイントは、共有ポイントの名前が同じで、フォルダが 共有ポイントに存在し、アクセス権が同じである限り、別のボリュームに移動できます。 「Multi-User 項目」フォルダ これ らのフォ ルダは、「Macintosh マネ ージャ」の 共有ポイ ント内 の「Multi-User 項目」 フォル ダにあります。こ こには、「Macintosh Management Server」の場所、ワーク グルー プ項目へのエイリアス、キャッシュ情報、ユーザリスト/グループリスト/コンピュー タリストのデータベースなど、 「 Macintosh マネージャ」を使って設定するオプションに 関する情報が含まれています。 「 Multi-User 項目」フォルダには、次のものが含まれてい ます。 m 「利用状況」: このファイルは、ログ項目で構成されています。プリンタの使用やそ の他の状況のレポートなど、各種のレポートを生成するときに使用されます。 m 「CD-ROM 設定」 : このファイルは、ユーザが使用を許可されている CD のリストと、 各 CD 固有の項目の設定で構成されています。 m 「コンピュータ」: このフォルダには、設定した各コンピュータリストの「 Macintosh マネージャ」設定を保管しているデータベースが含まれています。 m 「グループ」: このフォルダには、各ワークグループに対応するフォルダと、各ワー クグループの「Macintosh マネージャ」設定を保管しているデータベースファイルが 含まれていま す。圧縮された形式のワーク グループの項目は、サーバ 上に保管され ます。(項目へのエイリアスは、クライアントコンピュータ上に保管されます。 ) m 「Multi-User 項目」ファイル: このファイルは、「Multi-User 項目」フォルダに現在含 まれているフ ァイルのアーカイブで構 成されています。ファイル を開いたり、変更 したりしないでください。削除されると、次に「Macintosh マネージャ」を使用する ときに再作成されます。 m 「プリンタ」 : このフォルダには、 「Macintosh マネージャ」で設定したデスクトップ・ プリンタを表 すファイルが含まれていま す。ワークグループが使用す るデスクトッ プ・プリンタごと にファイルが作成され ます。デスクトップ・プリンタ を使用する ワークグルー プにユーザがログインする と、プリンタファイルがクラ イアントコン ピュータのデスクトップにコピーされます。 プリンタ情報を変更するときは、「Macintosh マネージャ」を使用してください。 「プ リンタ」フォルダ 内の項目を開いたり、取り 除いたりしないでくだ さい。このフォ ルダ からプ リン タファ イルを 削除す ると、そ のプリ ンタを 使おう とす るワー クグ ループのメン バーに対して、プリンタが見つ からないというメッセー ジが表示され ます。 m 「ユーザ」: このフォルダには、各ユーザアカウントの「Macintosh マネージャ」設定 を保管しているデータベースファイルと、少なくとも 1 回サーバにログインしたこ とがある各ユーザのフォルダが含まれています。 Macintosh マネージメントサービス 239 Macintosh マネージャと NetBoot サービスを一緒に使用する 「NetBoot」と「 Macintosh マネージャ」を一緒に使用する必要はありませんが、共に使用 することによって、研究室と教室における各コンピュータのシステム設定の管理が一層 簡単になります。 「Macintosh マネ ージ ャ」で「NetBoot 」を使用 する には、「NetBoot Desktop Admin 」ユー ティリ ティを使って、「マルチ ユーザ」コントロ ールパネル のオプショ ンを変更して、 「NetBoot」クライアントコンピュータが、起動時に「Macintosh マネージャ」からアカウ ント情報を取得できるようにします(255 ページの「 NetBoot Desktop Admin を使用する」 を参照してください)。 例:小学校に新しいコンピュータ室が開設された場合 学校には、次に示す技術目標があります。 m 読み書きや計算など、さまざまな科目における教育目標の達成を支援する。 m すべてのコンピュータに同じソフトウェアが用意された状態にする。 m 生徒がどのよ うな使いかたをしても、コンピ ュータとネットワークリ ソースを保護 し、デスクトップのセキュリティを向上する。 m 管理しやすいネットワークを構築する。 m 書類を集中して保管する。 これらの技術目標は、次のネットワーク運用法によってサポートされます。 m 「NetBoot」クライアントコンピュータの起動元の Mac OS イメージを含み、 「 Macintosh Management Server 」ソフトウェアのインストールされたサーバを使用します。サーバ には、ユーザの書類とアプリケーションも保管されます。 m 「Macintosh マネージャ」を使って、デスクトップのセキュリティを向上するオプショ ンを設定します。 m 教師に対してワークグループの管理者アカウントを設定し、「Macintosh マネージャ」 を使ってユーザアカウントとワークグループを管理する方法を指導します。 m クライアントコンピュータを、サーバ上の「Mac OS」イメージから起動するように 設定します。 クライアントコンピュータでは、 「NetBoot」サーバによって提供されるシステムソフトウェ アを使用するため、各コンピュータが使用するソフトウェアのバージョンおよびアクセス するアプリケーションを、同一にできます。セッションの際にユーザがどのような変更を 加えても、ユーザがログアウトすると、コンピュータは同じシステム設定に戻ります。 「Macintosh マネージャ」を使って、生徒がアクセスできるネットワークリソースを制御 することによって、デスクトップのセキュリティを保護することができます。保護でき るのは「システムフォルダ」と「アプリケーション」フォルダで、アプリケーションを 使用するときのセキュリティを向上するためのオプションを設定できます。 ユーザアプリケーションは、サーバ上に保管されるディスクイメージにのみインストール されるので、ネットワークの管理は簡単です。いったんネットワークを設定すると、日常 的な管理業務はほとんど必要ありません。教師は、サーバに接続しているどのコンピュー タからでも、ユーザアカウントとワークグループを管理できます。教師は、ネットワーク を介して課題を出したり、集めたりすることができます。教師は、授業に役立つネット ワークリソース、アプリケーション、および CD を利用できるようにすることもできます。 240 第 10 章 Macintosh マネージャに関する問題を解決する このセクションでは、 「 Macintosh マネージャ」を使用する際に直面する問題について扱 います。複雑な問題を解決する場合は、232 ページの「Macintosh マネージャの内側」も 参考になるので参照してください。 Macintosh マネージャにログインするときの問題 管理者のパスワードを忘れた場合: 「Server Admin」アプ 「Mac OS X Server 」のシステム管理者に連絡してく ださい。または、 リケーションを使って管理者のパスワードを変更します。 ユーザがWebページからファイル(メディアファイルなど) を開くことができない場合: ユーザのワークグループ設定で、アプリケーションが別のアプリケーションを開くこと を許可されているかどうかを確認します。(「コンピュータ」パネルの「セキュリティ」 パネルを参照してください。)ユーザが Web ページからアプリケーションを開けるよう にする場合は、「アプリケーションで可能な操作」欄の「ヘル パーアプリケーションの ようなほかのアプリケーションを開く」を選びます。 クライアントコンピュータがサーバを見つけることができない、または接続できない場合: m サーバ が稼動中 であること を確認し てくださ い。サーバが起 動した直 後の場合は、 サーバが表示されるのに多少時間がかかることがあります。 m ネットワークに AppleTalk ゾーンが指定されている場合、「Mac OS 9」より以前のコン ピュータのユ ーザは、目的のサーバが含まれ ているゾーンを選ぶ必要 があるかもし れません。Mac OS 9 コンピュータの場合は、 「ネットワークブラウザ」を使って、サー バに接続して いることを確認します。最適 なパフォーマンスを得 るため、クライア ントコンピュータからサーバへの接続を、AppleTalk ではなく TCP/IP で設定すること をお勧めします。 m クライアント コンピュータがメモリ不足 でなく、ネットワークに接続 したままであ ることを確認します。 m 多くのコンピ ュータが同時に起動する場 合は、ネットワークの負荷が 重い可能性が あります。一度に起動するコンピュータの台数を減らしてみてください。 別の環境から「Finder」にアクセスできない: m 「ようこそ」ダイアログボックスが表示されたときに、コマンド+ shift + esc キーを 押します。次にコ ンピュータ所有者のパス ワード、または管理者の名 前およびパス ワードを入力します。 m システムアク セスが許可されている場 合は、ログインするときに「シ ステムアクセ ス」ワークグループを選びます。 m システムア クセスが許可されてお らず、「Finder 」に定期的にアクセスす る必要があ る 場 合は、お 使 い の ア カウ ン ト に 対 して シ ス テ ムア ク セ ス を 許可 す る よ うに、 「Macintosh マネージャ」の管理者に依頼してください。 Macintosh マネージメントサービス 241 クライアントユーザに発生する可能性がある問題 ユーザがサーバにログインできない場合: サーバに十分なディスクの空き容量があることを確認します。ユーザのアカウントが削 除され ていたり、パス ワードが変 更されてい ないことを 確認します。ま た、 「ユーザ」 パネル 内の「基本設定」パ ネルをチェ ックして、ユーザ のログイン アクセスが 無効に なっているかどうかを確認します。 ユーザのコンピュータが停止する場合: コンピ ュータが「Mac OS 9」より 以前のシステ ムソフトウ ェアを使用し ている場合は、 ファイル共有が無効になっていることを確認します。 ユーザがアプリケーションを開くことができない、アプリケーションが正しく動作しな い場合: m 「Mac OS 9 ワークステーションのファイルレベルのセキュリティを強化する」がこの ワークグルー プに対して有効に設定され ている場合、以前のアプリケ ーションの中 には正しく動作しないで、エラーを表示するものもあります( 207 ページの「ワーク グループの権限設定」を参照してください)。 m アプリケーションによっては、「システムフォルダ」内の「初期設定」フォルダ以外 の場所に、特殊な ファイルを書き込んだり 作成したりします。アプリ ケーションに 関するトラブ ルがある場合、このことが原 因の可能性があります。ク ライアントコ ンピュータの「アプリケーション」フォルダにある、 「その他のアプリケーション •」 (名前の最後の文 字は黒丸(option + 8 )である必要があ ります)という名 前のフォ ルダに、該当する アプリケーションのフ ォルダ(およびそのすべて の内容)を入れ てみ てく ださい。(この フォル ダは、「Mac OS 9.1」以降 のイ ンスト ールさ れた コン ピュータでは「Applications( Mac OS 9 ) 」という名前です。)アプリケーションを「そ の他のアプリケーション •」フォルダに配置すると、そのアプリケーションは動作に 必要なプラグインとファイルを読み出し、書き込み、および開くことができます。 ログイン先のボリュームを「セレクタ」で表示できない場合: 「ワークグループ」パネルの「ボリューム」パネルで「パネルにボリュームを表示する」 を選ばない限り、「パネル」環境で、マウントされているボリ ュームがユーザに表示さ れることはありません。 共有ファイルへのアクセスに関して問題がある場合: ユーザ が複数のワー クグループに 所属している かどうかを確 認します。どのワ ークグ ループの共有ワークグループフォルダも、デフォルトでは、同じサーバボリュームにあ ります。ただし、ワークグループ書類が別のボリュームに保管されている場合、ワーク グループを変更しない限り、ユーザがすべての共有書類にアクセスできない可能性があ ります。「AppleShare」を新しいバージョンにアッ プグレードするか、 「 Server Admin」を 使ってユーザのホームディレクトリを別のボリュームに移動する必要があります。 242 第 10 章 アプリケーションが必要とするファイルをユーザが開くことができない場合: ユーザのホームディレクトリ以外の場所にある書類にアクセスできる権利を、ユーザに 許可していない可能性があります。別のフォルダへの一時的なアクセス権をユーザに許 可することができます。「ワークグループ」パネルの「アク セス権」パネルを参照して ください。 ワーク グループデー タボリュー ムは作成され たが、共有ワー クグループ書 類が「パネ ル」環境に表示されない場合: m 「ユーザ」フォルダの場所が 変更されていないこと を確認します。「ユーザ」フォル ダは、通常、サーバボ リュームまたはワークグ ループデータボリュー ムの一番上の レベルにあります。 m 選んだワークグループデータボリュームに共有書類があることを確認します。 アプリケーション間でドラッグ & ドロップできない場合: セキュリティ上の理由から、大部分のドラッグ & ドロップ機能は使用できないように なっています。コピー & ペーストを使用してください。 間違ったアプリケーションが開く場合: 各アプリケーションは、アプリケーションのファイル名ではなく、4 桁のクリエータ ID で識別されます。2 つのアプリケーションが同じクリエータ ID を持つ場合、間違ったア プリケーションが開く可能性があります。クライアントコンピュータのデスクトップを 再構築してみてください。 ユーザがホームディレクトリにアクセスできない場合: m 「Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールで、ユーザのホームディレクトリ が設定されていることを確認してください。 m ホームディレクトリのアクセス権が正しく設定されていることを確認してください。 m ユーザのホーム ディレクトリが置かれたサ ーバが稼動していることを 確認してくだ さい。 Macintosh マネージャに関するその他の情報 「Macintosh マネージャ」に関する詳しい情報については、以下を参照してください。 m AppleCare の Web サイトでは、製品の問題、使用、および動作に関する技術的な記事の データベースである TIL をはじめ、さまざまな情報が用意されています。 www.apple.co.jp/support m ディスカッションリスト(「Mac OS X Server」および「Macintosh マネージャ」)では、 ほかのサーバ管理者とアイデアやヒントを交換することができます。次の Web サイ トで、ディスカッションリストに参加できます。 www.lists.apple.com Macintosh マネージメントサービス 243 11 NetBoot 11 NetBoot とは ? 「NetBoot」を使うと、ネットワーク管理者は、クライアントが起動するときに使用する サーバ上 のディスクイ メージをアッ プデートする だけで、Mac OS 9 クライア ントコン ピュータの設定とアップデートをすばやく行うことができます。各ディスクイメージに は「システムフォルダ」が含まれており、すべてのクライアントはここから起動するこ とができます。 「 NetBoot」を使うことにより、サーバで設定済みの初期イメージをクラ イアントシステムに確実に 反映することができます。サーバに加えるすべての変更は、 クライアントコンピュータの再起動時に、自動的にクライアントコンピュータに反映さ れ ます。「Macintosh マ ネ ージ ャ」を 使っ て、認 証お よ び個 人の 作 業環 境 を、任意 の 「NetBoot」クライアントコンピュータのユーザに提供することができます。 NetBoot を使用する状況 「NetBoot」は、ネットワークで Macintosh コンピュータを使用する組織を対象として設計 されています。iMac のような低コストで管理しやすいコンピュータを使って、教師がコ ンピュータ 技術を教室に導入する 際に、 「NetBoot」は便利です。「NetBoot」は、次のこ とを行いたい教育者には理想的です。 m m m m より多くの生徒がもっとコンピュータを利用できるようにしたい 限られた予算の中で、技術目標を達成したい コンピュータ関連設備の管理コストを削減したい 既存の技術資源から最大限のものを得たい Macintosh ネットワークを 使ったビジネス、特に、データ入力やワー プロとして主に使 用していたコンピュータの入れ替えを考えているビジネスでも、 「 NetBoot」サーバは理 想的です。これらのビジネスでは、低コストの Macintosh ハードウェアを使い、 「NetBoot」 が可能にする管理要件の低減を利用して、コンピュータにかかるコストを最低限にする ことができます。 245 NetBoot を設定する前に 「NetBoot」を設定する前に、以下のシステム要件に注意してください。 クライアントコンピュータの要件 m 「Mac OS X Server」に付属の「Mac OS 9.1」イメージ m iMac、iBook、Power Macintosh G3(ブルーとホワイト)、Power Mac G4、Power Mac G4 Cube、PowerBook(FireWire)、または PowerBook G4 m 64 MB(メガバイト)以上のランダムアクセスメモリ(RAM) 「Mac OS X Server 」から起動する各コンピュータには、それがネットワーク上での一意の 装置であることを識別するための IP アドレスが必要です。このバージョンの「NetBoot」 では、クライアントコンピュータは DHCP を使って IP アドレスを取得できます。(この 機能を利用できるのは、特定の機種の Macintosh だけです。)前のバージョンの「NetBoot」 では、BootP で IP アドレスを取得 して起動することしかできませんでした。このバー ジョンの「 NetBoot」は、DHCP と BootP の両方 をサポートします。クライ アントコン ピュータがこの両方をサポートする場合、IP アドレスの取得方法として優先されるのは DHCP です。 「NetBoot」サーバを設定するためには、次の手順を実行する必要があります。 1 DHCP を使って起動できるコンピュータと BootP を必要とするコンピュータを決定しま す。詳細については、248 ページの「クライアント IP アドレス」を参照してください。 2 BootPを使って起動するコンピュータの場合、割り当てたい特定の範囲のIPアドレスを決 定します。 3 次のセクション「ネットワークの計画を立てる」を読んで、 「NetBoot」の設定に必要な 情報を集めてください。この章の後ろのほうにある「NetBoot サーバ ワークシート」を 使って情報を整理することができます。 ネットワークの計画を立てる ネットワークの構築を計画する場合、ネットワークの設定時に使用する情報を収集する 253 ページの NetBoot サーバワークシートに記入できます。 必要があります。この情報は、 手順 1: サーバに接続するクライアント数を確認する サーバに 接続できる「NetBoot」クライア ントコンピュー タの数は、サーバの 構成だけ でなく、その 他の多くの要 素によっても変 わります。以下の構 成の「NetBoot」サーバ では、50 台の「 NetBoot」クライアントコンピュータを容易にサポートできます。 m Macintosh G3 または G4 コンピュータ(400 MHz 以上のプロセッサ搭載) m 256 MB の RAM m 2 つ以上の 9 GB (ギガバイト)のハードディスク(ハードディスクが複数あると 「NetBoot」はより効率的にリソースを割り当てることができます。) m ギガビット Ethernet: 4 ポート、100Base-T 以上の高速 Ethernet カード 246 第 11 章 別の構成のサーバを使用したい場合や、25 台より多くのクライアントコンピュータをサ ポートしたい場合は、以下の要素を考慮してください。 m Ethernet の速度: 最適な性能を得るためには、クライアントとサーバの両方で 100Base-T 以上の速度での接続を強くお勧めします。 m ハードディスクの容量と「NetBoot」クライアントコンピュータの台数:「NetBoot」 サーバには、それ に接続されたクライアント ごとのハードディスクの 空き容量が必 要です。必要な空き容量は、システムイメージのサイズと構成によって異なります。 m ハードディスクの容量とユーザの数: ユーザ数が多い場合は、ユーザの書類を保管 するためのファ イルサーバをネットワーク 上に別に追加することを検 討してくださ い。デフォルトの設定では、 「Macintosh マネージャ」を使用している場合、ユーザの 書類と初期設定は「 NetBoot」サーバに保存され、AFP(Apple Filing Protocol)サーバが この情報を保存します。 m サーバとクライアントの位置:「 NetBoot」クライアントコンピュータで BootP を使用 する必要があ る場合、それらのコンピュータ はサーバと同じサブネッ ト上にある必 要があり、そのサブネット上の BootP サーバは 1 つだけになります。ただし、イメー ジ用には同じサブネット上に複数の「NetBoot」サーバを置くことができます。 m サーバの Ethernet ポートの数: 4 ポートの 100Base-T カードを使用している場合、 「NetBoot」クライアントをサーバ上の複数の Ethernet ポートに割り当てることで、パ フォーマンスが向上します。ポートを追加するには、Ethernet カードを追加するか、 またはマルチポート Ethernet カードの複数のポートを使用することができます。各 ポートは、別のセグメントを提供する必要があります。 手順 2:「 NetBoot 設定アシスタント」の情報を集める 「NetBoot」クライアントとして使用する Ethernet ポートごとに、このセクションに記載 されている情報が必要です。これらの情報を集めて、253 ページの「NetBoot サーバ ワー クシート」にそれを記入してください。 サーバに付 属しているソフトウェ アを購入した場合、サー バには 5 つまでの Ethernet ポートが付いています。そのうちの 1 つは、サーバに付属の内蔵 Ethernet ポートです。 その他のポートは、サーバに取り付けられた Ethernet カードのポートです。ポートの数 は、サーバの 構成によって 異なります。サーバ から「NetBoot 」クライアント に接続す るときは、100Base-T 以上の Ethernet を使用してください。 ポート IP アドレスとサブネットマスク 「NetBoot」クライアントに使用する各 Ethernet ポートには、IP アドレスとサブネットマ スクが必要です。また、このポートに接続する「NetBoot」クライアントの IP アドレス にローカルトラフィックを制限するサブネットマスクを使用する必要があります。 NetBoot 247 クライアント IP アドレス DHCP を使用できる「NetBoot」クライアント と、使用できない「NetBoot」クライアン トを決定します。以下の Macintosh コンピュータは、DHCP を使用できます。 m m m m m m すべてのスロットイン方式の iMac すべての iBook すべての Power Mac G4 すべての Power Mac G4 Cube すべての FireWire PowerBook すべての PowerBook G4 その他の機種については、この機能を使用可能にしたり、コンピュータにこの機能があ るかどうかを確認するために、最新のファームウェアアップデート(アップル社の Web サイトにあります)を行うこと が必要になる場合もあります。(アップデートの必要が ない場合は、アップデータがメッセージを表示します。) m DHCP を使用するクライアントの場合: DHCPサーバがそのコンピュー クライアントコンピュータが DHCP を使用できる場合、 タと同 じサブネッ ト上にない 場合でも、「NetBoot」サ ーバワーク シートにそ のコン ピュータの IP アドレスを記入する必要はありません。 m BootP を使用するクライアントの場合: BootP を使用する各ポートに接続されている「NetBoot」クライアントの場合は、IP ア ドレスの範囲を 1 つ以上提供する必要があります。各コンピュータに最低 1 つの IP アドレスが必 要です。ただし、拡張性を持たせ るためにいくつか余分 に割り当てて おくことをお勧めします。 248 第 11 章 IP ルーティング情報 「NetBoot 設定アシスタント」に提供する必要のある IP ルーティング情報は、ネットワー クの構成によって異なります。 この場合、サーバは 1 つのサブネット上の「NetBoot」クライアントのピアです。 「NetBoot」 クラ イアン トはそれ ぞれ直 接ルー タに接 続されて います。こ のよう な構成 の場合は、 「NetBoot 設定アシスタント」の「NetBoot クライアントの IP ルーティング」パネルで 「ピア」を選びます。 「ルータの IP アドレス」に、ルータの IP アドレスを入力します。 ハブまたはスイッチ インターネット ルータ クライアント サーバ 「NetBoot 」クライアントを直接ルータに接続する場合 NetBoot 249 下の図の構成は、前の構成と似ていますが、2 つの「NetBoot 」クライアントサブネット がある点が異なります。サブネットはそれぞれルータの別のポート、およびサーバの別 のポートに接続されています。このような構成の場合は、「NetBoot 設定アシスタント」 の「NetBoot クライアントの IP ルーティング」パネルで「ピア」を選びます。「ルータ の IP アドレス」に、そのサブネットに接続するルータのポートの IP アドレスを入力し ます。 インターネット ハブまたはスイッチ ルータ クライアント (サブネット1) ハブまたはスイッチ クライアント (サブネット2) サーバ 「 NetBoot」クライアントを直接ルータに接続する場合 250 第 11 章 この構成では、サーバは 1 つまたは複数の「NetBoot」クライアントサブネットへのルー タとして動作します。このような構成の場合は、 「NetBoot 設定アシスタント」の「NetBoot クライアントの IP ルーティング」パネルで「ゲートウェイ」を選びます。ルータアド レスを提供する必要はありません。 サーバ ハブまたはスイッチ インターネット ルータ クライアント (サブネット2) ハブまたはスイッチ クライアント (サブネット1) サーバがルータへのゲートウェイである場合 参考: インターネットにアクセスするクライアントの場合、サーバがクライアントサブ ネットのゲートウェイとして動作することを示すように、ルーティングテーブルを更新 する必要があります。クライアントサブネットごとに別のエントリを作成する必要があ ります。ルーティングテーブルを変更するときは、ルータに付属のソフトウェアを使用 します。 NetBoot 251 このような構成の場合は、「NetBoot 設定アシスタント」の IP ルーティングの設定パネ ルで「ゲートウェイ」を選びます。ルータの IP アドレスを提供する必要はありません。 サーバ ハブまたはスイッチ クライアント (サブネット2) ハブまたはスイッチ クライアント (サブネット1) ルータなし ―「NetBoot」クライアントがインターネットから孤立している場合 252 第 11 章 NetBoot サーバワークシート 各 Ethernet ポートに、次の情報を指定する必要があります。ポートの数は、サーバの構 成によって異なります。 NetBootポート計画 次の情報をIPアドレス形式で指定してください(124.50.66.93など)。 内蔵のEthernetポート Ethernetカードポート3 IPアドレス: . . . IPアドレス: . . . サブネットマスク: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . ルータアドレス: . . . BootPのアドレス 開始 範囲(任意): 終了 . . . . . . サーバはピアとゲート ウェイのどちらか? N ピア n BootPのアドレス 開始 範囲(任意): 終了 . . . . . . サーバはピアとゲート ウェイのどちらか? N ピア n N ゲートウェイ n N ゲートウェイ n Ethernetカードポート4 Ethernetカードポート1 IPアドレス: . . . IPアドレス: . . . サブネットマスク: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . ルータアドレス: . . . BootPのアドレス 開始 範囲(任意): 終了 . . . . . . . . . BootPのアドレス 開始 範囲(任意): 終了 . . . サーバはピアとゲート ウェイのどちらか? N ピア n サーバはピアとゲート ウェイのどちらか? N ピア n N ゲートウェイ n N ゲートウェイ n Ethernetカードポート2 IPアドレス: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . BootPのアドレス 開始 範囲(任意): 終了 . . . . . . サーバはピアとゲート ウェイのどちらか? N ピア n N ゲートウェイ n NetBoot 253 NetBoot サーバソフトウェアを初めて設定する セクション 246 ページの「ネットワークの計画を立てる」をまだ読んでいなくて、上の NetBoot サーバワークシートに必要事項を記入していない場合は、先に進む前にそのセ クションを読み、記入してください。「NetBoot 設定アシスタント」を使用するときに、 この情報が必要になります。 手順 1 :「NetBoot」サーバソフトウェアをインストールする(省略でき ます) お使いのソフトウェアをサーバと共に購入した場合、 「 NetBoot」サーバソフトウェアは すでにインストールされています。この手順を飛ばして、手順 2 に進んでください。 ハードウェアなしで「Mac OS X Server」ソフトウェアを購入した場合は、 「NetBoot」サー バソフトウェアをインストールする必要があります。これは、 「 Mac OS X Server 」ソフト 「NetBoot 」サーバソフトウェアは、 「Mac OS X Server」ソ ウェアに付属の CD にあります。 フトウェアがすでにインストールされ、設定が済んでいるコンピュータにインストール する必要があります。 「NetBoot」サーバソフトウェアをインストールするときは、次のように操作します。 1 「NetBoot」の CD をコンピュータの CD-ROM ドライブにセットします。 2 「NetBoot」の CD のアイコンをダブルクリックします。 3 「NetBoot.pkg」をダブルクリックします。 4 画面に表示される指示に従って操作してください。 「Mac OS X Server」の設定アシスタン トを使用したときに設定した管理者のパスワードを使用します。 このインストーラの指示に従って、ソフトウェアのインストールに必要な手順を実行し ます。 手順 2 :「NetBoot 設定アシスタント」を使う 「NetBoot」ソフトウェアのインストールが終わると、自動的に設定アシスタントが開き ます。アシスタントを開いていない場合は、次の手順で開きます。 1 「Mac OS X Server 」に管理者としてログインします。 「Mac OS X Server」の設定アシスタン トを使用したときに設定した管理者のパスワードを使用します。 2 「/Applications/Utilities」ディレクトリの「Assistant 」をダブルクリックします。 3 「Assistants」ウインドウが開いたら、 「NetBoot 設定アシスタント」 をダブルクリックします。 