Casio Fx 375ES_fx 915ES_fx 995ES_Eng 375ES/915ES/995ES Fx375ES 915ES 995ES J

User Manual: Casio fx-375ES/915ES/995ES fx-375ES, fx-915ES, fx-995ES | 取扱説明書 | 電卓・関数電卓 | お客様サポート | CASIO

Open the PDF directly: View PDF PDF.
Page Count: 97

RJA526564-001V01
J
http://edu.casio.jp
ご使用の前に「安全上のご注意」をよくお読みの上、正しく
お使いください。
本書はお読みになった後も大切に保管してください。
fx-375ES
fx-915ES
fx-995ES
取扱説明書
保証書付
– 1 –
はじめに
このたびはカシオ製品をお買い上げいただき、誠にありがとうござ
います。
使い始めるときは(ハードケースについて)
本機を使い始める際は、本
機をスライドさせてハード
ケースから取り外し、右図
の要領で本機の背面にハー
ドケースを取り付けます。
A リファレンスラベルを貼り付けるには
必要に応じて、付属のリファレンスラ
ベルをハードケースに貼り付けてお使
いください。
右図のように、リファレンスラベルの
接着面をハードケース内側にある2
の凸部の間に合わせて貼り付けます。
本機の状態を初期状態に戻すには
次のキー操作を行うことで、本機の計算モード、すべてのセット
アップ情報、およびすべてのメモリー内容を一括してクリアし、本
機を初期状態に戻すことができます。
19(CLR)3(All)=(Yes)
凸部凸部
– 2 –
本書の表記について
各キーは、キーの表面に印刷されている文字で表記します。
例:12+-!Aなど
連続したキー操作は次のように表記します。
例:!2)+!3=
1Sを押すことで、キーの表面に印刷
されている文字が表す機能とは別の機能を呼
び出すことができます。
キーの上にSHIFT と同じ色で表示されている
関数や機能は、1を押した後にそのキーを
押して入力/実行します。
例:1s(sin–1)1Y(INS)
キーの上にALPHA と同じ色で表示されている関数、変数、定
数、記号は、Sを押した後にそのキーを押して入力します。
例:Sy(A)S5(e)
iと同じ色のブラケット{ }で囲って表示されている文字は
CMPLX モード(複素数計算、42 ページ参照)で利用します。
DECHEXBINOCT と同じ色のブラケット{ }で囲って表
示されている文字は、BASE-N モードn進計算54 ページ参照)
で利用します。
本書中の例題について
次のマークが付いた例題では、表示形式設定の切り替え10 ページ
参照)、角度設定の切り替え11 ページ参照)が必要です。
A 表示形式として「自然表示入力 - 自然表示出力」を選択し
ます。
a 表示形式として「ライン表示入出力」を選択します。
z 角度設定としてDegを選択します。
Z 角度設定としてRadを選択します。
sin–1{D}
s
キー表面の機能
別機能
sin–1{D}
s
キー表面の機能
別機能
– 3 –
安全上のご注意
このたびは本機をお買い上げいただきまし
、誠にありがとうございます。ご使用に
なる前に、この「安全上のご注意」をよくお
読みの上、正しくお使いください。
危険
この表示を無視して誤った
取り扱いをすると、人が死
亡または重傷を負う危険が
差し迫って生じることが想
定される内容を示していま
す。
アルカリ電池からもれた液が目に入っ
たときは、すぐに次の処置を行ってく
ださい。
1. 目をこすらずにすぐにきれいな水
で洗い流す。
2. ただちに医師の治療を受ける。そ
のままにしておくと失明の原因と
なります。
警告
この表示を無視して誤った
取り扱いをすると、人が死
亡または重傷を負う危険が
想定される内容を示してい
ます。
電池は小さなお子様の手の届かない所
へ置いてください。万一、お子様が飲
み込んだ場合は、ただちに医師と相談
してください。
– 4 –
電池は使いかたを誤ると液もれによる
周囲の汚損や、破裂による火災・けが
の原因となることがあります。次のこ
とは必ずお守りください。
u 極性(+と−の向き)に注意して正し
く入れてください。
u 本機で指定されている電池以外は使
用しないでください。
電池は、充電や分解、ショートする恐
れのあることはしないでください。
本体や電池を加熱したり、火の中に投
入したりしないでください。破裂によ
る火災・けがの原因となります。
注意
この表示を無視して誤った
取り扱いをすると、人が傷
害を負う可能性が想定され
る内容および物的損害のみ
の発生が想定される内容を
示しています。
表示画面について
u 液晶表示画面を強く押したり、強い
衝撃を与えないでください。液晶表
示画面のガラスが割れけがの原因と
なることがあります。
u 液晶表示画面が割れた場合、表示画
面内部の液体には絶対に触れないで
ください。
u 万一、口に入った場合は、すぐにう
がいをして医師に相談してくださ
い。
– 5 –
u 目に入ったり、皮膚に付着した場合
、清浄な流水で最低15 分以上洗
浄した後、医師に相談してくださ
い。
本書中の表示/イラストは、印刷のため実物と異なることがあ
ります。
本書の内容に関しては、将来予告なしに変更することがありま
す。
本書の内容については万全を期して作成いたしましたが、万一
ご不審な点や誤りなど、お気づきのことがありましたらご連絡
ください。
本機使用により生じた損害、逸失利益、および第三者からのい
かなる請求につきましても、当社ではいっさいその責任を負え
ませんので、あらかじめご了承ください。
– 6 –
使用上のご注意
電池が消耗しますと、液晶の表示が薄くなってきま
す。表示が薄くなったまま使用を続けますと、正常
に動作しなくなることがあります。表示が薄くなっ
てきたらすみやかに電池を交換してください。
また、正常に使用できても定期的に3年に1度)
池交換してください。
特に消耗ずみの電池を放置しておきますと、液漏れ
をおこし故障などの原因になることがありますの
、計算機内には絶対に残しておかないでくださ
い。
付属の電池は、工場出荷時より微少な放電による消
耗が始まっています。そのため、製品の使用開始時
期によっては、所定の使用時間に満たないうちに寿
命となることがあります。あらかじめご了承くださ
い。
極端な温度条件下での使用や保管は避けてくださ
い。
湿気やほこりの多い場所での使用や保管は避けてく
ださい。
落としたり、強いショックを与えないでください。
「ひねり」「曲げ」を与えないでください。
分解しないでください。
お手入れの際は、乾いた柔らかい布をご使用くださ
い。
– 7 –
目次
はじめに ................................................................................ 1
安全上のご注意 ..................................................................... 3
使用上のご注意 ..................................................................... 6
計算を始める前に .................................................................. 8
計算モードとセットアップについて ..................................... 9
式や数値の入力について ..................................................... 13
計算結果の無理数表示について .......................................... 17
循環小数 .............................................................................. 19
基本計算 (COMP) ................................................................ 21
マルチステートメントと計算履歴 ....................................... 23
各種メモリーの利用 ............................................................ 24
余り計算 .............................................................................. 27
素因数分解 (fx-915ES/fx-995ES のみ) (COMP) ...................... 28
カルク機能(数式記憶機能) ................................................. 29
ソルブ機能 (COMP) ............................................................ 30
関数計算 .............................................................................. 32
表示変換機能 ....................................................................... 41
複素数計算 (CMPLX) ........................................................... 42
統計計算 (STAT) .................................................................. 44
n進計算 (BASE-N) .............................................................. 54
方程式計算 (EQN) ............................................................... 57
行列計算 (fx-915ES/fx-995ES のみ) (MATRIX) ...................... 59
関数式からの数値テーブル生成 (TABLE) ........................... 65
ベクトル計算 (fx-915ES/fx-995ES のみ) (VECTOR) .............. 67
不等式計算 (fx-995ES のみ) (INEQ) ...................................... 71
分布計算 (fx-995ES のみ) (DIST) .......................................... 73
科学定数 ............................................................................. 76
原子量(周期表表示) (fx-995ES のみ) .................................... 78
単位換算 .............................................................................. 79
技術情報 .............................................................................. 83
リファレンス情報 ................................................................ 89
仕様 ..................................................................................... 90
応用例題 .............................................................................. 90
よくある質問 ....................................................................... 94
保証・アフターサービスについて ....................................... 96
保証規定 .............................................................................. 98
– 8 –
計算を始める前に
電源を入れるには/切るには
電源を入れるには、Oを押します。
電源を切るには、1AOFFを押します。
コントラストを調節するには
1. 1NSETUPc8]CONT'
と押します。
u コントラスト画面が表示されます。
2. dまたはeを押して調節します。
3. 調節が済んだらAを押します。
ご注意
コントラストの調節を行っても液晶表示が見づらい場合は、電池が
消耗しています。新しい電池に交換してください。
画面表示について
A シンボル表示について
現在の計算モードや設定状態、計算の経過などが、ディスプレイの
最上部にシンボルで表示されます。
表示例
シンボル 意 味
S1を押すと点灯し、次のキーを押すと消えます。
ASを押すと点灯し、次のキーを押すと消えます。
M独立メモリーに数値を格納している間、点灯します。
STO
変数メモリーへのデータの登録で
1t
(STO)
押すと点灯し、次のキーを押すと消えます。
RCL 変数メモリーからのデータの呼び出しでtを押
すと点灯し、次のキーを押すと消えます。
STAT STAT モード時に点灯します。
CMPLX CMPLX モード時に点灯します。
MAT MATRIX モード時に点灯します。
fx-915ESfx-995ES のみ)
CMPLXCMPLX
– 9 –
VCT VECTOR モード時に点灯します。
fx-915ESfx-995ES のみ)
7角度設定が「度」の場合に点灯します。
8
角度設定が「ラジアン」の場合に点灯します。
9
角度設定が「グラード」の場合に点灯します。
FIX 表示桁数設定がFix 時に点灯します。
SCI 表示桁数設定がSci 時に点灯します。
Math 表示形式が「自然表示」のときに点灯します。
リプレイ可能な計算履歴が記憶されているときや
前画面/次画面があるときに点灯します。
Disp マルチステートメント計算中に点灯します。
ご注意
演算実行中もシンボルは点灯した状態となります。
計算モードとセットアップについて
計算モードについて
モード 操作(押すキー)
COMP(標準計算):関数計算を含む、一般の
計算を行います。 N1(COMP)
CMPLX(複素数計算):複素数演算を行いま
す。 N2(CMPLX)
STAT(統計/回帰計算):一変数統計演算や
回帰演算、確率分布演算を行います。 N3(STAT)
BASE-Nn進計算)2進、8進、10 進、16
の変換や計算、論理計算を行います。 N4(BASE-N)
EQN(方程式計算):連立方程式演算、高次
方程式演算を行います。 N5(EQN)
MATRIX(行列計算):行列データを用いた演
算を行います。fx-915ESfx-995ES のみ) N6(MATRIX)
TABLE(テーブル計算):1つまたは2つの
関数式より数値テーブルを作成します。
fx-375ES
N6(TABLE)
fx-915ES/995ES
N7(TABLE)
– 10 –
モード 操作(押すキー)
VECTOR(ベクトル計算):ベクトルデータ
を用いた演算を行います。
fx-915ESfx-995ES のみ)
N8(VECTOR)
INEQ(不等式計算)2次不等式演算、3次不
等式演算を行います。fx-995ES のみ) Nc1(INEQ)
DIST(分布計算):分布計算を行います。
fx-995ES のみ) Nc2(DIST)
初期状態はCOMP(標準計算)モードです。
A 計算モードを選ぶには
1. Nを押します。
u 計算モードの選択画面が表示されます。
fx-915ESfx-995ES fx-375ES
u fx-995ES 、計算モードの選択画面が2画面ありますc
fを使って切り替えます。
2. 選びたい計算モードに対応した数字キーを押します。
u 例えばCMPLX モードを選ぶには、2を押します。
セットアップについて
本機による計算時の入出力や演算のしかたなどを設定します。
以下の表中のアンダーライン(___)が初期設定です。
A 表示形式設定を切り替えるには
本機のディスプレイへの入力式や計算結果の表示形式を「自然表
示」「ライン表示」の間で切り替えることができます。
表示形式設定 操作(押すキー)
自然表示入力 - 自然表示出力 1N1(MthIO)1(MathO)
自然表示入力 - ライン表示出力 1N1(MthIO)2(LineO)
ライン表示入出力 1N2(LineIO)
c
f
c
f
– 11 –
自然表示入力 - 自然表示出力 ライン表示入出力
「自然表示入力 - ライン表示出力」に設定すると、計算結果はライ
ン表示になります。
STATBASE-NMATRIXVECTOR モードでは、自動的にラ
イン表示に切り替わります。
A 角度設定を切り替えるには
角度設定 操作(押すキー)
1N3(Deg)
ラジアン 1N4(Rad)
グラード 1N5(Gra)
A 表示桁数設定を切り替えるには
表示桁数設定 操作(押すキー)
小数点以下桁数