4 画面に表示される指示に従って操作してください。 設定アシスタントの指示に従って、ソフトウェアの設定に必要な手順を実行します。そ れぞれの手順について詳しく知りたいときは、ウインドウの「詳しい情報を見る」ボタ ンをクリックします。 今後、設定情報を変更する必要がある場合、 「NetBoot 設定アシスタント」を使用します。 254 第 11 章 手順 3 :「Macintosh マネージャ」を設定する 「Macintosh マネージャ」を使用して「NetBoot」クライアントユーザに認証と個人的な作 業環境を提供する場合は、 「 Macintosh マネージャ」が設定されていることと、ユーザが Mac OS X Server 」の「ユーザとグループ」データベースから読み込まれていることを確 「 認してください。 「 Macintosh マネージャ」ワークグループと必要な設定を設定してくだ さい(195 ページの第 10 章「Macintosh マネージメントサービス」を参照してください) 。 「システムアクセス」ワークグループに、最低でも 1 つの「Macintosh マネージャ」管理 者ユーザが割り当てられていることを確認してください。 手順 4 :「NetBoot」クライアントコンピュータを起動する 「NetBoot」サーバから起動できる「Mac OS」コンピュータであれば、「NetBoot 」クライア ントコンピュータとして使用することができます。 コンピュータのファームウェアをアップデートする必要がある場合は、この段階でアッ プデートします。詳細については、アップル社の Web サイトを参照してください。 「NetBoot」クライアントコンピュータを起動するときは、次のように操作します。 1 クライアントコンピュータをネットワークに接続します。 2 N キーを押したままクライアントコンピュータを起動します。 コンピュ ータは「NetBoot」サーバを検索 します。クライアン トコンピュータ がサーバ を検索して起動するには、数秒かかることがあります。1 分以上たってもコンピュータ が起動しない場合は、261 ページの「NetBoot に関する問題を解決する」を参照してくだ さい。 いったんコンピュータが起動したら、 「NetBoot HD」という名前のボリュームが現れます。 「起動ディスク」コントロールパネルを開き、 「ネットワーク」を選びます。 次 回コ ン ピ ュー タ を 起動 す る とき に、N キ ーを 押 す 必要 は あ りま せ ん。い った ん 「NetBoot」サーバからコンピュータを起動すると、問題(サーバの停止など)が発生し たり、「起動 ディス ク」コント ロール パネル で起動 ディス クを 変更し ない限 り、常に 「NetBoot」サーバから起動します。 NetBoot Desktop Admin を使用する 「NetBoot」クラ イアントコンピュータを起動した ときに現れる「NetBoot HD」ボリュー ムは読み出し専用のディスクイメージのため、変更することはできません。このディス クイメージに新しいソフトウェアをインストールしたり、システム構成を変更したりす るときは、 「NetBoot Desktop Admin 」アプリケーションを使用して、ディスクイメージの 変更可能なコピーを作成します。変更が完了すると、 「NetBoot Desktop Admin」によって 既存のディスクイメージと変更済みのディスクイメージが置き換えられます。 NetBoot 255 ソフトウェアをインストールする/ディスクイメージを変更する ソフトウェ アをインストール したり、 「 NetBoot HD」ディ スクイメージを変 更したりす ると きは、「NetBoot」クラ イア ント コン ピュ ータ から 起動 して、「NetBoot 」サー バボ リュームに接 続してから、 「 NetBoot Desktop Admin」プログ ラムを開く必要があります。 これについては、以下の手順で説明します。 「NetBoot Desktop Admin」を実行する「NetBoot」 クライアントコンピュータが最後に再起動するまで、変更したユーザもほかのユーザも 変更後の内容を利用できません。 開始する前に、以下の情報が必要です。 m 「NetBoot」サーバボリュームに対して読み出し/書き込みのアクセス権を持つユーザ の名前とパスワード(たとえば、「Mac OS X Server 」の管理者) 。 参考:「NetBoot」クライアントコンピュータで「Macintosh マネージャ」を使用している 場合、クライアントコンピュータを起動または再起動するたびに、 「システムアクセス」 ワークグループに 属する「Macintosh マネージャ」管理者としてログ インする必要があ ります。 ソフトウェ アをインストール したり、 「 NetBoot HD」ディ スクイメージを変 更したりす るときは、次のように操作します。 1 読み出し/書き込みアクセス権を持つユーザ(たとえば、「Mac OS X Server」の管理者) としてサーバボリュームにログインして、 「 NetBoot Desktop Admin」アプリケーションを 開きます。 移動していな いかぎり、アプリケーション は「NetBoot Desktop Admin」フ ォルダにイン ストールされています。このフォルダは「NetBoot 」サーバの「 Admin」フォルダにあり ます。 2 新しいソフトウェアをインストールする場合は、必要に応じてディスクイメージのサイ ズを大きくします。 ディス クイメージ に、目 的のソフト ウェアを インストー ルするのに 十分な空き がある ことを 確認しま す。イメ ージを大 きくすると きは、 必要なサイ ズだけ拡大 するよう に します。バ ックアップ コピーに 戻す以外に、イメー ジのサイズ を小さく する方法は あ りません。 参考: 新しいバ ージョンの「 Mac OS」を インストー ルする場合は、「NetBoot HD」ディ スクイメージのサイズを少なくとも 50 MB 増やしてください。 3 「プライベートコピーの作成」をクリックします。 「NetBoot Desktop Admin」はディスクイメージのコピーを作成します。この操作には数分 かかります。プロセスを中断しないでください。完了すると、 「NetBoot」クライアント コンピュータは自動的に再起動します。 重要 ディスクイメージのコピーは、作成に使用した「NetBoot」クライアントコンピュー タに関連付けられているので、そのイメージを変更するときは、同じコンピュータを使 用する必要があります。別のコンピュータを使用すると、変更したユーザは変更後の内 容を見ることができず、ほかのユーザも変更後の内容を利用できません。また、権限の ないユーザがそのディスクイメージを変更する危険性が増します。 256 第 11 章 4 ソフトウェアをインストールするか、システム設定に変更を加えます。 ソフト ウェアをイン ストールする ときは、ソフトウ ェアに付属の マニュアルの インス トールの説明に従って操作します。必要に応じて、コンピュータを再起動します。 アプリケーションをインストールする場合は、そのアプリケーションを開きます。アプ リケーションを開くと、必要に応じて、登録番号の入力が求められます。この段階で登 録番号を入力しないと、ユーザがアプリケーションを開くたびに、登録番号を入力しな ければならなくなります。さらに、ほとんどのアプリケーションは「システムフォルダ」 に環境設定ファイルを作成します。ここでアプリケーションを開かないと、環境設定が 存在しないためにユーザがアプリケーションを開くことができない場合があります。 5 「ゴミ箱」の中に、保存しておきたいファイルがないことを確かめてください。 (「ゴミ 箱」は、次の手順で自動的に空になります。) 参考: 使用中のファイルが入っているためにゴミ箱を空にできない場合は、コンピュー タを再起動する必要があります。 6 「NetBoot Desktop Admin」アプリケーションを開いて、次に「保存」または「破棄する」 をクリックします。コンピュータは自動的に再起動します。 ほかの変更が必要な場合は、「終了」をクリックして手順 5 に戻ります。 7 「NetBoot」クライアントコンピュータを再度起動して、次に「NetBoot Desktop Admin」ア プリケーションを開きます。 古いディスクイメージのバ ックアップコピーを保存しておきたい場合は、「以前のディ スクをバックアップとして残す」オプションを選択したままにします。バックアップコ ピーは、 「NetBoot」サーバの「 Shared Images」フォルダの中の「Backup Images 」に保管さ れます。 8 手順 6 で「保存」をクリックした場合は、 「再起動」をクリックします。それ以外の場合 は、「OK 」をクリックします。 「再起動」をクリックすると、「NetBoot Desktop Admin」は変更を保存し、古 いディスク イメージを削除し、コンピュータを再起動します。変更後の内容は、次回「NetBoot」ク ライアントコンピュータを再起動したときに利用可能になります。 「OK」をクリックす ると、「NetBoot Desktop Admin」は古いディスクイメージを削除します。 NetBoot に関する上手な使いかたとヒント NetBoot のパフォーマンスを向上させる 多くの要 因が「NetBoot 」クライアントの パフォーマンス に影響を及ぼし ます。いくつ かの要因を調整して、 「 NetBoot」クライアントの起動時間を減らしたり、クライアント のパフォーマンスを向上させたり、サポートできるクライアントの数を増やしたりする ことができます。また、ネットワークとサーバのパフォーマンスを向上させるための調 整も可能です。 ネットワークのパフォーマンスを最適化するために調整する要因は、ネットワークの設 定によって異なります。最良の方法は、最も著しい効果があると思われる領域を見つけ て、まず最初にそこを変更することです。ここで推奨するいくつかの変更を行うだけで も、著しく改善されることがお分かりになるでしょう。 NetBoot 257 ネットワークパフォーマンスの要因 m 100Base-T またはそれ以上の高速 Ethernet ネットワークで、サーバとクライアントが同 じセグメント またはハブにつながってい る場合、最高のパフォーマン スを得ること ができます。サーバが 10Base-T「スイッチング」ネットワークに 100Base-T 以上の高 速接続をしている場合は、クライアントコンピュータ用に少なくとも 10Base-T の「ス イッチング」Ethernet を使用できます。 「NetBoot 」が 10Base- T のスイッチング Ethernet ネットワークで動作している場合でも、100Base-T 以上の高速接続が最適なパフォー マンスを提供します。 m 各セグメントま たはハブに接続するクライ アントコンピュータの数を 決定するため に、 「 NetBoot」ネットワークを設定する前に使用パターンを分析します。かなり激し く使用する可能性があれば、いくつかのサービス(「Apple ファイルサービス」また は「Macintosh マネージャ」など)を複数のサーバの間に分割させる必要があるかも しれません。 m 「NetBoot」環境では常に、ハブではなくスイッチを使用するほうがパフォーマンスが 向上します。 NetBoot と AirMac 「NetBoot」クライアントでの AirMac ワイヤレス技術の使用は、アップル社はサポートし ていません。 サーバパフォーマンスの要因 m 単一サーバのネットワークでは、ネットワーク上のクライアントはすべて、起動、仮 想メモリへの アクセス、およびファイルとア プリケーションへのアク セスのために 同じサーバを 使用します。これは、サーバのハ ードディスクとネット ワークに対し て大きな負担をかけます。サーバにインストールされている RAM の容量を最低でも 256 MB に増やすと、サーバのハードディスクにかかる負荷を減らすことができます。 m サーバの処理速度も重要で、単一サーバネットワークでは特に重要です。常に、サー バとして利用 できるコンピュータのうち、サ ポートされている最高速 のものを使用 してください。 m 「Macintosh マネージャ」を使用している場合、ハードディスクをもう 1 台追加するこ とで パフォー マンスを 向上さ せること もでき ます。これは、「Macintosh Management Server」が、同じサーバボリュームへのアクセスを、多数のクライアントに同時に許 可するためです。 m ユーザ書類の保管用にもう 1 つの AFP(Apple Filing Protocol)互換サーバを使用すると、 サーバの負担をさらに減らすことができます。 m 「NetBoot」および「Macintosh マネージャ」と関連付けられたシステムファイルを、再 調整したい場 合もあるでしょう。ただし、間 違った方法でこれを行 うと、サーバが 使用不能になることがあります。システムファイルの再調整はお勧めできません。 258 第 11 章 クライアントパフォーマンスの要因 m 最も信頼性の ある性能向上の方法は、おそ らく、各クライアントコン ピュータにイ ンストールされている RAM を増やすことです。これによりクライアントが仮想メモ リを使う必要 がなくなり、クライアントがメ モリキャッシュをより多 く使えるよう になります。 m また、クライアント コンピュータがネットワ ークから(デフォルト )で はなくクラ イアントハード ディスクから仮想メモリを使う ように設定することによって 、クラ イアントのパフ ォーマンスを高めることもで きます。これにより、ア プリケーショ ンを開いている ときは特に、ネットワークトラ フィックとサーバのハードディ スク 上の負荷を減ら すことができ、より良いクライ アントパフォーマンスを提供で きま す。クライアントが仮 想メモリをクライアントハード ディスクから使用できるよう にするには、256 ページの「ソフトウェアをインストールする/ディスクイメージを 変更する」に記載されているように、 「NetBoot Desktop Admin 」を使ってサーバ上のシ ステムイメージ を変更します。いったん変更用 にイメージをコピーしてから再 起動 し、 「メ モリ」コントロールパネル を開いて、「仮想メモリ」領域のローカ ルハード ディスクを選択します。 仮想メモリの設定を変更した後、再び 「NetBoot Desktop Admin 」 を使っ て「共有可能 な」新しいシス テムイメ ージをにし ます。すべ ての「NetBoot 」 クライアントのローカルハードディスクの名前が同じであることを確認します。 m クライアントにインストールされている RAMの容量が大きい場合は、仮想メモリをオ フにすること が必要になる場合がありま す。ただし、 「Mac OS 9」では 仮想メモリは デフォルトの設定でオンであり、通常もオンにしておくことをお勧めします。 m 「Macintosh マネージャ」を使用している場合は、これによって各ユーザの初期設定 ファイルを保 存できます。これらのファイ ルはサーバに保存され ます。保存する初 期設定が多く なると、ユーザのログイン時に クライアントコンピュー タが初期設定 をロードする 時間が長くかかるようにな ります。ログインの直後に長 い遅れがある 場合は、 「Macintosh マネージャ」で保存している初期設定の数を減らすことを考慮し てください。 最も重要なこととして、ユーザの Web ブラウザのキャッシュは保存しないでくださ い。インターネッ トブラウザを頻繁に使用 する環境では、ブラウザの キャッシュは すぐに大きく なってしまう可能性があり ます。ブラウザのキャッシュ を保存しない ように「Macintosh マネージャ」を設定すると、このような大きなファイルがサーバ とクライアン トの間で転送されなくなる ため、ログイン後の起動時間 を劇的に減ら すことができます。 パフォーマンスについてのまとめ 最良のパフォーマンスを得るためには、次のヒントに従ってください。 m サーバから「 NetBoot」クライアントがあるネットワークへの接続には、常に 100BaseT 以上の高速 Ethernet 接続を使用してください。 m 最低でも、クライアントからネットワークへの接続は、全二重 10Base-T のスイッチン グ Ethernet 接続にすることをお勧めします。 100Base-T 以上の高速 Ethernet の全二重 または半 二重接続をお勧 めします。Ethernet スイッチ は、二重モードの自 動ネゴシ エーションをサポートするように設定してください。 NetBoot 259 m ユーザの使用 パターンをサポートする サーバ、ネットワーク、および クライアント 設定を選んでください。 m ネットワークに、より多くのサーバを追加して、 「NetBoot」 、 「Macintosh マネージャ」 、 および Apple ファイルサービスをサーバ間で分割することを考慮してください。 m サーバに追加の RAMをインストールして、サーバのハードディスクにかかる負荷を減 らしてください。 m サーバにハードディスクを追加して、パフォーマンスを向上させてください。 m 単一サーバネ ットワークでは特に、サーバと して最高速のコンピュー タを使用して ください。 m 「NetBoot」クライアントに追加の RAM をインストールして、ネットワーク全体にわた る仮想メモリの使用を減らしてください。 m 「NetBoot」クライアントを、ローカルハードディスクから仮想メモリを使用するよう に設定してください。 m 「Macintosh マネージャ」がユーザ用に保存する初期設定の数を減らしてください。 m Web ブラウザのキャッシュを保存しないでください。 NetBoot の内側 以前の バージョン の「NetBoot」に「 System」ディス クイメージ と「Application 」ディス クイメー ジが両方とも含 まれていた場合 にかぎり、現在「NetBoot」サーバが 必要とす るのは 1 つのイメージ(「NetBoot HD 」ディスクイメージ)だけです。 「NetBoot HD」ディ スクイメー ジにアプリケーション をインストールするか、ま たは「Application」ディス クイメージを引き続き使用することができます。また、 「 Application 」ディスクイメージ に対して変更 を加えるときに、引き続き「 NetBoot Desktop Admin」を使用 することもで きます。 重要 「NetBoot」クライ アント コンピュ ータは、「NetBoot」サーバ の提供 する「Mac OS 9.1」イメ ージを使用 する必要が あるため、クラ イアントコ ンピュータ ごとに「Mac OS 9.1」のラ イセン スが必要 です。つま り、「Mac OS 9.1」が クライア ントコ ンピュー タに 「 Mac OS X Server」 入っているか、 「Mac OS 9.1」のライセンスを購入する必要があります。 と「NetBoot」サーバの使用許諾契約には、 「 Mac OS」のライセンスは含まれていません。 「Mac OS 9」を使用する「 NetBoot」クライアントコンピュータには、64 MB のメモリが必 要 で す。 「NetBoot」ク ラ イア ン ト コン ピ ュ ー タに こ れ だ けの メ モ リ がな い 場 合は、 「NetBoot Desktop Admin」を使って、仮想メモリをこの量と同じかそれ以上の量に増やし ます。仮想メ モリを増やすとき は、 「NetBoot HD」イメージ のプライベートコ ピーから 再起動した後で、 「メモリ」コントロールパネルを使用します。クライアントコンピュー タのローカルハードディスクへの仮想メモリの割り当ては、可能な限りこれらの推奨事 項に従ってください(259 ページの「クライアントパフォーマンスの要因」を参照)。 NetBoot に関する問題を解決する 「NetBoot 」クライアントコンピュータが起動しない場合: m ほかのコンピ ュータがネットワーク上で 負荷の高い要求を出して いるために、コン ピュータがす ぐに起動しないことが あります。数分待ってから、再 度、起動してみ てください。 m すべ てのケ ーブ ルが適 切に接 続され てい ること、起 動しな いコン ピュ ータお よび サー バの 電源が 接続さ れて いるこ とを 確認し ます。詳 しくは、ク ライア ント コン ピュータに付属のトラブル対処の情報を参照してください。 m Ethernet ケーブルの片方の終端がコンピュータのEthernetポートに差し込まれていて、 もう一方の終端がスイッチまたはハブの作動中の Ethernet コネクタに差し込まれて いることを確認します。 m 自分のネットワークに割り当てられている IP アドレスの数を超えていないことを確 認します。 m クライアント コンピュータにメモリまた は拡張カードを取り付け た場合は、正しく 取り付けられていることを確認します。 m サーバに複数のEthernet カードがある場合、またはマルチポート Ethernetカードで複数 のポートを使 用している場合は、同じカード または同じポートを使用 しているほか のコンピュー タを起動できるかどうか を確認します。起動できな い場合は、サーバ で設定した Ethernet ポートが、クライアントコンピュータが接続されたポートと同 じであることを確認します。マルチポートカードの Ethernet ポート 1 を、Ethernet ポー ト 4 と間違えることがよくあります。Macintosh サーバにあらかじめインストールさ れているカードの場合、コンピュータの裏側から見るとポート番号が左から右に 4、 3、2、1 となっています。 m コンピュータ に「システムフォルダ」が保存さ れているローカルハー ドディスクが ある場合は、Ethernet ケーブルを外して、ローカルハードディスクからコンピュータ を起動してみます。その後、Ethernet ケーブルを接続し直して、ネットワークからコ ンピュータを起動してみます。 「Macintosh マネージャ」の使用中にユーザが「 NetBoot 」クライアントにログインで きない場合: m ユーザがほか のコンピュータにログイン できるかどうかを確認し ます。ユーザがほ かのコンピュ ータにログインできる場 合、問題のクライアントコ ンピュータは、そ のユーザのアカウントが登録されていない「Macintosh マネージャ」サーバに接続さ れている 可能性があります。複 数の「Macintosh マネージャ」サ ーバがある場合は、 ユーザが自分のアカウントが登録されているサーバを選択したことを確認します。 m 「Macintosh マネージャ」を開き、ユーザが少なくとも 1 つのワークグループのメンバー であることを確認します。 m 「Macintosh マネージャ」を開き、ユーザのパスワードを再設定します。 NetBoot 261 12 ネットワークサービス 12 ネットワークサービスとは ? ネットワークサービスは、 TCP/IP ネットワークでのインターネット通信を制御します。 「Mac OS X Server 」は、次のネットワークサービスを備えています。 m m m m SLP(Service Location Protocol)DA( Directory Agent)サービス DHCP( Dynamic Host Configuration Protocol)サービス DNS (Domain Name System)サービス IP フィルタサービス ネットワークサービスは、会社の IP アドレスの管理、ネットワークリソースの構成、ド メイン名の管理、および不必要なインターネット接続をブロックするための IP フィル タの設定を行うときに使用します。中規模から大規模なネットワークの場合は、ネット ワークサービスが役立つでしょう。 この章では、 「Mac OS X Server」で提供される 4 つのネットワークサービスについて、そ れぞれのセクションが設 けられています。各セクションには、サービスの動作、機能、 および 最初の設定方 法について理 解しておく必 要のある情報 が記載されて います。ま た、主な設定パネルのスクリーンショットを示して、これらのパネルのオプションにつ いて説明しています。ほとんどのセクションには、経験豊富なネットワーク管理者を対 象とした情報と、追加情報の参照先も記載されています。 263 SLP(Service Location Protocol)DA(Directory Agent)サー ビス SLP DA サービスでは、ネットワークで利用可能なサービス(またはリソース)に枠組み を提供して、ユーザがサービスにアクセスしやすいようにします。URL を使ってアクセ スできるものはすべて、ネットワークサービスと見なすことができます。ファイルサー バ、WebDAV サーバ、NFS サーバ、プリンタ、個人用の Web サーバなどがその例です。 ネットワークにサービスを追加すると、SLP を使用してネットワーク上にそのサービス が「登録」されます(サービスの存 在を知らせ、提供するサービスが識別されます)。 手動で設定する必要はありません。クライアントコンピュータがネットワークサービス を検索する必要がある場合は、SLP を使って目的の種類のサービスを検索します。クラ イアントコンピュータの要求に一致するすべての登録サービスが表示されるので、ユー ザはこの中から使用するサービスを選ぶことができます。 SLP DA(Directory Agent)は基本となる SLP を拡張したもので、登録されているネットワー クサービスを中央リポジトリに保管します。DA を設定することによって、1 つまたは複 数のスコープ(サービスのグループ)のサービスを追跡することができます。クライア ントコンピュータがネットワークサービスを検索する場合、クライアントコンピュータ が接続しているスコープの DA が応答し、利用できるサービスのリストが表示されます。 クライアントコンピュータはローカルのサービスを検索するだけなので、ネットワーク を流れる通信の量が最低限に抑えられ、ユーザはよりすばやくネットワークサービスに 接続できます。 SLP DA サービスを使用する状況 通常、SLP サービスはネットワーク上のすべての SLP サービスに要求を送信するため、 実質的にはネットワークを流れる通信量を増大させる可能性があります。大規模なネッ トワークの場合、SLP 通信によってネットワークの性能が低下し、ネットワークサービ スを 検索する ときに、ユー ザが待た される 時間が長 くなる可 能性が あります。 SLP DA サービスを設定することによって、SLP の性能を向上させることができます。また、ク ライアン トコンピュー タは最も近く にあるディレ クトリエージ ェントにサー ビスを問 い合わせることが可能で、サービスは複数のディレクトリエージェントに登録できるの で、複数のディレクトリエージェントを設定することも検討してください。 SLP DA サービスを設定する前に SLP DA サービスを設定する前に、このセクションを読んで、スコープの定義、クライア ントとルータの互換性の確認について理解してください。 スコープを定義する スコープを定義するためには、ネットワーク上のコンピュータをどのように構成したい かを決める必要があります。スコープとして、コンピュータの論理的なグループ(製造 部門で使用するすべてのコンピュータなど)、または物理的なグループ( 1 階にあるす べてのコンピュータなど)を設定することができます。スコープは、ネットワークの一 部または全体として定義できます。ネットワークを複数のスコープに分割しない場合で も、SLP DA サービスを使用するためには少なくとも 1 つのスコープを設定する必要があ ります。 264 第 12 章 クライアントとルータの互換性 SLP DA サービスを 使用するためには、クライアントコンピュ ータが「Mac OS 9.1」以降 を使用している必要があります。 「Mac OS 9.0」の SLP では、引き続き IP マルチキャスト が使用されます。ネットワークで IP マルチキャスト機能のないルータを使用している 場合は、ル ータをアップ グレードする かまたはトン ネリングを設 定する必要が ありま す。トンネリングについては、ルータに付属のマニュアルを参照してください。 SLP DA サービスを初めて設定する SLP DA を初めて設定するときは、次の手順に従って行います。これらの作業を行うため により詳しい情報が必要な場合は、オンスクリーンヘルプを参照してください。 手順 1: ログを設定する イベントのログを記録すると、SLP DA の状況を監視するのに役立ちます。問題が発生し た場合、またはサービスの性能を向上させたい場合に、ログ項目を参照すると重要な診 断情報を得ることができます。SLP DA サービスのエラーは自動的にログに記録されます が、ほかの種類のイベントも記録されるように SLP DA サービスを設定することもでき ます。 ログの設定を表示するときは、「ネットワーク」タブをクリックし、 「SLP サービス」を クリック し、 「SLP DA を 設定」を選びます。必要 な設定を選びま す。設定については、 267 ページの「SLP DA サービスの設定」を参照してください。 手順 2: ネットワークのスコープを作成する スコープを作成するときは、「SLP サービス」をクリックし、「登録サービスを表示」を 選びます。「登録サービス」ウインドウが表示されます。 ネットワークサービス 265 「新規スコープ」をクリックし、下の図の「スコープを追加」ダ イアログボックスに作 成中のスコープの名前を入力します。SLP DA サービスは入力する名前を正しい形式に変 換し、「登録サービス」ウインドウのリストにそれを追加します。 手順 3: 各スコープにネットワークサービスを割り当てる スコープを作成したら、それにネットワークサービスを割り当てることができます。 「登 録サービス」ウインドウの「新 規サービス」をクリックします。「プロキシサービスを 追加」ダイアログボックス(下の図)で、スコープを選び、必要なサービスを追加でき ます。 「プロキシサービスを追加」ダイアログボックスについては、268 ページの「登録 サービスの設定」を参照してください。 手順 4: SLP DA サービスを開始する SLP DA サービスを開始するときは、「SLP サービス」をクリックし、「SLP DA を開始」を 選びま す。サービスを開 始すると、サー ビスのアイコ ンに地球の マークが表示 されま す。ネットワーク上のサービスがディレクトリエージェントに登録されると、適切なス コープの下にある「登録サービス」ウインドウに表示されます。 266 第 12 章 SLP DA サービスの設定 SLP DA を設定する 「SLP を設定」ウインドウでは、SLP DA サービスのログの設定を選ぶことができます。こ のウインドウにアクセスするときは、「ネットワーク」タブをクリックし、「SLP サービ ス」をクリックし、「SLP DA を設定」を選びます。 登録と登録解除 サービスが登録および登録解除されたときにログを記録したい場合は、このオプション を選びます。サービスは定期的に再登録されますが、サービスを手動で登録することも できます。サービスの利用が一定期間ないと、サービスは登録解除されます。 有効期限 サービスが登録解除されたときにだけログを記録したい場合は、このオプションを選び ます。このオプションを選ぶと、登録と登録解除の両方をログに記録した場合と比べて 作成されるログ項目の数が少なくなります。 サービス要求 クライア ントコンピュ ータがネット ワークサービ スを要求した ときにログを 記録した い場合は、このオプションを選びます。ネットワーク上ではサービス要求が頻繁に発生 するので、このオプションを選択すると多数のログ項目が作成されることがあります。 ディレクトリエージェントの情報要求 クライアントコンピュータがディレクトリエージェントに関する情報を検索または要求 したときにログを記録したい場合は、このオプションを選びます。このオプションを選 択した場合も、多数のログ項目が作成されることがあります。 ネットワークサービス 267 登録サービスの設定 「登録サービス」ウインドウでは、スコープと登録サー ビスを表示できます。また、ス コープとサービスの作成と管理も行うことができます。ウインドウの最上部で、接続し ている「Mac OS X Server」のホスト名と IP アドレス、表示中のサービスの数、および登 録サービスの総数を見ることができます。 「登 「登録サービス」ウインドウにアクセスするときは、 「SLP サービス」をクリックし、 録サービスを表示」を選びます。 このリ ストには、このサ ーバに定義 されているす べてのスコ ープが表示さ れます。ス コープの隣にある三角形をクリックして、そのスコープに登録されているサービスを表 示します。 表示 「表示」ポップアッ プメニュー から表示した いサービス の種類を選 びます。 「す べての サービス」を選んだり、利用可能なほかの種類のサービスから選ぶことができます。 取り除く リストのスコープまたは サービスを選び、 「取り除く」を クリックして、サービスを登 録解除するか、またはスコープを取り除きます。ローカルではないサービスを登録解除 しても、そのサービスがディレクトリエージェントで再登録される場合は、一時的な解 除になることがあります。 新規スコープ 新しいスコープを作成するときは、「新規スコープ」をクリックします。 268 第 12 章 新規サービス 「新規サー サービスを SLP DA に登録し、選択されているスコープに割り当てるときは、 ビス」をクリックします。下の図に示す「プロキシサービスを追加」ダイアログボック スが表示されます。 スコープ サービスを追加したいスコープを選びます。 URL サービスの URL を入力します。 属性リスト このフィールドにサービスに関する情報を入力します。属性とは、サービス名や 1 分間 にプ リン トで きる ペー ジ数 など、サ ービス を説 明す るプ ロパ ティ のこ とで す。この フィールドは必要に応じて入力します。正しいフォーマットが分からない場合は、入力 しないでください。属性の詳細については、 270 ページの「属性リストを使用する」を 参照してください。 SLP DA サービスに関する上手な使いかたとヒント SLP DA サービスには、経験豊富な管理者の方を対象とした追加機能がいくつかあります。 ログを使用する SLP DA サービスのログ項目は、システムログに保存されます。システムログにアクセス すると きは、 「 Server Admin」の「一般」タブ をクリッ クし、 「ログ ビューア」を クリッ クして、 「System Software」を選びます。ポップアップメニューから「System Log」を選び ます。システムログには数百ものログ項目が記録されることがあるので、SLP DA サービ スのイベントを探すときは「slpd」を検索します。 ネットワークサービス 269 ログを設定するときは、ログに記録したいイベントの種類を選びます。次の表は、ログ に記録されるイベントの種類に関連付けられているエラー文字列のリストです。 エラー文字列 SLP DA サービスのイベント REG 登録と登録解除 EXP 有効期限(登録解除されたサービス) SR サービス要求 DA ディレクトリエージェントの情報要求 ERR SLP エラー デバッグメッセージをログに記録する この章の最初の方で説明したログオプションのほかに 、デバッグメッセージをはじめ 、 すべてのイベントをログに記録することを選択できます。これは、経験豊富なシステム 管理者の方に役立つ機能です。デバッグメッセージをログに記録するときは、option キー を押したまま「 SLP サービス」をクリックし、 「SLP DA を設定」を選びます。 「すべての メッセージ」が「 SLP を設定」ウインドウに表示されます。 属性リストを使用する サービ スは属性のリ ストと共に、ネッ トワーク上で 存在をアピー ルすることが できま す。これらの属性は、特定のフォーマットに従う文字列エンコードとして一覧表示され ます。ディレクトリエージェントは、クライアント要求を適切なサービスに対応付ける ために、属性リストを使用します。 Amazon という名前のネットワークプリンタの属性リストの例を示します。Amazon は、 スコープ「Research」にある LPR プリンタです。管理者が入力する属性リストは、次の ようになります。 (Name=Amazon),(Description=For research dept only),(Protocol=LPR), (locationdescription=bldg 6),(media-size=na-letter),(resolution=res-600),x-OK サービスの属性リストを作成した場合、ディレクトリエージェントはサービスの検索時 にこのリストをスキャンする必要があります。このため、属性リストのフォーマットが 正しくないと、ディレクトリエージェントがサービスを使用するのをブロックしてしま うことがあります。 270 第 12 章 DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol )サービ ス DHCP サービスを使用すると、サーバからクライアントコンピュータの IP アドレスを管 理し、割り当てることができます。DHCP サーバを設定するときは、クライアントに対 して利用可能にすることができる IP アドレスのブロックを割り当てます。クライアン トコンピュータは、起動するたびに、DHCP サーバ(ネットワーク上に複数設置できま す)を検索し、見つかった DHCP サーバに IP アドレスを要求します。DHCP サーバは利 用可能な IP アドレスを確認し、 「リース期間」(クライアントコンピュータがその IP ア ドレスを使用できる期間)および設定情報と共に IP アドレスをクライアントコンピュー タに送信します。 DHCP モジュールを使用すると、「Server Admin」で次の操作を行うことができます。 m m m m DHCP サービスを設定し、管理する サブネットを作成し、管理する クライアントコンピュータに DNS および NetInfo オプションを設定する DHCP と「NetBoot」のクライアントコンピュータを表示する DHCP サービスを使用する状況 組織内のクライアントの数が IP アドレスよりも多い場合は、DHCP サービスを使用する とよいでしょう。 IP アドレスは必要に応じて割り当てられます。不要になると、ほかの クライアントがその IP アドレスを使用できるようになります。必要であれば、ネット ワークで静的 IP アドレスと動的 IP アドレスを組み合わせて使用できます。IP アドレスの 静的な割り当てと動的な割り当てについて詳しくは、次のセクションをお読みください。 組織の規模が大きい場合は、DHCP サービスが提供するその他の機能(クライアントコ ンピュータに対する DNS および NetInfo オプションの設定など)のいくつかが役に立ち ます。 クライアント用に十分な数の IP アドレスがある小規模なネットワークの場合は、DHCP サービスを使用する必要はないこともあります。すべてのネットワーククライアントに 静的 IP アドレスを割り当てるときは、この章の後半で説明する方法のいずれかを使用 してください。 DHCP サービスを設定する前に DHCP サービスを設定する前に、このセクションで、サブネットの作成、静的および動 的 IP アドレスの割り当て、ネットワーク上でのサーバの配置、および予約済み IP アド レスの無効化に関する情報を読んでください。 サブネットを作成する サブネ ットは、同じネ ットワーク 上にあるク ライアント コンピュ ータをグル ープ化し たもの で、これにより 管理が簡 単になりま す。自分 の目的に合 うサブネ ットを構成 で きます。 たとえば、組織 内のグルー プ別にサ ブネットを 作成した り、建物のフ ロア別 に作成 したりする ことがで きます。ク ライアント コンピュ ータをサブ ネットにグ ルー プ化し た後は、サブネ ット内のす べてのコン ピュータに 対して一 度にオプシ ョンを設 定する ことができ ます。クライアン トコンピュ ータに個 別にオプシ ョンを設定 する必 要はありませ ん。 ネットワークサービス 271 IP アドレスを動的に割り当てる 動的に割り当てた場合、IP アドレスは期間限定(リース期間)で割り当てられるか、ま たはクライアントコンピュータで IP アドレスが不要になるまで割り当てられます。ど ちらか最初に該 当した方が適用されます。非常 に短いリース期間を使用す ると、DHCP は、利用可能な IP アドレスよりもコンピュータの数が多いネットワークを動的に再設 定できます。 静的 IP アドレスを使用する 静的 IP アドレスは、一度だけコンピュータやデバイスに割り当てられ、変更されませ ん。Web サーバなど、インターネット上に常駐する必要のあるコンピュータに静的 IP ア ドレスを割り当てることがあります。プリンタなど、継続的にネットワークユーザが使 用できるようにする必要のあるその他の装置にも、静的 IP アドレスを使用するとよい でしょう。 「Server Admin」では、静的 IP アドレスを割り当てるために BootP プロトコル(DHCP の 基盤となるプロトコル)を使って bootp デーモンを設定する方法を提供していません。 これを行うには、「Mac OS X」で「NetInfo Manager 」アプリケーションを使って、ローカ ル NetInfo データベースに適切なプロパティを作成します。 DHCP サーバを探す クライアントコンピュータは、DHCP サーバを探す場合、メッセージをブロードキャス トします。DHCP サーバがクライアントコンピュータとは異なるサブネット上にある場 合は、サブネット間を接続するルータがクライアントのブロードキャストと DHCP サー バの応答を転送できることを確認する必要があります。ネットワークに BootP 通信をリ レーできるリレーエージェントプログラムがある場合は、そのプログラムが DHCP を補 助します。リレープログラムがない場合は、 DHCP サーバをクライアントと同じサブネッ トに配置する必要があります。 予約済み IP アドレスを割り当てる IP アドレスの中には、個々のホストに割り当てることができないものがあります。これ らには、ループバック用の予約済みアドレスと、マルチキャストで使用するための予約 済みアドレスがあります。ISP は、このようなアドレスをユーザに割り当てません。DHCP をこのようなアドレスを使うように設定しようとすると、アドレスが無効なので有効な アドレスを入力する必要があるという警告が出されます。 DHCP サービスを初めて設定する 「Mac OS X Server 」をインストールしたときに「設定アシスタント」を使ってサーバ上の ポートを設定した場合は、いくつかの DHCP 情報がすでに設定されています。DHCP サー ビスの設定を完了するためには、このセクションの手順に従って操作する必要がありま す。各手順の設定の選択については、次のセクション「DHCP サービスの設定」を参照 してください。 272 第 12 章 手順 1: サブネットを作成する 「Server Admin」の「ネットワ ーク」タブをクリックして から「DHCP/NetBoot」をクリッ クし、 「DHCP を設定」を選びます。 「設定アシスタント」でポートを設定すると、 「サブ ネット」パネルにポート情報が 表示されます。 (表示されるサ ブネットアドレス範囲の リストは、ホストのローカル NetInfo データベースから抽出したものです。最初は、利 用可能な Ethernet ポートのそれぞれに対して、 1 つのサブネットアドレス範囲が設定さ れています。) 「新規」ボタンをクリックして新しいサブネットを作成す るか、または既存のサブネッ トを選んで「編集」をクリックします。 ネットワークサービス 273 サブネットの設定ウインドウの「一般」パネルで、各サブネットに対して IP アドレス の範囲を設定し、ルータアドレスを指定する必要があります。ネットワーク上でルータ 「DHCP を使用しない場合は、 「ルータ」フィールドにサーバの IP アドレスを入力します。 を使用する」をクリックすると、IP アドレスのリース期間を選択できます。 「DNS」および「NetInfo」タブをクリックして、クライアントコンピュータのオプション を設定します。サーバのデフォルト設定がある場合は、各パネルにすでに表示されてい ます。これらのパネルでオプションを設定することによって、DHCP サービスの開始時 にクライアントコンピュータの起動ポイントが提供されます。 手順 2: DHCP サービスのログを設定する DHCP の状況とエラーをログに記録しておくと、要求を監視したり、サーバの問題を確 認したりするのに役立てることができます。 DHCP サービスはシステムログファイルに診断メッセージを記録します。ログファイル が過度に大きくなるのを防止するときは、 「 DHCP を設定」ウインドウの「ログ」パネル で「重大なエラーのみ(簡易)」を選択することで、ほとんどのメッセージの記録を抑 制できます。 手順 3: DHCP サービスを開始する 「DHCP を開始」を選びます。サーバが正常に起動す 「DHCP/NetBoot 」をクリックして、 ると、メニ ュー項目 が「DHCP を停止」に変 わり、 「 DHCP/NetBoot」ア イコンに 地球の マークが表示されます。 DHCP サービスの設定 「DHCP を設定」を表示するには、 「Server Admin」の「ネットワーク」タブをクリックし てから「 DHCP/NetBoot 」をクリックし、 「DHCP を設定」を選びます。 「DHCP を設定」ウ インドウには 2 つのパネルがあります。 「サブネット」パネルと「ログ」パネルです。 ログの設定 「DHCP を設定」ウインドウの「ログ」タブをクリックして、ログの設定を表示します。 274 第 12 章 ログ:警告とエラー(通常) データが一貫していない場合に警告されますが、DHCP サーバは動作し続けます。 ログ:重大なエラーのみ(簡易) 重大なエラーは、すぐに対応する必要がある状況(たとえば、DHCP サーバが起動でき ない場合)を示しています。 サブネットの設定 「DHCP を設定」ウインドウの「サブネット」タブをクリックして、サブネットの設定を 表示します。 「新規」をクリックするか、リストにあるサブネットを選択し、 「編集」をクリックして サブネットの設定ウインドウを表示します。このウインドウには 3 つのパネルがありま 、および「 DNS」です。次のセクションでは、これらのパネルの す。「一般」 、「NetInfo」 設定について個別に説明します。 ネットワークサービス 275 サブネットの一般設定 サブネットの設定ウインドウの「一般」パネルでは、サブネットが使用するポートやサ ブネット名など、サブネットの一般的なオプションを設定できます。 サブネット名 サブネットの名前 を入力します。 「ドイ ツ研」や「5 階」など、サブ ネットの目的が分 かりやすい名前を選びます。 ポート ポップアップメニューからこのサブネットのポートを選びます。メニューには、サーバ にインストールされているネットワークインタフェースの番号が表示されます。 開始と終了 このサブネットアドレス範囲の開始および終了 IP アドレスを入力します。新しいサブ ネットアドレス範囲を作成することで、このサブネットの 2 番目のブロックのアドレス を設定することができます。サブネットに複数の範囲を割り当てる場合、その範囲が重 複しないようにします。 サブネットマスク この IP アドレス の範囲のサブネット マスクを入力しま す。 「デフォル トを使う」をク リックすると、DHCP サーバによって自動的にサブネットマスクが設定されます。 276 第 12 章 ルータ ポートのアドレス範囲は、サーバの「ネットワーク環境設定」に定義されています。サ ブネットが外部との通信に別のポートを使用する場合は、ルータアドレスを入力する必 要があります。 DHCP を使用する このサブネット内のクライアントが DHCP を使ってサービスにアクセスするようにした い場合は、 「 DHCP を使用する」をクリックします。クライアントコンピュータは、起動 時に使用可能な IP アドレスを受信します。 リース期間 このウインドウに数字を入力し、ポップアップメニューから値を選んで、クライアント コンピュータが IP アドレスを使用できる期間を制限します。 リース期間が半分経過した ときに、そのアドレスがまだ使用中であれば、再度リース期間がネゴシエートされます。 デフォルトを使う このポートのデフォルトのサブネットアドレス範囲を使用するときは、このボタンをク リッ クします。デ フォルト の範囲に は、IP アド レスとサ ブネット マスクに 基づいた、 ポートに対して有効なすべてのアドレスが含まれます。 サブネットの DNS の設定 サブネットの設定ウインドウの「DNS」パネルでは、サブネット内のクライアントコン ピュータに提供する DNS 情報を指定できます。 ネットワークサービス 277 デフォルトドメイン このサブネットに関連付けるドメイン名を入力します。 DNS サーバ このサブネットのクライアントコンピュータに DNS 情報を提供するサーバの IP アドレ スを入力します。少なくとも 2 台の DNS サーバをリストに追加して、1 台のサーバが使 用不能になってもネットワークサービスに支障がないようにします。3 つまで入力でき ます。 デフォルトを使う 「デフォルトを使う」をクリックすると、DHCP サービスは、ドメイン名とデフォルトの DNS サーバを提供する DNS ルックアップから DNS 情報を入手します。 サブネットの NetInfo の設定 「NetInfo」パネルでは、サブネット内のクライアントコンピュータを特定の NetInfo デー タベースまたは ドメインに 「バインド」できます。NetInfo につ いて詳しくは、第 2 章 「ディレクトリサービス」を参照してください。 NetInfo タグ このサブネットが情報を問い合わせる NetInfo ドメインの名前を入力します。この名前 はテキスト文字列形式のタグで、たとえば「network」のようになります。 278 第 12 章 NetInfo の上位層 このサブネットをバインドしたいサーバごとに、IP アドレスを入力します。上位層サー バにバインドすることは、別の場所からログインしても、情報に同様にアクセスするこ とをクライアントユーザに許可したい場合に便利です。サブネットごとに複数の上位層 をバインドできます。 デフォルトを使う サーバのデフォルトを使うときは、このボタンをクリックします。 DHCP サービスに関する上手な使いかたとヒント DHCP サービスには、DHCP と「NetBoot」のクライアントコンピュータを監視するため の便利なツールがいくつか用意されています。DHCP と「NetBoot」のクライアントリス トの表示、および DHCP エラーのシステムログの確認を行うことができます。 DHCP と NetBoot のクライアントリストを表示する DHCP のクライアントリストと「NetBoot」のクライアントリストには、指定した時間に データベース内のクライアントの簡易レポートが表示されます。リストは 5 分間隔で更 新されますが、「リフレッシュ」をクリックして手動で更 新することもできます。どち らのリストでも、列見出しをクリックして並べ替え条件を変更できます。 「DHCP クライアント」ウインドウでは、各クライアントに関する以下の情報が表示され ます。 m クライアントに与えられた IP アドレス。decline されたアドレスの場合は、 「残り時間」 列に「declined 」という文字列が表示されます。 m リース期間の残りの日数。24 時間未満になった場合は、その時間数と分数。 m DHCP クライアントの ID。通常は、ハードウェアアドレスと同じですが、異なる場合 もあります。 m コンピュータ名 m ハードウェアアドレス 「NetBoot クライアント」ウインドウでは、各クライアントに関する以下の情報が表示さ れます。 m クライアントが使用する起動ディスクイメージへのパス m (TCP/IP コントロールパネルからの)クライアントの Ethernet アドレス m システムソフトウェアのバージョンと CPU の種類 DHCP のログ項目を表示する DHCP イベントのログ は、システムログに記録されま す。このログを表示するときは、 「Server Admin」の「一般」タブをクリックし、 「ログビューア」をクリックして、 「System Software」を選びます。ポップアッ プメニューから「System Log」を選びます。DHCP 項 目の前には「bootpd」が付きます。 ネットワークサービス 279 DNS (Domain Name System )サービス クライアントが Web サーバやファイルサーバなどのネットワークリソースに接続したい 場合に、IP アドレス(111.222.33.3 など)の代わりに、ドメイン名(www.example.com な ど)でリソースを要求できます。DNS は IP アドレスをドメイン名にマッピングする分散 型のデータベースで、これを使用してクライアントは要求したリソースを見つけます。 DNS サーバでは、ドメイン名と、各ドメイン名に関連付けられている IP アドレスのリ ストを保持しています。コンピュータは、名前に対応する IP アドレスを検索する必要 がある場合、DNS サーバ(ネームサーバとも呼ばれています)にメッセージを送信しま す。ネームサー バでは IP アドレスを探し 出し、これをコンピュ ータに送り返します。 ネームサーバがローカルに IP アドレスを所有していない場合は、インターネット上の 別のネームサーバにメッセージを送信します。この処理は、IP アドレスが見つかるまで 続きます。 「Mac OS X Server 」は、DNS プロトコル用に BIND(Berkeley Internet Name Domain)を使用 しています。BIND はオープンソースを実現しており、インターネット上の大半のネー ムサーバで使われています。 DNS サービスを使用する状況 お使いのネットワークの DNS サービスを処理するインターネットサービスプロバイダ (ISP)がなく、次の内容のいずれかに該当する場合は、DNS サービスを設定する必要が あります。 m ネットワークにメールサーバがある。 m プライマリドメイン内にサブドメインを作成したい。 DNS サービスを設定する前に ネットワークで DNS を使用するかどうかを検討するための情報については、このセク ションをお読みください。また、自分の DNS サーバを設定する前に、DNS について理 解しておいてください。DNS に関する情報源としては、Paul Albitz and Cricket Liu 著、 「DNS (O’Reilly and Associates, 2001)があります。 and BIND、第 3 版」 複数のネームサーバを設定する 少なくとも 1 台のプライマリネームサーバとセカンダリネームサーバを設定する必要が あります。このようにしておくと、プライマリネームサーバが予期せず停止したときで も、セカンダリネームサーバがユーザにサービスを提供し続けることができます。セカ ンダリネームサーバは、プライマリサーバから定期的にすべての情報を移動することに よって、プライマリサーバの情報を入手しています。 通常、ドメイン内の DNS サーバは、ほかのサーバの DNS 情報をキャッシュします。こ のことも、DNS サービスを確実に利用できるようにするのに役立ちます。DNS 情報は、 通常、設定された時間だけキャッシュされます。この時間は TTL( time-to-live)値と呼 ばれます。ドメイン名と IP アドレスのペアがキャッシュに保存されている時間が TTL 値 を超えると、ネームサーバのキャッシュからエントリが削除されます。 (プライマリ DNS サーバからは削除されません。) 280 第 12 章 DNS サービスを初めて設定する 外部 DNS ネームサーバを使用していて、その IP アドレスを「設定アシスタント」で入 力したときは、ほかには何もする必要はありません。自分の DNS サーバを設定すると きは、このセクションの手順に従ってください。 手順 1: ドメイン名を登録する ドメイン名の登録は、集中管理組織(InterNIC)によって管理されています。InterNIC へ の登録では、ドメイン名がイン ターネット上で一意であることが確認されます。(詳し くは www.internic.net を参照してください。)ドメイン名を登録しないと、自分のネット ワークがインターネットを介して通信することはできません。 ドメイン名を登録した後は、ネットワークにサブドメイン名と IP アドレスを追跡する ための DNS サーバを設定してあれば、そのドメイン内にサブドメインを作成できます。 たとえ ば、ア ップル社は 「.com 」ドメインにあ り、サ ブドメインの 「corp」 ( austin.apple.com)を所 有して います。アップ ル社の ( corp.apple.com)およ び「austin」 DNS サ ーバは、ホスト(コン ピュータ)名、静的 IP アドレス、エイリ アス、MX( Mail Exchanger)など、サブ ドメインの情 報を追跡す るようになっ ています。 手順 2: BIND を設定する BIND は、DNS を実現するプログラムの名前です。これは、プログラムの実行中はネー ムデーモン、または named とも呼ばれます。BIND を設定するには、設定ファイルと ゾーンファイルを変更する必要があります。 設定ファイルは次のディレクトリにあります。 /etc/named.conf ゾーンファイルの名 前はサーバの IP アドレスに基づき、「db. 」で始まります。たとえ ば、ゾーンファイル「db.192.168.12.1」は次のディレクトリにあります。 /var/named/db.192.168.12.1 手順 3: MX(Mail Exchange)レコードを設定する(省略できます) インターネットを介してメールサービスを提供するときは、サーバに MX レコードを設 定する必要があります。これについては、次のセクションを参照してください。 手順 4: DNS サービスを開始する DNS サービスを開始するときは、 「Server Admin」の「ネットワーク」タブをクリックし、 DNS 「DNS」をクリックしてから、 「 を開始」を選びます。 「DNS」アイコン上に地球が表 示され、サービスの実行中は最初のメニュー項目が「DNS を停止」に変わります。 ネットワークサービス 281 DNS サービスに関する上手な使いかたとヒント DNS をメールサービスとともに使用する 自分のネットワークでメールサービスを提供する予定がある場合は、受信メールがネッ トワーク上の適切なメールホストに送信されるように DNS を設定する必要があります。 メールサービスを設定するときは、 「メールエクスチェンジャ」または「MX ホスト」と して知られている一連のホストを、異なる優先順位にして定義します。優先順位の一番 高いホストが最初にメールを受信します。このホストを利用できない場合は、優先順位 が次に高いホストがメールを受信し、そのホストが利用できなければ次の優先順位のホ ストというように続きます。 たとえば、メー ルサーバのホスト名が「 reliable」で、 「example.com」ドメイ ンにあると します。MX レコードがない場合、ユーザのメールアドレスには次のように、メールサー バコンピュータの名前が含まれているはずです。 user-name@reliable.example.com メールサーバを変更したい場合やメールをリダイレクトしたい場合は、メールを送信し てくる 可能性がある すべての人に、ユ ーザの新しい アドレスを通 知する必要が ありま す。または、メールサーバで処理したいドメインごとに MX レコードを作成すると、メー ルを正しいコンピュータに送信することができます。 MX レコードを設定する場合は、ドメインの中でメールを受信できる可能性があるすべ てのコンピュータのリストを指定してください。これによって、サーバにアクセスが集 中している状態や停止状態でも、リスト上の別のサーバにメールが送信されます。リス ト上の各コンピュータには、優 先順位が割り当てられます。一番小さな番号のものが、 最初に試行されます。そのコンピュータを使用できない場合は、次に小さな番号を持つ コンピュータが試行されます。以降についても同様です。コンピュータが使用できる場 合は、そのコンピュータがメールを保管し、メインメールサーバが使用可能になった時 点で、そのサーバにメールを送信します。そして、サーバがメールを配送します。サン プルのリストを以下に示します。 example.com 10 reliable.example.com 20 our-backup.example.com 30 last-resort.example.com MX レコードは、送信メールにも使用されます。メールサーバがメールを送信する場合、 MX レコードを参照し、送信先がローカルか、またはインターネット上の場所であるか を確認します。次に、同じ処理が逆の順序で行われます。送信先のメインサーバを利用 できない場合、メールサーバは、メールを受信するコンピュータを見つけるまで、その 送信先の MX レコードリストにあるすべてのコンピュータを試していきます。 DNS サーバに MX 情報を正しく入力しないと、メールは機能しません。 MX レコードに ついては、この章の最後に記載されている資料を参照してください。 282 第 12 章 DNS を動的に割り当てた IP アドレスと併用する ダイナミック DNS は、ネームサーバに編集後のリストを再ロードするように指示しな くても、IP アドレス/ドメイン名リストを変更できるメカニズムです。つまり、ネーム サーバを遠隔地から更新し、DNS データを簡単に変更できます。 DHCP サービスとともにダイナミック DNS を使用することができます。DHCP は、各ク ライアントコンピュータの起動時に動的 IP アドレスを割り当てます。DHCP サーバは IP アドレスをランダムに割り当てるため、これらのアドレスにそのつど意味のある DNS 名 を割り当てると便利です。たとえば、「Bob」が出社して自分のコンピュータを起動し、 DHCP サーバが Bob のコンピュータに動的 IP アドレスを割り当てた場合、その IP アド レスに DNS エントリの「bob.example.com」が割り当てられるようにできます。コンピュー タを起動するたびに Bob の IP アドレスが変更されても、Bob の DNS 名は常に同じです。 これによって、ユーザは Bob の IP アドレスを知らなくても Bob のコンピュータと通信 できます。 ダイナミック DNS は、モデムを使用してインターネットに接続するユーザに静的なホ スト名を提供するときにも使用できます。ISP は、接続のたびにホームコンピュータに 同じホスト名が割り当てられるように、ダイナミック DNS を設定できます。 DNS サービスを監視する 「Server Admin」を使用して、DNS の状態をチェックしたり、サーバ問い合わせ統計を見 ることができます。 ここに示されている「DNS の統計」ウインドウには、さまざまな種類の問い合わせの統 計がリス トされています。「DNS の統計」ウイ ンドウを表示す るときは、 「ネ ットワー ク」タブをクリックし、「DNS」をクリックしてから、「DNS の統計」を選びます。 m NS(Name Server): 指定したゾーンの認証されたネームサーバを問い合わせます。 m A(Address): ドメイン名に関連付けられた IP アドレスを問い合わせます。 m CName( Canonical Name): 「ニックネーム」か「エイリアス」が指定されている ときに、サーバの「実際の名前」を問い合わせます。たとえば、mail.apple.com の正 規の名前は MailSrv473.apple.com である可能性があります。 ネットワークサービス 283 m PTR( Pointer): 指定した IP アドレスのドメイン名を問い合わせます(ルックアッ プの逆)。 m MX(Mail Exchanger): メール用に使用するゾーン内のコンピュータを問い合わせ ます。 m SOA(Start Of Authority): ほかのネームサーバと共有しているネームサーバ情報 と、可能であれば そのネームサーバの技術的 な問い合わせ先のメール アドレスを問 い合わせます。 m TXT(Text): 管理者が使用するテキストレコード。 ここに示されている「DNS の状況」ウインドウを表示するときは、「ネットワーク」タ ブをクリックし、「DNS」をクリックしてから、「DNS の状況」を選びます。 