設定(Fix)
1N6(Fix)
00桁指定)99桁指定)
有効桁数設定(Sci) 1N7(Sci)
1(有効桁1桁)90(有効桁10 桁)
指数表示範囲設定
(Norm)
1N8(Norm)
1(Norm1) または2(Norm2)
設定に応じた計算結果表示について
Fix を選択すると09桁の間で指定した桁数に応じて、小数
点以下が表示されます。また、計算結果は指定した桁の次桁で
四捨五入されます。
例: 100 ÷7 14.286 Fix3 の場合)
Sci を選択すると、110 桁の間で指定した桁数と指数によって
計算結果が表示されます。また、計算結果は指定した桁の次桁
で四捨五入されます。
例: 1 ÷7 1.4286 ×10–1 Sci5 の場合)
Norm1 またはNorm2 を選択すると、次の範囲で指数表示となり
ます。
Norm110–2 x, x 1010
MathMath
– 12 –
Norm210–9 x, x 1010
例: 1 ÷200 5×10–3 Norm10.005 Norm2
A 分数表示設定を切り替えるには
分数表示設定 操作(押すキー)
帯分数表示 1Nc1(ab/c)
仮分数表示 1Nc2(d/c)
A 複素数表示設定を切り替えるには
複素数表示設定 操作(押すキー)
直交座標形式 1Nc3(CMPLX)1(a+bi)
極座標形式 1Nc3(CMPLX)2(r )
A 統計表示設定を切り替えるには
統計表示設定 操作(押すキー)
FREQ 列を表示する 1Nc4(STAT)1(ON)
FREQ 列を表示しない 1Nc4(STAT)2(OFF)
A テーブル設定を切り替えるには
テーブル設定 操作(押すキー)
1つの関数式f(x)を使
1Nc5(TABLE)1(f(x))
2つの関数式f(x), g(x)
を使う 1Nc5(TABLE)2(f(x),g(x))
A 循環小数設定を切り替えるには
循環小数設定 操作(押すキー)
循環小数表示する 1Nc6(Rdec)1(ON)
循環小数表示しない 1Nc6(Rdec)2(OFF)
A 小数点表示設定を切り替えるには
小数点表示設定 操作(押すキー)
ドットで表示 1Nc7(Disp)1(Dot)
カンマで表示 1Nc7(Disp)2(Comma)
小数点表示は、演算結果表示にのみ適用されます。
– 13 –
ドット表示の場合は、計算結果が複数あるときの区切り記号が
カンマ(,)になります。カンマ表示の場合は区切り記号がセミコ
ロン(;)になります。
計算モードと各種設定をクリアするには
次の操作で、計算モードとすべてのセットアップ情報を一括してク
リアし、各設定を初期状態に戻すことができます。
19(CLR)1(Setup)=(Yes)
式や数値の入力について
計算式の入力(書式通り入力方式)
本機は紙に書いた通りに計算式を入力し=を押すと計算が実
行される「書式通り入力方式」を採用しています。加減乗除、関数
カッコの優先順位は、自動的に判別されます。
- 2 (5 4) 2×(3)
a 2(5+4)-
2*y3=
A カッコ付き関数sincos'など)の入力について
本機では、次の関数は開きカッコ付きで入力されます。引数の末尾
に閉じカッコを入力することが必要です。
sin(, cos(, tan(, sin–1(, cos–1(, tan–1(, sinh(, cosh(, tanh(, sinh–1(,
cosh–1(, tanh–1(, log(, ln(, e^(, 10^(, '(, 3'(, Abs(, Pol(, Rec(, (,
d/dx(, Σ(, Π(*,P(, Q(, R(, arg(, Conjg(, Not(, Neg(, det(*, Trn(*,
Ref(*, Rref(*, Rnd(, RanInt#(, GCD(, LCM(, Int(*, Intg(*
*fx-915ESfx-995ES のみ)
A 乗算記号(×)の省略について
次の乗算記号(×)は、入力を省略することができます。
u (の前 …… 2 ×5+4など
u カッコ付き関数の前 …… 2 ×sin302×'3など
u 前置記号(負符号を除く)の前 …… 2 ×h123 など
u メモリー、定数、乱数の前 …… 20 ×A2×π2×iなど
– 14 –
割り算(÷)と乗算省略がある計算を実行する場合は、下記の例のよ
うに自動的にカッコが入力されます。
u 開きカッコの直前または、閉じカッコの直後に乗算省略が
ある場合
6÷21 + 2 6 ÷21 + 26÷A1 + 2 6 ÷A1 + 2
1÷2 + 3sin30 1 ÷2 + 3sin30
u 変数や定数などの直前に乗算省略がある場合
6÷2π 6 ÷2π2÷2'2 2 ÷2'2
4π÷2π 4π÷2π
u PolRecRanInt# のようなカンマ,を使う関数を入力する場合、
入力式中の閉じカッコは必ず入力してください。閉じカッコを入
力しないと、上記の例のようなカッコの自動入力が行われない場
合があります
分数(帯分数も含む)の直前に乗算省略がある計算を実行する場合
は、下記の例のように自動的にカッコが入力されます。
2 ×1
3A
'1c3dddd2
=
sin (30) ×4
5A
'4c5dddds30)
=
A 画面幅に収まらない計算式の表示について
一度に表示可能な桁数(ライン表示時で14 桁)を超えて計算式の入力
を行うと、表示が自動的にスクロールし、画面に収まらない部分が
隠れます。このとき、画面の左端に]が表示されます。dキーを
押してカーソルを移動し、表示を左スクロールすることができます。
計算結果表示
MathMath
MathMath
MathMath
MathMath
MathMath
– 15 –
計算結果右端の'マークは、計算結果に続きがあることを表し
ます。edを使ってスクロール表示できます。
入力式右端のgマークは、入力式に続きがあることを表します
deを使ってスクロール表示できます。ただし計算結果右
端にマークがある場合は、Aを押した後でdeを押します。
A 入力文字数(バイト数)について
本機は計算式の入力エリアとして、99 バイトが確保されており、
1つの計算式につき99 バイトまで入力可能です。基本的に1キー
入力(数字や演算子、関数などの1つの入力)につき1バイトで
す。ただし、自然表示での入力を行う関数は1つの入力で数バ
イトを使用します。
通常、入力位置を表すカーソルは (または の点滅によっ
て表示されますが89 バイト目以降の入力になると、カーソル
の点滅に変わります。このような場合は、区切りの良いと
ころで一度入力を終了し、計算結果を得てください。
計算式の訂正
A 「挿入モード」「上書きモード」について
挿入モード(初期状態)
入力位置に が点滅します。カーソル位置に文字が入力されま
す。Yを押すとカーソル位置の手前の文字が削除されます。
上書きモード
ライン表示で、1Y(INS) を押すたびに、挿入モードと上書き
モードの間で切り替わります。上書きモードでは、カーソルが
から に変わり、カーソル位置の文字が上書きされます。
自然表示時は常に挿入モード固定です。1Y(INS) は別の機能
になります。
エラー位置表示について
演算実行時=を押したとき)、計算式に誤りがある場合、エ
ラーメッセージを表示します。このような場合、dまたはeキー
を押すとエラー位置にカーソルが移動し、計算式を訂正することが
できます。
– 16 –
- 14 ÷10 ×2=を誤って14 ÷0×2=と入力した
(挿入モードで操作するものとします。
14/0*2=
e(またはd
ここにエラーがある
エラーメッセージ画面でe(またはd の代わりにAを押す
と、計算式がクリアされます。
自然表示での入力操作に関するご注意
入力する計算式によっては、計算式が画面の縦方向にも広がり
ます。計算式は、縦方向で2画面分31 ドット×2の大きさにな
るまで、入力することができます。
関数やカッコを使用することで入れ子を作ることができますが、
入れ子を多く作るとキー入力を受け付けなくなることがありま
す。その場合は何回かに分けて計算してください。
A 自然表示形式での入力に対応した関数と記号
分数(仮分数)'、帯分数1'(loga,b(対数)&
10^x1l$e^x1i%、平方根'!、立方根3'
1!#2w31wx3–1 (逆数)E、べき乗
6、べき乗根16"、積分7、微分17FΣ計算
1&8Π計算a&9*Abs(絶対値)1wAbs
カッコ(および)
* fx-915ESfx-995ES のみ
入力式と結果が縦方向に表示しきれない場合、入力式の上部が
表示されません。この状態で、入力式のスクロールはできませ
ん。再度入力した計算式を表示したい場合は、一度Aを押して
からdまたはeを押してください。
A 関数内への数値の取り込み操作
自然表示での入力時には、数値やカッコで括られた範囲内など入力
済みの計算式の一部を、関数内に取り込むことができます。
- 1234のカッコ内を'に取り込む
カーソルをここに移動
MathMath
– 17 –
1Y(INS)
カーソルの形がこのように変化する
!
カッコ内の範囲が'に取り込まれる
開きカッコの手前でなく、数字や分数の手前にカーソルがある
場合は、その数字や分数が取り込み範囲となります。
関数の手前にカーソルがある場合は、その関数全体が取り込み
範囲となります。
下記の関数も同様に取り込みが可能です。
'1'(&1i%!1l$6
1!#16"1=Abs717F
1&8a&9*
* fx-915ESfx-995ES のみ
計算結果の無理数表示について
表示形式設定を自然表示入力 - 自然表示出力に設定することで、演
算結果を'2πなどを含む形式(無理数形式)で表示することがで
きます。
=を押すと、計算結果は無理数形式で表示されます。
1=を押すと、計算結果は小数で表示されます。
- '2 '8 3'2
A
1 !2e+!8=
2 !2e+!81=
'形式(無理数表示のうち'を含む形式)で計算結果を表示
できるのは、次の計算です。
a. 根号'を持った数値の四則演算、x2x3x–1
b. 三角関数計算
c. 複素数のAbs 計算
d. CMPLX モードの極座標形式表示 r
MathMath
MathMath
– 18 –
三角関数の計算結果が'形式になる入力値の範囲
角度設定 入力値 入力値の範囲
Deg 15̊単x9×109
Rad 1
12 πラジアンの倍数 x20π
Gra 50
3グラードの倍数 x10000
上記以外の値を入力した場合、計算結果が小数で表示されるこ
とがあります。
'形式の演算範囲について
演算結果として表示できる範囲は'の項を含む2項までの結果
です。また、'形式の計算結果には
などの表示形式があり、各係数a, b, c, d, e, fの対応範囲は、次の
通りです。
1a100, 1 b1000, 1 c100
0d100, 0 e1000, 1 f 100
:
2'3 × 4 = 8'3'形式表示
35'2 × 3 = 148.492424 (= 105'2) 小数表示
2×(3 – 2'5 ) = 6 – 4'5'形式表示
23 ×(5 – 2'3 ) = 35.32566285 (= 115 – 46'3 ) 小数表示
'2 + '3 + '8 = '3 + 3'2'形式表示
'
2 + '3 + '6 = 5.595754113 小数表示
例題の計算結果が小数表示になる理由
u 数値が対応範囲外
u 計算結果の項が3つ以上となる場合
上記の表で波線が引いてある箇所が、該当します。
'形式での計算結果は、分母が共通(通分)になります。
cは、cfの最小公倍数 
± a'b , ± d ± a'b , ± a'b
±
d'e
cf
± a'b , ± d ± a'b , ± a'b
±
d'e
cf
a'b
+
d'e
c
a'b
+
d
'
e
cf
a'b
+
d'e
c
a'b
+
d
'
e
cf
– 19 –
計算結果は通分されているため、係数a, c, dが、係数a, c, d
の対応範囲を超えていても、'形式になる場合があります。
:
計算の途中で項の数が3つ以上になった場合も、結果は小数で表
示されます。
: 1'2'3 1'2'3 (=− 42'6
=−8.898979486
計算式の中に'(根号)の項と、分数として表示することがで
きない項がある場合、計算結果は小数で表示されます。
: log3 '21.891334817
循環小数
本機への数値の入力時に循環小数を用いることができます。また、
可能な場合は計算結果を循環小数の形で表示することができます。
循環小数の入力
循環小数を入力するには、循環節が始まる直前にa!(k
·)を押し、
循環節の末尾の数値までを入力します例えば0.909090....0.90
··
いう循環小数を入力するにはa.a!(k
·)jaと操作しま
す。
ご注意
循環が整数部分から開始している場合(例:12.3123123... など)
でも、循環節の指定は小数点以下から行ってください12.3
·12
·
循環小数の入力は、自然表示での入力時のみ可能です。
- 1.428571428571...1.4
·28571
·を入力する。
A 1.a!(k
·)
ecifhb
- 1.0
·21
· + 2.3
·12
·を計算する。
A 1.a!(k
·)acbe
+2.a!(k
·)dbc=
計算結果を循環小数として表示: f
'3 + '2 = 10'3 + 11'2
11 10 110
'3 + '2 = 10'3 + 11'2
11 10 110
MathMath
MathMath
– 20 –
ご注意
循環節として指定できるのは、小数点以下14 桁までです。小数
点以下15 桁以上の入力を行うと、循環小数ではなく15 桁の有限
小数として扱われます。
循環小数の入力は、セットアップの循環小数設定にかかわらず
可能です。
計算結果を循環小数で表示する
セットアップの循環小数設定をON にした場合は、循環小数となる
ような計算結果を循環小数の形で表示することができます。計算結
果の表示切り替えにはfキーを使います。
fを押すたびに、表示中の計算結果が次のように切り替わります。
分数 表示桁数設定Norm/Fix/Sciた小数
循環小数
または
分数
表示桁数設定Norm/Fix/Sciた小数 循環小数
- 1
7 = 0.1
·42857
· = 0.1428571429 Norm1
A 1'7=
循環小数として表示: f
Norm1 設定に従った小数表示: f
最初の表示に戻る(分数表示) f
計算結果が循環小数で表示される条件
計算結果が次の条件を満たす場合はfを押して循環小数で表示
することができます。
u 帯分数(整数、分子、分母、分数記号)で使われる桁数が10 桁以
内であること。
u 循環小数として表示したときの容量が99 バイト以内であること
(数字、小数点が各1バイト、循環節の1桁につき1バイト。例え
0.1
·23
·は数字4バイト、小数点1バイト、循環節3バイトで合計
8バイトとなります。
– 21 –
ご注意
セットアップの循環小数設定がOFF に設定されているときの計算結
果やON に設定されているが循環小数でない計算結果の表示切り
替えについては、「表示変換機能」41 ページ)を参照してください。
基本計算 (COMP)
四則演算
+-*/キーを使って加減乗除を実行できます。
- 7×84×536
a 7*8-4*5=
A 計算式末尾の閉じカッコの省略について
計算式の末尾=の直前)の閉じカッコは、入力を省略すること
ができます(ライン表示時のみ有効)
分数計算
A 分数計算の例
- 2
31
27
6
A 2'3e+1'2
または
'2c3e+'1c2
=
a 2'3+1'2=
帯分数形式で表現した場合に、整数、分子、分母、区切りマー
クの合計数が10 桁を超えた場合、自動的に小数表示となります。
ライン表示の場合は、分数と小数が混在した計算の場合、答え
は小数で求められます。
帯分数の各項には、整数の値のみを入力してください。
A 仮分数と帯分数の間で結果表示を切り替えるには
切り替えを行うには、1f ( a
b
c
d
c) を押します。
MathMath
– 22 –
A 分数と小数の間で結果表示を切り替えるには
切り替えを行うには、fを押します。
- 1.5 3
2, 3
2 1.5
a 1.5=
f
パーセント計算
数値の後にパーセント1(%キーを入力することで、引数
1/100 倍した数値として扱います。
ここでの操作はすべて、ライン表示形式で行います。
例 題 操 作
2% 0.02 2
100 21((%)=
150 ×20% 30 150 ×20
100 150*201((%)
=
660 880 の何%か? 75 660/880
1((%)=
3500 25% 引き 2625 3500-3500
*251((%)=
500g の試料に300g を加えると
初めの何%となるか? 160
(500+300)
/5001((%)=
数値が40 から46 に増えたとき
%増えたことになるか? 15
(46-40)/4
01((%)=
度分秒60 進数)計算
A 60 進数の入力について
入力は、次の要領で行います。
{度の数値} e { 分の数値} e { 秒の数値} e
- 2˚30´30˝ を入力する
a 2e30e30e=
(または分)の単位が0の場合は、必ず0eを入力します。
a% = 100
a
a% = 100
a
– 23 –
A 60 進数計算
60 進数同士の加減算と、 60 進数と10 進数の乗除算の結果は、60
進数で表示されます。
A 60 進数と 10 進数の間で変換するには
計算結果の表示中にeを押します。
- 2.255 60 進数に変換する
a 2.255=e
マルチステートメントと計算履歴
マルチステートメントを使った計算
マルチステートメントとは、 11 : 2 2 : 3 3 のように、複数
の計算式を「:」で区切って1行に記述したものです=を押すご