284 第 12 章 IP フィルタサービス IP フィルタサービスとは ? IP フィルタサービスは、「Mac OS X Server」上で実行されているネットワークアプリケー ションを保護するソフトウェアファイアウォールです。IP フィルタサービスを開始する ことは、アクセスを制限する壁を作るようなものです。IP フィルタサービスでは、受信 する IP パケットをスキャンし、作成するフィルタセットに基づいてパケットを拒否し たり受け取ったりします。サーバで稼動している IP サービスへのアクセスを制限した り、すべての受信用クライアントのフィルタやクライアント IP アドレスの範囲をカス タマイズすることができます。 Web や FTP などのサービスは、サーバで TCP ポート番号または UDP ポート番号によって 識別されます。コンピュータがサービスに接続しようとすると、IP フィルタサービスは フィルタリストをスキャンして一致するポート番号を探します。ポート番号がフィルタ リストにあれば、適用されるフィルタは、最も特定されたアドレス範囲を含むものです。 ポート番号がリストになければ、最も特定されたアドレス範囲を含む「すべてのポート」 フィルタが使われます。このプロセスを説明するフローチャートを次に示します。 ポート80の フィルタは ありますか? はい IPアドレス111.222.33.3 サーバはフィルタの のコンピュータが 検索を開始します。 インターネット(ポート 80)経由でサーバに 接続しようとしています。 IPアドレス 111.222.33.3 を含むフィルタ はありますか? いいえ アドレス 111.222.33.3を 含む最も特定 された範囲を持つ 「すべてのポート」 フィルタを 探します。 はい フィルタの指定 は何ですか? 拒否 許可 接続が 確立されます。 接続が 拒否されます。 ネットワークサービス 285 作成するポー トフィルタは TCP パケットに 適用され、UDP (User Datagram Protocol)パ ケットにも適用できます。また、ICMP(Internet Control Message Protocol)、IGMP(Internet Group Management Protocol)、および NetInfoパケットを制限するフィルタも設定できます。 重要 初めて IP フィルタサービスを開始するときは、フィルタを変更してアクセスを許 可しない限り、すべての受信 TCP パケットが拒否されます。デフォルトの設定では、特 別に許可されていないアドレスはすべて拒否されます。つまり、サーバへのアクセスを 許可したい場合はフィルタを作成する必要があります。IP フィルタサービスを停止する と、すべてのアドレスがサーバへのアクセスを許可されます。 IP フィルタサービスを使用する状況 インターネットを介してデータを共有する場合に、不正なアクセスからデータを保護す る専用ルータまたはファイアウォールがないときは、IP フィルタサービスを使用する必 要があります。このサービスは、小規模から中規模の企業、学校、および小さいオフィ スまたはホームオフィスで効果があります。 ファイアウォールを備えた大規模な組織の場合は、IP フィルタサービスを使ってサーバ をより細かく制御することができます。たとえば、大規模な企業の個々のワークグルー プや、学校組織 の中の個々の学校の 場合は、IP フィル タサービスを使って それぞれの サーバへのアクセスを制御することができます。 IP フィルタサービスを設定する前に IP フィルタサービスを開始すると、デフォルトの設定により、リモートコンピュータが すべての受信パケットにアクセスできなくなります。これにより、最も高いレベルのセ キュリティが提供されます。そのため、新しい IP フィルタを追加して、サービスを必 要とするクライアントへのアクセスをサーバに許可します。 まず、サーバで提供したいサービスを検討します。一般に、メールサービス、Web サー ビス、および FTP サービスの場合は、インターネット上のコンピュータからのアクセス が必要です。ファイルサービスとプリントサービスの場合は、ローカルサブネットに制 限されることがほとんどです。 IPフィルタサービスで保護したいサービスを決めたら、次のことを行う必要があります。 m サーバへのアクセスを許可したい IP アドレスを決める。 m サーバへのアクセスを拒否したい IP アドレスを決める。 次に、適切なフィルタを作成します。 IP フィルタの動作とその作成方法については、以降のセクションをお読みください。 フィルタとは ? フィルタは IP アドレスとサブネットマスクで構成されます。ポート番号とアクセスの 種類が含まれる場合もあります。IP アドレスとサブネットマスクによって、フィルタが 適用される IP アドレスの範囲が決まります。 286 第 12 章 IP アドレス IP アドレスは、0 〜 255 の範囲の値を持つ 4 つのセグメントから成り、ドット(.)で区 切られています(たとえば、192.168.12.12) 。IP アドレスのセグメントは、一般的なもの から特定なものの順に並んでいます(たとえば、最初のセグメントは会社全体のすべて のコンピュータが所有する場合がありますが、最後のセグメントは建物のあるフロアの 特定のコンピュータが所有します)。 サブネットマスク サブネットマスクは、IP アドレスと同様に、4 つのセグメントから成ります。マスクは、 指定した IP アドレスのどのセグメントが変化するか、どの範囲で変化するかを示して います。サブネットマスクセグメントでは、次の値だけを使用できます。 m m m m m m m m m 0 128 192 224 240 248 252 254 255 マスクのセグメントは一般的なものから特定のものの順に並んでいるので、0 を指定す るサブネットマスクのセグメントが最初の方にあればあるほど、アドレスの範囲が大き くなります。最も範囲の狭いサブネットマスクは 255.255.255.255 で、1 つの IP アドレス を示します。 サブネットマスクのセグメントに 255 以外の値を使用した場合、その右側のセグメント には 0 を使用しなければなりません。以下に示すサブネットマスクの例は無効です。こ れは、それぞれ、255 以外の値の次に 0 以外の値が続いているためです。 m 255.255.128.255 m 255.0.128.128 m 255.255.252.255 ネットワークサービス 287 アドレスの範囲を使用する 「Server Admin」を使ってフィルタを作成する場合は、IP アドレスとサブネットマスクを 入力します。 「 Server Admin」によってその結果のアドレス範囲が表示されるので、サブ ネットマスクを使ってその範囲を変更できます。アドレスのセグメントの可能な値の範 囲を示すとき、そのセグメントはワイルドカードと呼ばれます。下の表は、特定の目的 を達成するために作成されたアドレス範囲の例です。 目的 サンプル IP アドレス サブネットマスク アドレスの範囲 1 つの IP アドレスを指定する 10.221.41.33 255.255.255.255 10.221.41.33 フィルタを作成する IP アドレスの最後のセグメン (1 つのアドレス) 10.221.41.33 255.255.255.0 10.221.41.0 〜 10.221.41.255 10.221.41.33 255.255.252.0 10.221.40.0 〜 10.221.43.255 トをワイルドカードにする フィルタを作成する 3 番目のセグメントの一部と 4 番目のセグメントのすべてを ワイルドカードのままにして おくフィルタを作成する 「すべての IP アドレ ス」を選ぶ すべての受信アドレスに適用 するフィルタを作成する すべての IP アドレス IP アドレスの優先順位 1 つのポート番号に対して複数のフィルタを作成した場合、最も特定されたアドレス範 囲を含むフィルタが優先されます。次の表は、これがどのように機能するかを示してい ます。最初の行の指定範囲内のアドレスから要求があった場合、アクセスは許可されま す。最初の 行のアドレ ス範囲以外 のアドレス から要求があ った場合は、 2 番目 の行が チェックされます。最後の行( 「すべて」)は、アクセスを拒否します。まったく同じア ドレスの範囲に対して「拒否」と「許可」の両方を設定することはできません。 ポート IP アドレス マスク アクセスモード 結果 80( Web) 10.221.41.33 255.255.255.255 許可 アドレス 10.221.41.33 は許可されます。 80( Web) 10.221.41.33 255.255.252.0 許可 10.221.40.0 〜 10.221.43.255 の範囲 のアドレスは許可 されます。 80( Web) 288 第 12 章 すべて 拒否 すべてのアドレス が拒否されます。 複数の IP アドレス サーバでは複数の IP アドレスをサポートできますが、IP フィルタサービスによって 1 つ のフィルタセットがすべてのサーバ IP アドレスに適用されます。複数のエイリアス IP アドレスを作成する場合は、作成するフィルタがこれらの IP アドレスのすべてに適用 されます。 IP フィルタサービスを初めて設定する 作成する必要のあるフィルタを決めたら、以下の手順に従って IP フィルタサービスを 設定します。これらの手順についてより詳しく知りたい場合は、IP フィルタのヘルプを 参照してください。 手順 1: IP フィルタサービスを設定する IP フィルタサービスを設定するときは、「Server Admin」の「ネットワーク」タブをクリッ クします。次に「IP フィルタ」をクリックし、 「IP フィルタサービスを設定」を選びます。 IP フィルタサービスを設定して、拒否されたパケットと許可されたパケットを記録した り、自動的に開始したり、拒否を処理する方法を指定したり、TCP ポートフィルタを UDP とほかのパケットに適用したり、 NetInfo のアクセスを設定したりすることができます。 設定について詳しくは、290 ページの「IP フィルタサービスの設定」を参照してください。 手順 2: IP フィルタリストにフィルタを追加する IP フィルタの動作とその作成方法については、 286 ページの「IP フィルタサービスを設 定する前に」を参照してください。 フィルタを追加するときは、 「IP フィルタ」をクリックし、 「IP フィルタのリストを表示」 を選びます。次に「新規」をクリックして、フィルタを作成します。新しいフィルタの 295 ページの「IPフィルタウインドウの設定」を参照してください。 作成について詳しくは、 手順 3: IP フィルタサービスを開始する 「IP フィルタサービスを開始」を選びます。 「IP フィルタ」をクリックし、 重要 IP フ ィルタサービスを開始してからフ ィルタを追加したり変更したり した場合、 新しいフィルタは、サーバとの間にすでに確立している接続に影響を与えます。たとえ ば、IP フィルタサービスを開始した後に FTP サーバへのアクセスをすべて拒否した場 合、すでに FTP サーバに接続していたコンピュータの接続は解除されます。 ネットワークサービス 289 IP フィルタサービスの設定 「IP フィルタサービスを設定」ウインドウを使用して、一般的な設定、フィルタが NetInfo と UDP に適用される方法の設定、およびログ記録の設定を行います。IP フィルタサー ビスの設定にアクセスするときは、 「 Server Admin」の「ネットワーク」タブをクリック します。次に「IP フィルタ」をクリックし、 「IP フィルタサービスを設定」を選びます。 「IP フィルタサービスを設定」 ウインドウには、3 つのタブがあります。 「一般」、 「NetInfo」 、 および「詳細」です。次のセクションでは、各パネルの設定内容について説明します。 一般設定 自動開始の設定、ログの設定、および拒否の処理方法の指定を行うときは、 「一般」パネ ルを使用します 。 「一般」パネルを表示するときは 、 「IP フィルタ 」をクリックし、 「 IP フィルタサービスを設定」を選びます。 システム起動時に IP フィルタサービスを開始する サーバ の起動時に IP フ ィルタサービ スを自動的 に開始したい 場合は、こ のオプション を選 びます。このオ プション を選ぶと、電源が切 れたり、予期せ ずシステ ムが終 了し たとき でも、確実にフィル タリングを 行うことがで きます。 接続を拒否したとき、クライアントに拒否を通知 接続試行が拒否されたクライアントに返信を送るときは、このオプションを選びます。 重要 このオプションによってクライアントの接続の再試行によるサーバのオーバーフ ローを防止できるため、通常は、このオプションを選択してください。ただし、悪意の あるユーザが、この返信設定を悪用して、拒否されたため返信を送ったことを示すメッ セージをクライアント に送信することによって、「サービス拒否攻撃」を行う可能性が あります。298 ページの「サービス拒否攻撃を防止する」を参照してください。 290 第 12 章 拒否したパケットをすべて記録する リスト内 のフィルタの いずれかによ って拒否され たすべての接 続試行に対し てログ項 目を作成するときは、このオプションを選びます。 許可したパケットをすべて記録する リスト内 のフィルタに よって許可さ れたすべての 接続に対して ログ項目を作 成すると きは、このオプションを選びます。 重要 上記のログ記録のオプションは両方とも多数のログ項目を生成するため、ディス クの空き領域が少なくなり、サーバの性能が低下する可能性があります。期間を制限し て、「許可したパケットをすべて記録する」だけを使用することをお勧めします。 NetInfo の設定 NetInfo の共有ドメインへのアクセスを許可または拒否するときは、 「NetInfo」パネルを使 用します。「NetInfo」パネルに アクセスするときは 、「IP フィルタ」をクリッ クし、 「 IP フィルタサービスを設定」を選びます。次に、「NetInfo」タブをクリックします。 「 NetInfo」パネルが使用できな サーバ上に NetInfo の共有ドメインが存在しない場合は、 くなります。 サーバ上に 1 つ以上の NetInfo 共有ドメインが存在する場合は、 「ネットワーク可視ドメ イン」ポップアップメニューから目的のドメインを選びます。 ネットワークサービス 291 ドメインが特定のポートを使用するように設定されていない場合は、NetInfo は 600 〜 1023 の範囲からポートを動的に選びます。これらのポートへのアク セスを許可する IP アドレスを指定する必要があります。 特定のポートを使用するようにドメインが設定されている場合は、このポートを使用で きる IP アドレスを指定できます。特定のポートを使用するように NetInfo の共有ドメイ ンを設定する方法については、オンスクリーンヘルプを参照してください。 292 第 12 章 すべて 特定の NetInfo 共有ドメインへのアクセス権をすべての IP アドレスに許可するときは、 こ のオプションを選択します。このオプションを選択するには、ファイアウォールを配置 して、内部ネットワークをインターネットから保護し、NetInfo によって使用されるポー ト(111 および 600 〜 1023、またはドメインに設定した特定のポート)に対する外部トラ フィックを除外する必要があります。このような別のファイアウォールがない状態でこ の設定を使用すると、サーバでセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。 リストで指定 NetInfo のアクセスを持つ IP アドレスを指定するときは、このオプションを選択します。 入力フィールドに IP アドレスを入力し、return キーを押してから次の IP アドレスを入 力します。IP アドレスの範囲を入力するときは、IP アドレスの後ろにスラッシュ(/)を 入力します。たとえば、192.168.33.3/24 は、192.168.33.0 〜 192.168.33.255 までの範囲を意 味します。 詳細な設定 「詳細」パネルでは、TCP ポートに適用するフィルタのリストを使って UDP ポートを制 限します。「詳細」パネルを表示するときは、 「IP フィルタ」をクリックし、 「IP フィル タサービスを設定」を選びます。次に、「詳細」タブをクリックします。 IP フィルタリストのフィルタを UDP ポートに適用 UDP ポートにフィルタを適用するときは、このオプションを選び、UDP ポートの範囲を 指定するか、「すべての UDP ポート」を選びます。デフォルトの設定では、すべての UDP メッセージが許可されています。フィルタを適用する UDP ポートは少なめにして ください。UDP を使って多くのサービスがサーバと通信し、「拒否」フィルタがサーバ トラフィックで停滞を作ってしまうことがあります。こ こで設定する前に、301 ページ の「Mac OS X コンピュータが使用するポート」で UDP ポートのリストを確認してくだ さい。 ネットワークサービス 293 また、特定のサービスに対して「許可」フィルタを作成して、ブロックされないように する必要もあります。これらのサービスには次のものがあります。 m m m m m m ポート 53 の DNS ポート 67 の DHCP ポート 427 の SLP ポート 137 および 138 の Windows ネームサービスの参照 ポート 3283 の「Network Assistant」 ポート 2049 の NFS サービスによっては 1023 を超える UDP ポートが自動的に割り当てられるため、正確な ポート番号をあらかじめ決 めておくことができない場合があります。詳細については、 301 ページの「Mac OS X コンピュータが使用するポート」を参照してください。 ICMP のエコー(ping)返信を拒否する ほかのホストサーバからの「PING」に応答したくない場合は、このオプションを選びま す。 「 PING 」は、ICMP( Internet Control Message Protocol)に基づく共通ネットワーク管理 ツールです。「PING」は、一連のパケットを 2 台のホスト間で往復で送信し、往復の平 均時間を計測して、損失率を計算することで、ネットワークサーバが使用可能かどうか を判断します。ネットワークの「 PING 」に応答しないと、サービス拒否攻撃を防止でき ます。ただし、サーバに「PING」することに依存しているほかのサービスは、その存在 を検出することができません。 IGMP(Internet Gateway Multicast Protocol)を拒否する マルチキャストネットワー クをサポートしないときは、このオプションを選択します。 IGMP は、一部のホストとルータがパケットをホストのリストに送信するときに使用し ます。 「 Quick Time Streaming Server 」は、SLP( Service Location Protocol)と同様にマルチキャ ストアドレス方式を使用します。IGMP を拒否すると、この種類のサービスが正しく実 行されなくなります。 294 第 12 章 IP フィルタウインドウの設定 IP フィルタは、IP フィルタサービスの IP フィルタリストを使用して管理します。IP フィ ルタのウインドウを開くときは、「IP フィルタのリスト」ウインドウの下部にあるボタ ンのい ずれかをク リックし ます。既存のフ ィルタを選 択して、「編集」または「複製」 ボタンをクリックすると、選択したフィルタの現在の情報が入っているウインドウが表 示されます。IP フィルタリストの使用については、 299 ページの「IP フィルタリストを 使用する」を参照してください。 新しい IP フィルタを作成するときは、「新規」ボタンをクリックします。 アクセス このフィルタで、指定した IP アドレスでのサーバへのアクセスを許可するか、または 拒否するかを選びます。 ネットワークサービス 295 ポート番号 ポップアップメニューからポート番号を選びます。サーバのすべてのポートに適用され るフィルタを作成したい 場合は、 「すべてのポート」を選 びます。使用したいポートが メニューに表示されない場合は、テキ ストフィールドにポート番号を入力します。TCP ポートと UDP ポートの番号のリストについては、301 ページの「Mac OS X コンピュータ が使用するポート」を参照してください。 ポート名 標準のポート番号以外の番号を入力した場合は、そのポートの使いかたを覚えておくた めに名前を入力します。 適用先 このフィルタを適用する IP アドレスを選びます。次の選択肢があります。 m すべての IP アドレス m IP アドレスの範囲 m 1 つの IP アドレス IP アドレス 「すべての IP アドレス」を選んだ このフィルタを適用したい IP アドレスを入力します。 場合、このフィールドは使用できません。 IP アドレスを検索 フィルタを適用したい IP アドレスが分からない場合は、このボタンをクリックします。 IP アドレスを検索するための DNS ホスト名を入力します。「適用」をクリックして、見 つかった IP アドレスを「IP フィルタ」ウインドウの「IP アドレス」フィールドに入力 します。 サブネットマスク 「IP アドレスの 範囲」を選択した場合は、適 用したいサブネット マスクを入力します。 このフィールドの下に、アドレス範囲の検索結果が表示されます。サブネットマスクの 使いかたについては、288 ページの「アドレスの範囲を使用する」を参照してください。 自分のサブネットを使用する サーバの「ネットワーク環境設定」に保存されているサブネットマスクの値を使用する ときは、このボタンをクリックします。 IP フィルタサービスに関する上手な使いかたとヒント 作成する IP フィルタは協調して動作して、ネットワークのセキュリティを提供します。 以下の例は、特定の目的を達成するためのフィルタの使いかたを示しています。 296 第 12 章 インターネットユーザのアクセスをブロックする サーバの Web サービスへのアクセスをサブネット上のユーザには許可し、インターネッ ト上の不特定の人には拒否する場合: アクセス ポート 許可 80( Web) 拒否 80( Web) IP アドレス 「Server Admin 」で「IP アドレ スの範囲」を選択し、「 IP フィ ルタ」ウインドウの「自分の サブネットを利用する」をク リックします。 すべて ジャンクメールをブロックする IP アドレスが 17.128.100.0 のジャンクメール送信者からのメールを拒否し、その他のイ ンターネットメールを許可するときは、次のようにします。 アクセス ポート IP アドレス 拒否 25( SMTP) 17.128.100.0 許可 25( SMTP) すべて 重要 受信 SMTP メールをブロックするために作成するフィルタには、非常に特定され たアドレス範囲 を設定します。たとえば、すべての アドレスからのメールをポ ート 25 で拒否するフィルタを設定すると、ユーザにすべてのメールが配信されなくなります。 Apple ファイルサーバへのユーザのアクセスを許可する IP アドレスが 10.221.41.33 のユーザに Apple ファイルサーバへのアクセスを許可するとき は、次のようにします。 アクセス ポート IP アドレス 許可 548(AFP/TCP) 10.221.41.33 拒否 548(AFP/TCP) すべて ログを使用して IP フィルタサービスを監視する IP フィルタサービスを設定するとき、拒否されたパケットおよび許可されたパケットを ログに記録することを選択できます。 「Server Admin」の「ログビューア」で、 「Mac OS X Server」のすべてのサービ スログにアクセスできます。「ログビューア」をクリックし、 「System Software」を選んでから「System Log」を選んで、 「ipfw 」で始まる項目を探します。 ネットワークサービス 297 「Server Admin」で作成するフィルタは、基礎となるフィルタリングソフトウェアの 1 つ または複数のルールに相当します。適用されるルール、クライアントとサーバの IP ア ドレス、およびその他の情報は、ログ項目に表示されます。ルールとそれらの意味につ いて詳しくは、306 ページの「ipfw を使って IP フィルタルールを作成する」を参照して ください 。 ここで、IP フィルタのログ項目の例とそれらの解釈を示します。 ログの例 1 Dec 12 13:08:16 ballch5 mach_kernel: ipfw: 65000 Unreach TCP 10.221.41.33:2190 192.168.12.12:80 in via en0 このエントリは、IP フィルタサービスがルール 65000 を使用して、10.221.41.33:2190 上の リモートクライアントが Ethernet ポート 0 を経由する Web ポート 80 のサーバ 192.168.12.12 にアクセスすることを拒否した(未到達)ことを示しています。 ログの例 2 Dec 12 13:20:15 mayalu6 mach_kernel: ipfw: 100 Accept TCP 10.221.41.33:721 192.168.12.12:515 in via en0 このエントリは、IP フィルタサービスがルール 100 を使用して、10.221.41.33:721 のリモー トクライアントが Ethernet ポート 0 を経由する LPR プリントポート 515 のサーバ 192.168.12.12 にアクセスすることを許可したことを示しています。 ログの例 3 Dec 12 13:33:15 smithy2 mach_kernel: ipfw: 10 Accept TCP 192.168.12.12:49152 192.168.12.12:660 out via lo0 このエントリは、IP フィルタサービスがルール 10 を使用して、ループバック装置 0 を 経由するポート 660 の自分自身にパケットを送信したことを示しています。 サービス拒否攻撃を防止する サーバは、アクセスが拒否されているクライアントから TCP 接続要求を受信した場合、 デフォルトの設定では接続拒否の通知を送ります。こうすることで、拒否されたクライ アントが要求を繰り返し送 信することを防止できます。しかし、悪意のあるユーザが、 アクセスが拒否されている IP アドレスから TCP 接続の要求を送信し続け、サーバに強 制的に応答を送信させ続ける場合があります。この場合、ほかのユーザがサーバに接続 し よう とし ても 接続 でき なく なり ます。こ れは「サ ービ ス拒 否 攻撃(Dinial of Service Attacks)」の一種です。 このような攻撃を防止するためには、「IP フィルタサービスを設定」ウインドウの「一 般」パネルで「接続を拒否したとき、クライアントに拒否を通知」オプションを選択し ないでください。このオプションをオフにすると、クライアントが接続を再試行するた め、サーバが混雑する可能性があることに注意してください。このオプションは、サー バがこの種類の攻撃を受けやすいと考える根拠がある場合にのみ選びます。 298 第 12 章 デフォルトの IP フィルタ状態を変更する 「すべてのポート」フィルタの「すべて」は、IP フィルタサービスのデフォルトのフィ ルタで す。リストされ ているポー トのアドレス 範囲内にな い、または「すべて のポー ト」フィルタのアドレス範囲 内にない受信パケットはすべて、「すべて」の設定に従っ て、許可または拒否されます。 初めて IP フィルタサービスを開始するとき、デフォルトの設定により「すべてのポー ト」フィルタ「すべて」はアクセス拒否になっています。これにより、許可するつもり ではなかったサービスにアク セスを許可してしまうという事態を防ぐことができます。 必要であれば、「すべて」に設定されているアクセスを変 更することができます。ただ し、安易に変更しないでください。デフォルトをアクセス許可に変更すると、保護を必 要とするすべてのサービスに対して非常に特殊なポートフィルタを設定して、サービス へのアクセスを明示的に拒否しなければならなくなります。 IP フィルタリストを使用する IP フィルタリストには、サーバのすべてのフィルタが表示されます。フィルタは、番号 順にリストされているポート番号ごとにグループ化されます。ポートのフィルタは、最 も特定された IP アドレス範囲(または、1 つのアドレス)のフィルタから最も広いアド レス範囲(または「すべて」)のフィルタまで、優先順位順に表示されます。 「複製」または「編集」ボタ 295 ページで説明しているように、フィルタを選択した後、 ンをクリックすると、「IP フィルタ」ウインドウを開くことができます。 「検索」ボタンは、設定したフィルタに関する問題の発見とセキュリティホールのチェッ クに役立つ 高機能なツールで す。 「検索」ボタン をクリックすると、「IP フ ィルタを検 索」ウインドウが表示されます。 ポップアップメニューから使用したい検索条件を選びます。ポート、IP アドレス、およ びアクセスの種類(許可または拒否)で検索できます。検索結果は、ウインドウの下部 分に表示されます。 ネットワークサービス 299 IP フィルタサービスに関する問題を解決する TCP/IP 経由でサーバにアクセスできない場合は、以下の操作を試してください。 m フィルタリストでフィルタを確認します。IP フィルタサービスを開始していても新し いフィルタを追加していない場合、デフォルトの設定では、サーバへの TCP アクセ スがすべて拒否されます。 m IP フィルタサービスを停止します。指定した IP アドレスを所有するコンピュータへの アクセ スを許可する 新しいフィル タを、フィルタリ ストに追加し ます。その後、IP フィルタサービスを開始します。 特定のフィルタを探すのが困難な場合は、以下の操作を試してください。 m 「IP フィルタのリスト」ウインドウの「検索」ボタンを使って、IP アドレス、ポート、 またはアクセスの種類で特定のフィルタを検索します。 拒否されたパケットを表示したい場合は、以下の操作を試してください。 m 「IP フィルタサービスを設定」ウインドウで、拒否したパケットのログの記録を開始 します。ログ項目を表 示するときは、 「 Server Admin」の「一般」タブをクリックし、 「ログビューア」をクリックします。 「System Software」をクリックし、ポップアップ メニューから「System Log」を選びます。 ネットワークサービスに関するその他の情報 RFC(Request for Comments)ドキ ュメントには、プロト コルやサービスの 概要と、プロ トコル の動作に関す る詳細が記載 されています。サ ーバの管理を 始めたばかり の方に とって、RFC の背景情報は参考になることでしょう。経験豊富なサーバ管理者の場合、 RFC ドキュメントによって、プロトコルに関する詳細な技術情報をすべて確認できます。 RFC ドキュメントは、次の Web サイトで番号で検索することができます。www.faqs.org/rfcs 次の項目について詳しくは、記載されている RFC ドキュメントを参照してください。 m m m m DHCP:「RFC 2131」 ダイナミック DNS:「 RFC 2136」および「RFC 2137」 SLP DA:「 RFC 2608」 IP フィルタサービス: ICMP については「RFC 792」を参照してください。IGMP につい ては、 「 RFC 1112」の「Appendix I」に記載されています。重要なマルチキャストアドレ スについては、最新の「Assigned Numbers」に関する RFC(現時点では「 RFC 1700」 )に 記載されています。 DNS および BIND の詳細については、次の書籍を参照してください。 m 「DNS and BIND」第 3 版、Paul Albitz、Cricket Liu、Mike Loukides 共著 (O’Reilly and Associates 社発行、1998) m International Software Consortium の Web サイト( www.isc.org ) 300 第 12 章 付 録 A A 詳細なトピック この付録では、経験豊富なシステム管理者やネットワーク管理者にとって役に立つ情報 を記載しています。 m 「TCP/IP に関するトピック」には、Mac OS Xコンピュータが使用する TCPおよび UDP ポー トのリストやプライベート TCP/IP ネットワークの設定方法の説明など、さまざまな 項目があります。 m 308 ペー ジの「ユーザ とグループ を読み込む /書き出す ためのフ ァイルフォ ーマッ ト」には、 ファイルにユーザとグループを記述するときに使う XML文の例があります。 m 314 ページの「LDAP データの仕様」では、LDAP サーバから取り込まれるユーザおよび ネットワークサービスデータの適当なフォーマットについて説明し、LDAP サーバの アクセスの設定方法を順を追って説明します。 m 328 ページの「サーバ情報のバックアップを作成する」では、サーバ上の NetInfo デー タやサービス固有のデータのバックアップを作成する手順について説明します。 TCP/IP に関するトピック このセクションでは、高度なTCP/IP設定を行う上で参考になる情報について説明します。 Mac OS X コンピュータが使用するポート 次の表は、Mac OS X コンピュータと「 Mac OS X Server 」が通常に使用する TCP ポート番 号と UDP ポート番号を示します。これらのポートは、IP フィルタを設定するときに使 用できます。 参考: 表に記載されている RFC を確認するときは www.faqs.org/rfcs を参照してください。 TCP ポート 使用する目的 参照 7 echo RFC 792 20 FTP データ RFC 959 21 FTP コントロール RFC 959 301 TCP ポート 使用する目的 22 ssh(secure shell) 23 Telnet RFC 854 25 SMTP(メール) RFC 821 53 DNS RFC 1034 79 Finger RFC 1288 80 HTTP (Web) RFC 2068 88 Kerberos RFC 1510 110 POP3 (メール) RFC 1081 111 RPC( Remote Procedure Call) RFC 1057 113 AUTH RFC 931 115 sftp 119 NNTP(ニュース) RFC 977 139 Windows ファイルおよびプリント(SMB) RFC 100 143 IMAP(メールアクセス) RFC 2060 389 LDAP (ディレクトリ) RFC 2251 427 SLP(サービスの場所) 443 SSL(HTTPS) 514 shell 515 LPR(プリント) 532 netnews 548 AFP(AppleShare) 554 Real Time Streaming Protocol(QTSS) 600 〜 1023 302 付録 A 「Mac OS X 」の RPC ベースのサービス(NetInfo など) 626 IMAP 管理(「Mac OS X 」メールサービスおよび AppleShare IP 6.x メール) 660 Server Admin 985 NetInfo(「 NetInfo Domain Setup 」を使って共有ドメインを 作成した場合) 参照 RFC 1179 RFC 2326 TCP ポート 使用する目的 7070 Real Time Streaming Protocol(QTSS) 8000 〜 8999 Web サービス 16080 パフォーマンスキャッシュを使用する Web サービス 2236 Macintosh マネージャ 24000 〜 24999 パフォーマンスキャッシュを使用する Web サービス UDP ポート 使用する目的 7 echo 53 DNS 67 DHCP Server( BootP) 68 DHCP Client 69 TFTP(Trivial File Transfer Protocol) 111 RPC( Remote Procedure Call) 123 Network Time Protocol 137 WINS(Windows ネームサービス) 138 Windows データグラムサービス 161 SNMP(Simple Network Management Protocol ) 427 SLP(サービスの場所) 497 Retrospect 513 who 514 Syslog 554 Real Time Streaming Protocol(QTSS) 600 〜 1023 参照 参照 「Mac OS X 」の RPC ベースのサービス(NetInfo など) 985 NetInfo(「 NetInfo Domain Setup 」を使って共有ドメインを作 成した場合) 2049 NFS( Network File System) 3283 Apple Network Assistant 詳細なトピック 303 UDP ポート 使用する目的 6970 以上 QTSS 7070 Real-Time Streaming Protocol の代替(QTSS) 参照 プライベートな TCP/IP ネットワークを設定する ローカ ルエリアネッ トワークをイ ンターネット に接続する場 合は、インターネ ットに とって一意な IP アドレスとその他の情報を使って、サーバとクライアントコンピュー タを設定する必要があります。IP アドレスはインターネットサービスプロバイダ(ISP: Internet Service Provider)から取得します。 ローカルエリアネットワークをインターネットには接続しないが、ネットワーク上で情 報を転送するプロトコルとして TCP/IP を使用したい場合は、「プライベート」な TCP/IP ネット ワークを設定 することがで きます。プライベ ートネットワ ークを設定す るとき は、IANA( Internet Assigned Numbers Authority)がプラ イベート イントラ ネット用 に確保 している IP アドレスのブロックから、 IP アドレスを選びます。 m 10.0.0.0 〜 10.255.255.255(10/8 プレフィクス) m 172.16.0.0 〜 172.31.255.255(172.16/12 プレフィクス) m 192.168.0.0 〜 192.168.255.255( 192.168/16 プレフィクス) 重要 将来、インターネットに接続する可能性がある場合は、プライベートネットワー クを設定するときに、インターネットレジストリに登録し、レジストリから提供される IP アドレスを使用するようにしてください。これを行わないと、ネットワーク上のすべ てのコンピュータを再構築する必要が生じます。 プライベートな TCP/IP ネットワークを設定するときは、DNS サービスを提供することも できます。ローカルエリアネットワーク上に TCP/IP と DNS を設定することによって 、 ファイル、Web 、メール 、およびネットワーク上のその他のサービスに 、簡単にアクセ スすることができます。 304 付録 A ポートに複数の IP アドレスを設定する 初めて サーバを設定 するときは、設 定アシスタン トを使って、サ ーバ上で利用 できる Ethernet ポートごとに 1 つの IP アドレスを設定できます。 場合によっては特定のポートに複数の IP アドレスを設定したいこともあります。たと えば、サーバを使って複数の Web サイトを運営するときに、同じポートにあるさまざま なドメイン名(URL)の要求を受け入れ たい場合などです。この場合は、ドメイン名ご とに 1 つの設定を持つようにポートに複数の設定を行ってから、「Server Admin 」で Web モジュールを使って各サイトを特定の設定にマッピングする必要があります。 1 つのポートに複数の IP アドレスを設定するには次の手順に従ってください。 1 「システム環境設定」を開いて、 「ネットワーク」をクリックします。 2 「設定」ポップアップメニューで「詳細」を選びます。 3 「新規」をクリックします。 4 新しいポート設定の名前を 入力して、 「ポート」ポップアップ メニューから設定してい るポートを選びます。「OK 」をクリックします。 5 「設定」ポップアップメニューで、今追加したポート設定を選びます。 6 「TCP/IP」タブをクリックし、 「設定」ポップアップメニューから「手入力」を選びます。 新しい IP アドレスとポートに関するその他の情報を入力します。 「保存」をクリックし ます。 詳細なトピック 305 ipfw を使って IP フィルタルールを作成する 「ipfw」コマンドと「Server Admin」の「IP フィルタ」モジュールを共に使用することで、 次の操作を実行できます。 m 「IP フィルタ」モジュールで作成したルールを表示します。各フィルタは、1 つまたは 複数のルールに相当します。 m 「IP フィルタ」モジュールでは定義できない特性のフィルタを作成します。たとえば、 特定の種類の IP プロトコル固有のルールを使用できます。または、発信パケットを フィルタリングしたり、ブロックしたりすることができます。 m ルールが適用される回数をカウントします。 「ipfw」を使用する場合は、「IP フィルタ」モジュールを使って作成したルールを変更し ないように注意してください。「IP フィルタ」モジュールに対する変更は、永久的では ありません。IP フィルタサービスが再起動すると、 「IP フィルタ」モジュールを使って 定義されたルールは再作成されます。以下は、「IP フィルタ」モジュールがルール番号 を割り当てる方法をまとめたものです。 ルール番号 「IP フィルタ」モジュールの使用目的 10 ループバック 20 127.0.0.0/8 との間のすべてのパケットを破棄します( ブロードキャスト) 30 224.0.0.0/3 からのすべてのパケットを破棄します( ブロードキャスト) 40 224.0.0.0/3 への TCP パケットを破棄します(ブロードキャスト) 100 〜 64000 ユーザ定義のポート固有のフィルタ 63200 「icmp」エコー返信のアクセスを拒否します。「 IP フィルタサービスを設 定」ウインドウの「詳細」パネルで「ICMP のエコー返信を拒否する」を 選ぶと作成されます。 63300 「igmp 」のアクセスを拒否します。「IP フィルタサービスを設定」ウイン ドウの「詳細」パネルで「IGMP を拒否する」を選ぶと作成されます。 63400 TCP パケットまたは UDP パケットがポート 111( NetInfo に必要です)にア クセスすることを許可します。NetInfo の共有ドメインがサーバ上に見つ かったときに作成されます。 63500 64000 〜 65000 306 付録 A ユーザ指定の TCP および UDP パケットが、 NetInfo の共有ドメインに必要 なポートにアクセスすることを許可します。静的なポートを使用するか、 600 〜 1023 のポートが動的に選択されるように NetInfo を設定できます。 次に、「IP フィルタサービスを設定」ウインドウを使って、すべてまたは 特定のクライアントがこれらのポートにアクセスするのを許可します。 「すべてのポート」用のユーザ定義のフィルタ サーバで現在定義されているルールを確認するときは、 「Terminal」アプリケーションを 使って「ipfw show」コマン ドを実行します。「show」コマンド を実行すると、情報が 4 つの列で表示されます。 列 情報 1 ルール番号。番号が小さいほど、ルールの優先順位は高くなります。 2 フィルタが定義されて以来、適用された回数。 3 フィルタが適用されたバイト数。 4 ルールの説明。 ipfw show 0010 0020 0020 0030 0040 00100 260 32688 allow log ip from any to any via lo* 0 0 deny log ip from 127.0.0.0/8 to any in 0 0 deny log ip from any to 127.0.0.0/8 in 0 0 deny log ip from 224.0.0.0/3 to any in 0 0 deny log tcp from any to 224.0.0.0/3 in 1 52 allow log tcp from 111.222.33.3 to 111.222.31.3 660 in ... 新しいルールを作成するときは、 「ipfw add」コマンドを使用します。次の例では、ルー ル 200 を定義しています。このルールでは、IP アドレスが 10.123.123.123 であるクライア ントからの TCP パケットが、 IP アドレスが 17.123.123.123 であるシステムのポート 80 に アクセスすることを禁止しています。 ipfw add 200 deny tcp from 10.123.123.123 to 17.123.123.123 80 ルールを削除するときは、 「ipfw delete」コマンドを使用します。次の例では、ルール 200 を削除します。 ipfw delete 200 詳しくは、「ipfw」に関する man ページを参照してください。 詳細なトピック 307 TCP/IP の設定に関するその他の情報 TCP/IP プロトコルの入門書については、次の書籍を参照してください。 m 「TCP/IP Illustrated, Volume 1: The Protocols 」W. Richard Stevens 著(Addison-Wesley Professional Computing Series 社発行、1994 年) 次の書籍には、TCP/IP 管理者向けのヒントとガイドラインが説明されています。 m 「TCP/IP Network Administration」第 2 版、Craig Hunt 著(O’Reilly and Associates 社発 行、1997 年) プライベートネットワークの設定についての詳細は、次の Web サイトの「RFC 1918」の 情報を参照してください。 www.faqs.org/rfcs ユーザとグループを読み込む/書き出すためのファイルフォー マット 「Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使用すると、NetInfo ドメイン内の ユー ザと グル ープ をフ ァイ ルに 書き出 し、その ファ イル を使 って、別 のサ ーバ 上の NetInfo ドメインに定義を読み込むことができます。ユーザとグループの情報をエンコー ドするときに使用されるフォーマットは XML です。 テキスト編集アプリケーションを使って、ユーザとグループの XML 定義で構成される ファイルを手動で作成することもできます。 参考: ホームディレクトリの情報は書き出されません。また、手動で XML ファイルにエ ンコードすることもできません。ユーザを NetInfo ドメインに読み込むと、デフォルト のホームディレクトリ設定によってホームディレクトリが設定されます。ユーザをサー バ上の NetInfo ドメインに読み込む前に、サーバ上で「 Server Admin」の「ユーザとグルー プ」モジュールを使って、デフォルトのホームディレクトリ設定を設定してください。 このセクションでは、ユーザとグループのファイルの例を示し、ファイルをエンコード する方法について説明します。 XML ファイルの例 サンプルファイルは、3 種類の情報で構成されています。 m ヘッダ情報: ヘッダでは、ファイルの本体に含まれる要素( uglist、user、group など) を定義します。フ ァイルの本体に指定する ユーザ情報は、グループ情 報の前に指定 する必要があります。サンプルファイルの中では、1 というラベルの行から 2 という ラベルの行までの範囲がヘッダです。 m ユーザ情報: サンプルファイルには、 「Bob Smith」と「Jane Doe 」という 2 人のユーザ を記述する属性が含まれています。Bob の定義はラベル 4 〜 40 の範囲で、 Jane の定 義はラベル 41 〜 42 の範囲です。 m グループ情報: サンプルファイルには、 「Imported Group」という名前のグループと、 「Primary」という名前のグループに関する情報が含まれています。各グループに Bob Smith と Jane Doe が属しています。最初のグループの定義はラベル 43 〜 48 の範囲で す。2 番目のグループはラベル 49 から始まり、ラベル 50 で終了します。 308 付録 A ]> <--2 詳細なトピック 309 < namelist > < name text = "bsmith" /> < name text = "Bob Smith" /> < /namelist > < pass format = "clearText" text = "password" /> <--38 <--39 <--40 <--41 <--42 <--43 <--44 <--45 <--46 <--47 <--49 <--48 <--50 <--51 詳細なトピック 311 ユーザとグループのファイルを自分で作成する 「Server Admin」の「ユーザとグループ」モジュールを使って読み込むことができるテキ ストファイルに情報を入力するときは、次のように操作します。 1 テキスト編集アプリケーションを開きます。 2 ファイルの先頭に、サンプルの 1 行目から 2 行目までのヘッダ情報で示した通り、そのま ま正確に入力します。 3 3 行目の通りに情報をそのまま正確に入力します。この行は、ユーザとグループの情報 が開始することを表します。 4 4 行目の通 りに情報 をそのま ま正確 に入力し ます。この行は 、最初のユ ーザ定義 が開始 する ことを表 します。 5 ユー ザが サー バに ログイ ンで きる かどう かを 指定 する 属性を 入力 しま す。使用 する フォ ーマ ット につ いて は、5 行目 を参 照し てく ださ い。ログ イン を許 可す ると きは 「canLogin」 、ログインを禁止するときは「 noLogin」を、引用符で囲んで指定します。 6 ユーザがサーバ管理者として動作できるかどうかを指定する属性を入力します。使用す るフォーマットについては、6 行目を参照してください。ユーザに対して管理者権限を 使用可能にするには「isAdmin」、使用禁止にするには「notAdmin」を、引用符で囲んで 指定します。 7 7 行目に示されているように、ユーザ ID を引用符で囲んで入力します。ユーザ ID は、ユー ザを一意に識別する番号です。 8 8 行目に示されているように、ユーザのプライマリグループ ID を引用符で囲んで入力し ます。プライマリグループ ID は、ファイルの後半(手順 14 〜 20)で定義されるグルー プを表す番号です。 9 サーバでコマンドライン操 作として使用するには、デフォルトのシェルを識別します。 使用す るフォーマ ットについ ては、9 行 目を参照し てください。ス クリプトの パスと ファイ ル名、または「None」 (コ マンドライ ンにアクセ スしないよ うにする場合)を、 引用符で囲んで入力します。 10 11 10 〜 12 行目に示されているように、ユーザ名を入力します。引用符で囲まれている情報 (割り当てる名前)以外はすべて、そのまま正確に入力します。 13 〜 15 行目に示されているように、ユーザのパスワードをそのまま正確に入力します。 13 行目と 14 行目に示されているように、情報をそのまま正確に指定します。次の行で は、15 行目に示されているように、ユーザのパスワード文字列を引用符で囲んで指定し ます。 12 ユーザが「Mac OS X Server」上でメールサービスを使用しない場合は、この手順は除き ます。それ以外の場合は、ユーザのメール属性を次のように入力します。 a 16 〜 19 行目の通りに情報をそのまま正確に入力します。 b ユーザのメールの処理方法(メールの状態)を定義する 2 行を入力します。20 行目に ある属性を、そのまま正確に指定します。21 行目に示されているように、属性の値 を指定します。メール配信を無効にするには「Off」、有効にするには「 Enabled」、ユー ザのメールを転送するには「Forward 」の値を使用します。 312 付録 A c ユーザの IMAP ログイン属性を定義する 2 行を入力します。これは、ユーザが Internet Message Access Protocol を使 ってメールにア クセスできるか どうかを指定す るもので す。22 行目にある属性を、そのまま正確に指定します。 23 行目に示されているよう に、属性の値を指定します。IMAP を使ってメールにアクセスすることをユーザに許 可するときは「IMAPAllowed」、IMAP アクセスを禁止するときは「IMAPDeny」を指定し ます。 d ユーザの POP3 ログイン属性を定義する 2 行を入力します。 これは、 ユーザが Post Office Protocol を使ってメールにアクセスできるかどうかを指定するものです。24 行目にあ る属性を、そのまま正確に指定します。25 行目に示されているように、属性の値を指 定し ます 。POP3 を使 って メール にア クセ スする こと をユ ーザ に許可 する とき は 「POP3Allowed」 、POP3 アクセスを禁止するときは「 POP3Deny」を指定します。 e ユーザのメールアカウントの位置属性を定義する 2 行を入力します。これは、ユーザ のメールが保管される場所を指定するものです。26 行目にある属性を、そのまま正 確に指定します。27 行目に示されているように、属性の値を指定します。ユーザの メールが保管されるサーバのドメイン名または IP アドレスを指定します。 f ユーザのメールアカウント状況に「 Forward」という値を割り当てた場合は、ユーザの 自動転送属性を定義する 2 行を入力します。28 行目にある属性を、そのまま正確に指 定します。29 行目に示されているように、属性の値を指定します。RFC 822 の有効な メールアドレスの値を使用します。 g ユーザの通知属性を定義する 2 行を入力します。これは、新しいメールが到着したと きに自動的にユーザに通知するかどうかを指定するものです。30 行目にある属性を、 そのまま正確に指定します。31 行目に示されているように、属性の値を指定します。 自動通知を避けるには「NotificationOff」、ユーザが最後にログインしたアドレスに通 知を送るには「NotificationLastIP」 、特定の IP アドレスに通知を送るには 「NotificationStaticIP」の値を使用します。 h ユーザの通知属性に「NotificationStaticIP」を割り当てた場合は、通知の静的 IP アドレ ス属性を定義する 2 行を入力します。32 行目にある属性を、そのまま正確に指定し ます。33 行目に示されているように、 IP アドレスを指定します。 i ユーザの個別の受付箱属性を定義する 2 行を入力します。これは、ユーザが異なる受 付箱を使って POP3 メールと IMAP メールを管理するかどうかを指定するものです。34 行目にある属性を、そのまま正確に指定します。35 行目に示されているように、属 性の値を指定します。異なる受付箱の使用を許可するときは、 「 DualInbox 」を指定し ます。それ以外の場合は、「OneInbox」を指定します。 j IMAP 属性にユーザの表示 POP3 受付箱を定義する 2 行を入力します。これは、 「 POP Inbox」という IMAP フォルダが表示されるかどうかを指定するものです。36 行目に ある属性を、そのまま正確に指定します。37 行目に示されているように、属性の値 を指定 します。このフォ ルダを表示 するには、「ShowPOP3Inbox」を指定 します。そ れ以外の場合は、「HidePOP3Inbox」を指定します。 k 38 〜 40 行目をそのまま正確に入力して、ユーザ定義を終了します。 13 ファイルに追加したいユーザごとに、手順 4 〜 12 を繰り返します。 14 43 行目の通りに情報をそのまま正確に入力します。この行は、最初のユーザ定義が開始 することを表します。 15 44 行目に示されているように、グループ名を引用符で囲んで入力します。 詳細なトピック 313 16 45 行目に示されているように、グループ名を引用符で囲んで入力します。 17 ファイルにすでに定義したユーザの中で、グループに所属させたいユーザの名前を入力 します。46 行目に示されている情報をそのまま正確に入力します。次の行では、47 行 目を参考にして、ユーザのユーザ名を引用符で囲んで指定します。 18 グループに追加したいユーザごとに、手順 17 を繰り返します。 19 48 行目をそのまま正確に入力して、グループ定義を終了します。 20 ファイルに定義したいグループごとに、手順 14 〜 19 を繰り返します。 21 ファイルの最後に 51 行目の情報をそのまま正確に入力します。この行は、ユーザ情報と グループ情報の終了を表します。 22 拡張子「xml 」を指定してファイルを保存します。 23 「Server Admin」で「ユーザとグループ」モジュールを使って、ユーザとグループの定義 をファ イルに読み込 みます。デフォ ルトのホーム ディレクト リ設定を使っ て、ホーム ディレクトリが設定されます。 XML に関するその他の情報 XML ファイルの作成と編集については、次の参考書籍を参照してください。 m m m m 「The XML Pocket Reference 」Robert Eckstein 著(O’Reilly 社発行、1999 年) 「Presenting XML 」Richard Light 著(Sams.Net Publishing 社発行、1997 年) 「Learning XML 」Erik Ray / Christopher Maoen 共著(O’ Reilly 社発行、2000 年 11 月) 「The XML Handbook 」Charles F. Goforth 著(Prentice Hall PTR 社発行、1998 年) XML に関する書籍の総合リストについては、次の Web サイトを参照してください。 www.oasis-open.org/cover/bib-strt.html LDAP データの仕様 このセクションでは、次の場合にサーバが LDAP サーバから取り込むことができるデー タについて説明します。 m ユーザを認証する/ユーザに権限を与える m AFP サーバやプリンタなどのネットワークサービスを検索する 「Directory Setup」アプリケーションで明示的なマッピングを行わない場合に使用される、 デフォルトの LDAP データ項目名についても説明します。 「Directory Setup」アプリケーションを使って、LDAP サーバ上にあるデータを使用するよ うに「Mac OS X Server」を 設定する 方法につい ても説明 します。「Mac OS X Server」がア クセス するすべての LDAP サーバ が、必要なデータ をこのセクシ ョンで説明し ている フォーマットで提供する必要があります。 314 付録 A ユーザデータをマッピングする 次の表は、 「Mac OS X Server」がユーザに関するデータを使用する方法を示します。サー バが LDAP サーバから取得するデータ項目を判断してください。一番左の列の「全サー 「Mac ビス」には、AFP、SMB、FTP、HTTP、NFS、WebDAV、POP、 IMAP、「Server Admin 」、 OS X」ログインウインドウ、および「Macintosh マネージャ」が含まれることに注意して ください。 サーバコンポーネント 使用されるデータ 項目 依存性 全サービス RecordName 認証の際に必要です。 全サービス RealName 認証の際に必要です。 全サービス Password 認証の際に必要です。 LDAP サーバに暗号式のパスワードが含まれ ている場合は、これが取得され、認証用に 使用されます。それ以外の場合は、LDAP サーバが LDAP BIND コマンドを使ってパス ワードを検証します。 全サービス UniqueID 全サービス PrimaryGroupID m m m m m m HomeDirectory 省略できます。 メールサービス MailAttribute サーバ上のメールサービスにログインする ときに必要です。 メールサービス EMailAddress 省略できます。 FTP サービス 権限を付与するときに必要です(ファイル のアクセス権やメールアカウントなど)。 省略できますが、指定することをお勧めし ます。権限を付与するときに使用します (ファイルのアクセス権やメールアカウント など)。 Web サービス Apple ファイルサービス NFS サービス Macintosh マネージャ Mac OS X ログインウイ ンドウ m アプリケーションおよ びシステム環境設定 詳細なトピック 315 「Directory Setup」を使って、サーバが LDAP サーバにアクセスするように設定する場合は、 「レコード」パネルを使って、「Users」というレコードタイプを、目的のユーザデータ項 目を提供する LDAP サーバ上の 1 つまたは複数の検索基準にマッピングします。次に、 「データ」パネルを使って、各項目を、その値を提供する 1 つまたは複数の LDAP フィー ルドにマッ ピングします 。サーバが必要と する各ユーザデータ項 目が 、次の表に 示す フォーマットで、 LDAP サーバ上に指定されている必要があります。 データ項目 LDAP マッピング フォーマット RecordName : ASCII Dave David Mac DMacSmith ASCII David L. MacSmith, Jr. 一意なユーザ識別子 0 〜 9 の数字で構成 される符号なし 32 ビット ASCII 文字列 100 より小さい値はシステムアカウントで使用 します。0 はシステム用に予約されています。 Password : UNIX crypt ユーザに関連付けられ ている名前のリスト。 認証の際には、 値の例 RecordName と RealName が両方とも指定されて いる必要があります RealName: 1 つの名前で、通常は ユーザのフルネーム UniqueID: 範囲は 100 〜 4,294,967,295 です。 ユーザのパスワード PrimaryGroupID: 0 〜 9 の数字で構成 される符号なし 32 ビット ASCII 文字列 範囲は 0 〜 4,294,967,295 です。 ユーザのプライマリグ ループ関係 Comment : ASCII John is in charge of product marketing. パス名 /bin/tcsh /bin/sh None 希望するユーザ書類 UserShell: サーバで使用する コマンドライン操作の デフォルトのシェルの 位置 316 付録 A データ項目 LDAP マッピング フォーマット MailAttribute: Mac OS X プロパ ユーザのメールサービ ス設定。各フィールド については、次の表を 参照してください。 ティリスト EMailAddress: RFC 822 の正式な メールアドレスま ユーザに対して MailAttribute が定義され たは有効な ていない場合に、メー 「mailto:」 URL ルが自動的に転送され るメールアドレス HomeDirectory: Mac OS X プロパ AFP ベースのホーム ティリスト ディレクトリの場所 値の例 kAttributeVersion Apple Mail 1.0 kAutoForwardValue user@example.com kIMAPLoginState IMAPAllowed kMailAccountLocation domain.example.com kMailAccountState Enabled kNotificationState NotificationStaticIP kNotificationStaticIPValue [1.2.3.4] kPOP3LoginState POP3Allowed kSeparateInboxState OneInbox kShowPOP3InboxInIMAP HidePOP3Inbox user@example.com mailto:user@example.com afp://server/sharepoint usershomedirectory 次の例では、Tom King のホームディレクトリは K-M/Tom King です。これは共有ポイントディレ クトリ「Users 」の下にあります。 