とに先頭の計算式から順次結果を得ることができます。
- 333×3をマルチステートメントで計算する
a 3+3S7(:)3*3
=
=
マルチステートメントによる計算の途中には、画面の右上に
Disp シンボルが点灯しますDisp シンボルは、マルチステート
メント末尾の計算式の結果が表示されると消灯します。
計算履歴とリプレイ機能の利用
本機で計算を実行するごとに、入力した計算式と計算結果がセット
で記録されます。この記録を「計算履歴」と呼びます。
A 計算履歴を呼び出すには
fを押すごとに順次さかのぼって表示します。
-
a 1+1=2+2=
3+3=
– 24 –
f
f
計算履歴を呼び出すことができる計算モードはCOMP
,1CMPLX,2BASE-N,4のみです。
計算履歴はOを押したとき、計算モードを切り替えたとき
表示形式を切り替えたとき、または各種リセット操作を行った
ときに、すべてクリアされます。
計算履歴として記憶できる数には制限があります。記憶可能な
範囲を超えた計算履歴が作られた場合、一番古い計算履歴が自
動的に削除されます。
A リプレイ機能
演算結果を表示している状態でAを押した後や、直前の演算結果
の表示中にdまたはeを押すことで直前に実行した計算式が
編集可能な状態となります。
- 4×32.5 14.5
4×37.1 4.9(計算式の一部が共通する計算の実行)
a 4*3+2.5=
AdDDDD
-7.1=
各種メモリーの利用
本機は、ユーザーによる数値の登録と呼び出しが可能なエリアとし
て、メモリーを備えています。
アンサーメモリーAns/プレアンサーメモリー
(PreAns)
A Ans の概要
Ans =1= m1mM–t1tSTO
の各キー操作によって演算が実行されるごとに更新され、最新
の演算結果15 桁が格納されます。
演算結果がエラーとなった場合は、Ans は更新されません。
複数の結果を同時に得るような計算(座標計算など)の実行時は、
先に結果表示される側の数値でAns が更新されます。
– 25 –
CMPLX モードでの演算結果が複素数となった場合、実部・虚部
がともにAns に記憶されます。ただし、別の計算モードに変更
すると、虚部はクリアされます。
A PreAns の概要
2つ前の計算結果がプレアンサーメモリーPreAnsに保存され
ます。
新しい計算の結果を表示すると、計算結果がAns に保存され
Ans に保存されていた内容がPreAns に保存されます。
PreAns COMP モードでのみ使用可能です。他のモードに入る
PreAns メモリーはクリアされます。
A Ans を使って連続計算を行うには
- 3×4 の計算結果を30 で割る
a 3*4=
/30=
/を押すとAns が自動的に入力される
A 計算式の特定の位置に Ans を入力するには
- 123 456 の計算結果を、次の計算の中で使う
a 123+456=
789-G=
A PreAns を使った計算例
Tk+2=Tk+1+Tk (フィボナッチ数列)で、T1からT5までの数列を求めよ。
ただし、T1=1T2=1 とする。
(解:求める数列は{1, 1, 2, 3, 5} となる。
A T1=1 1=
(Ans=T1=1)
T2=1 1=
(Ans=T2=1, PreAns=T1=1)
123456579 789579210123456579 789579210
MathMath
MathMath
– 26 –
T3=T2+T1=1+1
G+SG(PreAns)=
(Ans=T3=2, PreAns=T2=1)
T4=T3+T2=2+1 =
(Ans=T4=3, PreAns=T3=2)
T5=T4+T3=3+2 =
独立メモリーM
A 独立メモリーの概要
入力した数値や計算式の結果を直接Mに対して加算、またはM
から減算できます。
{数値} ( または{計算式}) m(計算結果を現在のMの値に加算)
{数値} ( または{計算式}) 1mM–(計算結果を現在のMの値
から減算)
計算結果の表示中にm(または1mM–を押すと、表示中
の計算結果(アンサーメモリーの内容)Mに加算(またはMから
減算)されます。
Mの値を確認することができます。 tm(M)
Mを呼び出して利用することができます。 Sm(M)
Mに対して0以外の数値が書き込まれると、画面左上にMシンボ
ルが点灯します。Mの値が0の時はMシンボルが消灯します。
A 独立メモリーをクリアするには
01tSTOmMと押します。Mシンボルが消灯します。
変数メモリーABCDEFXY
A 変数メモリーの概要
各変数メモリーに、数値や計算結果を書き込むことができます。
例: 変数メモリーA35を書き込む
3+51t(STO)y(A)
変数メモリーの値を確認することができます。
例: 変数メモリーAを呼び出す ty(A)
計算式の中に変数メモリーを利用することができます。
例: A Bを掛ける Sy(A)*Se(B)=
MathMath
MathMath
MathMath
– 27 –
A 変数メモリーを個別にクリアするには
クリアしたい変数メモリーに0を書き込みます。例えば変数メモ
リーAをクリアしたい場合は、01tSTOyAと押します。
メモリー内容を一括してクリアするには
アンサーメモリー、プレアンサーメモリー、独立メモリー、変数メ
モリーの全メモリー内容を、次の操作で一括してクリアすることが
できます。
19(CLR)2(Memory)=(Yes)
余り計算
関数÷Rを使うと、割り算の商と余りを一度に求めることができ
ます。
余り計算の操作
- 5÷2の商と余りを求める。
A 5S'(÷R)2=
商    余り
a 5S'(÷R)2=
商    余り
余り計算に関するご注意
余り計算を行うと商の値がアンサーメモリーに登録されます。
余り計算の計算結果を変数メモリーに登録する操作を行うと
商の値が登録されます。例えば変数X5÷R2 の計算結果を登
録する操作5S'÷R21tSTO)Xを行う
と、Xには2が登録されます。
入力式の途中に余り計算がある場合は、商の値を使って計算し
ます。
例:10+17S'÷R6= 10 2
余り計算の計算結果表示中は、feキーの操作はできません。
MathMath
– 28 –
余り計算が通常の除算となるケースについて
次のような場合は余り計算を実行しても、通常の除算として扱われ
ます。
u 除数または被除数が非常に大きい値の場合
例: 20000000000S'÷R
17= 20000000000 ÷17 の演算を実行
u 商が正の整数でない場合、余りが正の整数あるいは正の小数で
ない場合
例:-5S'÷R2= –5 ÷2の演算を実行
素因数分解 (fx-915ES/fx-995ES のみ)
(COMP)
計算結果として表示中の10 桁未満の正の整数を、3桁以内の素因数
に分解して表示することができます。
素因数分解の操作
- 1014 を素因数分解する。
1014=
1e(FACT)
- 4104676= 22×10132を素因数分解する。
1e(FACT)
4桁以上の素数を因数として持つ数値を素因数分解すると、分解
できない部分が( )で括って表示されます。
素因数分解の解除
素因数分解の結果表示は、次の操作を行うと解除されます。
u 1e(FACT) またはwを押す。
u Weのいずれかのキーを押す。
u セットアップの角度設定DegRadGraまたは表示桁数設
FixSciNormを変更した場合。
– 29 –
素因数分解に関するご注意
表示中の計算結果が小数、分数、または負数の場合は、素因数
分解は実行できませんMath ERROR となります)
PolRec÷Rの結果表示中は、素因数分解は実行できません。
カルク機能(数式記憶機能)
本機の「カルク機能」、変数(変数メモリーまたは独立メモリー)を含
む計算式を入力し、式で使用した変数に特定の値を代入したときの答
えを算出する機能です。COMP モード、CMPLX モードで利用できます。
カルク機能では、次の形式の計算式を処理することができます。
a 変数を含む計算式
例: 2X 3Y5B 3i2AX 3BY C
b マルチステートメント(各計算式の条件はaと同様)
例: X YXXY
c 左辺が1変数の代入式{変数}{計算式}の形式)
左辺に単独の変数を置き、右辺の計算式と等号Ss=
入力)で結んだ代入式です。計算結果が左辺の変数に格納され
る点を除き、aの場合と同様です。
例: Y 2XAX2X3
カルク機能を使った計算例
an+1=an+2n (a1=1) のとき、a2からa5までの値を求めよ。
(解 a2=3, a3=7, a4=13, a5=21
a Sf(Y)Ss(=)
Sf(Y)+2Sy(A)
s
a1 = 1 の代入) 1=
n = 1 の代入) 1=
a2の値
– 30 –
ソルブ機能 (COMP)
本機の「ソルブ機能」、入力した方程式の解を、ニュートン法に
よって近似値で求める機能です。COMP モードで利用できます。
ソルブ機能で実行可能な式について
ソルブ機能では、特に指定しない限りは、入力した方程式をXにつ
いて解きます。
例: Y X5 X sin(M)
X3BC
XY C XY C0として扱われます)
また、解を求める対象の変数は次の形式で指定します。
{方程式}, { 変数}
例: Y X5, Y Yについて求解)
ご注意
sin log など開きカッコ付きで入力される関数を方程式の中で
使用する場合は、閉じカッコを省略しないでください。
ソルブ機能の方程式には、次の入力はできません。
u 積分、微分、Σ(Π(*÷RPol(Rec( の各関数の入力
*fx-915ESfx-995ES のみ)
u マルチステートメントの入力
求解対象の変数が式の中に存在しない場合は、エラーVariable
ERRORとなります。
ソルブ機能の操作
- yax2 –2 y0, a1として、xについて解く
A Sf(Y)Ss(=)Sy(A)
S)(X)w-2
1)(,)S)(X)
1s(SOLVE)
最初の変数Yの入力画面が
表示されます
Yへの数値入力を促す
現在のYの値が表示される
MathMath
MathMath
– 31 –
Y0を代入) 0=
A1を代入) 1=
現在のXの値が表示される
(求解を実行) =
ソルブ機能の操作中に操作を中止するには、Aを押します。
変数への数値の代入は、ライン表示形式での入力となります。
求解できない場合は、メッセージCant Solveを表示します。
A ソルブ機能利用時のご注意
求めたい変数の初期値によっては、解が求められない場合があ
ります。その場合は、求解対象の変数の初期値に、解に近いと
思われる数値を入力してから、再度計算してください。
解の存在する式でも、解が求められない場合があります。
ソルブ計算はニュートン法を用いて計算しています。そのため
複数個の解が存在する場合、いずれか1つの解のみ求めることが
できます。
ニュートン法の性質上、次のような関数は解を求めにくい傾向
にあります。
u 周期関数ysinxなど)
u 急勾配の部分を持つ関数yex, y1/xなど)
u 不連続な関数y'x など)
A 求解画面の表示内容について
「左辺−右辺の結果」、求解した変数の値を使って左辺−右辺
を計算したもので、0に近いほど解の精度が高いことになります。
MathMath
MathMath
MathMath
Math
求解式(入力した方程式)
左辺−右辺の結果
求解対象の
変数
Math
求解式(入力した方程式)
左辺−右辺の結果
求解対象の
変数
– 32 –
A 収束途中画面について
本機のソルブ機能による所定の回数の演算を実行しても求解できな
かった場合は、 Continue: [=] のメッセージが表示されます。
この場合は、=を押すと、さらに演算が継続されます。
関数計算
本節ではCOMP モードで操作を示します。
A 関数計算実行時のご注意
計算の内容によっては演算結果が表示されるまでに時間がかか
ることがあります。
次の計算に移る際は、前の計算結果が表示されるまで待ってく
ださい(演算を中断するにはAを押します)
A 構文凡例
本節では、各関数の構文を次の要領で記述します。
構文の記述はこのようなグレー地の中に記します。
関数を表す文字列は下線を引いて表します。
引数として入力可能な文字列を { } で括って表記します。基本的
{数値} または { }のいずれかです。
{数値}{}の両方が入力可能な場合、略して{n}(または{m}
と表記します。
構文中の{ }( )で括られている場合( )の入力が必要である
ことを表します。
円周率 πと自然対数の底 e
円周率π、自然対数の底e、式に入力して使うことができます
本機では、それぞれ次の値として計算します。
π3.14159265358980 15π
e2.71828182845904 S5e
πeは、BASE-N モードを除くすべてのモードで利用可能です。
– 33 –
三角関数と逆三角関数
A 構文と入力操作
sin({n})cos(, tan(, sin–1(, cos–1(, tan–1(も同様)
A 留意事項
三角関数、逆三角関数の計算時に使われる角度の単位は、本機
の現在の角度設定によって決まります。
角度単位変換
Deg、ラジアンRad、グラードGraの特定の角度単位で入
力した数値を、セットアップの角度設定11 ページ参照)で現在選
択されている角度単位に変換することができます。
変換には1GDRG'を押すと表示
される次のメニューを使います。
- π
2ラジアン=90̊
Degに変換するので、角度設定をDeg にします。
az (15(π)/2)
1G(DRG')2(r)=
双曲線関数と逆双曲線関数
A 構文と入力操作
sinh({n})cosh(, tanh(, sinh–1(, cosh–1(, tanh–1( も同様)
- sinh 1 1.175201194
a w1(sinh)1)=
– 34 –
指数関数と対数関数
A 構文と入力操作
10^ {n} ...............................e^も同様)
log({n}) ...............................log10{n} (常用対数)
log({m},{n}) .........................log{m}{n} (底{m}の対数)
ln({n}) .................................loge{n} (自然対数)
- log216 4 log16 1.204119983
a l21)(,)16)=
l16)=
底の指定がない場合は、底10(常用対数)として扱われる
logmnの構文による入力は、自然表示形式の選択時に&キー
で入力できます。
A &2e16=
べき乗関数とべき乗根関数
A 構文と入力操作
{n} X2 .................................X3, X–1 も同様)
{m} X^{n} .............................{m}{n}
'({n}) ..............................(平方根)
3'({n}) .............................(立方根)
{m} ^'({n}) ........................(べき乗根)
A 留意事項
X2, X3, X–1 の各関数はCMPLX モードでの複素数計算で利用で
きます(引数が複素数の演算実行が可能です)
CMPLX モードでX^, '(, 3'(, ^'(の各関数は、複素数を引数
として計算できません。
X2, X3, X^, X–1 は連続して入力することはできません(例えば
2 ww と操作しても、最後のwは無効)222と入力する場合
は、2 wと押した後dキーを押してから、wを押します。
– 35 –
積分計算と微分計算
A 積分計算の構文と入力操作
本機は、ガウス-クロンロッドGauss-Kronrod法による数値積分
を行います。
( f(x), a, b, tol)
f(x): X の関数式(変数Xを用いた式を入力)
u X以外の変数は定数とみなされます。
a: 積分区間の下限を指定
b: 積分区間の上限を指定
tol: 許容誤差範囲を指定(ライン表示時のみ入力可)
u 入力を省略できます(省略時は1×10–5 で計算)
-(ln(x), 1, e)1 tol 省略時の例)
A 7iS)(X))
c1fS5(e)=
a 7iS)(X))1)(,)
11)(,)S5(e))=
A 正確な積分値を求めるための注意点
周期関数や、積分区間によって関数 f(x)の値が正・負になる場合
1周期ごと、または正の部分と負の部分に分けて積分値を求
め、各々を加算します。
積分区間の微少移動により、積分値が大きく変動する場合
積分区間を分割して(変動の大きい箇所をより細かく分割す
る)積分値を求め、各々を加算します。
MathMath
∫∫
a
c f(x)dx + (– c
b f(x)dx)
負の部分
S負)
正の部分
S正)
S
S
∫∫
a
c f(x)dx + (– c
b f(x)dx)
負の部分
S負)
正の部分
S正)
S
S
a
b f(x)dx = a
x1
f(x)dx + x1
x2
f(x)dx +
∫∫∫
.....+ x4
b
f(x)dx
a
b f(x)dx = a
x1
f(x)dx + x1
x2
f(x)dx +
∫∫∫
.....+ x4
b
f(x)dx
– 36 –
A 微分計算の構文と入力操作
本機は、中心差分法に基づいて微分係数の近似計算を行います。
d/dx( f(x), a, tol)
f(x): X の関数式(変数Xを用いた式を入力)
u X以外の変数は定数とみなされます。
a: 微分係数を求めたい点(微分点)の値を入力
tol: 許容誤差範囲を指定(ライン表示時のみ入力可)
u 入力を省略できます(省略時は1×10–10 で計算)
- 関数ysin(x)の点xπ
2における微分係数を求める
tol 省略時の例)
Z 17(F)sS)(X)) .....