afp://example.com/Users K-M/Tom King 詳細なトピック 317 サーバが LDAP サーバから取得することが設定されている各 MailAttribute フィールドは、 次の表に示すフォーマットで指定されている必要があります。フィールドの値が適切で ない場合、MailAttribute は無視されます(つまり、MailAccountState が「 Off」として処理さ れます) 。 MailAttribute フィールド LDAP マッピング フォーマット AttributeVersion 必須の値で、「AppleMail kAttributeVersion 1.0」が設定されている必 AppleMail 1.0 値の例 要があります。 大文字と小文字は区別さ れません。 318 付録 A MailAccountState ユーザのメールの状況を 示す必須のキーワードで す。大文字と小文字は区 別されません。次のいず れかの値を設定する必要 があります。「Off 」、 「Enabled」、または 「Forward」。 kMailAccountState Enabled POP3LoginState ユーザが POP を介して メールにアクセスできる かどうかを示す必須の キーワードです。大文字 と小文字は区別されませ ん。次のいずれかの値を 設定する必要がありま す。「POP3Allowed」また は「POP3Deny」。 kPOP3LoginState POP3Deny IMAPLoginState ユーザが IMAP を介して メールにアクセスできる かどうかを示す必須の キーワードです。大文字 と小文字は区別されませ ん。次のいずれかの値を 設定する必要がありま す。「IMAPAllowed」また は「IMAPDeny」。 kIMAPLoginState IMAPAllowed MailAccountLocation ユーザのメールが保管さ れる「Mac OS X Server」 のドメイン名または IP アドレスを示す必須の値 です。 kMailAccountLocation domain.example.com MailAttribute フィールド LDAP マッピング フォーマット 値の例 AutoForwardValue MailAccountState の値が 「Forward」の場合のみ必 須なフィールドです。値 は、RFC 822 の有効な メールアドレスでなけれ ばなりません。 kAutoForwardValue user@example.com NotificationState 新しいメールが到着した ときにユーザに通知する かどうかを示すオプショ ンのキーワードです。指 定する場合は、次のいず れかの値を設定する必要 があります。 「NotificationOff」、 「NotificationLastIP」、また は「NotificationStaticIP 」。 kNotificationState NotificationOff フィールドの指定を省略 すると、「NotificationOff 」 が指定されたものと見な されます。 NotificationStaticIPValue オプションの IP アドレ スです。角かっこで囲 み、ドットで区切った 10 進数形式で指定します ([xxx.xxx.xxx.xxx])。 kNotificationStaticIPValue [1.2.3.4] このフィールドの指定を 省略すると、 NotificationState は 「NotificationLastIP」と解釈 されます。フィールド は、NotificationState の値 が「NotificationStaticIP 」の 場合のみ使用されます。 詳細なトピック 319 MailAttribute フィールド SeparateInboxState LDAP マッピング フォーマット ユーザが異なる受付箱を 使って POP メールと IMAP メールを管理する かどうかを示すオプショ ンのキーワードです。大 文字と小文字は区別され ません。指定する場合 は、次のいずれかの値を 設定する必要がありま す。「OneInbox」または 「DualInbox」。 値の例 kSeparateInboxState OneInbox 値の指定を省略すると、 「OneInbox」が指定され たものと見なされます。 ShowPOP3InboxInIMAP POP メッセージをユーザ の IMAP フォルダリスト に表示するかどうかを示 すオプションのキーワー ドです。大文字と小文字 は区別されません。指定 する場合は、次のいずれ かの値を設定する必要が あります。 「ShowPOP3Inbox」または 「HidePOP3Inbox」。 フィールドの指定を省略 すると、「ShowPOP3Inbox」 が指定されたものと見な されます。 320 付録 A kShowPOP3InboxInIMAP HidePOP3Inbox ネットワークサービスデータをマッピングする サーバが、ファイルサーバやプリンタなどのネットワークサービスを表す LDAP データ にアクセスするように設定することができます。NSL(Network Service Locator)を使用し てネ ットワ ークサ ービスを 検出す る「Mac OS X」アプ リケーシ ョンは、こ のデー タを 使って、ユーザがこれらのサービスを利用できるようにします。 たとえば、ユーザにアクセス権を許可したい Web サーバに関するレコードが LDAP サー バに保管されている場合、ユーザが「サーバへ接続」コマンドを選ぶと、 「Finder 」にこ れらの Web サーバが一覧表示されます。 サーバが LDAP ネットワークサービスデータにアクセスするように設定する場合は、 「Directory Setup」の「レコード」パネルを使って、レコードタイプを、ネットワークデー タを提供する LDAP サーバ上の 1 つまたは複数の検索基準にマッピングします。 「 Printers」などのレコードタイプを選ぶことができます。次 「AFPServer 」、「WebServer」、 に、レコードタイプごとに、「データ」パネルを使って、次の表に示されている 2 つの データ項目を、その値を提供する1つまたは複数の LDAPフィールドにマッピングします。 データ項目 LDAP マッピング フォーマット 値の例 RecordName : ASCII Mrs. Jones’ classroom 有効な URL afp://afp.example.org/ https://securesite.example.org レコードの名前 URLForNSL: サービスのネットワーク上の 位置 詳細なトピック 321 デフォルトのマッピングを使用する LDAP サーバを設定するのが初めての場合は、デフォルトの LDAP データ項目名を利用す るこ とがで きます。LDAP フィール ド名が 次の表 に示す 名前と同 じ場合 は、 「Directory Setup」の「データ」パネルを使って名前をマッピングする必要はありません。 データ項目 デフォルトの LDAP フィールド名 RecordName cn 、sn 、dn EMailAddress mail、 email UniqueID unixid RealName realname MailAttribute applemail Comment comment Group grouplist Password passwd PrimaryGroupID groupid HomeDirectory home、homeloc URLForNSL networklocurl GroupMembership userlist RecordAlias aliasdata UserShell shell Group は任意でユーザレコードと関連付けられていて、ユーザが所属するグループをリ スト表示するのに対し、GroupMembership はグループに所属するユーザをリスト表示し ます。 322 付録 A LDAP アクセスを設定する このセクションでは、次のユーザの例のよう に、LDAP サーバから取り込み可能なユー ザのすべてのデータに対する、LDAP アクセスの設定方法を説明します。 データ項目 LDAP フィールド名の例 LDAP 値の例 RecordName shortname bsmith UniqueID userid 1200 RealName realname Bob Smith MailAttribute applemail kAttributeVersion Apple Mail 1.0 kAutoForwardValue user@example.com kIMAPLoginState IMAPAllowed kMailAccountLocation domain.example.com kMailAccountState Enabled kNotificationState NotificationStaticIP kNotificationStaticIPValue [1.2.3.4] kPOP3LoginState POP3Allowed kSeparateInboxState OneInbox kShowPOP3InboxInIMAP HidePOP3Inbox Comment comment Bob is a good resource for network administration. Password passwd PrimaryGroupID primarygroupid 「パスワード」属性が削除されているかマッ ピングされていない場合、「 Mac OS X Server」 は、 LDAP BIND コマンドを使ってユーザを認 証しようとします。それ以外の場合は、「パ スワード」フィールドには UNIX の暗号パス ワードがあるはずです。サーバはこのパス ワードを認証用に使用します。 10 詳細なトピック 323 データ項目 LDAP フィールド名の例 LDAP 値の例 HomeDirectory homedir ユーザのホームディレクトリである R-S/Bob Smith は、「 Users」という名前の共有ポイント ディレクトリの中にあります。 afp://example.com/Users R-S/Bob Smith UserShell loginshell /bin/sh また、LDAP がグループに関する情報にアクセスするように設定する方法も説明します。 データ項目 LDAP フィールド名の例 LDAP 値の例 RecordName gn Primary UniqueID groupid 10 GroupMembership groupmemberlist bsmith, jdoe LDAP データを使ってユーザに管理者の 権限を割り当てることはできません。ユーザが サーバ管理アプリケーションを使用できるようにしたい場合は、 「 Server Admin」の「ユー ザとグループ」モジュールを使用して、サーバのローカル NetInfo ドメイン内の「管理 者」グループにユーザを追加します。 ユーザおよびグループ情報にアクセスするようにサーバを設定するときは、次の手順に 従います。 1 LDAP サーバを設定する: a LDAP サーバが LDAP に基づいた認証とパ スワード確認をサポート するように設定し ます。 b 必要に応じて LDAP サーバ項目と属性を変更して、 「 Mac OS X Server」が必要とするデー タを入力します。 2 「Mac OS X Server 」が LDAP をサポートできるようにする: a 「Directory Setup」アプリケーション(「Applications/Utilities」にあります)を開きます。 b カギをクリックして、サーバ管理者としてログインします。 c 「LDAPv2」を選んでから、 「設定」をクリックします。 d 「新規」をクリックします。 324 付録 A 3 LDAP サーバを識別する: a 「固有名」タブをクリックします。 b 「名前」フィールドで、LDAP サーバの記述名を入力します。 c 「アドレス」 フィールドで、LDAP サーバのドメイン名または IP アドレスを入力します。 4 ユーザ情報で使用する LDAP の検索基準を定義する: a 「レコード」タブをクリックします。 b 「レコード のタイ プ」リストで「 Users」を 選びま す。次に、デフ ォルトの「マ ップ 先」 (ou= 人、o= 会社名)を編集して、ユーザ情報を提供する LDAP サーバ上の 1 つ 以上の検索基準を指定します。 c 「レコードのタイプ」リストで「 Groups」を選びます。次に、デフォルトの「マップ 先」(ou= グループ、o= 会社名)を編集して、グループ情報を提供する LDAP サー バ上の 1 つ以上の検索基準を指定します。 5 ユーザデータをマッピングする: a 「データ」タブをクリックして、「Mac OS X Server」が必要とするユーザ情報を、デー タを提供するための LDAP サーバフィールドにマッピングします。315 ページの「ユー ザデータをマッピングする」では、LDAP サーバから返される個々のデータ項目値の フォーマットについて説明しています。 b ユーザを認識する名前(ユーザ名など)をマッピングします。 「データのタイプ」列 で「RecordName」を選 びます。「マップ先」列 で、必 要に応じて デフォルトの LDAP フィールド名(cn、sn、および dn)を変更して、ユーザ名を保存する 1 つまたは複数 の LDAP フィールドを識別します。 c ユーザ ID(ユーザを一意に識別する番号)をマッピングします。 「データのタイプ」 列で「UniqueID」を選びます。次に、必要であればデフォルトの LDAP フィールド名 (unixid)を変更して、ユーザ ID を保存する LDAP フィールドを識別します。 d ユーザのフルネームをマッピングします。 「データのタイプ」列で「 RealName」を選 びます。次に、必要であればデフォルトの LDAP フィールド名(realname)を変更し て、フルネームを保存する LDAP フィールドを識別します。 e ユーザがサー バ上でメールサービスを使 用する場合は、メール属性を マッピングし ます。「デー タの タイプ」列 で「MailAttribute」を 選び ます。次 に、必要に 応じ てデ フォルトの LDAP フィールド名( applemail)を変更して、必須フォーマットでメール 属性を保存する LDAP フィールドを識別します。 メール属性を持たないユーザの場合は、転送アドレスをマッピングします。 「データ のタイプ」列で「EMailAddress」を選びます。次に、必要に応じてデフォルトの LDAP フィールド名(mail および email)を変更して、転送アドレスを保存する LDAP フィー ルドを識別します。 f LDAP サーバがユーザパスワードを UNIX 暗号フォーマットで保存する場合のみ、ユー ザパスワードを マッピングします。必要であれば デフォルトの LDAP フィールド名 (passwd )を変更して、パスワードを保存する LDAP フィールドを識別します。 詳細なトピック 325 g プライマリグループ ID をマッピングします。 「データのタイプ」 列で「PrimaryGroupID」 を選びます。次に、必要に応じてデフォルトの LDAP フィールド名(groupid )を変更 して、ユーザのプライマリグループのグループ ID を保存する LDAP フィールドを識 別します。 h ホームディ レクトリをマッピン グします。 「デ ータのタイプ」列で「HomeDirectory」 を選び ます。次に、必要に 応じてデフ ォルトの LDAP フィール ド名(home および homeloc)を変更して、必須フォーマットでホームディレクトリ情報を保存する LDAP フィールドを識別します。 i ユーザログイ ンシェル(サーバでコマンド ライン操作として使わ れる、デフォルト のシ ェル)をマッ ピング します。「データ のタイプ」列 で「UserShell」を 選びます。 次に、必要であればデフォルトの LDAP フィールド名(shell)を変更して、シェルの パスおよびファイル名を保存する LDAP フィールドを識別します。コマンドライン操 作を許可しない場合は「None」を入力します。 6 グループデータをマッピングする(必要な場合): a 「データ」パネルで、「Mac OS X Server」が必要とするグループ情報を、データの取り 込みに使われる LDAP サーバフィールドにマッピングします。 b グループ名をマッピングします。 「データのタイプ」列で「 RecordName」を選びます。 「マップ先」列で、グループ名を保存する 1 つまたは複数の LDAP フィールドを入力 します。 c グループ ID(グループを一意に識別する番号)をマッピングします。 「データのタイ プ」列で「 UniqueID」を選びます。次に、グループ ID を保存する LDAP フィールドを 入力します。 d グループメンバーをマッピングします。「データのタイプ」列で「GroupMembership」 を選びます。次に、必要に応じてデフォルトの LDAP フィールド名(userlist)を変更 して、グループに関連付けられたユーザのリストを保存する LDAP フィールドを識別 します。ユーザはそのユーザ名で識別する必要があります。 7 「Mac OS X Server 」と LDAP サーバの間の接続の属性を定義する: a 「アクセス」タブをクリックします。 b 「Mac OS X Server」が名前とパスワードを使わずに LDAP サーバと接続する場合 は、 「匿名アクセスを使う」を選びます。名前とパスワードを使う場合は、 「以下の 名前とパスワードを使う」を選び、LDAP サーバ接続を確立するときに使用される サーバ識別名(cn=admin、cn=users、 dc=example、dc=com など)とパスワードを 入力します。必ず、LDAP サーバが受け入れる名前とパスワードを指定してくださ い。 c 開始と終了の タイムアウトの秒数を入 力します。これは、接続の最大 持続時間を定 義します。デフォルトは 120 秒です。 d 検索タイムアウトの秒数を入力します。これは、LDAP サーバ上でのデータ検索の最 大所要時間を定義します。デフォルトは 120 秒です。 326 付録 A e 接続に使用するポートを識別します。デフォルトはポート 389 です。必ず、LDAP サー バが実際に使用する番号を指定してください。 f 「OK 」をクリックします。 g 「使用可」チェックボックスにチェックマークを付けて、設定されている LDAP サーバ をディレクトリサービスが使用できるようにしてから、ウインドウを閉じて「保存」 をクリックします。 h 「サービス」タブで、「LDAPv2」チェック ボックスにチ ェックマークを 付け、使用可 能であれば「適用」をクリックします。 8 「Mac OS X Server 」で LDAP サーバに保存されているデータを使用する方法を指定する: a サーバが設定されている NetInfo ドメインにユーザの情報が見つからないときに、常 にサーバに LDAP サーバのレコードを検索させたい場合は、 検索ポリシーに LDAP サー バを追加します。 「認証」タブをクリックします。 「検索」ポップアップメニューから「NetInfo ネット ワーク」を選んで、サーバに設定されているデフォルトの NetInfo 階層構造を表示し ます。階層構造に 1 つまたは複数の上位層ドメインが含まれている場合は、それら をメモします。 「検索」ポップアップメニューから「カスタムパス」を選びます。サーバのデフォル トの NetInfo 階層構造に 1 つまたは複数の上位層ドメインがある場合は、各上位層ド メインをリストに追加します。 「追加」をクリックしてローカルドメインの上位層ド メインを選びます。さらに上位層ドメインがあれば、 「追加」をクリックして次の上 位層ドメインを選び、デフォルトの NetInfo 階層構造にあるすべてのドメインがリス ト表示されるまでこれを続けます。 LDAP サーバを検索ポリシーに追加するには、「追加」をクリックし、その LDAP サー バを選んでから、 「追加」をクリックします。必要であれば、その「LDAP サーバ」項 目をドラッグして、デフォルトの NetInfo 階層構造の下に表示させます。リストの中 で「LDAP サーバ」の上にある項目にユーザの情報がないとき、リストの中で上にあ るものが、先に検索されます。「適用」をクリックします。 b NetInfo ドメインに特定のユーザの情報が見つからないときにだけ、サーバに LDAP サーバのレコ ードを検索させたい場合は、そ れらのユーザのそれぞれ にエイリアス を定義します。 「Server Admin」の「一般」タブで、 「U&G」をクリックし、 「ユーザとグループを検索」 を選びます。 「検索対象」ポップアップメニューから「選択したディレクトリ」を選 んで、LDAP サーバを選択します。ユーザの検索基準を設定し、次に「検索」をクリッ クします。 「U&G 」メニューから「ユーザとグループのリストを表示」を選んでから、 エイリアスを追加したいドメインを選択します。「検索結果」ウインドウから「ユー ザとグループのリスト」ウインドウへ、ユーザをドラッグします。 詳細なトピック 327 サーバ情報のバックアップを作成する サーバに問題が発生してファイルの復元が必要になったときにデータの損失を最小限に 抑えるため、定期的にサーバのシステムファイルのバックアップを作成してください。 最低でも、次の情報を含むファイルのバックアップを作成してください。 m ルートおよび管理者のユーザ ID: システムファイルは、作成された時点に存在する ルートまたはシステム管理者のユーザ ID によって所有されています。システムファ イルを復元する際は、元のアクセス権を保持するように、同じ ID がサーバに存在す る必要があります。これらのユーザ ID を確実に再作成できるようにするには、 「Server Admin 」の「ユーザとグループ」モジュールを使って、サーバのユーザとグループ情 報を、定期的にファイルに書き出します。 m NetInfo データ: NetInfo ドメイン関連の情報は、/var/db/netinfo/ にあるファイルに保存 されています。ディレクトリ全体のバックアップを作成してください。 Windows クライア ントの「Authentication Manager」が使用可能なと きは、サーバ上の 各 NetInfo ドメインの暗号化パスワードを含むファイルが /var/db/netinfo/ に保存され て いま す。NetInfo デ ー タベ ー ス名 が MyDomain の場 合、暗 号化 キ ーフ ァ イル は .MyDomain.tim です。 m メールデータベース: メールサービスデータベースは /Library/AppleMailServer/MacOSXMailDB にあります。このファイルのバックアップを作 成してください。 m ディレクトリサービスの設定:「Directory Setup」アプリケーションを使って設定した 設定は、/Library/Preferences/DirectoryService/ にあります。ディレクトリ全体のバックアッ プを作成してください。 328 付録 A 付 録 B B Mac OS X Server のインフォメーショ ンワークシート この付録には、サーバに関する 情報を記録するための用紙が含まれています。これは、 サーバのインストール用 CD に同梱の折り込みカード、 「Mac OS X Server をお使いに なる前に」にあるワークシートと同じものです。何枚か必要な場合は、この付録のワー クシートをコピーしてお使いください。 このワークシートの使用方法について詳しくは、 「Mac OS X Server をお使いになる前 に」を参照してください。 329 Mac OS X Server インフォメーションワークシート 「Mac OS X Server」の設定アシスタントでは、このワークシートに記載されている情報 が必要になります。ネットワークおよび Ethernet ポートに関して不明な情報がある場 合は、ネットワーク管理者またはインターネットサービスプロバイダ(ISP)に問い合 わせてください。 重要 このワークシートにはセキュリティ に関する重要な情報が含まれていま す。安全な場所に保管してください。 識別情報 「Mac OS X Server」の シリアル番号 CD にプリントされている番号を入力します: セキュリティ情報 管理者(オーナー)名 半角で 99 文字以下の名前を入力します(名前にはスペースを含めることができます): 管理者のユーザ名 半角で 8 文字以下の名前を入力します。ピリオド(.) 、ハイフン(-) 、またはアンダースコア(_) 以外の特殊文字は使用できません: 管理者のパスワード パスワードを入力するときに caps lock キーが押されていないことを確認します。このパスワードは、 ルートユーザのパスワードとしても使用されます。ルートユーザのパスワードは、後で変更できます: ネットワーク情報 NetInfo のデータ共有 (1 つを選びます) N サーバでローカル NetInfo ドメインのみを使用します。 N サーバからほかのサーバの NetInfo ドメインにアクセスします: アクセス先のサーバの静的 IP アドレスを入力します: NetInfo ドメインのファイル名(サーバタグ)を入力します。設定アシスタントを使って ドメインを設定した場合は「network」と指定します: 参考: 選ぶオプションがわからない場合は、1 つ目のオプションを選びます。NetInfo について 詳しくは、「管理者ガイド」および「NetInfo 活用ガイド」を参照してください。 サーバのホスト名 文字で始まり、英数字またはアンダースコア(_)のみを含む名前を入力します: ドメインネームサーバ (DNS)の IP アドレス DNS 検索ドメイン 必要に応じて、1 つまたは複数のドメイン名(「apple.com」など)を入力します。 複数指定する場合はカンマで区切ります: サーバの AppleTalk 名 半角で 31 文字以下、全角で 15 文字以下の名前を入力します: 続く Mac OS X Server インフォメーションワークシート (続き) ヒント お使いのサーバには、Ethernet ポートが内蔵されています。また、Ethernet カードを 使って Ethernet ポートを追加している場合もあります。設定アシスタントでは、各ポ ートの使用方法(TCP/IP または AppleTalk、またはその両方)を指定し、ポートのアド レス情報を入力します。ただし、AppleTalk は、1 つのポートだけで使用でき、Apple フ ァイルサービスとプリントサービスの両方に使用できます。 マルチポート Ethernet カー ドを使う場合は、ネットワー クの専門家に相談してくださ い。 設定アシスタントでは、ポー トを 1 つは設定する必要が あります。残りのポートは、 「システム環境設定」の「ネ ットワーク」パネルで設定で きます。 TCP/IP または AppleTalk、またはその両方を選択しないと、設定アシスタントではポー トを設定できません。選んだ各ポートには、アドレス情報を入力するパネルが表示され ます。 Ethernet ポートの計画 TCP/IP または AppleTalk 、またはその両方を選択します(AppleTalk は 1 つのポートでしか使用できません)。 TCP/IP N AppleTalk N Ethernet カードポート 3 : TCP/IP N AppleTalk N Ethernet カードポート 1 : TCP/IP N AppleTalk N Ethernet カードポート 4 : TCP/IP N AppleTalk N Ethernet カードポート 2 : TCP/IP N AppleTalk N 内蔵 Ethernet ポート: IP アドレス形式( 「192.168.12.12」など)で以下の情報を記入します: 内蔵 Ethernet ポート Ethernet カードポート 3 IP アドレス: . . . IP アドレス: . . . サブネットマスク: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . ルータアドレス: . . . Ethernet カードポート 1 Ethernet カードポート 4 IP アドレス: . . . IP アドレス: . . . サブネットマスク: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . ルータアドレス: . . . IP アドレス: . . . サブネットマスク: . . . ルータアドレス: . . . Ethernet カードポート 2 用語集 A 、B AFP( Apple Filing Protocol) Macintosh または Macintosh 互換のコンピュータが、ファ イルとネ ットワークサ ービスを共有 するために使 用するクライ アント/サー バ対応の プロト コル。AFP は、TCP/IP とそ の他のプロ トコルを 使って、ネット ワーク上 のコン ピュータ間で通信します。 C CGI(Common Gateway Interface ) Web サイトに動的な機能を追加するスクリプトま たはプログラム。CGI は、Web サイトにサービスを提供するアプリケーションと Web サ イトの間で情報を双方向に送信します。たとえば、ユーザがサイトのフォームに必要事 項を記入すると、CGI はそのデータを処理するアプリケーションにメッセージを送信し、 ユーザに応答を送り返すことができます。 D、E DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol )クライアントコンピュータに IP アド レスを 割り当てるた めのプロト コル。クライアン トコンピュ ータは、起動する たびに DHCP サーバを検索し、見つかった DHCP サーバに IP アドレスを要求します。DHCP サー バでは使用可能な IP アドレスを調べ、これを「リース期間」と共にクライアントコン ピュータに送信します。「リース期間」とは、クライアントコ ンピュータがアドレスを 使用できる期間です。 DNS(Domain Name System ) IP アドレスをドメイン名にマップする分散型のデータ ベース。DNS サーバは、名前およびそれぞれの名前に関連付けられた IP アドレスのリ ストを保持しています。コンピュータは、名前に対応する IP アドレスを検索する必要 がある場合、DNS サーバ(ネームサーバとも呼ばれています)にメッセージを送信しま す。ネームサー バでは IP アドレスを探し 出し、これをコンピュ ータに送り返します。 ネームサーバがローカルに IP アドレスを所有していない場合は、インターネット上の 別のネームサーバにメッセージを送信します。この処理は、IP アドレスが見つかるまで 続きます。 333 F、G FTP(File Transfer Protocol) コン ピュー タがネッ トワー ク経由 でファイ ルを転 送す る際に使用するプロトコル。FTP をサポートするオペレーティングシステムを使ってい る FTP クライアントは、各自のアクセス権に応じて、ファイルサーバに接続し、ファイ ルをダ ウンロードで きます。ほとんど のインターネ ットブラウザ および多数の フリー ウェアアプリケーションを使って、FTP サーバにアクセスできます。 H HTML(Hypertext Markup Language) World Wide Web ブラウザのページに表示される ファイルに挿入される記号やコードのセット。マークアップは、Web ブラウザに対して、 Web ページの文字列や画像をユーザにどのように表示するかを指定します。 HTTP (Hypertext Transfer Protocol) World Wide Web 上でファ イルを交 換すると きの 規則のセットを定義するアプリケーションプロトコル。 I、J、K IANA(Internet Assigned Numbers Authority ) IP アドレスやプロトコルパラメータの 割り当て、およびドメイン名の管理を行う組織。 ICMP (Internet Control Message Protocol) ホストサーバとゲートウェイとの間で使 用される、メッセージ制御およびエラーレポートプロトコル。たとえば、インターネッ トソフトウェアアプリケーションの中には、これを使って 2 つのホスト間にパケットを 送信し、往復にかかる時間を計測してネットワークの問題を発見するものがあります。 IGMP(Internet Group Management Protocol) 参 加を希 望するホ ストの リスト にホ ストとルータがパケットを 送信する際に使用するインターネットプロトコル。これは、 マル チキ ャス トと して 知られ てい ます。「Quick Time Streaming Server」は、SLP(Service Location Protocol)と同様にマルチキャストアドレス方式を使用します。 IMAP(Internet Message Access Protocol) ユー ザが イ ンタ ーネ ット 上 のど の位 置 からでも 自分のメール にアクセスが 可能なクライ アント/サー バ対応のメー ルプロト コル。ユーザがメールをダウンロードしても、そのメールはサーバから自動的に取り除 かれません。 ISP(Internet service provider) インターネットへのアクセスを販売し、場合によって はメールサービスや電子商取引用アプリケーションのWebホストとしての機能を提供す るビジネス。 L LDAP( Lightweight Directory Access Protocol) ディレクト リサービスにア クセスす るときに使用する標準規格のクライアント/サーバ対応のプロトコル。 LPR( Line Printer Remote ) TCP/IP を 経由してプリントするときに使 用する標準規格 のプロトコル。 334 用語集 M MBONE (Multicast Backbone) IP マルチキャストをサポートする仮想ネットワーク。 インターネットと同じ物理メディアを使用しますが、ユニキャストのデータパケットと して表示されるように、マルチキャストのデータパケットを再パッケージするように設 計されています。 MIME (Multipurpose Internet Mail Extension) Web ブラウザが特定の特性を持つファ イルを 要求したとき に、どのように動 作するかを指 定するための インターネッ トの規 格。ファイルの拡張子はファイルのタイプを表します。特定の拡張子を持つファイルを サーバが受信したときに、サーバがどのように動作するかを指定します。拡張子とそれ に関連付けられた応答を、「MIME タイプマッピング」と呼びます。 MX レコード( Mail Exchange レコード)ド メイン がメー ルを処 理する方 法を指 定す る、DNS テーブル内のエントリ。あるドメインに対してインターネット上のメールサー バがメールを配送してくる場合、メールサーバではドメインの MX レコードを要求しま す。そして、MX レコードに指定されているコンピュータ宛に、メールが送られます。 N NetBIOS( Network Basic Input/Output System )異 な る コ ン ピ ュ ー タ 上 の ア プ リ ケーションが、ローカルエリアネットワークの中で通信するときに使用するプログラム。 NFS(Network File System )遠隔地からユーザが、まるでローカルファイルであるか のようにファイルにアクセスできるようにする、TCP/IP を使ったクライアント/サーバ プロトコル。NFS では、ユーザ名とパスワードではなく、IP アドレスに基づいて、コン ピュータに共有ボリュームをエクスポートします。 NSL( Network Service Locator ) TCP/IP ベースのネットワークリソースを簡単に検索 するためのアップル社のテクノロジー。 O ORBS(Open Relay Behaviour-modification System) DNS ルックアッ プを介してア クセス可能なデータベース。既知の SPAM 送信者(ジャンクメール送信者)の追跡に使 用します。データベースには、 第三者のリレーを許可することが知られている SMTP サー バが含まれています。ジャンクメール送信者は、これらのサーバを使ってジャンクメー ルを転送します。 P POP(Post Office Protocol) メー ル を受 信 する と きに 使 用す る メー ル プロ ト コル。 メールはダウンロードされ、ユーザのコンピュータに保管されます。 Q QTSS(QuickTime Streaming Server) インターネット を経由してリアル タイムでメ ディアを配送するためのテクノロジー。 用語集 335 R RTP (Real-Time Transport Protocol) リアルタイムデータ(音声、映像、シミュレー ションデータなど)を、マルチキャストネットワークサービスまたはユニキャストネッ トワークサービスを介して送信するアプリケーションに適した、終端間のネットワーク 転送プロトコル。 RTSP(Real Time Streaming Protocol )リ アルタ イム プロパ ティ を持つ データ の配 送を制御するアプリケーションレベルのプロトコル。RTSP は、音声や映像などのリアル タイムデータの、制御されたオンデマンド配送を実現する、拡張可能なフレームワーク を提供します。データソースには、供給されるライブデータや保存されているクリップ が含まれます。このプロトコルの目的は、複数のデータ配送セッションを制御し、UDP 、 マルチキャスト UDP 、TCP などの配送チャネルを選ぶ手段を提供し、RTP に基づく配送 メカニズムを選ぶ手段を提供することです。 S SDP(Session Description Protocol) QTSS(Quicktime Streaming Server)と共に使用され るプロトコル。SDP ファイルには、ライブストリーミングブロードキャストのフォーマッ ト、タイミング、および著作者に関する情報が含まれます。 SLP(Service Location Protocol) DA(Directory Agent )ネ ッ ト ワ ー ク 上で 使 用 可 能なサービスを登録し、ユーザがこれに簡単にアクセスできるようにするためのプロト コル。ネットワークにサービスを追加すると、SLP を使ってネットワーク上にそのサー ビスが登録されます。SLP DA (Directory Agent)は基本となる SLP を拡張したもので、登 録されているネットワークサービスに対して集中リポジトリを使用します。 SMB( Server Message Block) クラ イア ントコ ンピ ュー タが ファ イル やネッ トワ ー クサ ービ スに アクセ スす ると きに 使用す るプ ロト コル。TCP/IP 、イン ターネ ット、お よ びそ の 他 のネ ッ ト ワー ク プ ロト コ ル上 で 使 用で き ま す。 Windows サ ー ビ スで は、 SMB を使 って、サーバ 、プ リンタ、およ びその他 のネット ワーク リソース へのアク セ スを 提供しま す。 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) メールを送信および転 送するときに使用する TCP/IP プロトコル。受信メッセージをキューに保存する能力に限界があるため、通常は メールを送信するときだけ使用され、メールを受信するときには POP または IMAP が使 用されます。 SSL(Secure Sockets Layer )暗号 化された認証 済みの情報を インターネッ ト上で送 信するためのインターネットプロトコル。 T TCP(Transmission Control Protocol) イン ターネッ トを経由 してコン ピュータ 間で メッセージ 単位の形式のデータ を送信するときに、 IP(Internet Protocol)と 共に使用さ れる方式。IP がデータの実際の配送に対処するのに対して、TCP は、データの個別の単 位(パケットと呼ばれます)を追跡します。このパケットは、効率的にインターネット をルーティングするためにメッセージを分割したものです。 336 用語集 TTL(Time-to-Live) DNS 情報をキャッシュに保管するために指定する時間。ドメイン 名と IP アドレスのペアがキャッシュに保管されている時間が TTL 値を超えると、ネー ムサーバのキャッシュからエントリが削除されます(ただし、プライマリ DNS サーバ からは削除されません)。 U UDP(User Datagram Protocol) IP(Internet Protocol)を使って、ネットワーク内のあ るコンピュータから別のコンピュータにデータ単位(データグラムと呼ばれます)を送 信する通信方法。交換するデータ単位がきわめて小さいネットワークアプリケーション の場合は、TCP ではなく UDP を使用できます。 URL(Uniform Resource Locator) インターネッ ト上でアクセスできる ファイルのア ドレス。 URL は、リソ ースにアクセ スするために 必要なプロ トコルの名前、イ ンター ネット上の特定のコンピュータを識別するドメイン名、およびコンピュータ上でのファ イル位置を表す階層で構成されます。 USB( Universal Serial Bus) 安価な直接接続ケーブルを使って、コンピュータと周辺 機器の間で通信するための規格。 V VPN( Virtual Private Network) インタ ーネット などの パブリッ クネッ トワーク でセ キュリティ保護された通信を提供するための、暗号化およびほかの技術を使ったネット ワーク。一般に、VPN は、専用回線を使用する実際のプライベートネットワークよりも 安価ですが、両方の終端で同じ 暗号化システムを使用する必要があります。暗号化は、 ファイアウォールソフトウェアまたはルータによって行われます。 W WebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning) サイ ト が 稼 働 中 で も クライアントユーザが Web ページをチェックアウトし、変更を加え、チェックインして 戻すことができるライブオーサリング環境。 WINS (Windows Internet Naming Service) Windows コン ピュータが、クライアント 名と IP アドレスを照合するとき に使用する名前解決サー ビス。WINS サ ーバは、ローカ ルネッ トワーク上 に配置す ることも、外部のイン ターネット 上に配置 することも でき ます。 X 、Y、Z XML( Extensible Markup Language) Web 上で アク セスさ れる書 類とデ ータの 汎用 フォーマット。 用語集 337 索引 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの A AFP(Apple Filing Protocol)85, 333 AFP のアクセス権 212 メニューにある、 AirMac テクノロジー 258 オンスクリーンヘルプ anonymous FTP 84, 104 をご覧ください。 Apache Web サーバ 参考資料 40, 150 設定 122, 147 Apache モジュール 138–140 AppleCare の Web サイト 243 Apple Filing Protocol →「AFP」を参照 AppleTalk 85, 88, 91, 112 Apple ファイルサーバ 297 Apple ファイルサービス 85–92 ―に関する問題 91 ―の設定 86–91 開始する 77, 86 仕様 92 設定する 85–86 設定する前に 85 説明 26, 83 Apple ファイルサービスのログインメッセージ 87 Authentication Manager 94 コンピュータのヘルプ B BIND 280, 281 .bin (MacBinary)フォーマット 108 BootP プロトコル 246, 248, 272 C CA 証明書 137, 142 CD-ROM ―へのアクセス 222 ―を共有ポイントに設定する 82 アクセスできない 82 グローバル設定 227 初期設定 239 取り出す 216 パスワード 216 CD-ROM 設定ファイル 239 CGI(Common Gateway Interface)333 CGI プログラム ―に関する問題 150 ―の実行を許可する 133, 141 インストールする 140 使用する 140 Common Gateway Interface →「CGI(Common Gateway Interface)」を参照 CSR (Certificate Signing Request)143 D DA(Directory Agent)29, 266, 267, 336 DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol ) NetBoot クライアントと― 248 使用する 277 説明 29, 333 DHCP クライアントリスト 279 DHCP サーバ 272, 283 DHCP サービス 271–279 ―の設定 274–279 ―のログ 274, 279 開始する 274 上手な使いかたとヒント 279 使用する状況 271 339 設定する 272–274 設定する前に 271–272 説明 29 コンピュータのヘルプ DHCP サービスの NetInfo パネル 278–279 メニューにある、 Directory Agent(DA)29, 336 オンスクリーンヘルプ Directory Setup アプリケーション 51, 55–56 をご覧ください。 DNS(Domain Name System ) 説明 333 メールサービスと― 155 DNS サーバ 29, 278, 280 DNS サービス 280–284 開始する 281 監視する 283–284 上手な使いかたとヒント 282–284 使用する状況 280 設定する 281 設定する前に 280 説明 29 動的 IP アドレス 283 メールサービスとともに使用する 282 DNS の統計ウインドウ 283 Documents フォルダ 123 Domain Name System →「DNS 」を参照 Dynamic Host Configuration Protocol →「DHCP 」 を参照 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの E EMBED タグ 176–177 Ethernet ネットワーク 247, 258 Ethernet ポート 247, 253, 261 Extensible Markup Language →「XML 」を参照 F File Transfer Protocol →「FTP」を参照 Finder 環境 204, 230, 241 Forced Preferences フォルダ 235 FTP(File Transfer Protocol) anonymous FTP 84, 104 接続 108 説明 27, 334 FTP サーバ ―に接続できない 108 ―のセキュリティ 104, 107 ウェルカムメッセージ 106 340 索引 バナーメッセージ 106 FTP サービス 104–109 anonymous 104, 105 ―に関する問題 108–109 ―の設定 105 開始する 105 共有ポイント 104 ゲストアクセス 104 仕様 109 上手な使いかたとヒント 106 設定する 104 設定する前に 104 説明 83, 106–108 FTP 用のウェルカムメッセージ 106 G GID(グループ ID) 62, 69 GIF ファイル 148 H HTML(Hypertext Markup Language)334 HTTP (Hypertext Transfer Protocol) 334 HTTP 接続を介してストリーミングする 188 HTTP ポート 80 178, 188 Hypertext Markup Language(HTML)334 Hypertext Transfer Protocol (HTTP) 334 I IANA (Internet Assigned Numbers Authority)334 ICMP( Internet Control Message Protocol)334 ICMP のエコー返信 294 IGMP(Internet Group Management Protocol) 294, 334 IMAP(Internet Message Access Protocol) ―の設定 67, 164–165 説明 154, 334 IMAP ログイン状態属性 313 Initial Preferences フォルダ 234–235 Internet Assigned Numbers Authority( IANA)334 Internet Control Message Protocol (ICMP)334 Internet Group Management Protocol(IGMP) 294, 334 Internet Message Access Protocol →「 IMAP」を 参照 Internet service provider(ISP)334 InterNIC への登録 281 IP 289 ipfw コマンド 306–307 IP アドレス DHCP と― 271 NetBoot と― 246, 248 NetInfo のアクセス 293 Web サイト 131 静的 272 動的 272 範囲 288 フィルタ 296 フィルタの優先順位 288 複数の― 189, 289, 305 ポートに設定する 305 予約済み 272 割り当てる 272 IP フィルタサービス 285–300 ―に関する問題 300 ―の設定 290–296 開始する 289 監視する 297 自動的に開始 290 上手な使いかたとヒント 296–299 使用する状況 286 設定する 289 設定する前に 286–289 説明 30, 285–286 デフォルトの設定を変更する 299 フィルタを追加する 289 ログ 297 IP フィルタモジュール 306–307 IP フィルタリスト 295, 299 IP ルーティング情報 249–252 ISP (Internet service provider)334 K Kerberos 認証 225 L LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)42, 334 LDAP 検索基準 325 LDAP サーバ 51–52 ―に保存されているデータ 327 検索ポリシー 52 識別する 51, 325 接続 326 接続特性 52 設定する 51–52, 324 説明 42 データアクセスを設定する 323–327 データの仕様 314–327 デフォルトのマッピング 322 認証と― 51 LDAP ネットワークサービスデータ 321 LDAP フィールド 52 Lightweight Directory Access Protocol →「LDAP」を 参照 Line Printer Remote →「 LPR 」を参照 LPR( Line Printer Remote)334 LPR ドライバ 113 LPR プリントジョブ 115 LPR プロトコル 112, 116–117 M MacBinary(.bin)フォーマット 108 Macintosh 固有の Web モジュール 138 Macintosh マネージメントサービス 195–243 ―に関する問題 241–243 ―の設定 198–227 NetBoot と一緒に使用する 240 アクセス制御と― 195 開始する 34, 196, 232 管理者としてログインする 196 管理者を追加する 197 参考資料 243 上手な使いかたとヒント 228–231 使用する状況 195 情報を追跡する 238 初期設定 232–237 セキュリティと― 237 セキュリティを最大限に強化する 231 設定する 196–198, 229, 255 設定する前に 196 説明 28, 195 大規模なネットワークと― 229 停止する 34 索引 341 データベースファイル 238 メールアカウント 201 メールアドレス 220 コンピュータのヘルプ ユーザアカウントを追加する 197 メニューにある、 Macintosh マネージャ オンスクリーンヘルプ →「コンピュータ」「ユーザ」「ワークグ をご覧ください。 ループ」も参照 ―にログインする 34 管理者アカウント 199 システム要件 196 説明 30, 34 開く 34 Macintosh マネージャの共有ポイント 239 Macintosh マネージャのデータベースファイ ル 238 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの Mac OS X Server ―のインフォメーションワークシート 329 ―が使用するポート 301–304 ―に関する情報を表示する 34 ―に含まれているサービス 26–30 ―のインストール 35 ―の外部にある情報 45 ―の管理 19–40 共有データと― 42–45 さまざまな環境で使用する 20–25 参考資料 40 詳細なトピック 301–328 設定する 16, 35–39 説明 19 パスワードの制限 71 ユーザ情報にアクセスする 45–46 Mac OS X システム 301–304 Mac OS システム LPR プロトコル 113 以前のバージョン 232 クロスプラットフォームのガイドライン 93 MailAttribute フィールド 318–320 Mail Exchange →「MX」を参照 MakeRefMovie ツール 177 Managed Preferences 233 MBONE (Multicast Backbone) 335 MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)141–142, 335 MIME タイプ 128 MIME タイプエディタ 142 342 索引 MIME タイプパネル 128 MIME タイプマッピング 141 MIME の拡張子 141 mod_auth_apple モジュール 139 mod_hfs_apple モジュール 139 mod_macbinary_apple モジュール 138 mod_perl モジュール 140 mod_redirectacgi_apple モジュール 139 mod_sherlock_apple モジュール 138 Multicast Backbone (MBONE) 335 Multipurpose Internet Mail Extension →「MIME 」を 参照 Multi-User 項目ファイル 239 Multi-User 項目フォルダ 238, 239 MX(Mail Exchange)レコード 155, 281, 282, 335 MX ホスト 282 MySQL モジュール 140 N NetBIOS (Network Basic Input/Output System )335 NetBoot 245–261 AirMac テクノロジーと― 258 ―と一緒に Macintosh マネージャを使用する 240 ―に関する問題 261 クライアントコンピュータを起動する 255 サーバワークシート 253 システム要件 246–247 上手な使いかたとヒント 257–260 使用する状況 245 設定する 254–255 設定する前に 246–253 説明 28, 245 ソフトウェアをインストールする 254 パフォーマンス 257–260 NetBoot Desktop Admin 31, 35, 255–257 NetBoot HD ディスクイメージ 256–257 NetBoot クライアント サーバに接続する― 246–247 パフォーマンス 259 NetBoot クライアントリスト リスト 279 NetBoot サーバ 253–255 NetBoot 設定アシスタント 247–252, 254 NetInfo サーバタグ 278 NetInfo 上位層ドメイン 279 NetInfo ドメイン 46–50 2 つのレベルの階層構造 46–48 →「ドメイン」も参照 46 ―に保管されたデータ 42 ―の設定 291–293 階層構造を検索する 49 階層構造を設計する 50 共有と― 46 検索ポリシー 52 作成する 50 設定する 50, 70 追加する 59 複数の階層を持つ構造 49 Network Basic Input/Output System(NetBIOS )335 Network File System →「NFS」を参照 Network Service Locator(NSL) 335 nfsd デーモン 101 NFS( Network File System)81, 335 NFS アクセス制御パネル 81, 102 NFS サービス 100–103 ―の設定 101–103 アクセス制御の設定 102–103 使用する状況 100 設定する 101 設定する前に 100 説明 27, 83 フォルダ共有 101 NFS に対するワールドのアクセス権 75 NFS のクライアント権限 103 NFS のワールド権限 103 Nobody のユーザ 103 NotifyMail オプション 67 NSL(Network Service Locator) 335 O Open Relay Behaviour-modification System → 「ORBS」を参照 ORBS(Open Relay Behaviour-modification System)335 ORBS サーバ 160, 161 P Password データタイプ 52 PHP モジュール 140 POP3 の設定 165 POP3 ログイン状態属性 313 POP(Post Office Protocol)67, 153, 335 postmaster アカウント 157 Post Office Protocol →「POP」を参照 PostScript 互換のプリンタ 111–119, 213 Preferences Forced 235 Initial 234–235 Managed 233 Preserved 236–237 Preserved Preferences フォルダ 236 Print Center 111, 114 Q qtaccess ファイル 186–187 QTSS →「QuickTime Streaming Server」を参照 QTSSAccessModule 185 QuickTime 5 173, 174, 178, 185 QuickTime Player 174, 180 QuickTime Pro 180 QuickTime Streaming Server(QTSS) 173–194 ―に関する問題 192–193 ―に接続中のユーザ 179 ―の機能 173 ―の設定 176, 177–179 ―用のメディアファイルを用意する 181 アドレス変換 188 互換性のあるファイルフォーマッ ト 184–185 参考資料 194 システム要件 174 上手な使いかたとヒント 179–184 使用する状況 174 ストリーミングメディアへのアクセスを制 御する 185–188 ストリーミングメディアを視聴する 173–174 設定する 175–177 設定する前に 174–175 説明 28, 173, 335 メディアファイルを―にコピーす る 180–181 リレー 189–192 索引 343 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの コンピュータのヘルプ メニューにある、 オンスクリーンヘルプ をご覧ください。 QuickTime クライアントソフトウェア 174 QuickTime の Web サイト 180 QuickTime プラグイン 173, 183 R README メッセージ、 FTP 用 106 RealName データタイプ 52 Real Time Streaming Protocol(RTSP )336 Real-Time Transport Protocol( RTP) 336 RecordName データタイプ 52 Request for Comments (RFC)ドキュメント 170 RFC (Request for Comments)ドキュメント 170 RTP(Real-Time Transport Protocol) 336 RTSP (Real Time Streaming Protocol )336 S SDP (Session Description Protocol)174, 336 Secure Sockets Layer →「 SSL」を参照 Server Admin 31–34 ―にログインする 31, 35 説明 30 ツールバー 32–33 Server Message Block(SMB)336 Service Location Protocol →「SLP」を参照 Session Description Protocol( SDP)174, 336 Streaming Server Admin 説明 34 Simple Mail Transfer Protocol →「SMTP」を参照 SLP DA サービス 264–270 ―の設定 267–269 開始する 266 上手な使いかたとヒント 269–270 使用する状況 264 設定する 265–266 設定する前に 264 SLP Directory Agent( DA)29, 336 SLP(Service Location Protocol)29, 87, 336 SMB(Server Message Block)336 SMB プロトコル 93, 113 SMTP( Simple Mail Transfer Protocol) 接続 161 設定 163–164 説明 154, 336 名前 161 344 索引 SMTP サーバ 162 SMTP ポート 170 SMTP リレー 164, 166, 168 SSL(Secure Sockets Layer) 使用可能にする 144–146 使用する 126, 136 説明 122, 336 SSL(Secure Sockets Layer)サービス 142–146 SSL パスフレーズ 137 SSL ログファイル 137 Streaming Server Admin 175–176 応答しない 192 説明 31 開く 34, 176 T TCP/IP サーバにアクセスできない 300 参考資料 308 詳細なトピック 301–308 プライベートネットワーク 304 TCP( Transmission Control Protocol)102, 336 TCP ポート 301–303 Telnet 接続 63 Terminal アプリケーション 40, 307 TIL 243 Time to Live(TTL)337 Tomcat モジュール 139 Transmission Control Protocol(TCP)102, 336 TTL(Time to Live)337 U UDP(User Datagram Protocol) 102, 337 UDP パケット 188 UDP ポート 293, 303 Unicode 85, 93 UniqueID データタイプ 52 Universal Serial Bus(USB)112, 337 UNIX システム 113 URL (Uniform Resource Locator) 337 USB(Universal Serial Bus)112, 337 User Datagram Protocol →「 UDP」を参照 V Virtual Private Network(VPN)337 VPN(Virtual Private Network)337 W Web-based Distributed Authoring and Versioning → 「WebDAV 」を参照 WebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning) アクセス権を設定する 149 開始する 126, 132 セキュリティ 123 説明 121, 337 保護領域を定義する 149 WebObjects 30 Web サーバ →「サーバ」も参照 Apache Web サーバ 40, 122, 147 ―の証明書 144 固定接続 126 接続タイムアウト 126 要求の最大数 126 Web サービス 121–151 Documents フォルダ 123 ―に関する問題 149–150 ―の設定 125–136 Web サイトへのアクセス権 124 Web サイトを設定する 122 開始する 124 サーバの状況を監視する 146–147 サーバのパフォーマンス 146–147 参考資料 151 仕様 150 上手な使いかたとヒント 137–149 セキュリティで保護されたトランザク ション 122, 142–146 設定する 122, 123–124 設定する前に 121–123 説明 27, 121 ツール 146–147 デフォルトのページ 124 Web サービスの状況ウインドウ 146 Web サービスプロバイダ 25 Web サービスを設定ウインドウ 125–136 Web サイト Apache Web サーバ 40 AppleCare 243 IP アドレス 131 QuickTime 180 QuickTime クライアントソフトウェア 174 ―に関する情報 127 ―に接続する 124 ―のセキュリティ 123 ―の設定 127, 130–136 ―のディレクトリ 132 ―へのパス 135 アクセス権 123 アクセス権を割り当てる 124 アクセスの設定 134–136 運用する 122–123, 124 固定接続 126, 137 削除する 127 接続に関する問題 149 接続の最大数 126 設定する 122 追加する 127 デフォルトのページ 124 ドメイン名 131 複製する 127 編集する 127 有効または無効にする 127 Web ブラウザ 123 Web ページ ―のストリーミングメディア 176–177 ―を介してストリーミングメディアを再生 する 173 キャッシュを無効にする 148–149 デフォルト 124 動的な― 148–149 Web モジュール 138–140 Windows Internet Naming Service →「 WINS」を 参照 Windows クライアント 93, 95 Windows サーバ 95–98 Windows サービス 93–99 ―に関する問題 99 ―の設定 95–98 開始する 95 仕様 99 索引 345 設定する 94 設定する前に 93–94 説明 27, 83 コンピュータのヘルプ プリントできるようにする 114 メニューにある、 Windows システム オンスクリーンヘルプ LPR プロトコル 113 をご覧ください。 