A (上記①に続けて)
e'15(π)c2=
a (上記①に続けて)
1)(,)15(π)'2)=
A 積分計算と微分計算の留意事項
(d
dx ( は、COMP モードでのみ利用可能です。
f(x), a, b, tol Pol(, Rec(, (, d/dx(, Σ(, Π(*, ÷Rの関数は使用でき
ません。*fx-915ESfx-995ES のみ)
積分区間 axbにおいて f(x)0の場合は積分結果は負の値
になります。
例: (0.5X2–2, –2, 2) –5.333333333
三角関数の積分計算/微分計算は、角度設定をRad にして行っ
てください。
積分計算は、計算に時間がかかることがあります。
終了条件を満たせずに求解処理が終了してしまった場合はエ
ラーTime Outとなります。
tol の数値を小さくするほど、精度があがる傾向にありますが
演算時間もかかるようになります。 tol 値には1×10–14 以上の値
を指定してください。
tol の入力を省略した場合、解が収束しないときはtol の値を自
動的に調整して解を求めます。
MathMath
– 37 –
積分する関数の種類、積分区間における正・負、または積分し
たい区間によっては求めた積分値の誤差が大きくなり、エラー
となることがあります。
不連続な点、急激に変化する部分、極大点や極小点、変曲点
微分不可能な点を含む場合、微分演算結果が0近傍の値の場合に
は、精度が出なかったりエラーになったりする場合があります。
Σ計算
計算式:Σ( f(x), a, b)f(a)f(a1) ...... f(b)
A 構文と入力操作
Σ( f(x), a, b)
f(x): X の関数式(変数Xを用いた式を入力)
u X以外の変数は定数とみなされます。
a: 計算区間の始点を指定
b: 計算区間の終点を指定
u a, bは整数で、–1 ×1010 ab1×1010 とします。
u 計算のステップ値は1固定です。
- Σ(X 1, 1, 5) 20
A 1&(8)S)(X)
+1c1f5=
a 1&(8)S)(X)
+11)(,)
11)(,)5)=
A 留意事項
Σ( は、COMP モードでのみ利用可能です。
f(x), a, bPol(, Rec(, (, d/dx(, Σ(, Π(*, ÷Rの関数は使用できま
せん。*fx-915ESfx-995ES のみ)
始点aと終点bの差が大きい場合、演算に時間がかかります。
MathMath
– 38 –
Π計算fx-915ES/fx-995ES のみ)
入力式f(x)に対して、指定された範囲のf(x)の積(総積)を求めます。
計算式:Π(f(x), a, b) f(a)×f(a1) × ...... ×f(b)
A 構文と入力操作
Π( f(x), a, b)
f(x): X の関数式(変数Xを用いた式を入力)
u X以外の変数は定数とみなされます。
a: 計算区間の始点を指定
b: 計算区間の終点を指定
u a, bは整数でa1×1010 b1×1010abとし
ます。
u 計算のステップ値は1固定です。
- Π(X 1, 1, 5) 720
A S&(9)S)(X)
+1e1e5=
a S&(9)S)(X)
+11)(,)
11)(,)5)=
A 留意事項
Π( は、COMP モードでのみ利用可能です。
f(x), a, bPol(, Rec(, (, d/dx(, Σ(, Π(, ÷R の関数は使用できませ
ん。
始点aと終点bの差が大きい場合、演算に時間がかかります。
座標変換(直交座標 極座標)
直交座標と極座標の相互変換を実行することができます。
MathMath
直交座標(Rec) 極座標(Pol)直交座標(Rec) 極座標(Pol)
– 39 –
A 構文と入力操作
極座標への変換Pol) 直交座標への変換Rec
Pol( X, Y)
X: 直交座標のX値を指定
Y: 直交座標のY値を指定
Rec( r, )
r :極座標のr値を指定
: 極座標の 値を指定
操作例は91 ページを参照してください。
結果は、–180˚ 180˚ の範囲で表示されます。
結果、現在の角度設定11 ページ参照)に従ってDegRad
Gra の値に変換され、結果表示されます。
計算結果として得られたrの値またはXYの値は、それぞれ
変数メモリー26 ページ参照)XYに格納されます。
入力値の は、現在の角度設定11 ページ参照)によって決まり
ます。
その他の関数
!, Abs(, Ran#, RanInt#(, nPr, nCr, Rnd(, GCD(, LCM(, Int(, Intg(
A 階乗(!)
構文: {n} !
{数値}(または{}の計算結果)0または正の整数の場合のみ有
効です。
A 絶対値計算Abs
構文: Abs({n})
A 乱数Ran#
0.000 0.999 の疑似乱数を発生させる関数です。
構文: Ran#
- 1000Ran# 3桁の乱数を得る
a 10001.(Ran#)=
自然表示では、結果が分数で表示されます。
上記の数値は一例であり、結果は操作ごとに異なります。
– 40 –
A 整数乱数RanInt#
開始値mと終了値n間の整数の疑似乱数を発生させる関数です。
構文: RanInt#({m}, {n}) (ただしm, nは整数でmnm,
n1E10n m1E10
- 1 から6 の間で整数の乱数を得る
a S.(RanInt)
11)6)=
=
上記の数値は一例であり、結果は操作ごとに異なります。
A 順列nPr/組合せnCr計算
構文: {n} nPr {m}, {n} nCr {m}
- 10 人の中から4人を選んで作る順列は、それぞれ何通りか?
a 101*(nPr)4=
A 丸め関数Rnd
引数として指定された数値や式の結果を小数化して、現在の表示桁
数設定NormFixSciに従って指定桁に四捨五入する(丸める)
数です。
構文: Rnd({n})
Norm1Norm2:仮数部の11 桁目で四捨五入を行います。
FixSci:指定桁数の次の桁で四捨五入を行います。
- 200 ÷7×14 400
a
(小数点以下3桁指定)
1N6(Fix)3
200/7=
(指定桁での数値丸めを実行)
10(Rnd)=
(丸めの確認)
*14=
– 41 –
A 最大公約数GCD/最小公倍数LCM計算
最大公約数、最小公倍数の計算を行うことができます。
構文: GCD({n},{m}), LCM({n},{m})
- 28 35 の最大公約数を求める
a S*(GCD)281)(,)
35)=
A Int 計算fx-915ES/fx-995ES のみ)
引数として指定された数値の整数部分を取り出す関数です。
構文: Int({n})
- –3.5 の整数部は?
a S+(Int)-3.5)=
A Intg 計算fx-915ES/fx-995ES のみ)
引数として指定された数値を超えない最大の整数値を求める関数で
す。
構文: Intg({n})
- –3.5 を超えない整数は?
a S-(Intg)-3.5)=
表示変換機能
Eng 変換と逆 Eng 変換
計算結果として表示中の数値の指数部を、3の倍数に変換します。
A Eng 変換の操作例
1 1,234 Eng 変換して表示する
a 1234=W
2 123 を逆Eng 変換して表示する
a 123=1W()
– 42 –
S-D 変換
計算結果として表示中の小数を分数やπの形式に変換したり、その
逆の変換をします。
A 変換が可能な形式について
分数形式: 分数として変換可能な小数を、分数形式に変換します
仮分数、帯分数のどちらで表示を行うかは、変換時の
分数表示設定に従います。
π形式: πを含む次の形式への数値の変換が可能です(自然表示
時のみ有効)
nπ nは整数)
c
dπまたは c
bπ
a(分数表示設定に従います)
分数のπ形式への変換では、変換できるものは逆三角関数の結果
やラジアンで一般的に表現される数値に限られます。
計算結果が'形式で得られた場合に、fにて小数表示に変換
することが可能です。
しかし、計算結果が小数表示の場合は'形式に変換すること
はできません。
A S-D 変換の例
1 分数 小数 A 5
6 f 0.8333333333
2 πを含む分数 小数 A 2π
5 f 1.256637061
3 'を含む数 小数 A '6 f 2.449489743
複素数計算 (CMPLX)
本節の計算を行う際は、CMPLX モードにします。
複素数計算の概要
A 本機で可能な複素数計算について
加減乗除計算、逆数・2乗・3(関数X–1, X2, X3を使用)、偏角と絶
対値の計算、共役複素数の計算ができます。
– 43 –
A 計算結果の表示形式について
直交座標形式と極座標形式のいずれかを選ぶことができます。
座標形式の切り替えは、セットアップ12 ページ参照)で行います。
直交座標形式 (abi)選択時の計算例と結果表示例
- 2×('3 i)2'3 2i3.464101615 2i
A 2*(!3e
+W(i))=
a 2*(!3)
+W(i))=
ライン表示時は計算結果が実部と虚部の2行に表示される
極座標形式r選択時の計算例と結果表示例
- 2×('3i) = 2'32i = 4 30
Az 2*(!3e+
W(i))=
偏角 は、–180˚ 180˚ の範囲で出力されます。
偏角 の入力時(および計算結果表示時)の単位は、現在の角度
設定11 ページ参照)によって決まります。
A 複素数メニューについて
CMPLX モードの選択時には、複素数メニューが利用可能です。複
素数メニューは、12CMPLXを押すと表示されます。
共役複素数Conjg
- 23i の共役複素数を求める
A 12(CMPLX)2(Conjg)
2+3W(i))=
a
ba + bi
虚軸
実軸
虚軸
実軸
偏角
絶対
直交座標形式 極座標形式
(複素数の大きさ)
a
ba + bi
虚軸
実軸
虚軸
実軸
偏角
絶対
直交座標形式 極座標形式
(複素数の大きさ)
– 44 –
絶対値と偏角の計算Abs, arg
- 22i の絶対値と偏角を求める
Az
絶対値の算出: 1w(Abs)
2+2W(i)=
偏角の算出: 12(CMPLX)1(arg)
2+2W(i))=
計算結果表示形式の強制指定
A 計算結果を直交座標形式で表示するには
計算式の末尾に12CMPLX4'abiを押します。
- 2'245 = 2 2i
Az
2!2e1y()45
12(CMPLX)4('abi)=
A 計算結果を極座標形式で表示するには
計算式の末尾に12CMPLX3'rを押します。
統計計算 (STAT)
本節の計算を行う際は、STAT モードにします。
STAT メニューを表示させるキーはfx-375ES/fx-915ES では
11STATですがfx-995ES では11STAT/DISTです
本節では、このキーを11STATと表します。
統計計算の概要
A 統計計算の操作の流れ
1. N3STATを押します。
u 右のようなSTAT タイプ選択画面
が初期表示されます。
2. ここでは11-VARを押します。
u 右のようなSTAT エディタ画面
表示されます。
MathCMPLX MathCMPLX
STATSTAT
– 45 –
3. 標本データを入力します。
u ここでは例として10, 11, 12 と入
力します。
10= 11= 12=
4. Aを押します。
u STAT 演算画面が表示されます。
この画面では、STAT エディタ画面で入力した標本データに基づ
く統計計算やCOMP モードとほぼ同様の各種計算を実行する
ことができます。
5. ここからの操作は、実際の統計計算
の例です。
11STATを押します。
u 右のようなSTAT メニューが表示
されます。
この画面からコマンドを選択して統計計算を実行したり、他の
画面に移動することなどができます。
6. 計算例:標本データの平均値を求め
ます。
4Varを押してください。
u Var サブメニューが表示されます。
7. 2oを押します。
u STAT 演算画面が表示され、平均
値を求めるoコマンドが入力され
ます。
8. =を押します。
u 計算結果(標本データの平均値)
表示されます。
A 統計計算のタイプについて
統計計算のタイプはSTAT モードに入ると表示されるSTAT タイ
プ選択画面で数字キー18を押して選ぶことができます。
STATSTAT
STATSTAT
STATSTAT
STATSTAT
– 46 –
キー 選択画面表示 統計計算のタイプ 変数の数
11-VAR 一変数統計演算 一変数X
2A+BX 一次回帰演算
二変数X, Y
3_+CX2二次回帰演算
4ln X 対数回帰演算
5e^X e指数回帰演算
6A•B^X ab 指数回帰演算
7A•X^B べき乗回帰演算
81/X 逆数回帰演算
統計計算のタイプを切り替えるには
11STAT1Typeを押すとSTAT タイプ選択画面が表示さ
れるので、切り替えたいタイプを選択します。
変数の数が異なる統計計算タイプに切り替えると、現在登録さ
れている標本データがクリアされます。
変数の数が同じ(二変数の)統計計算タイプの間での切り替えの
場合は、標本データは保持されます。同じ標本データに基づい
て、異なる回帰演算を実行することが可能です。
A 標本データの入力について
STAT エディタ画面について
STAT エディタ画面の1行が11組)の標本データを表します
現在選択されている統計計算タイプが一変数か、二変数かに応じ
て、STAT エディタ画面の表示は次のようになります。
一変数の場合 二変数の場合
FREQ(頻度)列の表示について
セットアップの統計表示設定12 ページ参照)、初期設定では
OFF になっています。これをON に切り替えるとSTAT エディタ
画面にFREQ (ラベル名FREQ)が追加されます。
FREQ 列には、各行の標本データの
頻度(同一標本データのデータ数)
、数値で入力することができま
。標本データを入力すると、その
行のFREQ 列には初期値として1が自動的に入力されます。
STATSTAT STATSTAT
STATSTAT
– 47 –
入力に関するご注意
1 入力可能な行数(標本データ数)は、現在選択されている統計計
算タイプと、本機のセットアップの「統計表示設定」の状態に
よって次のように異なります。
一変数統計 二変数統計
統計表示設定 OFF 80 *140
統計表示設定 ON 40 *226
*
1 fx-995ES では40 行になります。
*
2 fx-995ES では20 行になります。
2 標本データの入力は、常にライン表示形式となります。
3 STAT エディタ画面では次の入力操作はできません。
u m1mM–キーの操作
u 変数メモリーへの数値登録操作STO
u 座標変換PolRec÷R、マルチステートメント
標本データの保持に関するご注意
次の操作を行うとSTAT モードで入力した標本データはすべて消
えてしまいますので、ご注意ください。
STAT モードから他の計算モードに切り替えた場合
セットアップで統計表示設定FREQ 列の表示/非表示設定)
切り替えた場合
A 標本データの編集について
入力済みのセル内のデータを上書きするには
基本的には標本データの初期入力時の操作と同じです。
ご注意
すでに入力済みの数値の一部を変更することはできません。
特定の行を削除するには
1. STAT エディタ画面で、削除したい行のいずれかのセルにカーソ
ルを移動します。
2. Yを押します。
u カーソル位置の行全体が削除され、削除した行以降の行が順次
繰り上がります。
特定の位置に行を挿入するには
1. STAT エディタ画面で、行を挿入したい位置の直後の行のいずれ
かのセルに、カーソルを移動します。
– 48 –
2. 11STAT3EDITと押します。
u Edit サブメニューが表示されます。
3. 1Insを押します。
u 行の挿入が実行され、STAT エディタ画面に戻ります。
ご注意
すでに入力可能な行数いっぱいまで入力済みの場合は、行の挿入は
実行されません。
すべての標本データを一括削除するには
1. STAT エディタ画面で、11STAT3EDITと押します。
u Edit サブメニューが表示されます。
2. 2Del-Aを押します。
u すべての標本データが削除されます。
A STAT 演算画面について
11STATを押すと表示されるSTAT メニューから、現在選択
されている統計計算のタイプ45 ページ参照)に応じたコマンドを
STAT 演算画面に呼び出し、演算を実行することができます。
入力データ個数や、選択した統計計算の種類によっては、統計
計算に時間がかかることがあります。
STAT 演算画面で可能なその他の操作について
基本的にCOMP モード時と同様の、四則演算や関数計算などの操
作が可能です。ただし次の機能は無効となります。
複数の計算履歴の記憶、カルク機能、ソルブ機能、一部の関数計算
(微分、積分など)、マルチステートメントの入力
セットアップの設定にかかわらず、ライン表示形式となります。
A STAT メニューについて
STAT メニューの内容は、現在選択されている統計計算のタイプ
45 ページ参照)や表示中の画面によって、メニュー項目が異なり
ます。
共通のメニュー項目
メニュー名 説 明
1Type STAT タイプ選択画面を表示します。
2Data STAT エディタ画面を表示します。
3Edit
STAT エディタ画面)
STAT エディタに対する編集を行うため
Edit サブメニューを表示します。
– 49 –
3Sum
STAT 演算画面)
各種の総和を求めるコマンドを含むSum
サブメニューを表示します。
4Var 平均や標準偏差などを求めるコマンドを
含むVar サブメニューを表示します。
6MinMax 最大値/最小値などを求めるコマンドを
含むMinMax サブメニューを表示します。
3Sum4Var6MinMax の各サブメニューに含まれるコマン
ドについて詳しくは「一変数統計演算」(下記)および「回帰演算
(二変数統計演算)51 ページ)の該当項目を参照してください。
一変数時のメニュー項目
メニュー名 説 明
5Distr 正規分布演算を実行するコマンドを含む
Distr サブメニューを表示します。
二変数時のメニュー項目
メニュー名 説 明
5Reg 回帰演算を実行するコマンドを含むReg
サブメニューを表示します。
一変数統計演算
A 総和Sum サブメニュー)
1Σx2 標本の2乗和を求めます。
2Σx 標本の総和を求めます。
A 標本数/平均/標準偏差Var サブメニュー)
1n 標本数を求めます。
2o 平均を求めます。oΣx
n
=
3σx 母標準偏差を求めます。σxn
=Σ (x o)2
4sx 標本標準偏差を求めます。sxn – 1
=Σ (x o)2
A 最大値/最小値MinMax サブメニュー)
1minX 標本の最小値を求めます。
2maxX 標本の最大値を求めます。
– 50 –
fx-995ES のみ:
3Q1 標本の第1四分位数を求めます。
4med 標本の中央値を求めます。
5Q3 標本の第3四分位数を求めます。
A 正規分布演算Distr サブメニュー)
標準正規分布の分布確率を計算できます。標準化変量t は、STAT
エディタ画面で入力したデータから得られる平均値oと母標準偏
差値σxを用いて、算出します。
1P( 2Q( 3R( 4't
下図のグレー部分の分布確率P(t), Q(t), R(t)を算出します。
標準正規分布
P
(t)Q
(t)R
(t)
0 t0 t0 t
A 一変数統計演算の例題
1 一変数統計演算を選択して次のデータを入力する。
x01234567910
度数FREQ1212223421
入力したデータに対して、平均を求める。
1Nc4(STAT)1(ON)N3(STAT)1(1-VAR)
0=1=2=3=4=
5=6=7=9=10=
cec2=c2=2
=2=3=4=2=
A11(STAT)4(Var)2(o)=
2 1で入力したデータを標準正規分布近似するときx3
のときの標準化変量の値以下の分布確率を求める。
11(STAT)5(Distr)
1(P( )311(STAT)
5(Distr)4('t))=
STATSTAT
– 51 –
回帰演算(二変数統計演算)
A 一次回帰演算
11(STAT)1(Type)2(A+BX)
次の理論式による回帰を実行します。
総和Sum サブメニュー)
1Σx2 標本のXデータの2乗和を求めます。
2Σx 標本のXデータの総和を求めます。
3Σy2 標本のYデータの2乗和を求めます。
4Σy 標本のYデータの総和を求めます。
5Σxy 標本のXデータとYデータの積和を求めます。
6Σx3 標本のXデータの3乗和を求めます。
7Σx2y 標本の{X データの2乗×Yデータ}の総和を求めます。
8Σx4 標本のXデータの4乗和を求めます。
標本数/平均/標準偏差Var サブメニュー)
1n 標本数を求めます。
2o 標本のXデータの平均を求めます。
3σx 標本のXデータの母標準偏差を求めます。
4sx 標本のXデータの標本標準偏差を求めます。
5p 標本のYデータの平均を求めます。
6σy 標本のYデータの母標準偏差を求めます。
7sy 標本のYデータの標本標準偏差を求めます。
最大値/最小値MinMax サブメニュー)
1minX 標本のXデータの最小値を求めます。
2maxX 標本のXデータの最大値を求めます。
3minY 標本のYデータの最小値を求めます。
4maxY 標本のYデータの最大値を求めます。
回帰演算Reg サブメニュー)
1A 回帰係数の定数項Aを求めます。
2B 回帰係数Bを求めます。
3r 相関係数rを求めます。
4m x推定値を求めます。
5n y推定値を求めます。
y = A + BXy = A + BX
– 52 –
- 下記データを一次回帰して回帰式および相関係数を求める。
また、回帰式よりx2のときのn yの推定値)を推定する。
x1.0 1.2 1.5 1.6 1.9 2.1 2.4 2.5 2.7 3.0
y1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 2.0
1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)2(A+BX)
1=1.2=1.5=
1.6=1.9=2.1=
2.4=2.5=2.7=
3=
ce1=
1.1=1.2=1.3=
1.4=1.5=1.6=
1.7=1.8=2=
A11(STAT)5(Reg)
1(A)=
11(STAT)5(Reg)2(B)=
11(STAT)5(Reg)3(r)=
x2のときnは?
211(STAT)5(Reg)5(n)=
A 二次回帰演算
11(STAT)1(Type)3(_+CX2)
次の理論式による回帰を実行します。
総和Sum サブメニュー、標本数/平均/標準偏差Var サブメ
ニュー、最大値/最小値MinMax サブメニューについては
「一次回帰演算」51 ページ参照)と同様です。
STATSTAT
STATSTAT
y = A + BX + CX
2
y = A + BX + CX
2
– 53 –
回帰演算Reg サブメニュー)
1A 回帰係数の定数項Aを求めます。
2B 回帰係数の一次係数Bを求めます。
3C 回帰係数の二次係数Cを求めます。
4m1 xの大きいほうの推定値を求めます。
5m2 xの小さいほうの推定値を求めます。
6n y推定値を求めます。
- 52 ページ(一次回帰演算の例題)で入力したデータを二次回
帰して、回帰式よりy3のときのm1m2xの推定値)、およ
x2のときのnyの推定値)をそれぞれ推定する。
y3のときm1は?
A311(STAT)5(Reg)4(m1)=
y3のときm2は?
311(STAT)5(Reg)5(m2)=
x2のときnは?
211(STAT)5(Reg)6(n)=
A 対数回帰演算
11(STAT)1(Type)4(ln X)
次の理論式による回帰を実行します。
すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算51 ページ
参照)と同様です。
A e指数回帰演算
11(STAT)1(Type)5(e^X)
次の理論式による回帰を実行します。
すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算51 ページ
参照)と同様です。
A ab 指数回帰演算
11(STAT)1(Type)6(A • B^X)
y = A + BlnXy = A + BlnX
y = AeBX
y = AeBX
– 54 –
次の理論式による回帰を実行します。
すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算51 ページ
参照)と同様です。
演算式は次の通りです。
A べき乗回帰演算
11(STAT)1(Type)7(A • X^B)
次の理論式による回帰を実行します。
すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算51 ページ
参照)と同様です。
A 逆数回帰演算
11(STAT)1(Type)8(1/X)
次の理論式による回帰を実行します。
すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算51 ページ
参照)と同様です。
n進計算 (BASE-N)
本節の計算を行う際は、BASE-N モードにします。
n進計算の概要
A 基数の設定について
基数の設定には次の各キーを使います。
キー 選択される基数 画面上の基数表示
U(x2)10 Dec
y = ABX
y = ABX
A = exp
(
)
n
Σlny lnB.ΣxB = exp
(
)
n.Σx2 (Σx)2
n.Σxlny Σx.Σlny
r =
{n.Σx2 (Σx)2}{n.Σ(lny)2 (Σlny)2}
n.Σxlny Σx.Σlny
=lnB
lny – lnAn = ABx
A = exp
(
)
n
Σlny lnB.ΣxB = exp
(
)
n.Σx2 (Σx)2
n.Σxlny Σx.Σlny
r =
{n.Σx2 (Σx)2}{n.Σ(lny)2 (Σlny)2}
n.Σxlny Σx.Σlny
=lnB
lny – lnAn = ABx
y = AXB
y = AXB
y = A + X
B
y = A + X
B
– 55 –
c(x^)16 Hex
b(log) 2Bin
q(In) 8Oct
BASE-N モードに入った時点では、前回の設定にかかわらず、基
数は10 進に設定されます。
数値の入力と計算例
- 2進法で1212を計算する
Ab1+1=
BASE-N モードでは、小数や指数部の入力はできません。また、
演算結果が小数となる場合は、小数部は切り捨てられます。
16 進法での数値の入力と計算例
16 進法で数値を入力する際に必要なABCDEFは、次の各キー
で入力します。
- 16 進法で1F16+116 を計算する
Ac1F+1=
計算結果を n進法で表示するには
計算結果は、常に現在の基数設定に従って表示されます。このた
、基数設定を変更することで、現在表示されている計算結果を2
進、8進、10 進、16 進の間で切り替えることができます。
- 10 進数の3010 2進に変換する
AU30=b
A n進計算メニューについて
n進計算メニューは、13(BASE) を押すと表示されます。
1画面目(論理演算子) 2画面目(基数指定)
y
{A}e
{B}
w
{C}s
{D}c
{E}t
{F}
y
{A}e
{B}
w
{C}s
{D}c
{E}t
{F}
c
f
– 56 –
A 演算の有効範囲について
基数に応じて、次の範囲での演算が可能です。
基数 有効範囲
2正: 0000000000000000 x0111111111111111
負: 1000000000000000 x1111111111111111
8正: 00000000000 x17777777777
負: 20000000000 x37777777777
10 –2147483648 x2147483647
16 正: 00000000 x7FFFFFFF
負: 80000000 xFFFFFFFF
2進数の場合のみ、演算できる範囲が狭くなります2進数の場合
16 ビット、その他の場合は32 ビット)
計算結果が有効範囲を超えると、Math ERROR となります。
入力時の基数指定
例えば10 進数で3を入力するには、次のように操作します。
Ab13(BASE)c1(d)3
次に続く数値が10 進数であることを表す
計算結果は、常に現在の基数設定に従って表示されます。
負数計算および論理演算
2進、8進、16 進では、負数は2進数表記で2の補数をとった数
値を、元のn進表記に戻して使います。
10 進では、負数には負符号を表示します。
以下の例題は、すべて基数設定を2進にした場合で説明します。
A 論理積and
- 10102 and 1100210002
A 論理和or
- 10112 or 110102110112
A 排他的論理和xor
- 10102 xor 110021102
– 57 –
A 排他的論理和の否定xnor
- 11112 xnor 1012111111111101012
A 否定Not
ビット反転した結果を返します。
- Not1010211111111111101012
A 負数Neg
2の補数をとった結果を返します。
- Neg101101211111111110100112
方程式計算 (EQN)
本節の計算を行う際は、EQN モードにします。
方程式計算の概要(操作の流れ)
次の2元連立1次方程式の解を求める場合で、操作手順を例示しま
す。
表示形式は「自然表示入力 - 自然表示出力」に設定します。
X0.5Y 3
2X 3Y 4
1. N5EQNを押します。
u 右のようなEQN タイプ選択画面
初期表示されます。
2. ここでは1anXbnYcnを押して、2元連立1次方程式を選
択します。
u 右のような係数エディタ画面が表
示されます。
3. 方程式の係数を入力します。
1= 0.5= 3= 2= 3= 4=
Math
Math X0.5Y3
2X3Y4
の連立方程式を表す
– 58 –
4. 解を表示するには、=を押します。
u Xの解が表示されますEQN 解画
u cまたはfを押すことでX
解とYの解の間で表示を切り替え
ることができます。
方程式計算のタイプについて
本機では次のタイプの方程式計算が可能です。
キー 選択画面表示 方程式タイプ
1anX + bnY = cn2元連立1次方程式
2anX + bnY + cnZ = dn3元連立1次方程式
3aX2 + bX + c = 0 2 次方程式
4aX3 + bX2 + cX + d = 0 3 次方程式
A 方程式計算のタイプを切り替えるには
N5EQNを押してEQN モードに入り直しすことで、EQN タイ
プ選択画面を表示します。この操作を行うと、係数エディタ画面に
入力されていた値はすべてクリアされます。
係数の入力について
方程式の係数の入力には、係数エディタを使います。係数エディタ
画面には、選択されている方程式のタイプに応じて、必要なだけの
入力エリア(セル)が表示されます。
A 係数を入力/編集するには
入力は、現在カーソルが表示されているセルに対して行うこと
ができます。
ライン表示選択時のCOMP モードでの入力と同じ要領で、数値
や式の入力を行います。
入力中の内容を確定するには=を押します。確定と同時に
選択されていたセルに数値が表示されます(最大6桁)。計算式を
入力した場合は、計算結果が数値で入力されます。
入力済みの数値や式を変更するにはfcde を使って変
更したいセルにカーソルを移動し、入力し直します。
Math
Math
– 59 –
A すべての係数を 0に戻すには
入力の途中でAを押すと、すべての係数が0にリセットされます。
A 入力に関するご注意
係数エディタ画面での注意点はSTAT エディタ画面の場合とほぼ
同様です47 ページの「入力に関するご注意」23を参照して
ください。
解の表示について
解の表示中は、=を押すごとに次の解の表示に切り替わります。
解の表示中にAを押したり、最後の解が表示された後で=
押すと、係数エディタ画面に戻ります。
連立1次方程式の場合は、cまたはfを押すことで、X, Y(お
よびZの解の間で表示を切り替えることができます。
2次または3次方程式で、複数の解がある場合は、cまたはf
を押すことでX1, X2, X3(解の個数は方程式による)の間で表示
を切り替えることができます。
2次方程式ではa0では極大値X-Value MaximumY-Value
Maximum)を 、 a0では極小値X-Value MinimumY-Value
Minimumを求めることができます。
方程式の解表示中は、ENG 表示変換機能は使えません。
連立1次方程式の解は、自然表示の場合でも'を使った表示に
はなりません。
解がない場合はNo-Solution、解が無限にある場合はInfinite
solと表示されます。表示中にAまたは=を押すと、係数エ
ディタ画面に戻ります。
行列計算 (fx-915ES/fx-995ES のみ)
(MATRIX)
本節の計算を行う際は、MATRIX モードにします。
行列計算の概要
A 行列計算の操作の流れ
次の行列計算を実行する場合で、操作手順を例示します。
+=
2 0
0 2
1 2
3 4
5 2
3 8
2
– 60 –
MATRIX モードでは、計算に使う行列をMatA、MatB、MatC
という名前のメモリーエリア(行列メモリーに登録した上で
メモリー計算の要領で演算を実行します。
1. N6MATRIXを押します。
u 右のような行列選択画面が初期表
示されます。
2. 1(MatA) を押します。
u 右のような次元設定画面が表示さ
れます。
3. 2 2列の行列を登録するので、5(2 ×2) を押します。
u 次のような行列エディタ画面が表示されます。
このAはMatA を表す
4. 演算に使う1つ目の行列
2 0
0 2 を入力します。
2= 0= 0= 2=
5. 14(MATRIX) を押します。
u 右のような行列メニューが表示さ
れます。
6. 1(Dim) を押します。
u 手順1と同じ行列選択画面が表示されます。
u 2(MatB) を押してMatB を選択し2つ目の行列 1 2
3 4
入力を行います。入力は、手順24と同じ要領で行います。
7. 行列の入力が済んだらAを押し
ます。
8. 計算式MatA2 + MatBを入力しま
す。
14(MATRIX)3(MatA)w+
14(MATRIX)4(MatB)
MAT
MAT
MAT
MAT
– 61 –
9. 計算を実行するには、=を押します。
u 計算結果がMatAns 画面として表示されます。
このAnsはMatAns を表す
u Aを押すと行列演算画面に戻り、引き続き他の演算を行うこ
とができます。
A 行列演算画面について
MATRIX モードでの行列計算は、行列演算画面で行います。
行列メニューから、行列メモリーMatAMatBMatCを呼び出し、
行列計算を実行します。
計算を実行するごとに、最新の計算結果がMatAns に格納されま
す。MatAns も、行列メモリーと同様に行列メニューから呼び出
すことができます。
行列演算画面で可能なその他の操作について
基本的にCOMP モード時と同様の、四則演算や関数計算などの操
作が可能です。ただし次の機能は無効となります。
複数の計算履歴の記憶、カルク機能、ソルブ機能、一部の関数計算
(微分、積分など)、マルチステートメントの入力
セットアップの設定にかかわらず、ライン表示形式となります。
A MatAns 画面について
MatAns 画面は行列エディタ画面と同じ画面構成ですが、各要素
の編集を行うことはできません。
A 行列メニューについて
メニュー名 説 明
1Dim 行列メモリーMatAMatBMatCを選んで、
次元設定を行います。
2Data 行列エディタ画面を呼び出します。
3MatA MatAを入力します。
4MatB MatBを入力します。
5MatC MatCを入力します。
6MatAns MatAnsを入力します。
7det 行列式を求める関数det(を入力します。
8Trn 転置行列を求める関数Trn(を入力します。
MAT
– 62 –
c1Ref 階段型行列を求める関数Ref(を入力します。
c2Rref 被約階段型行列を求める関数Rref(を入力し
ます。
行列の入力と編集
A 行列メモリーに行列を登録するには
1. 14MATRIX1Dimと押します。
u 行列選択画面が表示されます。
2. 数字キー13を使って選択します。
u 次元設定画面が表示されます。
3. 数字キー16を使って、行列の次元を指定します。
u 33列以内で指定が可能です1n列を指定したい場合は、
cを押して次元設定画面の2画面目から指定します。
u 次元を指定すると、行列エディタ画面が表示されます。
4. 行列エディタ画面で、行列の各要素の入力を行います。
u 行列エディタ画面での入力/編集操作はEQN モードの係数
エディタと同じ要領で行うことができます。58 ページ参照)
u 入力後、行列演算画面を表示するには、Aを押します。
A 行列メモリーの内容を編集するには
1. 14MATRIX2Dataと押します。
2. 数字キー13を使って行列メモリーを選択します。
3. 行列の各要素の編集を行います。
A 行列メモリーのクリアについて
行列メモリーの内容がクリアされる条件は、次の通りです。
u MATRIX モードから出た場合
u N6を押して、MATRIX モードに入り直した場合
現在登録されている行列の次元とは異なる次元を次元設定画面
で指定した場合は、その行列メモリーだけがクリアされます。
A 入力に関するご注意
行列エディタ画面での注意点はSTAT エディタ画面の場合とほぼ
同様です47 ページの「入力に関するご注意」23を参照して
ください。
A 行列メモリーに行列をコピーするには
行列メモリーまたはMatAns に格納されている行列を、他の行列メ
モリーにコピーすることができます。次の手順で行います。
– 63 –
1. コピー元の行列メモリーを行列エディタ画面に呼び出すか
MatAns 画面を表示します。
2. 1tSTOを押します。
3. 行列のコピー先を指定します。
u 指定は変数メモリーのABCを選択する際と同じキー
yMatAeMatBwMatCを使います。
行列計算の実行
以下の例題では、MatA 2 1
1 1 MatB 2 −1
−1 2
MatC 1 0 −1
0 −1 1 が登録済みとします。
A 行列の加減算
行列の加減算は、次元の同じ行列同士でのみ実行可能です。
- MatA MatB
A14(MATRIX)3(MatA)
+14(MATRIX)4(MatB)
=
A 行列の乗算
行列の乗算(行列A×行列Bは、Aの列数と行列Bの行数が一
致する場合のみ実行可能です。
- MatA ×MatB
A14(MATRIX)3(MatA)
*14(MATRIX)4(MatB)
=