クロスプラットフォームのガイドライン 93 パスワードの確認 94 プリントと― 114, 115 Windows ファイルサーバ 95 Windows ユーザ ―がプリントできるようにする 114 ログインできない 99 WINS(Windows Internet Naming Service) 93, 337 WINS サーバ 98 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの メディアファイル 185–188 ユーザ 38, 86, 201 ユーザの分類 74 アクセス権の維持 74 アクセス権パネル 207–210 アクセス権ポップアップメニュー 79 アクセスパネル 134–136 アクセスログ 89, 133, 146, 179 圧縮されたファイル 107 アップルメニューへのアクセス 210 アプリケーション ―に関する問題 242 ―の検索ポリシーを定義する 56 ―へのアクセス 205–207, 222 アプリケーションサービス 30 X い XML(Extensible Markup Language ) 参考資料 314 サンプルファイル 308–311 説明 337 XML ファイル 312–314 一般共有設定 78–79 インターネット 304 →「Web」も参照 インターネットサーバ→「Web サーバ」を参照 え あ アイドル状態のユーザパネル 90–91 アクセス権 Macintosh マネージャワークグループの ― 207–210 NFS エクスポート 102–103 WebDAV の―を設定する 134–136, 149 Web サイト 123, 124, 134–136 ―のタイプ 74 維持 74 階層構造 75 共有項目 73–76 共有ポイント 38, 77, 86 クライアントユーザ 75 グループ 38, 86 ゲスト 76, 84 ストリーミングメディア 185–188 制限する 84 説明 73 ファイル 83 フォルダ 83 346 索引 映像 記録済み 181–184 ストリーミング 175 ブロードキャストする 181–184 ライブ 175, 179 エイリアス、ユーザ 54–55 エラー文字列 270 エラーログ 90, 134, 146, 167, 178, 270 お オーナーのアクセス権 75, 78 オープンソースモジュール 139–140 オプションパネル 215–216 音声 記録済み 181–184 ストリーミング 175 ブロードキャストする 181–184 ライブ 175, 179 オンラインヘルプ 16 か 下位層ドメイン 46, 48, 49 書き込み専用のアクセス権 74 拡張子、ファイル名 108 環境 204 管理 19–40 管理者 Macintosh マネージャに追加する 197 アカウントを変更する 59–60 ―としてログインする 196 ―用の返信用メールアドレス 133 パスワード 59–60 ユーザとしてログインする 226 ワークグループ 197 き キーファイル 137 機能拡張フォルダ 237 キャッシュ、DNS 169 キャッシュ、Web サーバ ―の保存場所 129 動的な Web ページの―を無効にす る 148–149 パフォーマンスと― 132 プロキシサーバ 129 キューのログ 115 キューモニタ 113 教育環境 21–23 共有 アクセス権 73–76 ―に関する問題 82 ―の設定 78–81 設定する 76–77 ファイル/ボリューム 73–82 共有ウインドウ 78–81 共有する ネットワークデータ 42–45 フォルダ 101 プリンタ 111–119 プリントキュー 116–117 メールサービス 155 共有ドメイン 43–45, 46, 58 共有ポイント CD-ROM を―に設定する 82 FTP サービス 104 Macintosh マネージャ 239 アクセス権 38 ―のアクセス権を設定する 77 サーバに―を設定する 70 作成する 36, 77 説明 36, 73 複数の― 229 共有モジュール 73–82 く クライアント管理サービス 28 クライアントコンピュータ AppleShare のバージョンと― 85, 242 AppleTalk を使用可能にする 85 IP アドレス 248 Macintosh Management Server からアップデー トする 238 NFS アクセスリストに追加する 103 SLP DA サービス 265 ―上の項目へのアクセス 205–207 ―用にプリントを設定する 114 最大接続数 88, 97 削除する 103 システム要件 246 古いクライアント用にエンコードする 88 保護されたメディアにアクセスする 185 クライアントユーザ 75, 242–243 グループ 57–72 →「ワークグループ」も参照 アクセス権 38, 86 書き出す 70, 308–314 共有ポイントへのアクセス 38 ―に関する問題 72 ―にユーザを追加する 69 ―の設定 68–69 ―のデータタイプ 52 ―の特徴 59 ―の名前 69 グループのユーザの特徴 69 サーバに定義する 37 削除する 187 作成する 60, 68 上手な使いかたとヒント 70–71 設定する 59–60 索引 347 設定する前に 59 説明 37, 57 追加する 187 コンピュータのヘルプ ファイルフォーマット 308–314 メニューにある、 プライマリ 62 オンスクリーンヘルプ 編集する 68 をご覧ください。 読み込む 70, 308–314 グループ ID (GID) 62, 69 グループのアクセス権 75, 79 グループファイル 188 グループフォルダ 239 グループメンバー 209 グローバル共有フォルダ 209 グローバルパネル 197–198, 225–226 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの け 警告 33 ゲスト 84 →「ユーザ」も参照 アクセスを制限する 76 最大接続数 88 接続数を制限する 88 説明 76, 84 ゲストアクセス FTP サービス 104 許可する 88, 96, 225 制限する 76, 84 説明 88 権限→「アクセス権」を参照 検索ボタン 299 検索ポリシー 52–56 LDAP サーバ 52 NetInfo ドメイン 52 カスタム 50, 54 個人のアプリケーションの―を定義する 56 サーバの―を定義する 56 設定する 55–56 説明 46 デフォルト 52 こ 高等教育環境 22–23 項目パネル 205–207 コードページ 96 348 索引 固定接続 137 コピーボタン 79 コマンドラインインタフェース 40 コメント、ユーザ 65, 199 コントロールパネル 219–220 コンピュータ Macintosh マネージャで情報を追跡する 238 アクセスを制御する 195 コントロール設定 219–220 ―のログイン設定 223–224 システムが停止する 242 セキュリティ設定 221–222 チェックアウト設定 224 リスト設定 217–218 ワークグループ設定 218–219 コンピュータが停止する 242 コンピュータフォルダ 239 さ サーバ →「LDAP サーバ」「Mac OS X Server」「 Quick Time Streaming Server」も参照 Apache Web サーバ 40, 122, 147 DHCP サーバ 283 DNS サーバ 29, 278 FTP サーバ 104, 106, 108 LDAP サーバ 51–52, 324 NetBoot サーバ 253–255 ORBS サーバ 160, 161 SMTP サーバ 162 Windows ファイルサーバ 95 WINS サーバ 98 開始しない 192 クライアントを―からアップデートする 238 ―で SSL を使用可能にする 144–146 ―にあるメールアカウント 66 ―に共有ポイントを設定する 70 ―に接続する NetBoot クライアン ト 246–247 ―にログインできない 242 ―のシリアル番号 34 ―の名前 86, 95 ―をブラウズする 93 状況を監視する 146–147 突然終了する 192 ネームサーバ 29, 280 バックアップを作成する 328 パフォーマンス 137, 146–147, 258–260 ファイルサーバ 91 複数の IP アドレス 189 プリンタを―に接続する 111–112 プロキシサーバ 129–130 ユーザが管理する 37 ユーザが―にログインする 62 ユーザが―を管理する 62 サーバのログ 115 サービス →個々の「サービス」も参照 Mac OS X Server に含まれている― 26–30 管理する 30–35 ―が必要とするユーザデータ 41 追加するサービスを設定する 38–39 登録 267, 269 登録解除 267 有効期限 267 要求 267 サービス拒否攻撃 294, 298 サービスモジュール 32–33 サイトの設定ウインドウ 130–138 サブネット 作成する 271, 273–274 ―の設定 275–279 サブネットポート 276 サブネットマスク 247, 276, 287, 296 参考資料 Apache Web サーバ 40 Macintosh マネージメントサービス 243 Mac OS X Server 40 QuickTime Streaming Server 194 TCP/IP 308 Web サービス 151 XML 314 ネットワーク管理 40 ネットワークサービス 300 ファイルサービス 109 メールサービス 170–171 し 識別情報パネル 98 システムログ 269 自動マウントの設定 80–81 自動マウントパネル 80–81 出版環境 24 仕様 Apple ファイルサービス 92 FTP サービス 109 LDAP データ 314–327 Web サービス 150 Windows サービス 99 上位層と下位層の階層構造 46–49 上位層ドメイン 48, 49, 278, 279 省エネルギー設定 220 詳細設定パネル 200–203 証明書署名要求(CSR )143 証明書ファイル 137, 143–144 初期設定 CD-ROM 239 Macintosh マネージャと― 197, 232–237 インターネット 198 管理者が定義した― 198 保管場所 232–233 ユーザ 226, 233 初期設定フォルダ 197 初等/中等教育環境 21 シリアル番号、サーバ 34 す スクリプト、CGI 140 スコープ、ネットワーク 264, 265–266, 268 ストリーミングメディア Web ページの― 176–177 アドレス変換 188 視聴する 173–174 ―のパフォーマンス 193 ―へのアクセスを制御する 185–188 ネットワークと― 188 ファイアウォールと― 188 複数のソース 181 ポート 80 188 マルチキャストストリーミング 189 ユニキャストストリーミング 189 ライブ音声とライブ映像 175, 179 識別情報の設定 98 索引 349 調べたい項目が索引に ストリーミングメディアのアクセスファイル 186–187 ないときは、お使いの コンピュータのヘルプ メニューにある、 オンスクリーンヘルプ をご覧ください。 ストリーミングメディアの圧縮 184 すべてのポートフィルタのすべて 299 せ 制限付き Finder 環境 204, 231 静的 IP アドレス 272 セキュリティ 75–76 FTP サーバ 107 Macintosh マネージャと― 237 NFS エクスポートと― 100 WebDAV 123 Web サイト 123 クライアントコンピュータの設定 208, セキュリティ 136–137 接続中のユーザ 179 ネットワーク 169–170 プリントサービス 115–118 プロキシ 129–130 ホームディレクトリ 36 メールサービス 65–68, 158–170 メッセージ 159–160 ユーザ 60–68 ログ 89–90, 97, 133, 178, 265, 274–275 全員のアクセス権 75, 79 そ 属性リスト 270 その他のユーザアカウント 228 221–222 グローバル設定 225–226 FTP サーバ 104 セキュリティで保護された Web トランザク ション 136–137 ―のオプション 197–198 ファイルアクセスを制限する 76 ファイル共有時の防止策 84 ユーザの動作を制限する 221 セキュリティパネル 136–137, 221–222 セキュリティ 最大限に強化する 231 接続解除のメッセージ 91 設定 Apple ファイルサービス 86–91 FTP サービス 105 Macintosh マネージメントサービス 198–227 MIME タイプ 128 NetInfo 291–293 NFS アクセス制御 81 NFS サービス 101–103 QuickTime Streaming Server 176, 177–179 Web サービス 125–136 Web サイト 127, 130–136 Windows サービス 95–98 一般共有 78–79 グループ 68–69 サブネット 275–279 自動マウント 80–81 ジャンクメール 160–162 350 索引 た タイムアウト 126, 170 ダイジェスト認証 178, 185 ダイナミック DNS 283 ち チェックアウトパネル 224 て ディスカッションリスト 243 ディスクと共有ポイントウインドウ 80 ディレクトリサービス 26, 41–56 データタイプ グループ情報 52 ユーザ情報 52 デザイン環境 24 デスクトップ環境 230–231 デスクトップ管理→「NetBoot Desktop Admin 」 を参照 デスクトップ・プリンタ 214 デバッグメッセージ 270 と 動的 IP アドレス 272 動的な Web ページ 148–149 登録サービスウインドウ 268–269 ドメイン →「NetInfo ドメイン」も参照 下位層 46, 48, 49 共有 43–45, 46, 58 上位層 48, 49, 279 説明 42, 57 ―ユーザの制限 50 メールサービス 154–155 ローカル 42, 46, 58 ドメインブラウズサービス 98 ドメイン名 Web サイト 131 登録する 281 メールサーバ 158 メールサービスから取り除く 159 メールサービスに追加する 159 ドロップボックス 74 トンネリング 265 な なしのアクセス権 74 に 認証 LDAP ベース 51 ユーザ 41 ユーザのエイリアス 54–55 ね ネームサーバ 29, 280 ネットワーク Ethernet ネットワーク速度 258 TCP/IP ネットワーク 304–308 管理に関する資料 40 計画を立てる 246–252 スコープ 264, 265–266 ストリーミングメディアと― 188 ―上でプリンタのキューを共有す る 112–113 ―でワークグループを設定する 229–230 NetBoot パフォーマンス 258 ネットワークコンピュータ 99 ネットワークサービス Mac OS X Server に含まれている― 28 参考資料 300 スコープに割り当てる 266 説明 263 データをマッピングする 321 は ハードディスク ―の名前 220 容量 247 パケットのログ記録 291 パスワード CD-ROM を取り出す 216 Windows システム 94 暗号化 94 管理者 59–60 クリアーテキスト 94, 99 認証と― 41 ―の制限 71 ファイルサーバ 92 プリンタ 214 プリント用の― 214 ユーザ 37, 61, 226 ルートユーザ 59–60 バックアップ、サーバ 328 バナーメッセージ、FTP 用 106 パネル環境 204, 231 パフォーマンス NetBoot クライアント 257–258, 259 NetBoot サーバ 258–260 NetBoot ネットワーク 258 監視する 146–147 キャッシュと― 132 固定接続と― 137 ストリーミング 193 ひ ヒントトラック 180 ふ ファイアウォール 163, 188 ファイル GIF ファイル 148 圧縮された― 107, 184 グループファイル 188 権限 83 索引 351 ストリーミングメディアのアクセスファイ ル 186–187 ―の変換 107 コンピュータのヘルプ ファイル拡張子 108 メニューにある、 ファイルサービス 83–109 オンスクリーンヘルプ 参考資料 109 をご覧ください。 設定する前に 83–84 説明 26, 83, 93 種類 83 ファイルサービスのクロスプラットフォーム の問題 93 ファイルフォーマット 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの QuickTime Streaming Server 184–185 ユーザ/グループを書き出す 308–314 ユーザ/グループを読み込む 308–314 フィルタ、IP IP アドレス 296 UDP ポート 293 説明 286–287 追加する 289 問題のある場所を見つける 300 フィルタの設定、ジャンクメール 160–162 フィルタパネル 161–162 フォルダ Documents フォルダ 123 Forced Preferences フォルダ 235 Initial Preferences フォルダ 234–235 Managed Preferences フォルダ 232 NFS 設定と― 101 Preserved Preferences フォルダ 236 機能拡張フォルダ 237 共有する 101 グループフォルダ 239 グローバル共有フォルダ 209 権限 83 作成する 77 初期設定フォルダ 197 プリンタフォルダ 239 プリンタ 共有する 111–119 使用制限 214 追加する 114 パスワード 214 ―をサーバに接続する 111–112 プリンタパネル 213–215 352 索引 プリンタフォルダ 239 プリント 114 プリントキュー LPR プロトコル 116–117 管理する 113 共有する 112–113, 116–117 設定する 114 ―の設定 116–117 ―の名前 116 プリントサービス 111–119 開始する 114 設定する 114 設定する前に 113 説明 27, 93, 111 ―に関する問題 118–119 ―の設定 115–118 プリントジョブ 監視する 113 管理する 113 ―の設定 117–118 ―の優先順位 117, 118 保留する 117, 118 プリントモジュール 111, 113 プリントモニタ 113, 116 プリントログ 113 プレイリスト 181–184 ブロードキャスト 映像 181–184 音声 181–184 記録済み 174, 181–184 プレイリストの―を開始する 182 プレイリストの―を停止する 182 ユーザが―に接続する 183 ライブ 174, 175, 179–180 プロキシサーバ 129–130 プロキシの設定 129–130 プロキシパネル 129–130 プロトコルパネル 162–163 へ ベーシック認証 178, 185 ヘルプ 16 ほ ホームディレクトリ アクセスできない 243 再編成する 64 実際のユーザと― 107 自動的にマウントする 70–71 手動で作成する 64 定義する 36, 63–65, 71 デフォルト設定 36 ―のファイルにアクセスできない 72 ユーザとグループデータベース 196 ポート Ethernet ポート 247, 253, 261 HTTP ポート 178 IP アドレス 247, 305 Mac OS X コンピュータ 301–304 SMTP ポート 170 TCP ポート 301–303 UDP ポート 293, 303 Web サイト用の― 132 サブネットポート 276 名前 296 番号 296 ポート 80 178, 188 保護領域、WebDAV 135, 149 ボリュームパネル 211–212 ま マニュアル、使いかた 15–16 マルチキャストストリーミング 189 み 未登録ユーザ→「ゲスト」を参照 む ムービー 177, 181 ムービーディレクトリ 177 め メール →「メッセージ」を参照 →「メール」「メッセージ」も参照 NotifyMail オプション 67 受信― 166–167 送信― 167–168 転送する 68, 160 バルク 164 ユーザの―配送を開始する 66–67 ユーザの―配送を停止する 66 リダイレクトする 282 メール、Macintosh マネージャ 201, 216, 220 メールアカウント 66 メールエクスチェンジャ 282 メールサーバ 282 メールサービス 153–171 1 台のサーバ 154 DNS サービスを―とともに使用する 282 Internet Message Access Protocol(IMAP) 154 MX レコード 155 Post Office Protocol(POP)153 Simple Mail Transfer Protocol (SMTP)154 開始する 155 共有する 155 参考資料 170–171 ジャンクメールと― 160–162 設定する 155–157 設定する前に 154–155 説明 28, 153 ネットワーク設定 169–170 複数のドメイン 154–155 プロトコルの設定 162–165 ホストの設定 157, 166–170 ―の設定 65–68, 158–170 ユーザの―を開始する 66–67 ユーザの―を有効にする 157 メールホスト 166–170 メールリスト 243 メールを転送する 68, 160 メッセージ →「メール」も参照 160 blind carbon copy 159, 167 期限切れ 168 ジャンクメールと― 160–162 受信― 163 送信― 162 通知 163 転送 160 配送不可 164 索引 353 未配送レポート 168 ―の自動削除 160 ―の設定 159–160 コンピュータのヘルプ ―のプロトコル 162–163 メニューにある、 メッセージパネル 159–160 オンスクリーンヘルプ メディアストリーミング をご覧ください。 リレー 189–192 メディアファイル 圧縮 184 ストリーミングする―を用意する 180, 181 ストリーミングと― 192 ヒントトラック 180 プレイリスト 181–184 保護された― 185 ―のストリーミングに関する問題 183 ―へのアクセスを制御する 185–188 ―を QuickTime Streaming Server にコピー する 180–181 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの も 問題→「問題の解決方法」を参照 問題の解決方法 Apple ファイルサービス 91 FTP サービス 108–109 IP フィルタ 300 Macintosh マネージメントサービス 241–243 NetBoot 261 QuickTime Streaming Server 192–193 Web サービス 149–150 Windows サービス 99 アプリケーション 242 共有に関する問題 82 クライアントユーザ 242–243 グループ 72 サービス拒否攻撃 298 システムが停止する 242 プリントサービス 118–119 プレイリスト 183–184 ユーザ 72 ゆ ユーザ 57–72 →「ゲスト」も参照 anonymous FTP ユーザ 108 354 索引 Macintosh マネージャで情報を追跡する 238 Macintosh マネージャの基本設定 198–199 Macintosh マネージャの詳細設定 200–203 Macintosh マネージャへのアクセス 228 アクセス権 38, 86, 201, 207–210 エイリアス 54–55 書き出す 70, 308–314 共有データと― 42–45 共有ポイントへのアクセス 38 クライアントユーザ 75 グループに追加する 203–204 グループに―を追加する 69 コメント 65, 199 サーバに定義する 36–37 サーバを管理する 37, 62 サービスが必要とするデータ 41 作成する 60 実際の/ anonymous― 107 自動的な接続解除 70 上手な使いかたとヒント 70–71 初期設定 226, 233 ストリーミングサーバに接続中の― 179 ストリーミングの最大接続数 178 セキュリティ設定 221 接続数を制限する 88 設定する 59–60 設定する前に 59 説明 57 データをマッピングする 103, 315–320 登録済み 84 ドメインユーザの制限 50 認証 41 パスワード 37, 61, 226 ファイルフォーマット 308–314 分類 74 編集する 60 保護されたメディアにアクセスする 185 未登録 76 ―がブロードキャストに接続する 183 ―情報にアクセスする 45–46 ―に関する情報 57–58 ―に関する問題 72 ―の種類 199 ―の設定 60–68 ―のデータタイプ 52 ―の特徴 58 ―の名前 37, 41, 61, 199 ―のホームディレクトリを定義する 63–65, 71 ―のメールサービスを開始する 66–67 ―のメールサービスを有効にする 157 ―のメール配送を停止する 66 ―のメールを転送する 68 ユーザファイルに―を追加してストリーミ ングメディアへのアクセスを許可す る 187 ―用のログインシェル 63 読み込む 70, 308–314 ローカルドメインで定義する 42 ログインする 62, 199 ログインできない 72 ユーザ ID 41, 62 ユーザアカウント 197, 199 ユーザとグループデータベース 196 ユーザとグループのファイル 312–314 ユーザとグループモジュール 57–72, 308 ユーザファイル 188 ユーザフォルダ 239 ユニキャストストリーミング 189 よ 用語集 333–337 読み込まれたユーザリスト 228 読み出し/書き込みのアクセス権 74 読み出し専用のアクセス権 74, 103 ろ ローカルドメイン 42, 46, 58 ログイン Server Admin 35 ―の設定 223–224 ログインする Macintosh マネージャ 34, 241 Server Admin 31 管理者 196 ユーザ 199 ログインパネル 223–224 ログ項目 DHCP イベント 279 DHCP の状況 274 デバッグメッセージ 270 ―の詳細のレベル 97 ―の設定 89–90, 97, 133, 178, 274–275, 265 ログパネル 97, 133 ログビューア 33, 111, 113, 150 ログファイル IP フィルタサービスを監視する 297 SSL ログ 137 Web サイトのログ 133 アクセスログ 89, 133, 146, 179 エラーログ 90, 134, 146, 167, 178, 270 キューのログ 115 ―を使って作業する 269 サーバのログ 115 システムログ 269 表示する 33 プリントログ 113 り リムーバブルメディア 209 リファレンスムービー 177, 181 利用状況ファイル 239 リレー、メディアストリーミング 189–192 リレー設定ファイル 190–192 る ルータ 265, 277 ルートパスワード 59–60 ルール、IP フィルタ 306–307 わ ワークグループ Macintosh マネージャで情報を追跡する 238 Windows 名 96 アクセス権の設定 207–210 オプション設定 215–216 項目の設定 205–207 コンピュータへのアクセス 218 コンピュータを―に制限する 218–219 作成する 197 設定する 229–230 デスクトップ環境 230–231 索引 355 プリンタ設定 213–215 ボリューム設定 211–212 メンバー設定 203–204 コンピュータのヘルプ ―の名前 203 メニューにある、 ワークグループ管理者 197 オンスクリーンヘルプ ワークグループ管理者アカウント 199 をご覧ください。 ワークグループ共有フォルダ 209 ワークグループ提出フォルダ 209 ワークグループパネル 203–204, 230 ワークシート、Mac OS X Server 329 ワークステーションのセキュリティ 208 調べたい項目が索引に ないときは、お使いの 356 索引

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File Type                       : PDF
File Type Extension             : pdf
MIME Type                       : application/pdf
PDF Version                     : 1.3
Linearized                      : No
Create Date                     : 2001:08:14 14:33:12
Producer                        : Acrobat Distiller 4.05 for Macintosh
Author                          : Apple Computer, Inc
Title                           : Mac OS X Server 管理者ガイド
Creator                         : FrameMaker 5.5.3J
Modify Date                     : 2001:08:14 14:56:21+09:00
Page Count                      : 370
Page Layout                     : SinglePage
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