A 行列のスカラー倍
次の形式での演算が可能です。
n×MatAMatA ×nMatA ÷n
- 3×MatA
A3*14(MATRIX)
3(MatA)=
MAT
MAT
MAT
– 64 –
A 行列式(正方行列)
- MatA の行列式を求める
A14(MATRIX)7(det)
14(MATRIX)3(MatA))=
A 転置行列
- MatC の転置行列を求める
A14(MATRIX)8(Trn)
14(MATRIX)5(MatC))=
A 逆行列(正方行列)
–1の入力にはEを使います。6を使って入力することはでき
ませんので、ご注意ください。
- MatA の逆行列を求める
A14(MATRIX)3(MatA)E=
A 行列の要素の絶対値
- MatB の各要素の絶対値を求める
A1w(Abs)
14(MATRIX)4(MatB))=
A 行列の 2乗/3(正方行列)
2乗の入力にはwを、3乗の入力には1w(x3)を使います
6を使って入力することはできません。
- MatA 2乗および3乗を求める
A14(MATRIX)3(MatA)w=
14(MATRIX)3(MatA)
1w(x3)=
A 階段型行列
-
1 2 3
4 5 6
7 8 9 の階段型行列を求める。MatA にこの行列が登録
済みとします。
A14(MATRIX)c1(Ref)
14(MATRIX)3(MatA))=
MAT
– 65 –
A 被約階段型行列
-
1 2 3
4 5 6
7 8 9 の被約階段型行列を求める。MatA にこの行列が
登録済みとします。
A14(MATRIX)c2(Rref)
14(MATRIX)3(MatA))=
関数式からの数値テーブル生成
(TABLE)
本節の計算を行う際は、TABLE モードにします。
数値テーブル生成の概要(操作の流れ)
ここでは、次の2つの関数式とxの開始値/終了値/ステップ値
指定に基づく数値テーブルを生成する場合で、操作手順を例示しま
す。
関数式: f(x)x21
2 g(x)x21
2
開始値Start1 終了値End5 ステップ値Step1
次の操作手順は、セットアップの表示形式設定10 ページ参照)
「ライン表示」の場合で説明します。
1. fx-375ES ではN6TABLEfx-915ES/fx-995ES ではN7
TABLEを押します。
u 右のような関数式エディタ画面
初期表示されます。
数値テーブル生成の元となる関数式を入力します。
2. 関数式を入力します。
u 次のように入力します。
S)(X)w+1'2
=S)(X)w-1'2
u g(x)に何も入力しないで=を押すと、f(x)だけで数値テーブル
を生成します。
3. 関数式を確定するには、=を押します。
– 66 –
4. 開始値、終了値、ステップ値を入力します。
u 次のように入力します。
1=5=1=
u 入力した関数式と指定した開始値/終了値/ステップ値に基づ
く数値テーブルが、数値テーブル画面に表示されます。
u 数値テーブル画面では、各要素の数値を表示することができる
だけです。編集を行うことはできません。
u Aを押すと、関数式エディタ画面に戻ります。
関数式の登録と x値の指定について
A 登録が可能な関数式について
TABLE モードの関数式エディタ画面では、基本的にCOMP モード
時と同様に、数値や演算子、関数、定数、変数などの入力操作が可
能です。ただし、次の制限があります。
変数メモリーXを除く各変数メモリーABCDEFY
および独立メモリーMは、すべて数値(メモリー内に現在格納
されている数値)として扱われます。
関数式における変数は、変数メモリーXのみが使用可能です。
微分d/dx、積分 、座標変換PolRecΣ計算Π計算*
単位換算の各関数は入力できません。*fx-915ESfx-995ES のみ)
次の機能は利用できません。
リプレイ機能、カルク機能、ソルブ機能、マルチステートメン
トの入力m1mM–キーの操作、変数メモリーへの数
値登録操作STO
A x値の指定について
入力は、ライン表示形式で行います。
開始値、終了値、およびステップ値として、数値や計算式(結果
が数値となるような計算式)を入力することが可能です。
開始値よりも小さい終了値を指定した場合はエラーとなり、数
値テーブルは生成されません。
セットアップのテーブル設定によって、生成する数値テーブル
の個数が異なります。f(x)に設定した場合は最大30 個、f(x),g(x)
に設定した場合は最大20 個になります。
– 67 –
入力した関数式、およびx値の指定条件などにより、数値テーブ
ルの作成に時間がかかる場合があります。
数値テーブルを作成すると、変数メモリーXの値は書き換えられ
ます。
A 登録した関数式と x値の保持について
TABLE モードで登録した関数式とx(開始値/終了値/ステップ
値)が保持/クリアされる条件は、次の通りです。
u TABLE モードから出た場合
u TABLE モードに入り直した場合
u TABLE モードで本機の電源を切った場合(ただしx値は保持さ
れています。
TABLE モードでセットアップの表示形式設定(自然表示形式また
はライン表示形式の設定)を変更すると、登録されていた関数式
はクリアされます。
ベクトル計算 (fx-915ES/fx-995ES のみ)
(VECTOR)
本節の計算を行う際は、VECTOR モードにします。
ベクトル計算の概要
A ベクトル計算の操作の流れ
ここでは、次のベクトル計算を実行する場合で、操作手順を例示し
ます。
(1,2) (3,4) (4,6)
VECTOR モードでは、計算に使うベクトルデータをVctA、
VctB、VctCという名前のメモリーエリア(ベクトルメモリー
に登録した上で、メモリー計算の要領で演算を実行します。
1. N8VECTORを押します。
u 右のようなベクトル選択画面が初
期表示されます。
2. 1VctAを押します。
u 右のような次元設定画面が表示さ
れます。
– 68 –
3. 2 次元のベクトルを登録するので、22を押します。
u 次のようなベクトルエディタ画面が表示されます。
このAはVctA を表す
この画面を使ってベクトルの入力
や編集を行うことができます。
4. 演算に使う1つ目のベクトル1, 2
を入力します。
1= 2=
5. 15VECTORを押します。
u 右のようなベクトルメニューが表
示されます。
6. 1Dimを押します。
u 手順1と同じベクトル選択画面が表示されます。
u 2VctBを押してVctB を選択し、2つ目のベクトル 3, 4
入力を行います。入力は、手順24と同じ要領で行います。
7. ベクトルの入力が済んだら、Aを押します。
u 表示がクリアされます。
8. 計算式VctA VctBを入力します。
15(VECTOR)3(VctA)+
15(VECTOR)4(VctB)
9. 計算を実行するには、=を押します。
u 計算結果がVctAns 画面に表示されます。
このAnsはVctAns を表す
u Aを押すとベクトル演算画面に
戻り、引き続き他の演算を行うこ
とができます。
A ベクトル演算画面について
VECTOR モードでの計算は、ベクトル演算画面で行います。
ベクトルメニューから、ベクトルメモリーVctAVctBVctC
呼び出し、ベクトル計算を実行します。
計算を実行するごとに、最新の計算結果がVctAns に格納されま
す。VctAns 、ベクトルメモリーと同様にベクトルメニューか
ら呼び出して、計算に使うことができます。
VCT
VCT
VCT
VCT
– 69 –
ベクトル演算画面で可能なその他の操作について
MATRIX モード時と同様です。「行列演算画面で可能なその他の操作
について」61 ページ)を参照してください。
A VctAns 画面について
VctAns 画面はベクトルエディタ画面と同じ画面構成ですが、各
要素の編集を行うことはできません。
A ベクトルメニューについて
メニュー名 説 明
1Dim ベクトルメモリーVctAVctBVctCを選
んで、次元設定を行います。
2Data ベクトルエディタ画面を呼び出します。
3VctA VctAを入力します。
4VctB VctBを入力します。
5VctC VctCを入力します。
6VctAns VctAnsを入力します。
7Dot 内積を求めるコマンド を入力します。
ベクトルの入力と編集
A ベクトルメモリーにベクトルを登録するには
1. 15VECTOR1Dimと押します。
u ベクトル選択画面が表示されます。
2. 数字キー13を使って選択します。
u 次元設定画面が表示されます。
3. 数字キー12を使って、ベクトルの次元を指定します。
u 13次元または22次元のいずれかが指定可能です。
u 次元を指定すると、ベクトルエディタ画面が表示されます。
4. ベクトルエディタ画面で、ベクトルの各要素の入力を行います。
u ベクトルエディタ画面での入力/編集操作はEQN モードの
係数エディタと同じ要領で行うことができます58 ページ参
照)
u 入力後、ベクトル演算画面を表示するには、Aを押します。
A ベクトルメモリーの内容を編集するには
1. 15VECTOR2Dataと押します。
2. 数字キー13を使ってベクトルメモリーを選択します。
– 70 –
3. ベクトルの各要素の編集を行います。
A ベクトルメモリーのクリアについて
ベクトルメモリーのクリアについては、行列メモリーの場合とほぼ
同様です。62 ページ参照)
A 入力に関するご注意
ベクトルエディタ画面での注意点はSTAT エディタ画面の場合と
ほぼ同様です47 ページの「入力に関するご注意」23を参照
してください。
A ベクトルメモリーにベクトルをコピーするには
ベクトルメモリーのコピーについては、行列メモリーの場合とほぼ
同様です。62 ページ参照)
ベクトル計算の実行
以下の例題ではVctA 1,2VctB 3,4VctC 2,–1,2
登録済みとします。
A ベクトルの加減算
ベクトルの加減算は、次元の同じベクトル同士でのみ実行可能で
す。
- VctA VctB
A15(VECTOR)3(VctA)
+15(VECTOR)4(VctB)=
A ベクトルのスカラー倍
- 3×VctA
A3*15(VECTOR)3(VctA)=
A ベクトルの内積
内積は、次元の同じベクトル同士でのみ計算可能です。
- VctA VctB
A15(VECTOR)3(VctA)
15(VECTOR)7(Dot)
15(VECTOR)4(VctB)=
VCT
VCT
VCT
– 71 –
A ベクトルの外積
外積は、次元の同じベクトル同士でのみ計算可能です。
- VctA ×VctB
A15(VECTOR)3(VctA)
*15(VECTOR)4(VctB)=
2次元同士のベクトルの外積は、3次元ベクトルのz成分を0とし
て計算されます。
A ベクトルの絶対値
- VctC の絶対値を求める
A1w(Abs)
15(VECTOR)5(VctC))=
不等式計算 (fx-995ES のみ) (INEQ)
2次不等式または3次不等式を解くことができます。不等号の種類
と向きは4種類(>、<、≧、≦)から選択することができます。
不等式計算の概要(操作の流れ)
2次不等式の解を求める場合で、操作手順を例示します。表示形式
「自然表示入力 - 自然表示出力」に設定します。
1. Nc1(INEQ) と押します。
u 右のようなINEQ タイプ選択画面
が初期表示されます。
2. ここでは1aX2+bX+cを押して
2次不等式を選択します。
u 右のような不等号タイプ選択画面
が表示されます。
3. 不等号の種類と向きを選択します
ここでは2aX2+bX+c 0を押
します。
u 右のような係数エディタ画面が表
示されます。
VCT
VCT
Math
– 72 –
4. 不等式の係数を入力します。
u ここでは例としてX2+2X–3 0を解くとして、各係数a=1
b=2c=–3を入力します。
1=2=y3=
5. =を押します。
u 解が表示されます。
不等式計算のタイプについて
本機では次のタイプの不等式計算が可能です。
キー 不等号タイプ選択画面表示 不等式計算タイプ
11 aX2+bX+c 02次不等式
12 aX2+bX+c 0
13 aX2+bX+c 0
14 aX2+bX+c 0
21 aX3+bX2+cX+d 03次不等式
22 aX3+bX2+cX+d 0
23 aX3+bX2+cX+d 0
24 aX3+bX2+cX+d 0
A 不等式計算のタイプを切り替えるには
,c1INEQを押すと表示されるメニューから、選び直しま
す。このとき、係数エディタの係数はすべて0に戻ります。
係数の入力について
係数の入力については、方程式計算の場合とほぼ同じです。58 ペー
ジの「係数の入力について」を参照してください。
解の表示について
解の表示中に=またはAを押すと、係数エディタ画面に戻り
ます。
解の表示中は、ENG 表示変換機能は使えません。
ライン表示では、解は次のように表示されます。
Math
Math
– 73 –
- 3x3 + 3x2x0の解
a
特殊な解の表示について
2次不等式の解がすべての数となった場合、解はAll Real
Numbersと表示されます。
- x20の解
A ,c1(INEQ)1(aX2+bX+c)
3(aX2+bX+c 0)
1=0=0==
2次不等式の解が存在しない場合はNo-Solutionと表示されま
(例:X20の解など)
分布計算 (fx-995ES のみ) (DIST)
本節の計算を行う際は、DIST モードにします。
分布計算の概要(操作の流れ)
1. Nc2DISTと押します。
u 右のようなDIST タイプ選択画面
初期表示されます。
2. ここでは1Normal PDを押して
正規確率密度を選択します。
u 右のような変数入力画面が表示さ
れます。
3. 変数を入力します。
u ここでは例としてx36235 と入力します。
36=2=35
4. 最後の変数を入力した後=を押
します。
u 計算結果(正規確率密度)が表示さ
れます。
Math
– 74 –
u =またはAを押すと、最初の変数の入力画面に戻ります。
ヒント
分布計算の演算精度は有効桁数6桁になります。
A 分布計算のタイプについて
分布計算のタイプは、DIST モードに入ると表示されるDIST タイプ
選択画面で選ぶことができます。
キー 選択画面表示 分布計算タイプ
1Normal PD 正規確率密度
2Normal CD 正規分布確率
3Inverse Normal 累積正規分布の逆関数
4Binomial PD 二項確率
c1Binomial CD 二項累積確率
c2Poisson PD ポアソン確率
c3Poisson CD ポアソン累積確率
分布計算のタイプを切り替えるには
!1STAT/DIST1Typeを押すとDIST タイプ選択画面が表
示されるので、切り替えたいタイプを選択します。
変数の入力について
分布計算で入力する変数は次のようになります。
正規確率密度 …… x
正規分布確率 …… LowerUpper
累積正規分布の逆関数 …… Area Tail Left 固定)
二項確率、二項累積確率 …… x (またはListNp
ポアソン確率、ポアソン累積確率 …… x (または List
x=データ=標準偏差 > 0=平均Lower =下界
Upper =上界Tail =確率値のTail 指定Area =確率値0
Area 1List =標本データのリスト、N=試行回数、p=成功
確率0p1
標本データのリストについて
二項確率、二項累積確率、ポアソン確率、ポアソン累積確率の計算
では、変数(パラメーター形式)の代わりに標本データを入力して計
算することもできます。標本データは次のようなリスト画面で入力
します。入力できる標本データは25 個までです。計算結果もリス
ト画面で表示されます。
– 75 –
u 標本データを変更するには
変更したい標本データにカーソルを移動して、新しい標本データ
を入力して=を押します。
u 標本データを削除するには
削除したい標本データにカーソルを移動して、Dを押します。
u 標本データを挿入するには
挿入する位置にカーソルを移動して!1STAT/DIST
2Edit1Insと押してから、標本データを入力します。
u すべての標本データを削除するには
!1(STAT/DIST)2(Edit)2(Del-A) と押します。
分布計算の計算例
- 標本データ={10, 11, 12, 13, 14}N15p0.6 のとき
二項確率を計算する。
,c2(DIST)4(Binomial PD)
リスト画面にする: 1(List)
パラメーター形式でデータを指定する場合は2Varを押し
ます。
10=11=12=
13=14=
=15=0.6=
カーソル位置の数値
分布計算の種類
Ans: 計算結果X: 標本データ
– 76 –
ecccc
計算結果: x10 の二項確率:0.1859
x11 の二項確率:0.1267
x12 の二項確率:0.0633
x13 の二項確率:0.0219
x14 の二項確率:4.7 ×10–3
=を押すとNの入力に戻ります。Aを押すとリスト画面に戻
ります(入力した標本データは保持されています)
ご注意
Pol(Rec(÷R(d/dx(の関数は使用できません。
パラメーター形式でデータを指定した場合、計算結果がアン
サーメモリーに保存されます。
変数に入力した数値に誤りがあると、エラーメッセージを表示
します。標本データに入力した数値に誤りがあると、リスト画
面のAns 列にERRORを表示します。
科学定数
本機は科学技術計算でよく使われる40 種類の定数を内蔵しており
呼び出して計算に利用することができますBASE-N モードを除
く)
科学定数の使い方
A 科学定数を入力するには
1. 17CONSTを押します。
2. 科学定数に対応した2桁の番号01 40を入力します。
u 2桁目の数値を入力すると同時に、対応する科学定数を表す記
号が演算画面に入力されます。
u =を押すと、入力した科学定数の数値が表示されます。
Math
– 77 –
A 科学定数を使った計算例
- 真空中の光速度を求めるc0 = 1/ ε0 0
μ
COMP モード)
A
1/!17(CONST)32(ε0)
17(CONST)33(0)=
A 科学定数一覧
No. 科学定数 記号 単位 No. 科学定数 記号 単位
01 陽子の静止質量 mp kg 02
中性子の静止質量
mn kg
03 電子の静止質量 me kg 04
粒子の静止質量
mμ kg
05 ボーア半径 a0m06プランク定数 hJs
07 核磁気 NJT
–1 08 ボーア磁子 BJT
–1
09
換算プランク定数
HJs 10 微細構造定数 α
11 電子の半径 re m 12
電子のコンプトン
波長
λcm
13 陽子の磁気回転比 γps
–1T
–1 14
陽子のコンプトン
波長
λcp m
15 中性子のコンプト
ン波長 λcn m 16 リュードベリー定
Rm–1
17 原子質量単位 ukg18
陽子の磁気モーメ
ント pJT
–1
19 電子の磁気モーメ
ント eJT
–1 20 中性子の磁気モー
メント nJT
–1
21 粒子の磁気モー
メント  JT
–1 22 ファラデー定数 F C mol–1
23 電気素量 eC24アボガドロ定数 NA mol–1
25 ボルツマン定数 kJK
–1 26 理想気体の標準体
Vm m3mol–1
27 モル気体定数 R J mol–1K–1 28 真空中の光速度 C0ms–1
29 放射第一定数 C1Wm230 放射第二定数 C2mK
31 ステファン-ボル
ツマン定数 σWm–2 K–4 32 真空の誘電率 ε0Fm–1
33 真空の透磁率 0NA–2 34 磁束量子 0Wb
35 重力加速度 gms
–2 36 コンダクタンス量
G0S
37 真空の特性イン
ピーダンス Z0Ω38 セルシウス温度 tK
39 万有引力定数 Gm
3kg–1s–2 40 標準大気圧 atm Pa
CODATA2010 年)のデータに準拠。
Math
– 78 –
原子量(周期表表示) (fx-995ES のみ)
本機は化学計算でよく使われる118 種類の元素の原子量を内蔵して
おり、呼び出して計算に利用することができますBASE-N モード
を除く)
原子量の使い方
ここでは、COMP モードでスカンジウム(元素記号:Sc、原子番号:
21の原子量を表示する場合で、操作手順を例示します。
1. S9ATOMICを押します。
u ATOMIC メニューが表示されます。
2. 1Periodic Table
押します。
u 周期表が表示されます。
u 原子量は最大9桁まで表示
されます。
3. fcde を使ってスカンジウムの位置にカーソルを移動さ
せます。
4. =を押します。
u AtWt コマンドに続けてスカンジウ
ムの原子番号が演算画面に入力さ
れます。
5. =を押します。
u スカンジウムの原子量の数値が表
示されます。
周期表で、ランタノイドまたはアクチノイドにカーソルがある
とき=を押すと原子番号57 または89 の元素の位置にカーソ
ルが移動します。
元素の原子番号を直接入力する方法もありますATOMIC
ニューで2AtWtを押すとAtWt コマンドが入力されます
原子番号1118 の整数)を入力して=を押すと、その元素の
原子量の数値が表示されます。
周期表の表記や値は、年や書籍によって若干の違いがあります
ご使用の前に目的にあった資料を参照してください。
原子量は、2009 年のIUPAC International Union of Pure and
Applied Chemistryを元にしています。
原子量が で囲まれているものは同位体のうち、よく知られた
元素の原子量です。
原子番号
カーソル
元素記号
原子量
Math
Math
– 79 –
単位換算
インチinからセンチメートルcm、グラムgからオンスoz
ように、ある単位の数値を異なる単位の数値に換算することができ
ます。BASE-N モード、TABLE モードを除く)
換算には、本機が内蔵している単位換算コマンドを使います。
単位換算コマンドの数:
fx-375ES ............................ 100 200 種類 No.001200
fx-915ES/fx-995ES ............ 111 222 種類 No.001222
単位換算コマンドの使い方
単位換算コマンドは、換算元の数値(または計算式)の直後に入力し
て使います。
操作1 { 数値}S8('Conv){3 桁番号}=
操作2 { 数値}18(CONV){2 桁番号}=
操作13桁番号の入力時、001099 の場合は頭の0を省略する
こともできます。
操作2の単位換算コマンドはNo.01No.40 までの入力が可能で
す。
A 操作 1の計算例
1 5センチメートルcmをインチinに換算するCOMP モー
ド)
a
1. 換算元の数値を入力します。ここで
5を押します。
2. S8'Convを押します。
3. 単位換算コマンドに対応した3桁の
番号を入力します。ここでは0
02cm'inを入力してくださ
い。
– 80 –
4. =を押します。
u 単位換算が実行され、結果の数値
が表示されます。
2 –31°C が何°F なのか調べる
a y31S8('Conv)
038(°C'°F)=
A 操作 2の計算例
- 5センチメートルcmをインチinに換算するCOMP モー
ド)
a
1. 換算元の数値を入力します。ここでは5を押します。
2. 18CONVを押します。
3. 単位換算コマンドに対応した2桁の番号01 40を入力します。
ここでは02cm'inを入力してください。
u 2桁目の数値を入力すると同時に、対応する単位換算コマンド
が演算画面に入力されます。
4. =を押します。
u 単位換算が実行され、結果の数値
が表示されます。
単位換算コマンド一覧
No. コマンド表示 No. コマンド表示 No. コマンド表示
001 in'cm 002 cm'in 003 ft'm
004 m'ft 005 yd'm 006 m'yd
007 mile'km 008 km'mile 009 n mile'm
010 m'n mile 011 acre'm2012 m2'acre
013 gal(US)'R014 R'gal(US) 015 gal(UK)'R
016 R'gal(UK) 017 pc'km 018 km'pc
019 km/h'm/s 020 m/s'km/h 021 oz'g
022 g'oz 023 lb'kg 024 kg'lb
– 81 –
025 atm'Pa 026 Pa'atm 027 mmHg'Pa
028 Pa'mmHg 029 hp'kW (UK) 030 kW'hp (UK)
031 kgf/cm2'Pa 032 Pa'kgf/cm2033 kgf • m'J
034 J'kgf • m 035 lbf/in2'kPa 036 kPa'lbf/in2
037 ̊F'̊C 038 ̊C'̊F 039 J'cal
040 cal'J 041 'm 042 m'
043 fm'm 044 m'fm 045 ch'm
046 m'ch 047 AU'm 048 m'AU
049 l.y.'m 050 m'l.y. 051 Mil'm
052 m'Mil 053 fath'm (US) 054 m'fath (US)
055 b'm2056 m2'b 057 a'm2
058 m2'a 059 ha'm2060 m2'ha
061 ft2'cm2062 cm2'ft2063 in2'cm2
064 cm2'in2065 mile2'km2066 km2'mile2
067 R'm3068 m3'R069 bu'R (US)
070 R'bu (US) 071 bbl'R072 R'bbl
073 ton'm3074 m3'ton 075 fl_oz(US)'mR
076 mR'fl_oz(US) 077 fl_oz(UK)'mR078 mR'fl_oz(UK)
079 ft3'm3080 m3'ft3081 in3'm3
082 m3'in3083 mton'kg 084 kg'mton
085 ton(long)'kg 086 kg'ton(long) 087 ton(short)'kg
088 kg'ton(short) 089 mcarat'mg 090 mg'mcarat
091 r'rad 092 rad'r 093 t-yr's
094 s't-yr 095 min's 096 s'min
097 h's 098 s'h 099 day's
100 s'day 101 mile/h'm/s 102 m/s'mile/h
103 knot'm/s 104 m/s'knot 105 Gal'm/s2
106 m/s2'Gal 107 N • m'dyn • cm 108 dyn • cm'N•m
109 dyn'N 110 N'dyn 111 lbf'N
112 N'lbf 113 kgf'N 114 N'kgf
115 bar'Pa 116 Pa'bar 117 dyn/cm2'Pa
118 Pa'dyn/cm2119 lbf/in2'Pa 120 Pa'lbf/in2
121 cmH2O'Pa 122 Pa'cmH2O 123 inHg'Pa
124 Pa'inHg 125 erg'J 126 J'erg
127 eV'J 128 J'eV 129 Btu'J
130 J'Btu 131 calIT'J 132 J'calIT
133 calth'J 134 J'calth 135 W • h'J
136 J'W • h 137 Btu/h'W 138 W'Btu/h
– 82 –
139
cal
th
/(g•K)
'
J/(kg • K)
140
J/(kg • K)
'
cal
th
/(g • K)
141 P'Pa • s
142 Pa • s'P 143 St'm2/s 144 m2/s'St
145 G'T 146 T'G 147 Oe'A/m
148 A/m'Oe 149 Mx'Wb 150 Wb'Mx
151 γ 'T 152 T'γ153 sb'cd/m2
154 cd/m2'sb 155 ph'lx 156 lx'ph
157 Ci'Bq 158 Bq'Ci 159 rad'Gy
160 Gy'rad 161 rem'Sv 162 Sv'rem
163 R'C/kg 164 C/kg'R 165 'm
166 m'167 'cm 168 cm'
169 'mm 170 mm'171 'm
172 m'173 (長さ)'m 174 m'(長さ)
175 'km 176 km'177 海里'km
178 km'海里 179 'm2180 m2'
181 'm2182 m2'183 'm2
184 m2'185 (面積)'m2186 m2'(面積 )
187 'R188 R'189 'cm3
190 cm3'191 'R192 R'
193 'R194 R'195 'kg
196 kg'197 'g 198 g'
199 'g 200 g'201 'm
202 m'203 'mm 204 mm'
205 'mm 206 mm'207 'm2
208 m2'209 'm2210 m2'
211 'm2212 m2'213 'R
214 R'215 'R216 R'
217 'g 218 g'219 'g
220 g'221 'g 222 g'
* cal 15̊Cにおける値を採用しています。
No.001164177178 は、NIST Special Publication 811 (2008)
のデータに準拠。
No.165176179222 は、昭和26 年法律「計量法」に準拠。
(UK) はイギリス、(US) はアメリカを意味します。
No.083084 mton は、ton, metric (t) を意味します。No.089
090 mcarat は、carat, metric を意味しますNo.091092
rad 、ラジアンを意味しますNo.159160 rad 、吸収線
量の単位のラドを意味します。
– 83 –
技術情報
計算の優先順位
本機では、入力した式が次の優先順位に従って計算が実行されます。
基本的に左から右へと計算が実行されます。
カッコが使用された場合、カッコ内の計算が最優先されます。
個別の演算命令ごとの優先順位は、次の通りです。
順位 演算命令の種類 該当記号と解説
1カッコ付き関数 13 ページを参照してください。
2後置関数
正規分布
パーセント
べき乗、べき乗根
x2, x3, x–1, x!, ̊ , ̊, r, g
't
%
^(, x'(
3分数 a b/c
4前置記号 (–) (負符号)
d, h, b, o n進記号)
5単位換算コマンド
統計の推定値計算
cm'in など79 ページ参照)
'Conv
m, n, m1, m2
6乗算省略 πe、変数メモリー、統計メモリー、科学定数
AtWt コマンドfx-995ES のみ)の直前の乗算省略
2π, 5A, πA, 3mp, 4AtWt 1 など)、カッコ付き関
、前置関数(負符号は除く)の直前の乗算省略
7順列、組合せ
複素極形式シンボル
nPr, nCr
8内積 (ドット)fx-915ES/fx-995ES のみ)
9乗除算 ×, ÷, 余り計算÷R
0加減算 +,
!論理積 and
@論理和、排他的論理和
排他的論理和の否定
or, xor, xnor
ヒント
負数を使った計算では、負数にカッコを付ける必要がある場合
があります。例えば–2 2乗」を計算したい場合は2後置関
x2の優先順位が4前置記号である負符号よりも優先順位が
高いため、–2
2と入力することが必要です。
y2w= –22–4
(y2)w= (–2)24
– 84 –
スタック数の制限について
本機には優先順位の低い計算数値や計算命令(関数など)を一時的に
記憶する「スタック」と呼ばれるメモリーがあります。数値用のス
タックは10 、命令用のスタックは24 段まで使用できます。数値
用、命令用のスタックは、それぞれ次のように数えます。
数値用スタック 命令用スタック
12451×5×
23542(6(
34
3(7
4
スタック数を超えて計算式を入力し、計算を実行しようとすると、
スタックエラーStack ERRORとなります。
A モードに応じた特殊なスタックの数え方について
CMPLX モードでは、入力した数値が実数、複素数のいずれの
場合でも1つの数値で2つの数値用スタックを使用します
CMPLX モードでの数値用スタックは、5段となります。
MATRIX モードでは、3段の行列用スタックが利用可能です。
また、行列の2乗、3乗および逆行列の計算時も、行列用スタッ
クを1段使用します。
VECTOR モードでは5段のベクトル用スタックが利用可能で
す。スタックの数え方は、MATRIX モードでの行列用スタックと
同様です。
行列演算、ベクトル演算では数値用スタックも使われます。
演算範囲・演算桁数・精度について
実行する計算に応じて、本機の演算範囲、内部演算桁数、精度は次
の通りです。
演算範囲と精度
演算範囲 ±1×10–99 ∼± 9.999999999 ×1099 および0
内部演算桁数 15
12345
1 2 3 4 5 6 7
– 85 –
精度 原則として1回の計算につき10 桁目の誤差が±1となりま
。指数で表示する場合には誤差は表示されている仮数
表示の最下位桁において±1となります。連続して計算を
行った場合は、この誤差が累積されます。
関数計算時の入力範囲と精度
関数 入力範囲
sin x
cos x
DEG 0x9 × 109
RAD 0 x 157079632.7
GRA 0x1 × 1010
tan x
DEG sin xと同様、ただし、x= (2n–1) × 90 を除く
RAD sin xと同様、ただし、x= (2n–1) × π/2 を除く
GRA sin xと同様、ただし、x= (2n–1) × 100 を除く
sin–1x
0x1
cos–1x
tan–1x0x9.999999999 × 1099
sinh x
0x230.2585092
cosh x
sinh–1x0x4.999999999 × 1099
cosh–1x1x 4.999999999 × 1099
tanh x0x9.999999999 × 1099
tanh–1x0x9.999999999 × 10–1
log x / ln x0x 9.999999999 × 1099
10x–9.999999999 × 1099x 99.99999999
ex–9.999999999 × 1099 x 230.2585092
'x0 x 1 × 10100
x
2x 1 × 1050
x
–1 x 1 × 10100 ; x G 0
3'xx 1 × 10100
x!0 x 69x : 整数)
nPr0 n 1 × 1010, 0 r n n, r : 整数)
1 {n!/(nr)!} 1 × 10100
nCr0 n 1 × 1010, 0 r n n, r : 整数)
1 n!/r! 1 × 10100 または 1 n!/(nr)! 1 × 10100
Pol(x,y)x, y 9.999999999 × 1099
x2
+
y2
9.999999999 × 1099
Rec(r,)0 r 9.999999999 × 1099
: sinxと同じ
– 86 –
°’ ”
a, b, c 1 × 10100
秒表示の小数第2位の桁± 1の誤差となります。
0 b, c
x 1 × 10100
60 進数表示は 0°0´0˝ x 9999999°59´59˝
xy
x 0: –1 × 10100 ylogx 100
x 0: y 0
x 0: y n, m
2n+1 m, n : 整数)
ただし、–1 × 10100 y logx 100
x'y
y 0: x G 0, –1 × 10100 1/x logy 100
y 0: x 0
y 0: x 2n+1, 2n+1
m m G 0; m, n : 整数)
ただし、–1 × 10100 1/x logy 100
a b/c 整数・分子・分母の合計が10 桁以内(ただし、区切りマークを含む)
RanInt#(a, b)a b ; a, b 1 × 1010 ; b a 1 × 1010
演算は、基本的には「演算範囲と精度」で示す精度で行われます。
xy, x'
y, 3', x!, nPr, nCrなど内部で連続演算を行うタイプの関数
では、内部での1回の計算ごとに発生した誤差が累積されます。
関数の特異点や変曲点の近傍で、誤差が累積されて大きくなる
ことがあります。
自然表示で、計算結果をπ形式で表示できる数値はx 106
範囲です。ただし、内部演算の誤差によりπ形式で表示できな
い場合があります。また、小数になるはずの計算結果がπ形式に
なってしまう場合があります。
エラーメッセージについて
本機の限界を超える演算を実行しようとしたり、不適切な入力を
行ったりすると、エラーメッセージが表示されます。
A エラーメッセージへの対処
dまたはeを押すとエラーメッセージが表示される前に入
力した計算式の編集状態に戻ります。このとき、カーソルがエ
ラー位置に移動します。
Aを押すと、エラーメッセージが表示される前に入力した計算
式をクリアします。計算式をはじめから入力し直す場合は、こ
の操作を行ってください(エラーが発生した計算式は、計算履歴
には残りませんので、ご注意ください)
– 87 –
A エラーメッセージ一覧
メッセージ: Math ERROR
エラー内容 対 処
u 計算の途中経過または結果が演算範囲
を超えている。
u 入力可能な数値範囲を超えた入力を
行った(特に関数の使用時に注意が必
要)
u 数学的な誤り0による除算など)が行
われた。
u 入力した数値を確認し、桁数を減らし
て計算し直す。
u 独立メモリーや変数メモリーを関数の
引数として使っている場合、メモリー
内の数値がその関数で使用可能な範囲
内かを確認する。
メッセージ: Stack ERROR
エラー内容 対 処
u 数値用スタック、命令用スタックを超
える計算式が実行された。
u MATRIXVECTOR モードで行列用/
ベクトル用スタックを超える計算式が
実行された。
u 計算式を簡略化して、使用可能なス
タックの範囲内に納める。
u 計算式を2つ以上に分けて、使用可能
なスタックの範囲内に納める。
メッセージ: Syntax ERROR
エラー内容 対 処
u 計算式の書式に誤りがある。 u 書式の誤りを確認し、計算式を訂正す
る。
メッセージ: Argument ERROR
エラー内容 対 処
u 引数の使い方に誤りがある。 u 引数の使い方を確認し、計算式を訂正
する。
メッセージ Dimension ERROR MATRIX/VECTOR モー
ドのみ)
エラー内容 対 処
u 次元の指定されていない行列メモリー
(またはベクトルメモリーを入力して
計算が実行された。
u 計算が不可能な組み合わせで行列(ま
たはベクトル)計算が実行された。
u 行列メモリー(またはベクトルメモ
リー)の次元を指定してから計算する。
u 計算式に使われている行列(またはベ
クトル)の次元を確認し、計算が実行
可能か確かめる。
メッセージ: Variable ERROR (ソルブ機能のみ)
エラー内容 対 処
u 求解対象が未指定で、かつ入力した方
程式に変数Xが含まれていない。
u 求解対象として指定した変数が入力し
た方程式に含まれていない。
u 求解対象が未指定の場合は、変数X
含む方程式を入力する。
u 方程式に含まれている変数を求解対象
として指定する。
– 88 –
メッセージ: Cant Solve (ソルブ機能のみ)
エラー内容 対 処
u 解を求めることができなかった。 u 求解対象の変数の値を、解に近いと思
われる値を入力して実行してみる。
メッセージ: Insufficient MEM
エラー内容 対 処
u テーブル計算で、最大個数を超える条
件で数値テーブルを生成しようとし
。最大個数は、セットアップのテー
ブル設定でf(x)に設定した場合は30
個、f(x),g(x)に設定した場合は20 個で
す。
u テーブル計算にて、計算の実行範囲を
狭くする訂正を行い、再度実行してみ
る。
メッセージ: Time Out
エラー内容 対 処
u 微分/積分計算にて、解が終了条件を
満たしていない。
u 分布計算にて、解が終了条件を満たし
ていない。
u 微分/積分計算tol 値を現在の値より
大きくすることで、求解条件を緩めて
試してみる(このとき、求解精度は落
ちます)
故障かなと思う前に…
もし計算中にエラーが発生したり、計算結果がおかしい場合、下記
の操作を順番にお試しください。操作を行う前に、大切なデータは
事前にノートなどに書き写してください。
1 計算式が間違っていないか確かめる。
2 計算を行うのに必要な正しい計算モードを選択する。
3 上記の操作を行っても正常に操作できない場合はOキーを押
す。Oキーを押すと、計算機の状態が正常であるかをチェック
する。異常が発見された場合は自動的に計算モードや設定を初
期状態に戻し、メモリーの内容を消去する。
4 19CLR1Setup=Yesと押して、すべてのモードや
設定を初期状態にする。
– 89 –
リファレンス情報
本節では、本機の電源および電池交換について説明します。
電源および電池交換
電源には、太陽電池とボタン電池LR442電源を使ったTWO
WAY POWER システムを採用しています。使用する場所の照度に
制限のある太陽電池のみの関数電卓とは異なり、表示内容が確認で
きる明るささえあれば使うことができます。
A 電池の交換
電池が消耗すると、コントラストを調節しても表示が濃くならな
かったり、本機の電源を入れてもすぐには画面が表示されなかった
りします。このような場合は、新しい電池に交換してください。
ご注意
本機から電池を取り外すと、独立メモリーや変数メモリーなどの内
容は消去されます。
1. 1AOFFを押して、電源を切ります。
u 誤ってOキーを押さないように、本機のハードケースを本機
の前面側にはめ込みます。
2. 図のようにフタを外して、電池を取り出し+の向きを正
しくして新しい電池を入れます。
ネジ
3. フタを取り付けます。
4. O19CLR3All=Yesキーを押して、本機を初期状
態に戻します(必ず、操作してください)
– 90 –
A オートパワーオフ(自動電源オフ)機能
操作完了後、約10 分で自動的に電源オフになります。計算機を再
びご使用になるときには、Oキーを押すと電源オンとなります。
本機を廃棄するときのご注意
「電池の交換」をご覧になり、電池を取り外してから廃棄してく
ださい。
電池が他の金属と接触すると発熱・破裂・発火の恐れがありま
。電池は+端子部をセロハンテープなどで覆って、電
気を絶縁してから廃棄してください。
本機(電卓)や電池の廃棄方法については、お客様がお住まいに
なっている地域の自治体の分別方法に従って処理してください。
仕様
電源:
太陽電池:本体前面に搭載(固定)G13 タイプLR44
×1
電池寿命: 31日に1時間使用した場合)
使用温度: 0˚C40˚C
大きさ: 80 ×奥行162 ×厚さ11.1mm
質量: 95g (電池込み)
付属品: ハードケース
応用例題
土木・測量
? (三角比 I
下図においてA地点からB地点の距離cと角Bがわかっている
とき、A – C 間の距離bB – C 間の距離aは?
b
a
BC
A
60°( )
10m
(c)
θ
a
cb
BC
A
θ
< 三角比を使って計算します。
sin = b
c
cos = a
c
tan = b
a
– 91 –
> sin = b
cを展開して、b = csin
cos = a
cを展開して、a = ccos
az
b = 10 ×sin 60 を求める)
10s60)=
a = 10 ×cos 60 を求める)
10c60)=
同様に辺bと角Bのみがわかっているときは、辺a・辺cは各々
b÷tanb÷sinで求めます。また、辺aと角Bのみがわかっ
ているときは、辺b・辺cは各々a×tana÷cosで求めます。
この例題は、極座標→直交座標変換を使って
も計算できます。
10m
0
60°
P(x,y)
y
x
az
(極座標10, 60を直交座標に変換する)
1-(Rec)10
1)(,)60)=
? (三角比 II
下図において2a b の距離がわかっているとき、角Bは?
< 三角比を使って計算します。
sin = b
c
cos = a
c
tan = b
a
8m
(a)
c5m
(b)
BC
A
θ
a
b
c
BC
A
θ
– 92 –
> tan = b
aを展開して、 = tan–1
()
b
a
az
= tan–1
5÷8を求める)
1t(tan–1)5/8)=
60 進数に変換)
e
同様に辺a・辺cがわかっているときは、cos–1
()
a
cで求めます。
また、辺b、辺cがわかっているときは、sin–1
()
b
cで求めます。
この例題は、直交座標→極座標変換を
使っても計算できます。
5m
8m
0
P(8,5)
r
θ
az
(直交座標8, 5を極座標に変換しr, を求める)
1+(Pol)81)(,)5)=
(変数Yに格納されたを呼び出し、60 進数に変換)
tf(Y)e
? (直接測れない距離)
下図において、角C、角D、辺Aがわかっているとき、Xの距離は?
< 下記の公式を使って計算し
ます。
X = A
sin C
sin (180 – C – D)
A
(50m)
X
C
(61°32’) (49°25’)
D
– 93 –
>
az
CDの値をそれぞれ変数メモリーCDに登録して計算)
61e32e1t(STO)w(C)
49e25e1t(STO) s(D)
50sSw(C))/s180
-Sw(C)-Ss(D))=
? (ヘロンの公式)
下図において、辺a、辺b、辺c がわかっているとき、面積Sは?
< 下記のヘロンの公式を使っ
て計算します。
ただし、
S = s (s – a)(s – b)(s – c)
s = (a + b + c)
1
2
>
az
sを求め、結果を変数メモリーAに登録する)
(50+40+30)
/21t(STO)y(A)
Sを求める)
!Sy(A)(Sy(A)-50
)(Sy(A)-40)
(Sy(A)-30))=
物理
? (斜面上の物体を引く力)
斜面の角度20°、物体の重さW60kg、摩擦係数0.3 のとき
物体を引く力Pは?
< 下記の公式を使って計算し
ます。
a
b (40m)
S
c (30m)
(50m)
P = W (sin + cos )
θθ
μ
θ
(20°)
W
(60kg)
P
– 94 –
>
az 60(s20)+
0.3*c20))=
? (放物運動)
初速V030m/s で投げたボールが50̊ので上がりました
3秒後の高さhは?
< 下記の公式を使って計算し
ます。
(g:重力加速度9.8m/s2)
>
az
30*3*s50)-
2E*9.8*3w=
よくある質問
計算結果が分数で表示されてしまう。
以前の電卓と同じ入力操作、結果表示に切り替えたい。
1N(SETUP)2(LineIO) と押します「セットアップについ
て」10 ページ)をご覧ください。
分数で表示された計算結果を、小数表示に切り替えたい。
割り算を実行したら計算結果が分数で表示されたが、答えを小
数で見たい。
S-D 変換」42 ページ)をご覧ください。
アンサーメモリー、プレアンサーメモリー、独立メモリー、変
数メモリーの違いは?
いずれも1つの数値を一時的に記憶する「入れ物」という点は同じ
です。用途や、いつ何によって中身の数値が更新されるかが異
なります。
アンサーメモリー: 直前の計算結果を次の計算に使うときに便
利です。
V0(30m/s)
θ
(50°)
hh = V0t sin – gt2
θ
1
2
– 95 –
プレアンサーメモリー:
2つ前の計算結果を記憶します。COMP モー
ドでのみ使用可能です。
独立メモリー: 複数の計算結果の総合計を出すときに便利
です。
変数メモリー: 計算に同じ数値を何度も使いまわすときに
便利です。
「M」(独立メモリー)シンボルが消えない。独立メモリーをクリ
アする方法は?
01tSTOmと操作します。
統計計算モードやテーブル計算モードに切り替えたら、普通の
計算ができなくなった。購入時の計算モードに戻す方法は?
N1COMPと操作します。
FIXまたはSCIシンボルが消えない。購入時と同じ結果表示
に戻す方法は?
1N8Norm1と操作します。
電卓を買ったときの状態に戻す方法は?
19CLR1Setup=Yesと操作します。
累乗の計算方法は?
例: 3 434 364=と操作します。
sin2x の計算方法は?
例: sin2 30 s30)w=sin30
2と操作します。
計算結果を度分秒表示60 進数)に切り替えたい。
計算結果の表示中にeを押します。
例: 3.455 60 進数に変換 3.455=e 3°27´18˝
関数計算を実行したら、昔のカシオ製電卓とまったく違う計算
結果が出るが?
数学自然表示モデルのカッコ付き関数は、引数入力後に)が必
要です。)を省略すると、意図しない範囲が引数となることが
あり、注意が必要です。
例:sin 30 + 15 z
旧製品S-VPAM モデル)の場合: s30+15= 15.5
本製品(数学自然表示モデル)の場合:
a s30)+15= 15.5
この)を省略すると、下のように sin 45 と計算されてしまう。
s30+15= 0.7071067812
151-8543 東京都渋谷区本町1- 6 - 2
SA1208-A
© 2012 CASIO COMPUTER CO., LTD.

Navigation menu